ヒロインアンケートって、意味あるの?って……。
はっきり言います。意味ありません。単純に皆さんの考えが知りたかっただけです。本作の勝ち組ヒロインはもう決まってます。
……まあ、アンケートの優勝者には番外編で武瑠とイチャラブ出来る権利が与えられますが。
それではコラボ編3話、どうぞ。
突如現れた異形『ファントム』の軍勢。そんな彼らに対して単身で飛び込む武瑠に、十香たちは驚きと困惑を隠せずにいた。
「ちょッ!? あいつ、一人で突っ込んでたけどッ!?」
「困惑。無謀過ぎます……ッ!」
「だ、大丈夫なのかッ!?」
「武瑠なら大丈夫ですッ! 十香さんたちはここから離れ「十香ッ! みんなッ!」───え?」
聞こえた声に振り返ると、少し離れた所から此方に走り寄る一人の少年がいた。それを見た十香はぱっと表情を明るくする。
「シドーッ!」
「あの人が十香さんの言っていた?」
シドーと呼ばれた少年『五河 士道』は十香達の元に辿り着くと彼女達の安否を確認した。
「みんな、無事かッ?! ───て、この人たちは?」
「士道よッ! 今は話している暇などないッ!」
「説明。一人の男性が無謀にもファントムと対峙しています」
「何だってッ?! 分かった。十香たちは皆と避難してくれッ!」
そう言った士道は先程の武瑠同様、一人でファントムの群れに突撃していく。
「おいッ?! なに突撃して「大丈夫だ」大丈夫って、何がッ!?」
「シドーは負けない。何故ならシドーは
───仮面ライダァだからなッ!」
「「───変身ッ!」」
『………………え?』
そして、話は元に戻る。
「「………………」」
《レッツゴー! 覚悟!
ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!》
[ヒー! ヒー! ヒーヒー、ヒィー!]
二人のベルトから流れる変身音が沈黙する二人の間に響き渡る。その沈黙した時間は数秒だけだが、妙に長く感じた。そんな中で先に動いたのはゴーストだった。
「お前は……一体?」
「俺は仮面ライダーウィザード。指輪の魔法使いだ。そういうお前は……?」
「お、俺は仮面ライダーゴースト。その……よろしく」
「こ、こちらこそ……」
「『いやッ!? なにやってンだッ!』」
互いに挨拶を交わし、歩み寄って握手するゴーストと士道が変身した戦士『仮面ライダーウィザード フレイムスタイル』だが、そんな彼らを見ていたクリスとワーウルフはツッコミを入れる。
「周りに敵がいるなかで挨拶するバカが何処にいるッ?!」
「い、いやぁ……なんというか、流れで?」
『魔法使いッ! 戦場で挨拶とか、バカなのかッ! 常識を考えろッ!』
「ご、ごもっともです……て、人を襲うお前らに常識とか言われたくないんだがッ!」
『うるせぇッ! グールどもッ! 呑気な魔法使いに戦場の常識を教えてやれッ!』
「「ちょッ!?」」
ワーウルフの指示で、二人を静観していたグール達が一斉に襲いかかる。いきなりの事で慌てたゴーストとウィザードであったが、すぐに落ち着いて、グール達が繰り出す攻撃をいなし、回避して行く。
一方の響達と十香達といえば、やはり先程と同様に困惑と驚きを隠せないでいた。
「へ、変身したッ!?」
「驚愕。パーカーがベルトから出てふわりと……ッ!」
「た、武瑠もシドーと同じ仮面ライダァなのか? しかし、指輪を使ってないぞ?」
「あれって仮面ライダーだよねッ!?」
「ゴーストやネクロムとも違う……我々の知らない未知の力か」
「不明。異世界とは?」
「説明は後でしてやる。あたしらも行くぞッ!」
「ごめんなさい。十香さんたちは離れててッ!」
十香達から離れ、響たちは聖詠を唄ってシンフォギアを纏い、未来は仮面ライダーネクロムに変身してファントム達に立ち向かっていく。
「Balwisyall Nescell gungnir tron……♪」
~BGM 『正義を信じて、握り締めて』~
「なんだ、この歌ッ!? しかも、増えてるッ?!」
「俺の味方だから気にするな。それよりも今はこいつらをッ!」
「お、おうッ!」
《闘魂! ブースト!
俺がブースト! 奮い立つゴースト!》
[フレイムドラゴン プリーズ
ボゥー!ボゥー!ボゥーボゥーボォー!]
響が唄う中、ウィザードは魔法の指輪の一つ『フレイムドラゴンリング』を着けた右手を翳し、その姿を変え、『仮面ライダーウィザード フレイムドラゴンスタイル』となった。黒かったローブは赤く染まり、頭部や胸の装飾が何処と無く竜を思わせるその姿からは焔のエレメントを感じさせる。
一方のゴーストも闘魂ブーストに変身をとげ、サングラスラッシャーを手にしてウィザードと背中を合わせる。
「さぁ、ショータイムだッ!」
「命、燃やすぜッ!」
『へッ! 数が増えたり、姿が変わったところで何が変わるんだよッ!』
……さて。もう気づいているかも知れないが、ワーウルフの言葉に対する答えを言おう。
───一方的な蹂躙になります。
「はッ!」
ウィザードが竜炎を纏った蹴りで敵を凪ぎ払い、
「はあぁッ!」
ゴーストが魂の焔を宿した刃で切り裂き、
「おりゃあああッ!」「ちょっせいッ!」
「御免ッ!」「しッ!」
擊槍の拳が、魔弓の弾丸が、絶刀の斬擊が、亡霊使いの一撃が次々とグール達を駆逐し、二十体以上いたグールもわずか三分足らずで全滅するのだった。
『おいおいッ!? お前ら、容赦無さすぎだろッ!』
「はぁ? 人を襲って楽しむような悪党にかける容赦なんてねぇよ」
「クリスの言う通り。そういう訳で───」
「フィナーレだッ!」
《闘魂!ダイカイガン!》
[ルパッチ マジック タッチゴー!ルパッチ マジック タッチゴー!]
ゴーストがトリガーを押し込み、ウィザードは魔法の指輪『キックストライクリング』を着けた右手をベルトに翳す。すると、二人の背後にウィザードの魔方陣とゴーストの瞳の紋章。その二つが一つの紋章となり、闘魂の焔と魔竜の炎の力が紋章から二人の脚に送られる。エネルギーが溜まると、二人はワーウルフに向かって駆け出し、必殺の蹴りを繰り出した。
《闘魂ブースト! オメガドライブ!》
[チョーイイネ! キックストライク! サイコー!]
『コラボだからってこんな終わり方、あんまりだァァァァァッ!!!?』
二人の必殺技を食らったワーウルフは断末魔の叫び(?)を上げて爆散するのだった。
戦いを終え、ゴーストたちは変身を解除して武瑠、士道に戻り、響たちもシンフォギアを解除して武瑠の元に駆け寄り、士道の元にも十香達が集まる。
「武瑠、お疲れ様」
「皆もお疲れ」
「まあ、お疲れになるほどの相手じゃなかったけどな」
「しかし、ファントムだったか? もしや、あれがギャラルホルンの起動の原因なのだろうか?」
「分かりませんけど。とりあえずは彼らに聞くのが一番かと……向こうも此方に質問したいみたいだし」
武瑠が視線を士道に向けると、彼が話しかけてくる。
「さっきはありがとう。一緒に戦ってくれて」
「大丈夫ですよ。人間助け合いですから」
「いくつか聞きたい事があるんだけど……とりあえず、俺達に着いてきてくれないか?」
「ここでは駄目なのか?」
「危害を加えるつもりはない。俺が保証する」
士道は真っ直ぐな瞳で語りがけ、そこに写る彼の真っ直ぐな人柄を信じ、武瑠達は彼の提案を受けることにした。
「ありがとう。それじゃあ───始めてくれ」
次の瞬間、軽い浮遊感に襲われたかと思えば、武瑠達は見知らぬ部屋の中に立っていた。
「え、ええええッ!?」
「これって……さっきまで町の中にいたはずだよね?」
「驚かせてごめん。詳しい説明は別の所でするから着いてきてくれ」
そう言った士道は十香達と共に部屋を出ていき、武瑠達も慌ててその後を追っていく。
部屋の外はSF映画で見るようなデザインの廊下で、士道達はその廊下を進み、少しして別の部屋に入る。そこに広がるのはSF漫画でしか見ないような司令室だった。その部屋の中心におかれた一つの椅子が回転し、そこには軍服を羽織った一人の赤髪ツインテールの少女が不敵な笑みを浮かべて座っていた。
「遅かったじゃない、士道。ナメクジでももう少し早く行動するわよ」
『口わるッ!?』
まさかの第一声が罵倒と言うことに驚く武瑠達。そんな彼らに少女『五河 琴里』が口を開く。
「初めまして、正体不明の皆さん。ようこそ、ラタトスクへ」
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心からお待ちしております。
それでは…………
アナスタシア「アンケートも忘れずにお願いするわ」
調「……同意」