この話でこの章の最終話の一つ前になります。最終話まで読んで下さると嬉しいです。
それでは第七話始まり始まり。
俺は、歩いていた。元の世界に戻るために。何かも忘れよう。この幻想郷の事を。(もう知らない。何で…何で誰も信じてくれないんだ!俺が外から来てまだ一年ぐらいしか経ってないからか?ふざけるな!)俺は道端にあった石をやけくそで蹴飛ばした。こうなったのは先週の出来事からだった____
俺は霊夢、魔理沙と共に黒尾について調べていた。しかし全く情報が集まらず被害が増えていく一方だった。俺、霊夢、魔理沙は焦っていた。
「ダメだ。色んな占術を使ってもこれだというのが無い」
「こっちもダメね。黒尾の正体を掴もうと尾行しても、撒かれてしまうわ」
「こっちもだめだぜ。色んな奴に話を聞いても分からないだってさ」
三人共同時にため息を付いた。黒尾の調査を始めてからもう半年も経つ。その間俺達は何もする事は出来なかった。
「もう今日も暗くなって来たし、私は帰るぜ。じゃまた明日な」
「ああ、またな」
「えぇ、じゃあね。魔理沙」
魔理沙はおうと言うと箒にまたがると飛んでいった。
その翌日の事だった。俺は香霖堂に向かう途中で魔理沙と出会った。
「お、魔理沙じゃないか」
「…」
「ん、魔理沙?」
「…」
「魔理沙?」
「…」
「魔理沙!」
「え、あ、晴竜。どうしたんだ?」
「どうしたんだ、じゃない。こっちのセリフだ。お前こそぼーっとして、何かあったのか?」
「え、いやー…」
魔理沙はばつの悪そうな顔をした。まさか。
「まさか魔理沙、黒尾に会ったんじゃないんだよな」
「それが…。会っちまった」
「はぁ!?どうゆう事だ。説明してくれ」
俺が問い詰めると魔理沙は説明し始めた。
「私が家に帰る途中で一人歩く男がいたんだ。私は気になって降りて見ると黒尾だったんだ。それで黒尾がちょっと付き合ってくれないか?と言われてな」
「まさか。ついて行ったのか?」
「だって、少しでも情報を必要だと思ったんだぜ。それで、ついて行ったら一軒屋があってそこで、お茶を飲んでいたらとても美味しくて、しかも黒尾って話が上手くてついつい楽しんじまった」
「お前な…。それで、情報は掴めたのか?」
「それが、重要な所はなぜか霧がかかった感じで思い出せないんだ。ただな…」
「何?」
「黒尾。私達の知り合いまでお茶をしたって言うんだ」
「何だって!」
しまった。まさか、あの半年で俺らの知り合いまで被害が出ていたと。
「例えば誰なんだ」
「例えば、紅魔館の連中だろ、地霊殿の連中に命蓮寺だったかな。あと、守矢の連中も上がってたな」
それって、ほとんど知ってる奴らじゃないか。その時だった。
「ダメじゃないか。それも秘密だって言ったはずだけど?」
そこに現れたのはあの黒尾だった。
「なっ!?黒尾!」
「あれ、そうだったけ?」
俺は驚いたが、魔理沙はそんなに驚いた様子は無く頭を傾げていた。
「そうだよ魔理沙。まったく、口が軽いな」
「ハハ、ごめんだぜ。」
「しょうがないな。なら、お仕置きだ」
と言うと、黒尾は魔理沙に近づくと魔理沙の目を手で覆った。すると___
「う、うーん。あ、あれ?晴竜、何でここにいるんだ?って、黒尾もいるじゃないか。どうしたんだぜ?」
「な!?」
魔理沙はまるで今まで俺らが居なかったかのように言った。
俺は直ぐに、魔理沙を背後に庇うと刀印を結んだ。
「てめぇ!魔理沙に何しやがった!」
「何もしてないよ。ねぇ、魔理沙?」
すると、魔理沙は素直に頷いた。
「何言ってるんだ晴竜。私は何もされてないぜ」
「これでも、僕が何かしたと?」
「くっ」
俺は仕方がなく刀印を解いた。
「お前。こんな風に他の子達もやったのか」
「え、何を言っているのか分からないのだが」
「ちぃ」
俺は舌打ちした。ダメだ。この状況じゃ、あいつを問い詰められない。結局、黒尾に何もすること無く立ち去った。だが、立ち去る時に黒尾は耳打ちしてきた。
「何をしようが無駄だよ。僕の前ではね」
「…」
その時の俺は黙って拳を握り締めるしか無かった…。
その日から俺は幻想少女達を始めとした少女達にもう黒尾に近付かないように注意を呼びかけたが。
「そんなはずが無いじゃない。何を言っているの?」とレミリア達に言われ
「黒尾様がそんな酷い事するはず無いわ」とさとり達に怒られ
「アナタ、嫉妬してるのね。醜いわ」とアリスや聖白蓮達に呆れられた。
(もうこれは霊夢に頼むしかない!)
俺は直ぐに博麗神社に戻った。が。
「晴竜。いい加減にしなさい」
「は?」
戻ってきてそうそう霊夢に怒られた。
「何を言ってるんだ?俺はいい加減な事なんてやってないぞ」
「紅魔館や地霊殿、命蓮寺あと、守矢神社からクレームが来てるわ。黒尾様を悪者扱いしないでって」
「何だと!ふざけるな!悪者扱いするなだって!本当の黒尾は悪者だって言うのに?くだらない」
「くだらなくても、こっちはクレーム対応で大変なの。全く来なかった人里の奴らまでクレームを言いに来るんだから」
「だから何か?黒尾の事を調べるのを辞めろって言うのか?」
「そうよ」
「霊夢いいのか?このままアイツをほっといて!このままだと幻想郷の少女達がアイツに記憶を消されちまう」
「それが何?」
「え?」
「黒尾との一部の記憶が無くなって生活に支障をきたすの?」
「そ、それは…」
「生活や人間関係など、これからの事で大変になるのなら私も動くわ。でもね、黒尾が人や妖怪を連れ去るやらケガをさせたならまだしも、お茶しただけという事なら私は退治することは出来ないわ」
「…」
「もしも、それでもやるなら私はあんたを止めないと行けない。そう吸血鬼や悟り妖怪達に言われてるからね」
俺は現実に打ちのめされていた。ここ一年で俺は少しでも幻想少女達との信頼を得て、距離を近付けたと思った。しかし、それはただの俺の思い過ごしだったみたいだ。
「…分かったよ」
「そう。ならいいわ」
「俺、幻想郷を出る」
「は?何を言ってるの?」
「…」
俺は自分の部屋に戻り、さっと荷物を纏めると部屋を出た。霊夢は、俺を呼び止めようとしているようだか俺の耳には入ってこなかった。俺はとにかく出て行きたかった。理由は霊夢達に怒っても、黒尾を恨んでもじゃあない。ただ、自分の思い過ごしという醜ささを知られたく無かったからだ。そして、今。俺は歩いている。元の世界に戻るために。
「はぁ。やっと着いた」
着いたのは幻想入りして俺が倒れていた場所だ。
「さて、えーと、門を出現させる為の呪文は…」
俺は一年前の事を思い出しながら唱えた。
『ここに世界を繋ぎし、道を閉ざす門よ。今、姿を現し、我を誘え!』
すると案の定、門が出現した。俺は門を開くとくぐるために一歩踏み出した。
第八話に続く。
第七話完成しました。久しぶりの二千文字越え疲れました。さて、いよいよ次回魅惑異変の章最終話を迎えます。さて、晴竜は元の世界に戻ってしまうのか?黒尾の目的とは?そして、幻想郷の運命は?
それでは、また次回!