幻想日記   作:青柳龍

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また台風が来ています。本当にここ最近多いなーと思う青柳龍です。
さて、今回の番外編では霊夢達の身にとんでもない事が起きます。
では番外編始まり始まり。


番外編 饅頭異変

ここは博麗神社。博麗神社の霊夢の元に魔理沙、アリスに妖夢、優曇華の五人が来ていた。居間でのんびりしていると霊夢が呟いた。

「暇ねぇー」

すると魔理沙はその呟きに答えた。

「暇だなぁー。ここ最近は紫とかが起こした異変で忙しかったけど、いざ解決すると何もやる事が無くて困るぜ」

「でも、それだけ平和って事だよ」

「あ、そうだ!」

妖夢が霊夢と魔理沙に話していると、優曇華が手をポンと叩いた。

「どうしたの?」

アリスが聞くと優曇華は得意げに持ってきた手包みを取り出した。

「聞いてください!他のみなさんも!実はですね………じゃじゃーん!饅頭〜」

「え!これって人里の和菓子店で期間限定の上に限定五十箱の饅頭じゃない!」

「さすが霊夢さん。よく分かりましたね。実は昨日師匠に頼まれてこの饅頭を買って来たんです」

「へぇー。永琳がねぇー。………また何か変な薬を作ってる訳じゃ無いわよね?」

「そんなはず…………無いと思います」

「自信は無いんだな」

「はい…………。と、とにかく!今は饅頭ですよ。饅頭!早く食べましょうよ!ね?」

「そうね。そんな事を考えていたら饅頭が食べられ無くなるわ」

霊夢の言葉に頷きながら優曇華は一人一人に饅頭を渡した。

「そういえば」

「どうしたんだぜアリス?」

「晴竜はどうしたの?」

アリスが聞くと霊夢はああと言った。

「晴竜は今、見回りに行っているわ」

「へぇー。そうなの」

「そうよ。もしかしたら今頃は紅魔館でレミリアとフランの喧嘩を止めてるかもしれないわ」

 

 

 

 

 

 

「ハックション!」

紅魔館に来ていた俺は派手なくしゃみをした。鼻をすする俺に咲夜は心配な顔をして聞いて来た。

「大丈夫晴竜?何?風邪?」

「誰か噂してるな…………。ああ、すまんすまん。大丈夫だ。それより………」

俺の目の前では_______

「何で私のケーキを食べたのフラン!」

「違うよ!あればフランのだって!」

レミリアとフランがいつものように喧嘩をしていた。

「嘘よ!あれは私が最後食べようと思って取っといたのに!」

「知らないよ!カットケーキのどれを食べようとも、何個食べようとも勝手じゃん!」

「何ですって!」

「何なのよ!」

「うーうー」

「うーうー」

「………………帰っていいか?」

「はいこれ、果物の詰め合わせ」

「ありがとうよ。じゃあ俺は行くよ。後、頑張れ」

「ええ。ありがとう」

俺は咲夜から果物の入ったカゴを受け取ると紅魔館を出た。

 

 

 

 

 

「それは有り得るわね」

「でしょ?」

「霊夢、アリス?食べないのか?」

「食べるわよ!何、私の饅頭を食べようとしてるの!」

「ちっ。バレたか」

「全く。魔理沙には油断も隙も無いわ。早く食べちゃいましょ。あーむ」

「惜しかったなー。あむ」

「うん?ちょっと苦い所ない?」

「妖夢もそう思う?私もそう思ったのよねー」

「あれ?饅頭が苦いはずが…………うっ!」

食べた瞬間、五人の体が突然熱くなり始めた。

「何なの………身体が、熱い………」

「身体が燃やされるようだぜ………」

「だ、誰か、助けて………」

妖夢の助けを求める声は当然届くはずがない。数分は目を閉じ、苦しみに耐えていたがやっと苦しみが無くなった。

(何だ。死ぬようなものじゃあなかったね。良かった………)

霊夢達は安心して目を開くと目の前の光景に呆然とした。

『え…………………』

 

 

 

 

 

見回りを終えた俺は博麗神社に来ていた。博麗神社の母屋の玄関に行くと魔理沙とアリス、妖夢、優曇華の靴が置いてあった。

(お、今日はアリスや妖夢。優曇華も来てるのか)

「おーい!咲夜から果物貰って来たぞー!」

そう中に声をかけるが返事が無い。

俺は不思議に思い、母屋の中に入った。そして居間の襖を開けるとそこには霊夢達がいたのだが

『あ…………』

「………………………………………………………どうした?」

『ロリった(ました)』

「やっぱりなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

俺は思っいっきり叫んだ。叫んではいられなかった。何故、霊夢達が幼女化したんだ!何故ロリったんだ!これを見て冷静で居られる奴は本当に凄いと思う。やっと落ち着いた俺はロリった霊夢達に事情を聞くとこうなったのは優曇華が持ってきた饅頭だったらしい。

「そうなるとやっぱり永琳か」

「そうね」

「そうだな」

「そうなるわ」

「そうなるね」

「ごめんなさい。師匠が…………」

謝る優曇華をなだめながら俺は玄関に向かおうとした時に霊夢に声をかけられた。

「晴竜?何処に行くの?」

「そりゃ永遠亭だよ。このロリ化が永琳の薬によるものだったら永琳は絶対に戻す薬もあるはずだ。ほらお前達も行くぞ」

「え!私達も行くの?無理無理無理!」

「何で?」

「だってこんな姿他のみんなに見せたくないもの。特に華扇や、文辺りには…………」

『……………………』

「な、何よ?私の顔をじっと見て?」

「霊夢よ」

「何?晴竜?」

「それ、俗に言うフラグでは?」

「え?」

その時だった。

「霊夢ー!居ますかー!」

外から華扇の声が聞こえて来た。

「…………………」

「見事なフラグ回収」

「でもどうするだぜ?このままだと華扇がこっちに来ちまうぜ」

「俺が時間を稼ぐから、お前達は何処かに隠れてろ」

「分かった。よろしく頼むわ」

俺は必死に隠れ場所を探す五人に背を向け外に出た。

 

 

 

 

 

 

玄関で靴を履いていると玄関の戸が開き華扇が入って来た。

「あ、晴竜」

「ど、どうした華扇?」

「霊夢は今居ますか?」

「え、あー。すまんな。今ちょうど用事があって居ないんだ?」

「そうですか?靴がここにあるのに?」

「あ、いや」

「晴竜。何か隠していませんか?」

「そ、そんな事ある訳無いだろ」

「本当ですか?」

「本当だよ」

「……………」

「……………」

(うっ。華扇がまじまじと俺の顔を見てる。ここで目を逸らしたら嘘がバレるかもしれない。ここは我慢だ!)

「……………」

「……………」

「…………//」

(あ、照れた)

「分かりました。では私は行くので言伝だけを頼めますか?」

「言伝?」

「はい。実は昨日。人里で見回りの途中で茶屋で団子を食べてる霊夢を見かけたのです。本当はあの時説教をすれば良かったのですが食べ終わって帰ってしまったので。なのでもし時間が開けば私の所に来るようにと伝えてください」

「……………」

「晴竜?」

「分かりました!きつく言っておきます!」

「!?ど、どうしたのですか?急に大きな声を出して」

「いえ、別に。なんとなくです」

「そうですか。なら言伝よろしくお願いします」

「はい」

そう言って華扇は帰って行った。俺は霊夢達の靴を持つと居間に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

「霊夢!」

「はい。ごめんなさい」

「俺は真面目に見回りをやっているのに。本来するはずの霊夢はサボるってどう言う事だ!」

「はい…………」

「一瞬バラしてやろうと思ったけど。今回は魔理沙や、アリス、妖夢、優曇華が居るからやめた。だが、このロリ化が治ったら直ぐに華扇の所に連れて行くからな?」

「はい……………」

「何か凄いな」

「ええ。そうね」

「いつもとは逆になったね」

「晴竜さん。怒ると怖いです」

「はあー。さて、今度こそ永遠亭に行くぞ」

「そうね。文とかが来ない内に…………ハッ」

「だから!それはフラグだって!」

その時だった。

「どうもー!射命丸です!霊夢さん居ますかー?」

『…………………』

「もう………今日は喋らないわ」

 

 

 

 

 

玄関から出ようと戸に手をかけた時に文が戸を開けた。

「文」

「あ、晴竜さん。こんにちは」

「こんにちは。それで今日はどうしたんだ?」

「ええ。実はこの前の神隠し異変についてもうちょっと詳しく聞こうと思いまして」

「あの異変ならこの前霊夢と魔理沙、俺が説明したじゃないか?」

「確かにそうですけど、何かまだ知ってるような感じなんですよねー」

俺は文の勘の鋭さに舌を巻いた。確かに文には言っていない事がある。だがそれはあの結界の穴についてと黒い水晶玉の事だから話せるはずが無い。

(さて、どう説明したものか…………)

俺が考えていると置くからドンと物音が聞こえて来た。

「あれ?今、物音が…………霊夢さん居るんですよね?」

「すまんな。今は霊夢は留守なんだ。後、物音は気のせいだろ?」

「本当ですか?」

「本当だって」

俺が文の質問に必死に答えているとまたドンと聞こえた。

「「………………」」

「晴竜さん?」

「いやー。すまんな。今のは輝龍が物に八つ当たりしている音なんだ」

俺がそう説明した時後ろから『グォン!?』と聞こえたのは気のせいだ。気のせいだと思う事にする。

「輝龍って晴竜さんの式ですよね?それぐらいとめられないんですか?」

「ハハハ。まだ修行が足りなくてな」

「大変ですね………。ま、とにかく留守なら仕方がありません。また今度にします。それでは」

「ああ。またな」

文は飛び去って行った。

 

 

 

 

 

「霊夢!魔理沙!」

『グォン!』

「「ごめんなさい」」

「お前達が物音立てたせいで輝龍まで巻き込んじまったじゃねえか」

『グオ!』

「イテテテ。輝龍よ。尻尾で俺の頭をはたくな」

「さて、今度こそ…………」

その時だった。玄関の戸がドンドンとと叩かれた音がした。

『………………』

「いや。これは私のせいじゃないでしょ!」

「冗談だって。さて誰だ今度は」

「おーい。居るかー」

「この声………。師匠だ!」

「何!?永琳だと!?」

俺は直ぐに玄関に走り、戸を開くとそこには永琳と縄で縛られて背負われているてゐが居た。その光景からどうしてこうなったのか大体分かった。

 

 

 

 

 

「で、ようするに優曇華が持っていく用の饅頭の入った箱と幼体にする薬を入れた饅頭の入った箱をこのバカ兎が自分が持っていく用の饅頭を食べたのをバレないように薬入りの饅頭の箱とすり替えたと言う訳ね」

「そうよ。今回は迷惑をかけたわ。ごめんなさい。ほらっ!あなたも!」

「ううっ。すいませんでした。お願いしますから縄をほどいてくださいぃぃぃ」

「ダメよ。今日一日はその状態よ」

「そんなぁぁぁぁぁ!」

てゐがガックリと頭を下げる中、俺はこの状況をどうにか出来ないか聞いた。

「で、霊夢達のこのロリ化治せるのか?」

「それはちょっと無理ね」

『はあぁぁぁぁ!』

「どう言う事よ!一生この姿で過ごせって言うの!無理よ!」

「そうだぜ!この姿じゃあ、ろくに外に出られないぜ」

「私は人里で人形劇をしないと行けないのよ!」

「私は幽々子様の世話が………」

「さすがにずっと霊夢達を隠すなんて事出来ねぇよ?」

「大丈夫よ。そこは心配しないで。この薬の効力は制限時間付きだから」

「そうなんだ。良かったわ」

霊夢達が安心している横で俺は永琳に聞いた。

「ちなみに戻る時間ってどれくらいだ?」

「そうねぇ。大体明日までには戻ると思うわ」

「は?」

「え?」

『……………………』

誰一人何も言わずに壁時計を見た。今は午前10時になったばかりだ。

「………………」

俺はロリった五人の体が震えていることに気が付き耳を塞いだ。そして次の瞬間。

『ふ、ざ、け、る、なぁぁぁぁぁぁぁ!』

この後、この日に限って何故かやって来る幻想少女達に必死になって霊夢達を永琳と協力して隠した通したのは言うまでもない。そして後日、霊夢達がロリから普通に戻った後、華扇から一時間に渡って説教されたのはまた別の話。

 

 

 

 

 

番外編〜完〜

 

 

 




すいません。予定よりとても遅くなりました。書き始めたのが昨日ですが今日になりました。申し訳ございません。
さて、今回の番外編はどうだったでしょうか。一度ロリ化させようと思って書いて見たらまぁムズい。おかげでこんな日になりました。でも内容はある程度上手くいったと思います。
次回からは遂にバンバン出した黒い水晶玉の伏線を回収します!そして前に出した謎の男の正体も次回の異変で出すつもりです。
それではまた次回!
(後、ちょっとこれからは不定期になるかも知れません。ご了承ください)

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