さて、今日からは昨日言った通り一話完結の話をやって行きます。その名も外伝の章です!今回の話は前の憑依異変の章の時の晴竜の物語です。
それでは外伝の章第一話始まり始まり。
第一話 再び幻想郷へ
俺はゆっくり目を開けるとそこは二年前と変わらない東方神社の境内だった。
「本当に帰って来たんだな。ここに…」
空を見ると青空が広がっている。空は幻想郷と繋がっているだろうな…と思いながら総司おじさんのいる屋敷へと向かった。
屋敷に入ると総司おじさんが俺に近付いて来た。
「お帰り。晴竜」
「はい。ただいま戻りました」
俺が帰って来た時丁度お昼時だった為、俺はお手伝いさんが用意してくれた昼ご飯を食べながら幻想郷での出来事を総司おじさんに話した。総司おじさんは静かに、時より頷きながら話を聞いていた。食べ終わる頃に話し終えた俺は一息着くため食後のお茶を飲んだ。
「そうか。この五年間にそんな事が…」
「え、五年間?二年間じゃなくてですか?」
「前、幻想郷へ行く時に話したじゃないか。幻想郷とここの時間の流れが違うという事を」
「あ、そうでした…」
総司おじさんは微笑んだ。俺はそうだ!と借りていた幻想日記と俺が書いた幻想日記を総司おじさんに渡した。
「総司おじさん。借りていた幻想日記です。そしてこれが自分で書いた幻想日記です。」
「あ!これが君が書いた幻想日記か…。それじゃあ見せさせて貰うよ?」
「はい」
総司おじさんは俺の日記を読み始めた。日記の内容はさっき、総司おじさんに話した内容では話し切れなかった事も含まれている。総司おじさんは全部読み切ったのか静かに閉じた。掛かった時間は五分ぐらいだろうか。
「……」
「総司おじさん?」
「うん。良かったよ。本当に君を幻想郷に行ってもらったのは正解だったよ」
「俺も、幻想郷に行けて良かったと思います」
「そうか…」
総司おじさんは俺の幻想日記を大事に本棚にしまった。
「一つ聞いていいですか?」
「なんだい?」
「なぜ一年間、あっちに行けないんですか?」
「そうだね。門を開けるとその門は当分の間、力を失う。そして力が再び戻るのが___」
「一年かかるんですね」
「そうだよ。なぜ、そんな事を聞くんだい?」
「え?そ、それは…」
「そう言えば、博麗の巫女の事になると熱心に話していたね」
「それはですね。元々、博麗の巫女に会ってみたいというのもありまして、なんだかんだで先代の巫女とも会えましたし、霊夢とも会えましたし…」
「なるほど。博麗の巫女に恋をしたんだね」
「いやですからね!」
「隠さなくてもいいよ。晴竜?」
「う、う…」
総司おじさんに迫まられて俺は折れた。
「はい。そうです」
「そうか晴竜がね。源弥兄さんが聞いたらどうなるんだろうね」
「きっと、まだ早いってからかわれるじゃないでしょうか」
「そうかな?」
総司おじさんは笑うといいなと呟いた。
「晴竜は羨ましいと思うよ。幻想郷に行けて」
「なら、修行して陰陽術を使えるようにすればいいじゃないですか?」
「そう思って私もこの五年間の間に少し修行をしてね。少し陰陽術を使えるようにようになったんだ」
「本当ですか!」
「まあ、幻想郷に行く事はまだ出来ないけど…。」
「…そうですか」
「でも、この幻想日記を見て決断出来たよ」
「決断?」
「幻想郷に行く門を、完全に封印しようと思う」
「え!?それじゃあ二度と幻想郷に行けなくなるじゃないですか!」
「そして幻想郷からもこの世界に来る事も出来なくなる」
「そんな…。どうして封印なんか!」
「君があっちに居ればあの門をくぐる事が出来るのはこっちの世界には居なくなる。そうなるぐらいなら完全に封印した方がいいからね」
総司おじさんはそこで立ち上がると着いて来てと言って広間を出た。俺も付いて行くと中庭に出た。ここを見ていると白玉楼と永遠亭の中庭を思い出した。この中庭はどちらかと言えば白玉楼か。
「晴竜?」
「あ、はい。何でしょう?」
「私は幻想郷に行く為に修行をした。でも修行しながら私は痛感したよ。君たち安倍家が一日でもきつい修行を何年もしてきた事を。そして私は思ったよ。幻想郷に行くには私には絶対無理だと…」
「そんな事無いですよ!総司おじさんもいずれは…」
「いや、いいんだ。私はあの幻想日記でも充分幻想郷に行った気分になれるからね」
「総司おじさん…」
俺はそこで気付いた。総司おじさんが固く手を握り締めている事を。(総司おじさん。よっぽど悔しかったんだ…)
そう思って声を掛けようとした時、総司おじさんは俺の方に振り返った。
「ところで晴竜、君に聞きたい事があるんだ」
「何ですか?」
「晴竜はどうする?こっちに居るかい?それとも、幻想郷で暮らすかい?」
「え?」
俺はそこで気付いた。幻想郷に行く門を封印する。それは即ち、もう行ったり来たりが出来なくなるという事だ。俺はその質問に直ぐに答えられなかった。
幻想郷から帰って来てからもう半年が経った。俺は修行や鍛錬を続けながら幻想郷に戻るかどうかを考えていた。そんな時頭の中に思い浮かんだのは幻想少女達だった。霊夢に魔理沙、アリス。レミリア達に聖達。さとり達に輝夜達など、今まであまり人との関わりが無かった俺に初めて出来た友達だ。俺はみんなと会えなくなった時の自分を想像しようと思ったが考えられなかった。そして俺は霊夢に会えないのかと思うと胸が痛んだ。折角、好きな人が出来たのに会えなくなるなんて嫌だ。でも、この世界には総司おじさんを始めとした親戚の人達がいる。それに俺が幻想郷に行けば安倍家は完全に終わる。
「友と好きな人を取るか、親戚と自分の家を取るか…」
どう考えても決まらない。決まらないのに時間だけが過ぎて行く。
そして遂に一年が経った。そして俺は総司おじさんと共に東方神社に来ていた。
「俺、思ったんですけど」
「何を思ったんだい?」
「東方神社って博麗神社によく似てるな…と」
「へぇー。博麗神社ってこんな風なんだね」
「まぁ、ここよりももうちょっと大きいですけど…」
「そうなんだね…」
総司おじさんは俺の顔を見た。
「晴竜?決まったかい?幻想郷に行くか、こっちに残るか?」
「うん。決まりました」
「よし。それじゃあ聞くよ。晴竜?どうするんだい?」
「俺は、幻想郷に行きます。」
「そうかい。私もそう言うと思ったよ」
総司おじさんは微笑み頷いた。
「そうか…。晴竜とはお別れか…。」
「違いますよ」
「え?」
総司おじさんは首を傾げた。俺は言葉を続けた。
「またいつか会えますよ」
「そうかな?」
「そうですよ」
「…そうだと、嬉しいな」
総司おじさんは空を仰いだ。まるで、空にそう願うかのように。
「それじゃあ…。始めようか?」
「はい」
俺は境内の中央に立つと門を出す為の呪文を唱えた。
『ここに世界を繋ぎし、道を閉ざす門よ。今、姿を現し、我を誘え!』
門が出て来て俺は総司おじさんに振り返った。
「今までお世話になりました。ありがとうございます」
「こっちこそ、ありがとう。あっちに行っても元気で」
「はい!じゃあまたいつか」
「うん。またいつか」
俺は総司おじさんにお別れとそして再会を誓って俺は門をくぐった。
「行ってしまったね」
総司はそう呟き、消えようとする門に封印の呪文を掛けた。
『世界繋ぐ門よ今、その道全て封じ、忘却の途を辿れ!』
すると最初から開いていた門の戸が閉じ、消えていった。
「晴竜。頑張れ…」
総司はそう願い、東方神社を後にした。
「う、うぅ」
俺は目を覚ますとそこは以前の幻想郷では無かった。
「なんだこれ?」
空は暗くしかも雲からは妖力を感じ、しかも至る所から知らない妖気を感じた。
「一体、何があったんだ?」
そう呟いた瞬間。妖怪の山の方から霊夢の霊力と魔理沙の魔力と妖力の混じったような力がぶつかるのを感じた。(この力…。霊夢か!しかし何か変だ)
俺は輝龍を召喚し、すぐに向かった。愛する人の元へと___
第一話〜完〜
予定よりも長くなりました。まとめるのは難しかったですね。
さて、次回はいよいよピックアップしていきます。最初は紅魔館をピックアップします。お楽しみに!
それではまた次回!