さて、今回は外伝の章二話目です。そしてメインとなって来るのは紅魔館です。題名から分かると思いますがやって行きます。後、物語の語り手は咲夜です。
それでは第二話始まり始まり。
ここは紅魔館。私、十六夜咲夜が働く舘だ。今、私が向かっているのはレミリアお嬢様のお部屋だ。お嬢様は外の世界にいた時に周りの人々から嫌われていた私をメイドとして育ててくれた言わば恩人。だから私は一生このお方に仕える事を決めた。そんなお嬢様から呼ばれた私は部屋の前に来るとドアをノックした。
「お嬢様。咲夜です」
「入りなさい」
「失礼します」
私が部屋に入るとお嬢様は何枚かの書類を見ていた。
「お嬢様。何か御用でしょうか?」
「実は、メイドや警備のゴブリン達の給料をどうするか考えていたら、頭が痛くなってね。紅茶でも持って来てくれないかしら?」
「はい。かしこまりました。直ぐにお持ち致します」
「よろしくね」
お嬢様に伝えた私は能力を使い、時を止めると直ぐに紅茶を入れお嬢様の元に戻った。
「紅茶をお持ち致しました」
「ありがとう。咲夜」
お嬢様は私にお礼を言って飲もうとした時、部屋のドアが勢いよく開いた。
「お姉様!」
入って来たのは妹様だった。
「お姉様?私の取っておいたパフェ食ったでしょ!」
「あら?私はてっきりもう要らないと思ったわ」
「折角、魔理沙から買って貰ったのに!」
確かに、昨日ここに魔理沙がやって来て妹様に買ってきたパフェを持って来ていた。しかも、人里で人気の甘味処の。
「ごめんなさいね。でも、フラン?あんな所に置いてる方もいけないじゃないの?」
「何、お姉様?私が悪いって言ってるの?ふざけないで!」
そこで妹様は手に妖力で作った炎の剣を出した。私は慌てて止めようとしたら、お嬢様も妖力の槍を出してしまった。(大変!直ぐに止めないと!)だけど、もう遅い。二人は床を蹴ってしまった。激しい妖力の爆発で部屋の壁が吹き飛んだ。私は騒ぎを聞きつけやって来た部下のメイド達に指示して避難と美鈴達を呼んでもらった。そして私はこの状況を止める事が出来る人を呼ぶ為に紅魔館を飛び出した。あの博麗神社に向かって___
「はぁはぁ。やっと着いた……」
私はやっとの思いで博麗神社に着くと境内の掃除をしていた晴竜が私に気付き近付いて来た。
「あれ?咲夜じゃないか?どうしたんだ?」
「実は___」
私はここまでの経緯を話すと晴竜はため息を着いた。
「全く、また姉妹喧嘩をしてるのか。ここ最近やけに多くないか?」
「確かに多いけど、でも今回は今までよりも激しいわ!このままだとメイドやコブリン達に被害が!」
「何だと!分かった。直ぐに行こう。霊夢!魔理沙!紅魔館でまたレミリアとフランが姉妹喧嘩してるらしい。止めにいくぞ!」
すると母屋の方から霊夢と魔理沙が出てきた。
「なあに?またあの二人喧嘩してるの?よくもまあ飽きないわね」
「まあ、喧嘩するほど仲がいいって言うし……。でも咲夜が助けを求めて来るのはちょっとやばそうだぜ」
「ああ。だから行こう!」
晴竜の言葉に霊夢と魔理沙は頷くと空に飛び上がり、私は晴竜と共に輝龍の頭に乗って紅魔館に急いだ。
紅魔館に着くと未だにお嬢様と妹様は喧嘩していた。喧嘩というよりもはや戦いになっているけど。私は輝龍から降りるとメイド達や美鈴、パチュリー様の元に駆け寄った。
「咲夜さん。おかえりなさい」
「ただいま。って言っている場合じゃないわ。私が紅魔館を離れてからどうしたの?」
そこでパチュリー様が口を開いた。
「…私達はメイド達やコブリン達を一箇所に集めて直ぐに結界を張ったわ。その後はレミィ達を見守っていたけど、止めるのは出来なかったわ」
私はなるほどと頷きお嬢様達の方を向いた。すると既にお嬢様は霊夢に、妹様は魔理沙に抑えられ、晴竜はお嬢様と妹様の間に入っていた。
「離して!」
「離してよ!」
お嬢様と妹様は必死に抵抗しているけど霊夢と魔理沙は決して離さなかった。
「落ち着きなさいレミリア」
「フランも落ち着くんだぜ」
霊夢達の説得でお嬢様達は落ち着いていった。それを見た晴竜はお嬢様達を叱った。
「レミリア!フラン!お前達、いい加減にしろ!お前達の喧嘩のせいで俺達がこうやって止めるはめになるんだ!」
「だってフランが…」
「だってお姉様が…」
「言い訳は無用!」
「「うぅ…」」
「別に姉妹喧嘩はやるなとは言っていない。でも、お前達の姉妹喧嘩は日々多くなってるし、激しくなっている。このままじゃあ、いずれはメイド達などに被害が出る。お前達二人の喧嘩の後片付けもメイド達がやってるんだぞ!分かってるのか?」
「「だって…」」
未だ渋るお嬢様達に晴竜は遂にキレた。
「たぁー!もういい!お前達、反省しないならこっちにも案があるぞ!」
「「案?」」
お嬢様達が首を傾げると晴竜はとんでもない事を言った。
「お前達二人。明日から一週間、レミリアは白玉楼に。フランは地霊殿に従者として行くように!」
『え、えぇぇぇぇ!』
この言葉にお嬢様達のみならず私達まで驚いた。
「晴竜?冗談よね?レミリアとフランを従者として働かせるって…」
霊夢の問いに晴竜は首を振った。
「冗談なんかじゃない。今までは我慢してたがもう我慢出来ない。少しはこの二人に従者の大変さを思い知らせないと」
「嫌よ!なんで私がメイドのような事しないといけないの?」
「私も嫌!やりたくない!」
「もしも、嫌っと言うなら当分の間、喧嘩してもいいようにお前達二人の能力を陰陽術で封印するが?」
「うぅ…。わ、分かったわよ!やるわ!」
「お姉様!?じゃ、じゃあ私もやる!」
「決まりだな。じゃあ霊夢、魔理沙。ここをよろしく。俺は白玉楼と地霊殿に行って協力を申し込んで来る」
晴竜はそう言って飛んで行ってしまった。
翌日。お嬢様と妹様は霊夢と魔理沙に連れられて白玉楼と地霊殿に向かった。霊夢によると、白玉楼と地霊殿は事情を聞くとあっさり受け入れると返事したらしい。そして働く一週間は霊夢と魔理沙、そして晴竜が順番にお嬢様達の様子を見に来る事になった。
「ねぇ咲夜?」
説明を終えた霊夢が話しかけて来た。
「何?」
「あの二人の事心配?」
「まぁね。心配は心配ね…」
「なら、あんたも時々見に来ればいいわ」
「いいの?」
「もちろん。それにレミリア達も喜ぶでしょうし」
「そうね。そうするわ」
こうして、お嬢様達の従者修行を見に行く事になった。
お嬢様達が従者修行を始めてから三日後。時間が出来た私はお嬢様達の様子を見に行く事にした。最初は白玉楼にいるお嬢様だ。
「こんにちは!」
霊夢に連れられて白玉楼にやって来た私は声をかけると奥から妖夢がやって来た。
「あ、咲夜に霊夢。レミリアの様子を見に来たの?」
答えたのは霊夢だ。
「そうよ。どう?レミリアちゃんと働いてる?」
「うん。頑張ってるよ。最初は湯飲み茶碗を落としたり料理の時、塩を間違えて砂糖を入れたりして大変だったけどだいぶ成長したよ。なんなら、実際見ていく?」
そう妖夢に言われ私達は奥に通された。すると…。
「あらあら?いらっしゃいー。二人とも」
そこに居たのはこの白玉楼の主であり、死を操る程度の能力を持つ西行寺幽々子だった。
「お邪魔するわ」
「お邪魔します」
私達が挨拶すると幽々子はふふっと微笑んだ。
「霊夢はまだしも、咲夜が来るなんて不思議だわー」
そう言いながら近くにあったお茶菓子に手を伸ばす幽々子。だが、それを止める声が掛かった。
「幽々子!さっき食べたばかりでしょ!少しは我慢しなさい!」
止めたのは他でもない。お嬢様だった。
「えぇー。でもー」
「だめよ!そう簡単に食べられたらまた私と妖夢で人里まで買い物をして来ないと行けなくなるの。分かった?」
「はぁーい」
その光景に私達は固まっていると、お嬢様が私達に気付いた。
「あら?霊夢に咲夜。来ていたの?なら、お茶を出さなきゃね。ちょっと待ってて」
そう言い部屋を出て行くお嬢様。私は呆然と後ろ姿を見送った。
「どう?変わったでしょ?」
妖夢が幽々子の隣に座わりながら言った。
「変わったって変わり過ぎよ。まだ三日よ?三日で慣れるの早くない?」
霊夢の言葉に私は頷いた。
「そうだね。私も驚いちゃった。それに今では幽々子様の食い過ぎを注意するようになったしね」
「もーう。レミリアが注意するようになってから全然つまみ食いが出来なくなったわー」
幽々子が不満げに呟いた。お嬢様の修行は上手く行っているようだ。私はほっと一息ついた。
私は魔理沙そしてたまたま行くタイミングが合った晴竜と共に地霊殿に向かった。地霊殿に着くとお燐が出迎えた。
「あれ?魔理沙さんと晴竜さんは分かるけど、今日は咲夜さんまでいるんですね」
「えぇ。妹様の様子を見に来たのだけど…。どう?上手くやっている?」
私が聞くとお燐はうんうんと頷いた。
「もちろんですよ。私とお空が教えているんですよ」
「……だから心配なのだけど」
「咲夜さん?何か言いました?」
「いえ。何でも無いわ」
「そこまで心配するなら見てって下さい。フランさんがどこまで成長したか確かめたらどうです?」
こうして私達は地霊殿の中に入った。案内されたのは応接室。そこにはさとりとこいしが話してながら座っていた。
「さとり様。こいし様。お客様です」
「あ、魔理沙さん達ですか。ん、今日は咲夜さんもいるんですね」
「そっか。フランちゃんを見に来たんだね」
さとりとこいしが出迎えると魔理沙が周りを見た。
「あれ?フランはどこにいるんだ?」
「フランちゃんなら今、お空と一緒に飲み物を持ってくるよ」
「丁度、何か飲みたかったので頼んだんです…」
さとりが言い終わると同時に応接室のドアが開きお空とフラン様が入って来た。
「さとり様ー。こいし様ー。お茶をお持ちしましたって…。三人増えてる!」
「え、ホントだ!」
二人は驚いて立ち止まり、私達の分まで持って来ようとした。それを見た晴竜は二人を引き止めた。
「大丈夫だ。俺達はただフランの様子を見に来ただけだ。後、咲夜の付き添い」
晴竜が説明するとお空と妹様はさとり達にお茶を渡した。
「はい。さとり様」
「ありがとうございます。お空」
「はい。こいしちゃん」
「ありがとう。フランちゃん」
その光景を見て晴竜は私に耳うちした。
「良かったな。上手くやれてるようだな」
「そうね。安心したわ」
晴竜の言葉に私は頷いた。
それから私は時間が空けばお嬢様達の様子を見に行った。日々、従者としてのスキルを上げて行くお嬢様達がとても逞しく見えた。そして一週間が経ち、お嬢様達が従者修行から帰って来た。帰って来たお嬢様達を私、美鈴、パチュリー様、小悪魔で出迎えた。
「ただいま。今戻ったわよ」
「ただいまー。」
「おかえりなさいませ。お嬢様。妹様」
私が言うとほかの三人もおかえりなさいと伝えた。お嬢様達が部屋に入ると椅子に座った。
「はぁー。やっぱりここが一番落ち着くわね」
「やっぱり自分の家が一番だよ」
お嬢様達がくつろぐ中、晴竜、霊夢、魔理沙がやって来た。晴竜はお嬢様達を見るなり声を掛けた。
「お、二人とも戻って来てるな。どうだ?大変だっただろう?」
「おかげ様でね。もう体のあっちこっちが痛いわ」
「お姉様と同じく」
「はは。咲夜達はそれを毎日してるんだ。今後はそれを考えて過ごす事。いいな?」
「分かったわ」
「うん」
お嬢様達が返事をした。晴竜は満足そうに頷いた。するとお嬢様が呟いた。
「やっぱり、白玉楼で修行した私が一番頑張ったわね」
その言葉に私達は身動きを止めた。(妹様が聞いていませんように!)だが、願いは叶わず妹様は食って掛かった。
「何を言っているの?お姉様?私が一番頑張ったわ」
「私よ!」
「私だって!」
「あ、あの…。お嬢様?妹様?」
「「咲夜は黙って!」」
「……。」
お嬢様達の姉妹喧嘩に晴竜は小さく呟いた。
「ダメだこりゃあ」
それからと言うもの、姉妹喧嘩の頻度は少なくならなかった。でも、前の様に紅魔館を壁を破壊したりと激しい喧嘩はしなくなった。私にそれが無いなら喧嘩はするけど仲の良いこの吸血鬼姉妹を見守って行こうと心の中で誓った。
第二話〜完〜
昨日から書き始めて思った。(これ…。今日で書き終わらねぇ…)
そして今日、書き終わりました。大変だった。
さて、いかがでしたか?レミリアとフランの喧嘩模様は様々な二次創作などで描かれていますが従者としての二人は中々無いと思います。新鮮な二人をご覧下さい。
次回は地霊殿がメインとなりますのでお楽しみに。
それではまた次回!