さて、今回で第六話になりました。相手は紅魔館のメイド長の咲夜。一体どのような戦いを繰り広げてくれるのかお楽しみに!
それでは第六話始まり始まり。
咲夜はゆっくりと玄関ホールの階段を降りて来た。降りて来る間も常に殺気を放っていた。そんな咲夜を霊夢は笑みを浮かべながら俺と魔理沙に話しかけた。
「次は咲夜だけど私と魔理沙、どっちが戦う?」
「私はさっきパチュリーと戦ったから霊夢でいいぜ」
「そう?分かったわ」
霊夢はゆっくりと咲夜の方に歩き出した。
「霊夢。私はね、本当は戦いたくないの」
「分かってるわ。さっきのナイフを見れば」
「流石霊夢ね」
「当たり前でしょ」
そうだったのか!?俺はてっきり本気で攻撃してきたのだと……
「本気で来るなら咲夜は時を止めたはずよ。そのほうが当たる確率は高くなるから」
俺の呟きに霊夢が答えた。なるほど。確かにさっきは時が止められた感覚はしなかった。だから霊夢は咲夜は本気じゃないと分かったのか(まあ、殺気は本気だったけど)
「でも次は本気で行くわ」
そう言うと咲夜はナイフを取り出し構えた。
「あんたが本気で来ても私には勝てないけど本気で来るなら私も本気で相手してあげるわ」
霊夢もお祓い棒を持ち構えた。静寂の中、俺は思わず唾を飲み込んだ。霊夢が負けるはずは無い、それは分かっている。でも咲夜は咲夜で時間を操る程度の能力というチート級の能力を持っている。前の異変では霊夢が勝ったが咲夜も強くなっているはずだ。どっちが勝つのか俺は固唾を飲んで二人を見守った。そしてその瞬間はやって来た。
「ふっ!」
「はあっ!」
二人は掛け声と共に飛びかかった。
咲夜はナイフを投げ霊夢を牽制した。霊夢は向かって来るナイフを全てお祓い棒で払い除け、咲夜に向かって札を飛ばした。飛ばした札は咲夜の近くまで来ると爆発した。咲夜は跳躍で直撃を避けるとスペルカードを使った。
「幻象、ルナクロック」
その瞬間咲夜は普段は全く使わない弾幕を放つと指を鳴らした。そして時が止められた感覚がすると気付いた頃には霊夢の周りにナイフが配置されていた。そして咲夜は再び指を鳴らし呟いた。
「時は再び動き出す」
その瞬間にナイフは動き出し霊夢を襲った。
「霊夢!危ない!」
俺は霊夢に向けて叫んだが霊夢は微笑み言った。
「力や能力は随分と強くなったけど戦い方は以前と変わらないわね」
霊夢は周りに夢想封印のホーミング弾を放ち、全て撃ち落とすと一瞬で咲夜に近付いた。
「ちっ!奇術、エターナルミーク!」
その瞬間に咲夜では珍しいナイフを使わない弾幕が放たれた。しかしその弾幕の多さと速さは霊夢に攻撃するには充分だった。それを避け切った霊夢はスペルカードを使おうとした。が。その時、咲夜も微笑んだ。
「貴女こそ。前と戦い方が一緒じゃない?」
そう言うと咲夜はしゃがんだ。その後ろにはいつの間にか何十本のナイフが漂っていた。そしてそのナイフは霊夢に向け飛ばされた。
「……!?」
霊夢はとっさに後方に飛び退くが数本は霊夢の体を掠めた。すると掠めた所の服が切れ、血が滲んだ。
(嘘だろ……。霊夢が攻撃を食らったなんて)
今まで無傷だった霊夢がこの時初めて傷を負った。
霊夢は傷を負った右肩を左手で押さえると咲夜の方を向いた。その瞬間、霊夢から感じる霊力が増幅し強くなった。そんな霊夢の顔を見た咲夜は小さく
「ひいっ……」
と悲鳴をあげた。こちらからは見えなかったがあの咲夜さえ怖がるほどだ。よっぽど怖い顔をしているらしい。
「咲夜?よく私に傷を付けたわね。褒めてやるわ」
「そ、そうかしら……」
「そうよ。だから……」
霊夢は冷たく言い放った。
「殺さない程度に殺して上げる」
それからの事はあまり言いたくない。一応霊夢は俺の彼女だし霊夢の事を悪く言いたくないから。しかし話せと言われたら一言で表せる。さっきの霊夢は「阿修羅」だった。それ以外の何者でもない。あれ程怯えた咲夜は初めて見た。魔理沙も冷や汗をかきながら霊夢を見ていた。そして今、コテンパンにされ珍しく涙を見せる咲夜に治癒の術をかけながら霊夢をなだめていた。だって今の霊夢をどうにかなだめないと恐ろしくて恐ろしくて。
「まあまあ霊夢。今回は咲夜が強くなっていたという事でいいじゃないか」
「晴竜には分からないのよ。自信満々で言っときながら失敗するなんて事がどれだけ恥ずかしい事なのか」
「霊夢は充分強いし、自信があるほどの実力だって分かってる。そんな所を含めて俺は好きになったんだ」
「………ずるいわ。ずる、すぎる」
顔を赤くして顔を逸らす霊夢。俺は安堵の息をつくと咲夜の方を向いた。
「咲夜?大丈夫か?」
「霊夢の八つ当たりが、ここまでなんて、思わなかったわ……」
「ほんとだな。本当に殺さない程度に殺されてるからな」
「そう言えば私、まったく身体が動かないんだけど大丈夫よね?」
「…………」
「晴竜!?」
「冗談だ。と言いたい所だが後で永琳の所で入院必須ぐらいのダメージを受けている」
「……………霊夢の馬鹿」
ごもっともです。
「悪かったわ。それよりもレミリアは何でまた異変を起こしたの?」
「私にはさっぱりよ」
「そう……。やっぱり本人しか確かめようがないか……」
霊夢が面倒くささそうにため息をついた。すると咲夜はただと続けた。
「あれを持って来た時からお嬢様は様子が変だったわ」
「あれ?」
俺達は頭を傾げた。咲夜は頷いた。
「異変を起こす前日だったかしら……。お嬢様が庭を散歩した後に不思議な水晶を拾ったの。お嬢様はその水晶がとても気に入ったようで私や美鈴、パチュリー様はもちろん。妹様にも触らせない程よ」
「よっぽどだったのね」
「シスコンのレミリアがなー」
「魔理沙?それお嬢様が聞いたら殺されるわよ」
「はは。口が滑ったぜ」
そんな会話をする三人の横で俺は水晶という言葉に違和感を感じた。でも何故違和感を感じたのか?それは分からなかった。すると霊夢が俺の方を向いた。
「晴竜?どうかした?」
「い、いや何でも無い」
「そう?なら行くわよ。あの姉妹の元へ」
「さあ最終決戦だぜ!」
「そうだな。行こう」
俺達はレミリア達の元へと向かった。俺達の後ろ姿を見送った咲夜は目を閉じた。
「これで良かったのですよね。お嬢様……」
そして俺達は遂にレミリア達と対峙した。
「来たわレミリア、フラン」
「いらっしゃい霊夢、魔理沙、晴竜」
「いらっしゃい」
レミリアとフランはスカートの裾を持ちお辞儀をした。
「さて、挨拶も済んだしさっさとあの霧を止めてくれない?」
「嫌よ。やっとこの紅い霧でこの幻想郷を手に入れる事が出来るのよ?」
「あらそう?ま、そう返事すると分かっていたけどね。ならまた力ずくでも止めさせるわ」
「そんな事できるかしら?こっちは姉妹揃ってるのよ?」
「こっちは魔理沙に晴竜もいる。あんた達なんかに負けないわ」
微笑みながら会話をする霊夢とレミリア。しかしその目は笑っておらず、霊夢は鬱陶しさ。レミリアは殺意。を込めていた。(俺の見解)
「なら早速始めましょうか」
「そうね」
そして二人は同時に言った。
「「今夜はこんなにも月が紅いのに」」
「楽しい夜になりそうね」
「永い夜になりそうね」
こうして紅霧異変最終決戦が始まった。
うーん。咲夜と霊夢の戦闘シーン。あれで良かったのか?意外と少なめにしました。後で調整しときます。
さて、第六話いかがでしたか?霊夢って本当に強いですね。次回は遂にレミリアとフランとの戦いです。どんな戦いになるのかお楽しみに!
それではまた次回!