ありふれた職業で世界最強(女)と文字使い(ワードマスター) 作:アルテール
勇者グループの話を書こうと思ったのですが予想以上に手間取ってしまい駄目文になってしまいました。申し訳ございません・゜・(ノД`)・゜・
というか、正直言って見てもらわなくても物語に支障はありません。
そして現在、『金色の文字使い』の原作キャラを出すかアンケートをしています!
詳しくは活動報告に書いてありますので是非コメントしてください!コメントお待ちしています!
日色達がヒュドラとの激闘を制した頃、勇者一行は、一時迷宮攻略を中断しハイリヒ王国に戻っていた。
道順のわかっている今までの階層と異なり、マッピングされていない階層の地道な探索や、魔物の強さも一筋縄では行かなくなってきたことでメンバーの疲労が激しく、未だ疲労を見せずケロリとしているのは雫、香織だけなため、一度中断して休養を取るべきという結論に至ったのだ。当然、雫と香織は不満を示したのは言うまでもない。
しかし休養だけなら宿場町ホルアドでもよかったがハイリヒ王国に戻った一番の理由は王宮から迎えが来たからである。何でも今まで音沙汰無かったヘルシャー帝国から勇者一行へ会談を申し込まれたのだ。
光輝達の脳裏に「何故、今?」という疑問を抱いたのは至極当然のことだろう。
勇者の際に同盟国である帝国の人間が居合わせなかったのはエヒト神による【神託(笑)】から【召喚(誘拐)】までの間がほとんどなく、知らせが間に合わなかったからなのだが………仮に勇者召喚の知らせが届いても帝国は動かなかっただろう。なぜなら、帝国は三百年前にとある名を馳せた傭兵が興した国であり、冒険者や傭兵の聖地というべき完全実力主義の国だからだ。
突然現れ、人間族を率いる勇者と言われても納得はできないだろう。聖教教会は帝国にもあり、帝国民も例外なく信徒であるが、王国民に比べれば信仰度は低い。大多数の民が傭兵か傭兵業からの成り上がり者で占められていることから信仰よりも実益を取りたがる者が多いのだ。
要は『神様より金』を信条としているのだ。
そんな訳で、召喚されたばかりの頃の光輝達と顔合わせをしても軽んじられる可能性があった。もちろん、教会を前に、神の使徒に対してあからさまな態度は取らないだろうが。王国が顔合わせを引き伸ばすのを幸いに、帝国側、特に皇帝陛下は興味を持っていなかったので、今まで関わることがなかったのである。
だが、勇者一行が迷宮攻略にて前人未到の領域である今回の【オルクス大迷宮】攻略で、歴史上の最高記録である六十五層が突破されたという事実に帝国は興味が出てきたから会いたいときたので王国側も聖教教会も、いい時期だと了承したのである。
………それよりもぶっちぎり最下層に
そんな話を帰りの馬車の中でツラツラと教えられながら、光輝達は王宮に到着した。
馬車が王宮に入り、全員が降車すると王宮の方から一人の少年が駆けて来るのが見えた。十歳位の金髪碧眼の美少年である。光輝と似た雰囲気を持つが、ずっとやんちゃそうだ。その正体はハイリヒ王国王子ランデル・S・B・ハイリヒである。ランデル殿下は、思わず犬耳とブンブンと振られた尻尾を幻視してしまいそうな雰囲気で駆け寄ってくると大声で叫んだ。
「香織! よく帰った! 待ちわびたぞ!」
もちろんこの場には、香織だけでなく他にも帰還を果たした生徒達が勢ぞろいしている。その中で、香織以外見えないという様子のランデル殿下の態度を見ればどういう感情を持っているかは容易に想像つくだろう。
実は、召喚された翌日から、ランデル殿下は香織に猛アプローチを掛けていた。召喚された日に日色を睨んでいたのはきっとそういうことなのだろう。しかし彼は十歳。香織から見れば小さい子に懐かれている程度の認識であり、その思いが実る気配は微塵もない。初恋とは淡い結末が殆どである。
「ランデル殿下。お久しぶりです」
パタパタ振られる尻尾を幻視しながら微笑む香織。そんな香織の笑みに一瞬で顔を真っ赤にするランデル殿下は、それでも精一杯男らしい表情を作って香織にアプローチをかける。
「ああ、本当に久しぶりだな。お前が迷宮に行ってる間は生きた心地がしなかったぞ。怪我はしてないか? 余がもっと強ければお前にこんなことさせないのに……」
ランデル殿下は悔しそうに唇を噛む。香織としては日色を探すという目的があるため守られるだけなどお断りなのだが少年の微笑ましい心意気に思わず頬が緩む。
「お気持ちだけ受け取らせていただきます。ですが、私は大丈夫です。自分で望んでやっていることですから」
「いや、香織に戦いは似合わない。そ、その、ほら、もっとこう安全な仕事もあるだろう?」
「安全な仕事ですか?」
ランデル殿下の言葉に首を傾げる香織。その表情は成り行きを見ている雫には戦わせるために呼び出した側が何を言っているのだろう?と疑問を抱いているように見え、少年の必死のアプローチによる結末を察し小さくため息を吐いた。
「う、うむ。例えば、侍女とかどうだ? その、今なら余の専属にしてやってもいいぞ」
「侍女ですか? いえ、すみません。私は治癒師ですから……」
「な、なら医療院に入ればいい。迷宮なんて危険な場所や前線なんて行く必要ないだろう?」
医療院とは、王宮の直ぐ傍にある国営の病院のことである。要するに、ランデル殿下は香織と離れるのが嫌なのだ。しかし、そんな少年の気持ちは鈍感な香織には届かない。いや、たとえ届いたとしても彼女は日色が待っている大迷宮に行かなければならないため止まることはないだろう。
「いえ、前線でなければ直ぐに癒せませんから。心配して下さり有難うございます」
「うぅ」
ランデル殿下は、どうあっても香織の気持ちを動かすことができないと悟り小さく唸る。そこへ空気を読まない厄介な善意の塊、勇者光輝がにこやかに参戦し――
「ランデル殿下、香織は俺の大切な幼馴染です。俺がいる限り、絶対に守り抜きますよ」
――火種に油を注ぎ込むどころかぶち込んだ。
光輝としては、年下の少年を安心させるつもりで善意全開に言ったのだが、この場においては不適切な発言だった。恋するランデル殿下にはこう意訳される。されてしまう。
『俺の女に手ぇ出してんじゃねぇよ。俺がいる限り香織は誰にも渡さねぇ!絶対にな!』
もしかしたらご都合主義解釈というものは光輝と顔が似ているもの全員に標準装備されているものなのかもしれない。
親しげに寄り添う勇者と治癒師、実に様になる絵である。
ランデル殿下は悔しげに表情を歪めると、不倶戴天の敵を見るようにキッと光輝を睨んだ。ランデル殿下の中では二人は恋人のように見えているのだろう。
香織はランデル殿下が自分から光輝に関心が移ると理解すると共に後ろに引っ込もうと考えていた。成り行きを見守っていた雫は親友の心情を察し、苦笑いするのだった。
そこへ涼やかだが、少し厳しさを含んだ声が響いた。
「ランデル。いい加減にしなさい。香織が困っているでしょう? 光輝さんにもご迷惑ですよ」
「あ、姉上!? ……し、しかし」
「しかしではありません。皆さんお疲れなのに、こんな場所に引き止めて……相手のことを考えていないのは誰ですか?」
「うっ……で、ですが……」
「ランデル?」
「よ、用事を思い出しました! 失礼します!」
ランデル殿下はどうしても自分の非を認めたくなかったのか、いきなり踵を返し駆けていってしまった。その背を見送りながら、王女リリアーナは溜息を吐く。
「香織、光輝さん、弟が失礼しました。代わってお詫び致しますわ」
そう言って頭を下げた。美しいストレートの金髪がさらりと流れる。
「ううん、気にしてないよ、リリィ。ランデル殿下は気を使ってくれただけだよ」
「そうだな。なぜ、怒っていたのかわからないけど……何か失礼なことをしたんなら俺の方こそ謝らないと」
香織と光輝の言葉に苦笑いするリリアーナ。姉として弟の恋心を察しているため、意中の香織に全く意識されていないランデル殿下に多少同情してしまう。まして、ランデル殿下の不倶戴天の敵は別にいることを知っているので尚更だった。
当然、ランデル殿下がその不倶戴天の敵に会ったとき、一騒動起こすのだが……それはまた別の話である。
リリアーナ姫は、現在十四歳の才媛だ。その容姿も非常に優れ性格は真面目で温和、決して硬くなりすぎることもなく時と場合をわきまえつつ使用人達とも気さくに接する人当たりの良さを持っている為、国民にも大変人気のある金髪碧眼の美少女である。
彼等が関係ない自分達の世界の問題に巻き込んでしまったと罪悪感もあるようで光輝達召喚された者にも、王女としての立場だけでなく一個人としても心を砕いてくれている。
当然、率先して生徒達と関わるリリアーナと彼等が親しくなるのに時間はかからなかった。特に同年代の香織や雫達との関係は非常に良好で、今では愛称と呼び捨て、タメ口で言葉を交わす仲である。
「いえ、光輝さん。ランデルのことは気にする必要ありませんわ。あの子が少々暴走気味なだけですから。それよりも……改めて、お帰りなさいませ、皆様。無事のご帰還、心から嬉しく思いますわ」
リリアーナはそう言うと、ふわりと微笑んだ。香織や雫といった美少女が身近にいるクラスメイト達だが、リリアーナの美しさには二人にない洗練された王族としての気品や優雅さというものがあり、多少の美少女耐性で太刀打ちできるものではないためその笑顔を見てしまえば永山組や小悪党組の男子は顔を真っ赤にしてボーと心を奪われてしまい、女子メンバーですら頬をうっすら染めている。異世界で出会った本物のお姫様オーラに現代の一般生徒が普通に接しろという方が無茶なのである。
普通に接することができるのは恐らく厄介な正義の塊である光輝に香織や雫、そもそも日色以外に興味がないハジメとほぼ常に無表情な日色ぐらいだろう。
そんなわけで彼女の謝罪と共にこの場は無事に収められた。
途中、自分の容姿や言動の及ぼす効果に病的なレベルで鈍感な光輝が下心一切なく爽やかな笑顔でキザなセリフを言い、リリアーナをオロオロとさせたり、数日間帝国の使者が来るまで足止めされる為、雫と香織は苛立つ感情を押さえつけるように訓練を打ち込んでいたりしたが、特に特筆することではないので割愛とする。
◆
それから三日後、遂に帝国の使者が訪れた。
現在、光輝達、迷宮攻略に赴いたメンバーと王国の重鎮達、そしてイシュタル率いる司祭数人が謁見の間に勢ぞろいし、レッドカーペットの中央に帝国の使者が五人ほど立ったままエリヒド陛下と向かい合っていた。
「使者殿、よく参られた。勇者方の至上の武勇、存分に確かめられるがよかろう」
「陛下、この度は急な訪問の願い、聞き入れて下さり誠に感謝いたします。して、どなたが勇者様なのでしょう?」
「うむ、まずは紹介させて頂こうか。光輝殿、前へ出てくれるか?」
「はい」
陛下と使者の定型的な挨拶のあと、早速、光輝達のお披露目となった。陛下に促され前にでる光輝。光輝の顔は召喚された頃と違い、まだ二ヶ月程度しか経っていないのに随分と精悍な顔つきになっている。
ここにはいない、王宮の侍女や貴族の令嬢、居残り組の光輝ファンが見れば間違いなく熱い吐息を漏らしうっとり見蕩れているに違いない。光輝にアプローチをかけている令嬢方だけで既に二桁はいるのだが……彼女達のアプローチですら「親切で気さくな人達だなぁ」としか感じていない辺り、光輝の鈍感は極まっている。まさに鈍感系主人公を地で行っている。それは逆に言えば彼と仲のいい女が虐められても何でそんな事するんだろう?となるわけなのだが……
そして、光輝を筆頭に、次々と迷宮攻略のメンバーが紹介された。
「ほぅ、貴方が勇者様ですか。随分とお若いですな。失礼ですが、本当に六十五層を突破したので? 確か、あそこにはベヒモスという化物が出ると記憶しておりますが……」
使者は、光輝を観察するように見やると、イシュタルの手前露骨な態度は取らないものの、若干、疑わしそうな眼差しを向けた。使者の護衛の一人は、値踏みするように上から下までジロジロと眺めている。光輝は居心地悪そうに身じろぎしながら、答えた。
「えっと、ではお話しましょうか? どのように倒したかとか、あっ、六十六層のマップを見せるとかどうでしょう?」
光輝は信じてもらおうと色々提案するが使者はあっさり首を振りニヤッと不敵な笑みを浮かべた。
「いえ、お話は結構。それよりも手っ取り早い方法があります。私の護衛一人と模擬戦でもしてもらえませんか? それで、勇者殿の実力も一目瞭然でしょう」
「えっと、俺は構いませんが……」
使者がそう言うと共に護衛の一人が前に出る。光輝は若干戸惑ったようにエリヒド陛下を振り返って了承を得るかどうかしているその間に香織は雫に近づき、耳打ちを行なっていた。
(……ねぇ、雫ちゃん。あの護衛の人って……)
(えぇ、香織。恐らくあなたが思っている通りよ、あの護衛……何かあるわね……)
そうコッソリと話しながら護衛へと視線を向ける香織と雫。二人が向ける視線の先にはさっき前に出た何とも平凡そうな護衛の男がいた。高すぎず低すぎない身長、特徴という特徴がなく、人ごみに紛れたらすぐ見失ってしまいそうな平凡な顔であり、一見すると全く強そうに見えない。
だが、
確かに護衛の男はこれといった特徴という特徴が無い、平凡な顔をしているだろう。人ごみに紛れたらすぐに見失ってしまいそうである。
故に、
人間の顔というのは生まれや育ちによって千差万別に変わり、どんな平凡な人間だろうとも僅かな特徴があるものだ。それはホクロだったり髪型だったりといったように。
たとえ顔が整っていたとしてもそれは特徴であるだろうし、ブサイクだとしても特徴となってしまう、ありふれた少女である南雲ハジメであろうとも必ず『南雲ハジメ』の特徴が存在するのである。
だが、この護衛の男にはそれがない。
身長も、顔つきも、体型も、髪型も、どれもかれもが不自然なほど
だからこそ、日色を見つける決意をしたことで他よりも何倍も練習に打ち込み、迷宮に必要な観察力をも鍛え続けている二人には気づくことができた。
もっとも雫の場合は幼い頃から日色の剣術を見てきたことで自然と身についた洞察力で微かの武人の癖というものを見つけたからなのだが。
二人は注意深く護衛の男を観察し続けているとふと護衛の男が此方へと視線を向けると、僅かに驚いたかのように眉を上げ――
「…………(ニヤッ!)」
「「――――ッ!」」
――二人以外には見えないように一瞬獰猛に笑ったことで二人は自分達の考察が正しかったことを知る。
一瞬、二人は身構えるもすぐに視線を外されたことで警戒を解き、小さくため息をついた。
すると、光輝達の方も確認が終わったようでエリヒド陛下から声が上がる。
「構わんよ。光輝殿、その実力、存分に示されよ」
「決まりですな、では場所の用意をお願いします」
こうして急遽、勇者対帝国使者の護衛という模擬戦の開催が決定し、一行はぞろぞろと場所を変えるのだった。
◆
「それで、勇者はどうでしたか?」
その晩、王宮の一室で帝国の使者が一人の男に本音を聞いていた。四十代位の野性味溢れる顔つきで短く切り上げた銀髪に狼を連想させる鋭い碧眼、スマートでありながらその体は極限まで引き絞られたかのようにミッシリと詰まっているのが服越しでもわかるような筋肉を携えたあの
「ありゃ、ダメだな。唯の子供だ。理想とか正義とかそういう類のものを何の疑いもなく信じている口だ。なまじ実力とカリスマがあるからタチが悪い。自分の理想で周りを殺すタイプだな」
そう言って今日の光輝との模擬戦をガハルトは思い出しながら答えた。
サプライズが日常茶飯事なフットワークが物凄く軽いこの皇帝陛下は今日、勇者がリーダーたるかどうか自分自身で調べた方が早いと考え、アーティファクトを使い身分を隠して一芝居を売っていたのである。
だが、勇者を見、模擬戦をしてガハルトは失望した。というか興味の対象にすらならなかった。
殺意のひとつ無い腑抜けた剣に傷つくことも傷つけられることも恐れている餓鬼のような精神性、光輝の言っている言葉や行っていることはまるで夢物語を騙られるような不快な気分だった。
その為、光輝に興味を失ったガハルトは抗議する光輝を無視して模擬戦を一方的に止めた。
その後、微妙な雰囲気を吹き散らすように場が取り繕われ、形式的な会談がなされる中で帝国からも将来性を理由に勇者を認めるとの何とも機械的な返答がなされ、現在に至っている。
「確かに。それに、どうも魔物と魔人を同列に語っているようでした。意識的なら問題ありませんが……」
「まぁ、間違いなく無意識だろうよ。それも『無知であることをよしとする故に』だ。ある意味、よくあんな在り方で生きていられたものだ。そういう世界だったのか、それとも能力の高さ故か……」
どうやら、皇帝陛下の中で勇者光輝の評価は赤点のようだ。ただし、数ヶ月前までは戦いとは無縁のただの学生だったという点と、その能力の高さを思い出して、「まぁ、魔人どもとの戦争が本格化して変わるんだったら話は変わるがな」と保留の結論を出した。
そして続けるように「それよりも……」と言葉を零した。
「俺の正体を見破った二人の取り巻きの女のほうがあの勇者よりも何倍もマシだな」
そういってあの時、己の正体を看破し、一手一足を注意深く観察する二人の少女を思い出し、微かに笑みを浮かべるガハルトに使者だった部下は驚愕したようにガハルトに聞き返す。
「見破ったって、アーティファクトをつけた陛下をですか!?」
「あぁ、そいつらは俺の正体を看破するどころか
どうやら香織と雫は皇帝陛下のお眼鏡にかなったらしい、二人に興味があるようだった。
なかでも、とガハルトは内心呟きながら彼女達の瞳を思い出す。
片方の治癒師の少女の瞳は良い、人を殺してもいいという覚悟と大きな決意を感じさせた。
だが、もう一人の剣士らしき少女の瞳を見て、ガハルトは一瞬見蕩れてしまった。
研ぎ澄まされた敵意に反して怯えた子犬のような不安の二面性を感じさせる瞳、確かに覚悟や決意を感じたもののいつ折れてもおかしくない儚さを持っている。
その少女を見てガハルトは強烈な支配欲に駆られたのだ、文字通り欲しいと思ってしまうほどに。
しかし、その少女は途中で見失ってしまい会談中にいう機会が見つからなかった。
そのことを悔やみながらも己の部下に言う。
「まぁ、今は、小僧どもに巻き込まれないよう上手く立ち回ることが重要だ。教皇には気をつけろ」
「御意」
そんな評価をされているもいざ知らず光輝達は、翌日に帰国するという皇帝陛下一行を見送ることになった。用事はもう済んだ以上留まる理由もないということだ。本当にフットワークの軽い皇帝である。
ちなみに、早朝訓練をしている雫を見て気に入った皇帝が愛人にどうだと本気で誘ったというハプニングがあった。雫は動揺することなく即座に丁寧に断り、皇帝陛下も「まぁ、焦らんさ」と不敵に笑いながら引き下がったので特に大事になったわけではなかったが、その時、光輝を見て鼻で笑ったことで光輝はこの男とは絶対に馬が合わないと感じ、暫く不機嫌だった。
雫の溜息が増えたことは言うまでもない。
というわけでガハルト陛下、ヤンデレ女神とツンデレ甘えん坊な剣姫(主に剣姫)に興味が湧く回です。戦闘シーンは面倒くさくなったので全力カット、申し訳ありません(>_<)
現在、金色の文字使いの化装術をありふれの世界の導入できるか検討中……