戦士開眼シンフォギアゴースト   作:メンツコアラ

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FGOのデータが復活して、どういうわけかFGO原作のssを書きたいなぁ……と思っているメンツコアラです。
今回は、ちょっとぐだっているかもしれませんが、ご了承ください。
それではどうぞ。





驚愕! 黒き英霊!

 暗く、閉ざされた空間。明かりは壁に取り付けられた松明のみ。

 そこで、一人の男が神秘を起こそうとしていた。

 

 

 素に銀と鉄

 

 礎に石と契約の大公

 

 

 浮かび上がるのは奇跡を起こすため、複雑巧緻に編纂された術式の模様。

 

 

 ───告げる

 

 汝の身は我が元に

 

 我が命運は汝の剣に

 

 

 それは奇跡を引き摺り出すための言葉。

 

 

 汝 三大の言霊を纏う七天

 

 

 武勇を、叡知を求める詠唱。英霊召喚である。

 

 

 来たれ ●●の使い手よ

 

 

 魔法陣から光が溢れ、暗闇の空間を明るく照らす。圧倒的な魔力の本流。しかし、それも数瞬。光は徐々に収まり始めた。

 

「成功したのか?」

 

 横で見ていた女性……フェイカーが、詠唱を唱え終わった男……キャスターに問いかける。その質問に対し、キャスターは見てみろと言わんばかりに顎で示した。

 そこは先程まで魔法陣が浮かび上がっていた場所。その中心に、黒いマントを羽織った黒鎧姿の銀髪少女が立っていた。

 

「サーヴァント・アヴェンジャー。召喚に応じ、参上しましt───って、あら? 同業者(サーヴァント)じゃない。もしかして、貴方が私のマスターかしら?」

 

「……マスター。こいつは?」

 

「救国の聖女 ジャンヌ・ダルク───と、言いたいところだが、本人はお気に召さないようだな?」

 

 そう言って、キャスターは殺気を飛ばしてくる少女……アヴェンジャーに視線を向ける。

 

「当たり前よ。あの女と私を同じにしないでくれる? 私の事はアヴェンジャーと呼びなさい」

 

 殺気と共に、怒気の籠った視線を向ける少女……アヴェンジャーに対して、フェイカーは頭を抱えた。

 

「こんな短気な奴が我々の力と成りうるのか?」

 

「それはどういう意味かしら?」

 

「言葉通りの意味だ、田舎娘。復讐者(アヴェンジャー)……復讐に囚われる奴ほど、自身の身を滅ぼしかねないからな」

 

「あら? とある王様に執着してるような奴に言われたくはないんですが」

 

 二人の間に火花が散る。それを側で見ていたキャスターは、呆れたと言わんばかりに溜め息を吐いた。

 

「下らない争いもそこまでにしろ……アヴェンジャー。早速だが、貴様にはあることをしてもらう」

 

「何なりと御命令下さい、マスター……とでも言えばいいかしら?」

 

「好きにしろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本に帰国してから数日。大天空寺では、食器を洗う武瑠と調、その手伝いをするマリアとセレナの姿があった。

 

「───はぁ……」

 

「……ちょっと。いい加減に溜め息を吐くのやめてくれない?」

 

「マリア姉さん。言いすぎだよ。武瑠さんだって、好きで溜め息を吐いてる訳じゃないんだから」

 

「それは分かってるわ。だけど、聞き忘れていたのは武瑠自身も忘れていのでしょう? 自分の父親の事を忘れるかしら?」

 

 あの後、飛行機の中。クリスの一言で武瑠の父親……龍の事を聞き忘れていた事を思い出した武瑠たちだったが、生憎、ウェイバーの電話番号を知らない。もう一度ロンドンに行こうと思っても、時計塔の弁償代で経費は暫く落ちないだろうし、自費で行こうにも家計を担う武瑠にはロンドン行きは高過ぎる。

 結果、今に至る……と、マリア、セレナの二人は考えている。だが、

 

「……マリア。それだけじゃない」

 

「なんですって?」

 

「……あれ」

 

 調が視線で示す先。そこには魔術師が首にボードを下げて正座していた。

 

「武瑠くん。かれこれ一時間は正座させられているんだけど、そろそろ足を崩していいかな?」

 

「ダメです」

 

「まったく……眼魂の情報を持ってきただけなのに、私が何をしたというんだい?」

 

「首のボードをよく見ろ!」

 

「うん。『私は他人の大切なチョコレートを食べました』と書かれているね。それがどうかしたのかい?」

 

「どうかしたのかい、じゃない! 貯金を切り盛りして、ちょっとお高いチョコをやっと買ったのに! それを全部食べるなんて!」

 

「いやぁ。珍しい物があったからつい。スゴく美味しかったよ」

 

「悪気なしか!」

 

 楽しみにしてたのに、と涙を流す武瑠。つまりは好物を食べれなく、ふてくされていたのだ。面倒くさいと言われるかもしれないが、食べ物の恨みとはそれほどの物なのだ。

 

「……武瑠先輩、落ち着いて」

 

「魔術師さん。眼魂の情報を持ってきたというのは本当ですか?」

 

「教えたら、正座崩していい?」

 

「検討してあげます」

 

「では、語ろう。

 

 鳴かぬなら

  殺してしまえ

    ホトトギス

 

 これが次の英雄に関するヒントだよ」

 

「今のはHAIKUですよね? ということは、日本の英雄ですか?」

 

「その通り。その英雄の名前は織田 信長。第六天魔王と呼ばれた、今も語り継がれている偉大な武将だ……さて。情報も与えたんだし、崩してもいいよね?」

 

「武瑠さん、どうします?」

 

「続行で」

 

「ちょっと待って!? セレナくんが検討してくれるんじゃないの!?」

 

()()()()()()なんて一度も言っていませんよ?」

 

「是非もないネ!」

 

 

「お兄ちゃん。今、大丈夫d───どうしたんデスか?」

 

「……気にしなくていいよ、切ちゃん。どうしたの?」

 

「お客さんデス。何でも、相談に来たそうデスよ」

 

「あ~……調、後は任して大丈夫?」

 

「……問題なし」

 

「武瑠さん。相談って?」

 

「お客様のプライベートもあるから詳しいことは言えないけど、大雑把に説明すると」

 

 ───人生相談かな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所は変わって居間。武瑠は机を挟んで、スーツを着た小太りの男性と面会していた。

 

「粗茶ですけど、どうぞ。えっと……」

 

「あ、畔田(くろだ) 英佳(ひでよし)と申します……あの、ここでは住職が相談相手だと聞いたのですが……」

 

「すいません。今、住職は外出していまして、代理で私が対応させて頂きます。もちろん、住職にも話は通しますので御安心を」

 

「はぁ……」

 

 武瑠と男性が話す中、居間の外で襖の隙間から様子を伺うマリアたちの姿があった。

 

「……あれ、なに?」

 

「……大天空寺では、こうやって悩む人の助けになるように相談所的な役割も担っている」

 

「御成さんが始めたみたいデス」

 

「それで、御成さんが居ないときは武瑠が代わりにって訳ね。でも、お寺の住職が人生相談なんて出来るの?」

 

「問題ないデスよ?」

 

「……御成さん、弁護士資格を持ってる」

 

「えっ!?」

 

「御成さんって何者なの?」

 

「……御成さんは大天空寺七不思議の一つ」

 

 

 

 

 襖の外から感じる視線は放っておいて、武瑠は男性から名刺を受け取った。

 

「千石カンパニー……これまた大企業の」

 

「はい。自分はそこの部長を勤めさせて貰っています」

 

 畔田が言うに、千石カンパニーは元々小さな会社だったが、現社長の橋場 信良によって日本でもトップレベルの大企業となったそうだ。

 橋場は人柄も良く、部下からの信頼も厚いらしい。

 

「実は相談というのは、その橋場社長の事なんです。最近になって、突然他企業をどんどん買収し始めて───」

 

 

 

 

 

 

『目指すは全国制覇だ。その為に他企業の買収を続ける』

 

『そんな!? いくら何でも無謀すぎます! 社長らしくありません!』

 

『口出しするな! お前の代えなんか幾らでもいるんだ。クビにしてもいいんだぞ?』

 

 

 

 

 

 

 

「以前の社長ならあんな事は言わない。もう別人のようになってしまい……」

 

「突然人柄が変わった……何か、切っ掛けになるような出来事に心当たりはありませか? 例えば、友人が亡くなったとか」

 

「いえ。そんな事は……───待てよ。そういえば……」

 

「どうかされましたか?」

 

「実は最近、会社で不可思議な出来事が……」

 

「不可思議な、と言いますと?」

 

「実は───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「突然物が壊れたり、浮いたりねぇ」

 

 場所は変わって、地下のS.O.N.G.本司令室。面会を終えた武瑠は弦十郎や了子たちに畔田が言っていた不可思議な出来事について訪ねてみた。

 

「現実的に考えて、そんなことってあり得ます?」

 

「単純に見間違いって可能性もあるわ。物の破損も経年劣化とか色々あるだろうし」

 

「それなんだけど、その破損が何かで切られたような感じみたいで」

 

「なら、別の要因だな。どうせなら直接行って、調べて来たらどうd───といっても、一人で行かせるのはな……」

 

「響は今日、赤点を取った試験の追試で未来はその付き添い。クリスは友達と出掛けています」

 

「翼だけでもと言いたいが、翼も今日は新作CDの打ち合わせで不在だ」

 

「なら、あの子たちを連れて行ってあげたら?」

 

「あの子たちって……まさか?」

 

「そのまさかよ」

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

 

 

 

「───というわけで、久しぶりの外デース!」

 

「……イエーイ♪」

 

 数時間後。武瑠はマリアたち四人と一緒に千石カンパニー本社まで来ていた。

 

「ちょっと! 周りの人が居るんだから静かにして! ただでさえ、私たちは世界的に見ても色々と問題を抱えているのよ」

 

「大丈夫だよ、マリア姉さん。その為に了子さんがこれを渡してくれたじゃない」

 

 セレナは了子から渡された眼鏡をクイッと指で押し上げる。彼女だけではない。マリアたち四人は普段着けることはない眼鏡を掛けていた。

 実はマリアたちの眼鏡(これ)、了子&ダ・ヴィンチの発明品。掛けた人は他人から『人』として認識されるが、『個人』として認識はされなくする認識阻害装置なのだ。

 

「これさえあれば、普通に出歩くことが出来ます」

 

「そうは言っても何かの拍子に外れたりしたら……」

 

「大丈夫ですよ。了子さんが言うに、それには微弱な静電気でどんな事があっても外れないようにしているらしいですから」

 

「……というか、なんで武瑠(あなた)は私たちを認識出来てるのよ」

 

「了子さんから認識阻害を阻害する装置を貰いましたから」

 

「都合良すぎない?」

 

「気にしたら負けです」

 

 武瑠たちはロビーへ向かい、受付で畔田を呼んで貰うよう頼んだ。その数分後、畔田が走ってやって来た。

 

「天空寺さん、来てくれたんすね……で、

そちらの方々は?」

 

「俺の連れです。お気になさらず。それよりも現場に連れて行って貰えますか?」

 

「はい。それでは此方に……」

 

 畔田の案内で遥か上の階にある営業部へ向かう武瑠たち。

 エレベーターに乗って数秒後、辿り着いたのは所狭しと並べられたデスクとパソコン。そして、その間を忙しく動き回る社員や、そうでなくてもパソコンとにらめっこする者の姿があった。

 

「……忙しそう」

 

「前は皆にももう少し心の余裕があったんですけど、社長が変わってからこの通り……」

 

「畔田さんは大丈夫なんですか?」

 

「はい。一応、仕事の合間を縫っていますから」

 

 忙しい事には変わらないですけど、と苦笑する畔田。

 そんなとき、営業部の奥……ガラスでしきられた場所から怒鳴り声が聞こえ、見れば中年の男性が若い男性を怒鳴り散らしていた。

 

「すいません。彼方の方々は?」

 

「若い方が橋場社長で、怒鳴っている方が取引先の植杉(うえすぎ)社長です。普段はおおらかな方なんですけど……」

 

「あ、出てきたデスよ」

 

 中年の男性……植杉が此方に、出入り口に歩いてくる。その歩き方から大変ご立腹であることが分かった。

 

「植杉社長。どうかされたんですか?」

 

「どうかされたじゃないよ! 君の所の社長が無条件で傘下に入れと言ってきたんだ。悪いが、この会社とは今日で終わりにさせて貰うよ」

 

「そ、そんな!?」

 

 畔田は何とか植杉の会社との繋がりを保とうと努め、それを見た武瑠たちは苦労してるんだなと目を細めるが、次の瞬間、今度は女性の叫び声がフロア内に響き渡った。見れば、そこには高熱な何かで切断されたようなパソコンやデスクだった物の姿があった。

 

「不可思議現象d「ぎゃあぁぁぁ!?」今度はなんデスk───ぎゃあぁぁぁ!? 人が浮いてるデス!!?」

 

「な、なんで!? ポルターガイスト!?」

 

「……マリア、落ち着いて」

 

 不可思議現象に恐怖し、二人揃って調に抱きつくマリアと切歌。一方、武瑠、セレナはゴーストドライバーのお蔭なのか、ポルターガイストの原因を視認することが出来た。

 

「お前、何者だ!?」

 

「その人から手を離しなさい!」

 

 彼らの目に写るのは植杉の襟元を掴み上げる黒い鎧の女性……アヴェンジャーの姿だった。

 

「私が見えているということは、あなた達が仮面のお化けかしら? 随分遅かったじゃない」

 

「まさか、俺たちが狙いなのか!?」

 

「御名答。私はサーヴァント・アヴェンジャー。今すぐにでも戦って上げてもいいのだけれど、ここは狭いわ。着いてきなさい」

 

 アヴェンジャーは植杉を放り捨て、近くの窓ガラスに向かって走りだし、そのまま突き破った。彼女の姿が下へ落ちていくのを見た武瑠とセレナは頷き合い、二人揃って窓の外に躍り出た。

 

 

 

 




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心から御待ちしております。

御読了、ありがとうございました。


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