FGOのデータが復活した!!!
酒呑ちゃんやモーさんが帰ってきた!!
まさに踊りたくなる気分です!
それでは、シンフォギアゴーストの新話をどうぞ!!
「なんで貴女が此処にいるんですか、ヘファイスティオン!」
ヘファイスティオン……アレクサンドロス、つまり、イスカンダルと最も親密な関係だった幕僚。
その名を呼ばれた女性は不敵な笑みを浮かべて見せた。
「ほう……何処で知ったかは知らないが、確かに私はヘファイスティオン。偉大なる征服王イスカンダル、第一の腹心だ」
『武瑠、この女……』
「(あぁ、分かっている。人間じゃない)
グレイ殿、彼女と知り合いかな?」
「……彼女は
「サーヴァント……召使、という意味だったか? しかし、俺の記憶が正しければ、歴史上のヘファイスティオンは屈強な男だったはず」
「それは彼女自身がヘファイスティオンではないからです」
伝説曰く、かの征服王の外見は黒髪の小柄、片目は夜の暗闇を、片目は空の蒼を抱くヘテロクロミアとされている。
「つまり、私は存在を偽ることで王を護っていた魔術的な影武者ということだ」
「なるほど、なるほど……ついでにもう一つ。貴殿は英霊、つまりは過去に存在した者の霊体だ。誰によって召喚された?」
「それh「私ですよ」───遅かったじゃないか、マスター」
「貴女が先行し過ぎなんですよ」
ヘファイスティオン……いや。フェイカーと呼ぶべきだろう。彼女の後ろから茶髪の男……学士のキャスターが姿を現した。
「御初にお目にかかります、天空寺 武瑠。私は学士のキャスター。以後お見知りおきを」
「その雰囲気……貴殿も英霊か。しかし、学士のキャスターとは、随分と奇っ怪な名前だな」
「真名を明かせば、それは同時に弱点を晒すことになる。私はフェイカーとは違い、真っ当な英霊ですからね」
「なら、姿を見せるのも真名を明かす鍵になるのでは? 何故、俺たちの前に?」
「彼女の要望ですよ。本来なら彼女を召喚して直ぐ様退散するつもりだったのですが、イスカンダルを召喚しようとしていた貴方の話をした途端に『会ってくる』と言い出しましてね……それで? 会ってみてどうでしたか、フェイカー?」
「まぁまぁといった所だな。自分が一番大変な癖に周りが第一とほざきながら事態を大きくしていき、だが、最終的には自分の力でどうにか出来る。そういう男の立ち振舞いだ。
どうだ? 当たっているだろう」
『『
(俵と沖田は黙ってて)
脳内に響く英霊たちの声にツッコミをいれるが、警戒は一切解かず、何時でも矢を放てるように心構えをしておく。一瞬でも気を抜けば、その瞬間にやられる光景が容易く想像できたからだ。
「ほおぅ……隙も見せないとは、ますます良い。今の世にこれ程の戦士がまだ居たとはな」
「もう良いでしょう、フェイカー。ここから離脱s「断る」……なんですって?」
「この際だ。あの男の実力を見てみたい。静止は聞かん!」
「────ッ!」
両刃の剣を片手に突撃してくるフェイカー。ゴーストは直ぐ様矢を放つが、容易く回避、もしくは切り落とされてしまい、接近を許してしまう。
「接近されては、弓は使えまい!」
「ちッ───」
フェイカーの剣が振るわれる。
───ガキンッ!
「───……ほおぅ。今のを防ぐか」
うっすらと笑みを浮かべるフェイカー。彼女の持つ剣はゴーストには触れておらず、彼はガンガンセイバーで受け止めていた。
「極東の弓使いは近接戦闘も心得ているようだな」
『弓だけじゃあ、武将は務まらんよ!』
「(でも、何時までもつか分からない……なら───)
────おぅらぁ!」
剣を押し返し、ゴーストはガンガンセイバーを振るうが、バックステップで容易く回避されてしまう。
だが、これで距離は開いた。
「沖田!」
『ヨッシャ来たぁぁぁぁぁ! 今度こそ、沖田さんの無双partですね?! 最初から最後までクライマックスpartですよね?!!』
(とりあえず、落ち着け!)
《カイガン! オキタ!》
オキタ魂にゴーストチェンジしたゴーストはサングラスラッシャーを手に神速の斬撃を繰り出す。
それを受け止めたフェイカーは笑顔を深めた。
「今度は極東の剣士か! 何処まで私を楽しませてくれるかな!」
「楽しませるつもりはない!!」
互いに距離を取り、直ぐ様地面を蹴って斬り合う二人。
「アッド、拙たちも───」
「おっと。行かせませんよ?」
助けに入ろうとしたグレイの前に、歯車状のチャクラムを携えた学士のキャスター(以後、キャスター)が立ち塞がる。
「退いてください!」
「敵対者が退けと言われ、退くわけないでしょう。この際、彼女にゴーストを倒して貰い、彼が持つ眼魂を戴くとしましょう」
「そんな事させません! アッド!」
『ちッ! しゃあねぇな!』
グレイは大鎌を手にキャスターへ斬りかかった。
●●●●●●●●●
斬り合いを始めて数分、戦況は徐々に変わりつつあった。
「ほらほらほら! さっきまでの威勢はどうした?!」
「くっ……!」
フェイカーの剣撃を受け流し、回避し続けるゴーストは肩で呼吸をしていた。
別に武瑠自身の体力が無いわけではない。むしろ、ゴーストになってからは疲れる体が無いため疲労感とは無縁になっている。では、何故疲弊しているか。その原因は彼が纏う英霊……沖田にあった。
(まさか、沖田の病弱が俺にも反映されるなんて……)
『すいません。私もここまでになるとは思っておらず……コフっ……』
(脳内会話で血を吐かないで!)
ガキンッ!、と火花を散らし、鍔迫り合いになる二人。
「素晴らしい! 英雄の力を使うと聞き、ただ力に頼るだけの愚か者かと思えば、これ程の戦士だったとは!」
「それはどうもッ……!」
「聞こう! それほどの力を持ち、貴様は何のために戦う?!」
「全ての命を……未来に繋ぐ為だ!」
「全ての命を、だと? ……───笑わせるな!」
サングラスラッシャーを押し返し、フェイカーは強烈な蹴りを放つ。ゴーストは咄嗟にサングラスラッシャーでガードし、何とか踏み留まる事が出来たが、あまりの衝撃に膝をついてしまう。
「かはッ……」
「何故叶いもしない夢を追いかける?
何故叶わないと分かっているのに追いかける?
全ての命を未来に繋ぐなど出来ぬ事は分かっている筈だ! なのに何故夢だと割りきらない! 答えろ!」
「……夢だからさ」
「───!?」
「夢だから……叶わないから追い求める価値がある。夢は人を動かす力なんだ!」
「……貴様もか。貴様も征服王と同じことをほざくか! ならば、その虚しい夢を抱えたまま終わらせてやろう!!」
廊下を蹴り、一瞬にも等しい程の速度でフェイカーが迫る。
武瑠は重たい体を何とか動かして防御しようとするが、間に合わないと覚り、痛みに耐えようと歯を食い縛る。だが、その瞬間、フェイカーの後ろから放たれた一発の黒い弾が彼女の動きを止めた。
弾……魔術の一種『ガンド』が放たれた方向。そこに立っていたのは、
「ウェイバーさん!?」「師匠!」
「……待たせたな」
「これはこれは……意外と早かったですね。あの拘束術式、貴方が解くにはもう十分かかると思っていましたが」
「それは簡単な事だ。何せ───」
「解いたのが私だからね」
「ライネスさんまで」
ウェイバーの後ろから姿を現すライネス。彼女を見た学士のキャスターの顔が歪むが、ウェイバーは彼に目をくれず、フェイカーに顔を向けた。
「久しいな、フェイカー」
「誰だ、貴様は。私は貴様のような事態を一番ややこしくしているクセに自分は苦労人とほざいてるような人間と知り合った覚えはない」
(す、スゴい毒舌……初対面でここまで言うか?)
フェイカーの言葉に若干引いてしまうゴースト。それは近くにいたグレイたちも同じ。
しかし、たった一人だけ……それを真っ正面から受け止める男がいた。
「……その通りだ。かつて、貴様が言った通り、私はケチで、せせこましく、暗くて偏屈で、寝起きが悪い。苦労人でございますという顔をしている癖に、終わってみれば事態を一番掻き回しているような人間だ」
「元兄上、それは自慢するような事じゃないだろう?」
「あぁ……───だが、アイツは、あの男は、そんな私を一人の臣下として認めてくれた。生きろと命じてくれた。すべてを見届け生き存えて語れと命じてくれた。
故に、私は自身を誇ろう」
男は……かつて、一つの戦場で、一人の王と同じ夢を目指した男は声高らかに宣言した。
「私は……───否ッ! 僕はッ! ウェイバー・ベルベットはアイツの、かの征服王の誇り高き臣下だ!!」
その時だった。
ウェイバーの右手……グローブで隠された右手の甲が強く光を放ち始めたのだ。
「これは───!?」
グローブを取るウェイバー。そこには、紅の紋章が眩く輝いていた。
(あの光は!?)
確証はない。しかし、賭けてみる価値はある。
ゴーストはフェイカーに向かって駆け出した。
突然の事に驚くフェイカーだったが、直ぐ様対応。ゴーストに剣を振り下ろそうとする。しかし、剣が触れる直前、ゴーストの姿が霞のように消え去った。
「まさか、霊体化か!?」
ゴーストはフェイカーの横を通りすぎると、実体化し、ウェイバーの前で止まる。
「すいません、ウェイバーさん! すぐに終わりますんで!」
「な、何を───」
狼狽えるウェイバーを余所に、ゴーストは彼の右手に瞳の紋章を描く。すると、紋章が手から離れ、より強い光がゴーストとウェイバーを包んだ。
波の音が鼓膜を震わせ、潮の香りが鼻孔を擽る
目を開けると、ゴーストはウェイバーと共に薄い霧に包まれた水面の上に立っていた。
「……ここ、は?」
見渡す限り一面の海。微かな陸地の影も見えず、見えるのは空と海の境界線だけ。その光景を一言で現すのなら、
「最果ての海」
「最果ての海……? まさか、ここを知ってるんですか?」
「あぁ。かつて、一人の男と……アイツと共に目指した場所だ」
「───その通り。素晴らしい眺めだろう」
「「───!?」」
後ろから聞こえた声に振り返る。
そこには立っていたのは二メートルを越える赤毛の男。彼の放つ威厳やオーラは正に王と呼ぶべき、堂々とした物だった。
『威風堂々』。『王者の威厳』。この二つの言葉が、目の前の男ほど似合う者はいるだろうか? 少なくとも、ゴーストは今まで会ったことがない。
男は歩み寄り、顔を綻ばせ、ウェイバーの肩に手を置いた。まるで、過去に別れ、今再び会い見えた親友のように。
「久しいな、坊主。ちょっと老けたか?」
「……当たり前だ、ライダー。あれから二十七年も経っているんだぞ」
「そうか……それほど経っていたか」
ライダー……そう呼ばれた男は過去を懐かしむように目を閉じる。
「懐かしい……あの戦いを、余は昨日のように思い出せる……お前はどうだ、坊主?」
「俺も同じに決まってるだろ、ライダー……お前と一緒に戦った日々だぞ。忘れる訳ないだろッ……」
ウェイバーの頬に一筋の涙が流れる。その涙の意味をゴーストは知らない。
「───さて。余がこうして呼ばれたが、呼んだのは坊主か?」
「いや。僕じゃない。お前を呼んだのはこの少年だ」
ウェイバーに紹介され、武瑠は少しだけ身構えてしまう。ライダーはそんな武瑠に一つだけ質問をした。
「小僧。余を呼び寄せたということは、新たな戦いが始まろうとしているのだろう。
お前はその戦いで、何の為に剣を取る?」
「……全ての命を未来に繋ぐ為」
「それがどれ程難しく、儚い物だと分かっているのか?」
「分かってる。命が消えるときは一瞬で消える……それは自分が一番分かってる。それでも、俺は全ての命を未来に繋ぐ為に戦う!」
「強欲……そして、傲慢だな」
「そのくらいじゃないと、今まで力を貸してくれた皆に顔向けできないからね」
「……───良かろう! ならば、余の力……征服王イスカンダルの力を持って、その夢を叶えてみせよ!!」
次の瞬間、ゴーストの視界は光に包まれた。
●●●●●●●●●
瞼越しでさえ、眩しく思えた光が徐々に収まっていく。そこまで時間が建ってないのか、ウェイバーの側にいたライネスは何が起こったのかと困惑している。それはヘファイスティオンやグレイ、学士のキャスターも同じ。唯一違う所を挙げれば、
その眼魂は初めて見るモノだが、どうしてか、それに込められた英雄の魂に言われた気がした。我が力を存分に振るうがいい、と。
「この気配……まさか、貴様───!?」
縁があるからなのか、または別の理由か。フェイカーはゴーストの持つ眼魂が誰のモノか分かったようだ。
ゴーストはフェイカーの方へ向き直り、その眼魂……『イスカンダル眼魂』のスイッチを押した。
「いきます、ウェイバーさん」
「───見せてくれ。君に託された、アイツの力を!」
《アーイ!
バッチリミナー!
バッチリミナー!》
《カイガン! イスカンダル!
威風堂々! 征服王!》
オキタゴーストが霧散し、代わってマントをたなびかせた紅色の袖無しパーカーが纏われ、頭部のマスクもウェイバーの手の甲に刻まれていた紋章と同じ紋章が描かれたモノへ変わる。
その背中を見たウェイバーは、かつて何度も見てきた男の背中と重ねる。
その姿こそ、ゴーストが征服王に託された力。
その名を仮面ライダーゴースト イスカンダル魂。
「(この気配……間違いない……!)
貴様が……貴様ごときが認められたというのか! 征服王に!」
顔に怒りを浮かべたフェイカーが斬りかかってくる。しかし、その斬撃をゴーストはガンガンセイバーで容易く受け止めた。
「くッ───」
「……ヘファイスティオン。イスカンダルの影武者を務めし者よ。貴様の剣では余を斬ることは出来ぬ」
「……───黙れ!」
フェイカーがまばたきの間を与えぬ程の連撃を繰り出すが、ゴーストはその一つ一つを確実にいなし、受け止め、最後には剣を上に弾き、がら空きになった胴へ拳をぶちこみ、フェイカーの体は廊下を転がった。しかし、フェイカーは痛みに耐えながらも立ち上がり、直ぐ様斬りかかってくる。
ゴーストはガンガンセイバーの瞳の紋章をベルトの瞳と翳した。
《ダイカイガン!
ガンガンミナー!
ガンガンミナー!》
赤雷を纏うガンガンセイバーの刀身。ゴーストはトリガーを押し、フェイカーに向かって振り下ろした。
《オメガブレイク!》
放たれる赤雷。稲妻と同じ速度で迫るそれをフェイカーは避ける術もなく、直撃してしまう。そう思われたのだが、
「令呪を持って命ずる。私のアジトに移動しろ、フェイカー」
直撃する直前、フェイカーの体が一瞬にして消え、獲物を失った赤雷は廊下を破壊しながら突き進んでいく。
「学士のキャスター。貴様、何をした?」
「令呪を切っただけですよ。せっかくの手駒を失うわけにはいかないのでね」
キャスターはグレイから離れ、その姿を消していく。
「いずれ、また会いましょう、仮面ライダーゴースト……そう遠く無い未来、また対峙する時まで……」
その言葉を残し、キャスターはその場を去っていった。
●●●●●●●●●
翌日。武瑠たちは空港にいた。
時計塔で起きた謎の事件。幸いにも死者は出ておらず、負傷者も軽傷者だけだった。武瑠たちはその後始末を手伝おうとしたが、時計塔の事は時計塔で片付けると気持ちだけ受け取られた。
武瑠たちは最後に、見送りに来ていたライネスとウェイバーに別れの挨拶とお礼を言った。
「ライネスさん、ウェイバーさん。先日はお世話になりました」
「こっちも良い体験をさせてもらったよ。君たちは毎日さんな出来事に遭遇しているのかい?」
「別に毎日って程じゃないんですけどね」
「……天空寺 武瑠。先日はすまなかった」
「いえ。そこまで気にしてはいないんで大丈夫です。
……あ、そうだ。これ、ウェイバーさんに」
武瑠はポケットからイスカンダル眼魂を取り出し、それをウェイバーに差し出す。あの世界でイスカンダルとウェイバーのやり取りを見た武瑠は自分よりも彼がイスカンダル眼魂を持つべきだと考えたのだ。
しかし、
「いや。それは君が持っていてくれ。私はまだアイツの隣に立てない。いずれ、その時が来たときに君の元へ取りに行く。それまで預かっていてくれないか?」
「……分かりました。任せてください」
「頼んだぞ……───おっと。これも渡しておこう」
そう言って、ウェイバーは懐から一枚の紙を取り出した。
「あの、これは?」
「請求書だ」
『え゛───!?』
ウェイバーの言葉に、響たちは武瑠の元に集まり、請求書を覗き込み、記載された0の字を数える。
「一、二、三、四……うわぁ……0が六個も並んでいるの始めてみた」
「七百万……なんでこんなにも……」
「それは君たちが破壊した物の修繕費だ」
「え!? あの廊下ってそんなにもするんですか?!」
「いや。その他、窓や備品等も含まれる」
「あのとき、窓は破壊していなかったような……───まさか」
武瑠が視線を向けると、響たちはサッと視線を逸らす。間違いなく、彼女たちがやってしまったのだろう。
「七百万円もS.O.N.G.の経費でおちr「なにを勘違いしているんだい?」───え?」
「請求書をよく見てくれたまえ」
「て、天空寺……これは、
「────」
「今の日本円で言えば、約十億円。これは借金確定だな」
「は、はは……」
あまりの額に、武瑠は乾いた笑みしか浮かべることが出来なかった。
……なお、修繕費は何とか経費で落ちたが、しばらくの間、五人の給料は2割カットになった。
次回の英雄は
鳴かぬなら
殺してしまえ
ホトトギス
感想、評価、お気に入り登録。
心からお待ちしております!