戦士開眼シンフォギアゴースト   作:メンツコアラ

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平穏! 一時の平和!

 五河 士道は今、ある問題に直面していた。

 

「士道、どういうこと?」

 

 士道の前に立つのは白髪の少女『鳶一 折紙』。どういう訳か二人ともかなり御立腹のようだ。

 

「士道、彼女たちは誰?」

 

「いや、そのだな……」

 

≪だから警戒しろと言ったのだ。いや、中身スッカラカンな鳥頭のお前でもゴミ虫程の知性を求めた我がバカだったか≫

 

(罵倒するならちょっとは助けてくれッ!)

 

 士道は自分の中で罵倒してくるファントム『ウィザードラゴン』に助けを求めるが、ドラゴンは鼻で笑い、この状況を楽しんでいる。どうしてこうなったのか。士道は事の発端を思い返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは武瑠たちが異世界に訪れた次の日の早朝だった。昨晩と同様に士道たちと食事を取っていると、美九がおめかししてやって来た。

 

「お出掛けしましょうッ!」

 

「ど、どうしたんだよ? こんな朝早くから」

 

「そのですね、響さんたちって異常を片付けたら元の世界に帰っちゃうんですよね? なら、せっかくですし、思い出作りに皆でお出掛けしようと思いまして。あ、亡霊さんは来なくていいですよ。もし来るなら姿を消して来てください」

 

「本当に辛辣過ぎない?」

 

「いいですね。でも、武瑠もちゃんと参加させてください」

 

「なら響さんたちを1日好きに出来る権利を下さいッ! もしくはクリスさんだけでも……ぐふふふ」

 

「こっちに来んな、変態ッ!!」

 

「あ~ん♪ そんな冷たいところも可愛いですぅ♪」

 

「……五河殿。彼女のあれはいつもなのか?」

 

「あ、あはは……」

 

 一悶着あったものの響たちは美九の提案を呑み、美九も武瑠の同行を承認し、皆でお出掛けすることになった。

 

≪おい≫

 

(どうした、ドラゴン?)

 

≪出掛けるなら警戒しておけ≫

 

(? どういう意味だ?)

 

≪分からないならいい。ゴミ虫程度の知能しかない頭スッカラカンなお前に理解を求めていないしな≫

 

(流れるような罵倒を止めろ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(まさか家を出てすぐにばったり折紙と会うなんて───)

 

「士道、説明して」

 

「えっと、その…だな……」

 

「鳶一 折紙ッ! 貴様には関係ないことだッ! あと、シドーから離れろッ!」

 

「あなたこそ邪魔。今は私が士道と話している」

 

(ど、どうする───ッ!)

 

 士道は必死に考える。折紙に武瑠たちの事を正直に話す訳にはいかないが、彼女がそう簡単に嘘が通じる相手ではない。

 

(ど、どうすれば───)

 

 困惑する士道。しかし、そんな彼に予想外の所から救いの手が差し伸べられた。

 

「士道。あんまり状況を飲み込めて無いんだけど、この子は知り合いか?」

 

「と、十香ちゃんッ! 喧嘩は駄目ですよッ!」

 

「……誰?」

 

「おっと失礼。俺は天空寺 武瑠。俺たち、地方から来た者でして……勝手が分からず、ホテルさえも逃してしまった所を士道に助けて貰ったんです。こっちは幼馴染みの響」

 

「はじめましてッ! えっと……」

 

「……鳶一 折紙。士道のガールフレンド」

 

「ええッ!? 士道くんの彼女さんッ!?」

 

「士道、彼女持ちだったのか?」

 

「いや、彼女じゃなくてだな……これには深い訳があってだな……」

 

 流石に『諸事情により彼女に嘘の告白をし、それ以降誤解が解けずに今の状況が続いています』とは言えず、どう誤解を解くべきか悩み、しどろもどろする士道とそんな彼を不審に思う武瑠と響。

 そんな彼らを他所に、クリスたちは折紙に自己紹介をする。彼女達の挨拶に短く『よろしく』とだけ淡々と返していく折紙だったが、未来の時だけ別の反応を見せた。

 

「小日向 未来です。あの二人の幼馴染みで「質問、いい?」───え? は、はい。別に大丈夫ですけど……」

 

「貴女があの二人の内どちらかと付き合っていたらと仮定し、もし浮気の可能性があればどうする?」

 

「おい。コイツ、なんかスッゲェ質問したぞ」

 

「うーん……監禁して問いただして、もし浮気してたら二度としないように教育───もとい、説得するかな?」

 

「ね、ねぇ。あんた達の所、なんかハイライトが消えているんだけど」

 

「畏怖。怖いです」

 

 武瑠、響、士道、十香は気づいてないが、他の皆は得体の知れない謎のオーラを放つ二人(折紙と未来)に恐怖する。そんな彼女達の心境を気にせず、二人は何故か固い握手を交わすのだった。

 

「貴女とは仲良く出来そう」

 

「こちらこそ。よろしくね、折紙」

 

 ここに組み合わせては行けないコンビが出来上がった……かもしれない。

 

 その後、何とか武瑠と響の誤解を解き、疲弊した様子で戻ってくる士道とそんな彼を心配する十香、申し訳なさそうにする武瑠と響。既に仲良くなっている折紙と未来に驚き、理由を聞こうとするが、響と未来はクリスに、士道は耶倶矢と夕弦に『知らない方が身のためだ』と止められる。

 

「それじゃあ出発しよっか。折紙も一緒に来る?」

 

「同行させてもらう」

 

「なんだとッ!?」

 

「まあまあ、十香ちゃん。大勢の方が楽しいですって」

 

「し、しかしだな……」

 

「いいじゃないですかぁ。可愛い子が増えて、私的には大満足ですぅ♪」

 

「ぐぬぬぬ……ッ」

 

 数秒後、十香は折紙の同行を渋々承諾し、合計十三人でのお出掛けとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

───カラオケ

 

 

 

「う、上手すぎる……」

 

「驚愕。美九相手ならともかく、私たちが負けるなんて」

 

「翼さんはトップアーティストですから」

 

「あらぁ? ということは同業者なんですね。今度、一緒にステージに上がりませんか?」

 

「気持ちだけ受け取っておこう」

 

 

 

 

 

───服屋

 

 

「ダーリンッ! ダーリンッ! この服、絶対に士織さんに似合うと思うんですよッ!」

 

「着ないからな。絶対に着ないからなッ!」

 

「なあ、士織って誰だ?」

 

「女装した士道の事よ。ちょっと訳あってね」

 

「女装…………ねえ、武瑠。少しお願いがあるんだけど」

 

「未来……聞いてあげるから、とりあえず手に持った女性服を戻そうか?」

 

 

 

 

 

───ランジェリーショップ

 

 

 

「ク、クリスさん……ッ! ど、どうやったら、そんな胸になりますか?」

 

「し、知るわけ無いだろッ!」

 

「確かにそれは気になりますねぇ。背はこんなに小さいのに」

 

「ギャアアアッ!? 胸を揉むなぁぁぁッ!」

 

「なんで……背は勝ってるのに……」

 

「慰安。耶倶矢、安心してください。この中では最下位ではありません」

 

「それ、慰めになってないんだけどッ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでだろう。クリスが叫んでる気がする」

 

(原因は美九だろうなぁ)

 

 流石にランジェリーショップに入る訳には行かず、武瑠と士道は缶ジュース片手に店から少し離れた場所で待っていた。

 

「それにしても良い場所だな、この街は」

 

「どうしたんだ、急に?」

 

「いや。世界は違えど、人々の笑顔は変わらないんだなぁって」

 

「……でも、そんな笑顔を消し去ろうとする奴等もいる」

 

「それがファントムか。士道は凄いな。そんな奴等相手に一人で戦ってk「違う」……違うって?」

 

「俺は一人じゃない。十香や琴里、みんながいるから戦えているんだ。それに本人は認めないけど、相棒もいるしな」

 

≪当たり前だ≫

 

「……それって、お前の中にいる何かが関係しているのか?」

 

「なッ!? まさか、気づいてたのかッ!?」

 

「まあ、何となくだけど。士道からファントムの気配が少ししたからさ」

 

「……お察しの通り、俺の中にはドラゴンっていうファントムがいる。一年前のあの日、絶望しなかった俺はなとかドラゴンを抑える事が出来て、だから魔法使いの力を手に入れる事が出来た。その力で人々を絶望から守る。それが俺の───仮面ライダーウィザードの戦いだ」

 

「凄いな、士道は」

 

「それを言うなら、お前だって凄いじゃないか。死んでも戦って、武蔵とかダ・ヴィンチとか、色んな英雄に認められて」

 

「いや。俺はまだまだだよ。認められているとはいえ、武蔵ちゃん、ダ・ヴィンチちゃん、俵や李・書文さん、イスカンダル、頼光さん達には遠く及ばない。いつの日か、彼らのように誰かの英雄になりたい。それが今の俺の夢だ」

 

≪コイツも甘ちゃんか……≫

 

「? ドラゴン、何か言ったか?」

 

≪気にするな。そんな事より、あやつらが出てきたみたいだぞ≫

 

 見れば、こちらに向かってくる十香達の姿があった。士道と武瑠は手を振り、十香達の元へ向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

 

 

 

 武瑠たちがこの世界に訪れたときに使用したギャラルホルンのゲート。そこから新たな来訪者がこの世界に現れた。

 

「ふぅ……やっと到着した」

 

 来訪者は杖を片手に疲れた表情で腰を叩く。

 

「やれやれ……まさか、武瑠くんたちがこの世界に来るなんてね。多分、あれが関係しているんだろうなぁ。はあ……せっかくこっちの世界に捨てたのに、まさか世界と世界を繋げる手段があるなんて聞いてないよ。

 

 ───君もそうだ、とは思わないかい?」

 

「……最初から気づいていましたのね」

 

 来訪者の後ろにある街灯の影から一人の少女……狂三が姿を現した。

 

「おやおや。誰かと思えば、可愛らしい御嬢さんじゃないか。私に何か御用かな?」

 

「いえ。単におかしな気配を感じたので確認しに来ただけですわ」

 

「そうかそうか。なら、遠くからこちらを狙っている彼に弓を下ろしてくれるように伝えてくれないかな?」

 

「……まさか、それにも気づいていましたのね。貴方様は何者ですの?」

 

「なぁに。ただの魔術師さ」

 

 

 

 

 

 

 

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