戦士開眼シンフォギアゴースト   作:メンツコアラ

82 / 90
大変お待たせしました。
ここまで時間をかけてしまい、誠に申し訳ございません。


剣製! 英霊の紛い物! 中編!

 午前9時。誰もいなくなった町外れの遊園地跡地に訪れた響、翼、クリスの三人と十香、耶倶矢、夕弦の三人。響たちはシンフォギアを、十香たちは限定霊装を纏い、響の手にはアタッシュケースが握られていた。

 

「おいッ! 学士のキャスターッ! 言われたものを持ってきたぞッ!」

 

 皆が周囲を警戒するなかで、クリスの叫ぶ声が静寂に包まれた遊園地跡地に響き渡る。そんな彼女の呼び声に答えるかのように、奴は黒騎士を従え、音を立てること無く姿を現した。

 

「随分とお早い登場ですね……おや? 天空寺 武瑠が居ませんね。代わりに何故部外者がいるのですか? 殺されるかもしれない可能性があると言うのに、あなた方も酷いことをする」

 

「学士のきゃすたーと言ったか? 我々は友を守るために此処にいる。そう易々殺されるつもりなぞない」

 

 十香は鏖殺公(サンダルフォン)の剣先をキャスターに向ける。

 十香の殺気に反応した黒騎士……つまり、アルトリアはキャスターの前に立とうとするが、キャスターがそれを制する。

 

「まあいいでしょう。それで? 約束の物は持ってきていますか?」

 

 キャスターの言葉に、響は無言でアタッシュケースを開け、中に入っていた『ブリテンのパンドラ(以後、パンドラ)』を見せる。それを確認したキャスターは自身の武器でもある歯車を現出させ、どういう原理か、歯車はひとりでに響の前に移動。

 

 その歯車の上に乗せろ、というキャスターの指示に従い、響がパンドラを乗せると、歯車はまたひとりでに動き出してキャスターの元に戻っていく。

 

 キャスターはパンドラを手に取り、それが本元であることを確認すると、その顔に凶悪な笑みを浮かべ、高らかに笑い声をあげるのだった。。

 

「クハハハハハハハッ!! 遂に……遂に手に入れたぞッ! この時をどれ程待ち望んだことかッ!」

 

「学士のキャスターさんッ! 約束の物は渡しましたッ! だから、街を狙うのは───」

 

「ええ。街に宝具は放ちませんよ。ただし、あなた方はここで死んでもらいます」

 

 次の瞬間、キャスターが指を鳴らすと遊園地跡地の空気が一変。その場一帯がキャスターが形成した結界に覆われたのだ。

 

「これは───ッ!?」

 

「見ての通り、結界を張りました。外からの侵入は容易く、中からの脱出はほぼ不可能にしてあります。抜け出たくば、我々のうちのどちらかを倒すこと。まあ、それは不可能ですがね」

 

「学士さんッ……貴方の目的は一体なんなんですかッ!? その心臓を使って何をするつもりなんですかッ!?」

 

「……なるほど。これがどういったものか、既に御存知というわけですか。まあ、誰が教えたのかは考えるまでもない。しかし、どこまでもバカな奴等だ」

 

「バッ……!?」

 

「今、お前たちが心配するべきは自分の身の安否。殺されると言うのに、他の事は考えるべきではない」

 

 そう言葉を終えたキャスターは自分の周りに直径一メートルはあるであろう歯車を二つ現出させ、それと共にアルトリアも剣を構える。

 

「改めて───私は学士のキャスター。真名 アルキメデス。

 これよりあなた達の答えを出しましょう。『敗北』という、あなた達つまらない答えをね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、その頃───

 

「───どうッ!? 見つかったッ!?」

 

「だ、ダメ、でした……」

 

「うーん……探せる所は粗方探したんですけどねぇ」

 

『うーん。ここまで探しても見つからないなんて、まるで神隠しにでもあったみたいだね』

 

 戦闘に参加せず、姿を消した武瑠達を探して、町中を駆け回っていた琴理達。一旦集合して情報を共有するが、それらしい手がかりは見つかっていない。

 

「琴理ちゃんッ! みんなッ!」

 

 ふと琴理達の頭上から聞き覚えのある声がしたかと思えば、彼女たちの頭上から光学迷彩を解いた未来……もとい、仮面ライダーネクロム シェンショウジン魂が姿を現し、降り立つと同時に変身を解いて未来の姿に戻った。

 

「お帰り、未来。それで? そっちは何か見つけた?」

 

「それが、空から探しても武瑠たちの姿は無かったの」

 

「そう……」

 

 既にフラクシナスからの通信で、響たちが戦闘を開始している事は知っている。

 早く武瑠達を見つけなければ、彼女達の身に何が起こるか分かったものではない。本質は違うかもしれないが、相手(アルキメデスとアルトリア)の力の根元は十香たちの霊力と相性の悪い魔力。結果は良くて重症。悪ければ───

 

「ったく。どこに行ったのよ、あのバカ兄は」

 

「とりあえず、もう一度探そう。多分、何処かにいるはず───ッ、誰ッ!?」

 

 言葉を止め、自分の後方を警戒する未来。何事かと思い、琴理も未来が警戒する方向を見るのだが、すぐさま彼女たちも警戒心を丸出しにする。

 まあ、無理もないだろう。

 何せ、最悪の精霊が姿を現したのだから。

 

「狂三ッ……!」

 

「ごきげんよう、皆さん」

 

「(狂三って、確か……この前、武瑠達を襲った───)狂三さん、でいいかな? 私たちになんのようかな? 今、急いでいるから、用があるなら手短にして欲しいんだけど」

 

「そう警戒なさらなくても。私は世間話をしに来ただけですわ。例えば、士道さん達の事とか」

 

「───ッ!? 貴女、士道が何処にいるか知っているの?」

 

「ええ。人避けの結界とやらが張られているようですが、何とか抜け道を見つけましたわ。今からご案内しますが、ついてくるかどうかは貴女方次第。どうされます?」

 

「……何が狙い?」

 

「狙いなんてありませんわ。ただ、茶番劇は一人よりも大勢で見る方が楽しいではありませんか」

 

 

 

 

 




感想、評価、お気に入り登録、心から御待ちしております。




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。