小説のプロローグ見たいな奴を描いて見ました。
それでは、どうぞ!
陸珊瑚の台地の頂上にて、その風漂竜は生まれた。
生まれて初期の段階では飛ぶことを嫌い、半年ほどは巣の中を歩いて回っていたという。
しかしそんな彼もいつかは飛ぶ時が来るものだ。
ある日、うっかり足を踏み外して巣から落ちそうになったのだ。
とっさに翼を広げ、空中に浮くことができたからよかったものの、下手したらそのまま落ちてしまったかもしれない。
彼は生まれつき他の個体より頭が良く、記憶力がある。
この経験以降、彼は本格的に飛ぶ練習をしたそうだ。
しかし相変わらず歩く方が好きなようで、飛んでは降りて歩き、飛んでは降りて歩き、時々ダッシュ、を繰り返しているうちに、脚と翼の筋肉が発達した。
それに伴い、頭や翼、尾の翼膜がかなり大きくなり、体色も腹側が濃い白色になり、飛行もマスターした。
そこからいくつもの月日が流れ、彼も立派に成長した。
まだ若く体は小さいが、その内に秘めた力は計り知れない。
この時点にしてはとても早く飛ぶことができるようになり、体も少しがっしりとした。
争いを好まず、睡眠と食事好きという性格と、奥地を主な拠点としていたことから、彼はまだハンターに会ったことがない。
頭も良く、蔓や軟質珊瑚など様々な物を用いて狩りをしていた。
そして、彼は好奇心もとても強かった。
そんな彼は、ある時ふと思い立った。
“ここの外はどんな所だろう”
彼はまだ巣立ちしてから日が浅く、縄張りを持っていないことが幸いをした。
“まずはあの森を目指そう”
頂上から見える古代樹の森を見つけそう思い、持ち前の好奇心で、外の世界へ行くことに決めた。
そして、その自慢の翼を広げ森に向け飛び立った。
それからさらに少し時はたち、あの風漂竜はというと
“なんか違う”
まだ自分の縄張りを決めれないでいた。新大陸は一通り回ってみたが、なかなかいい場所が見つからない。
そんな彼、今度は海を眺めていた。
そしたら、彼の好奇心が働いて
“この水の向こうはどんな所だろう”
普通なら考えつかないことを考えてしまっていた。
しかし、今ならいける条件は揃っていた。
もちろん彼自身がたくましくなったのもあるが、今はかなり強い風が吹いている。彼ぐらいなら、ギリギリいけるかもしれない。
“行ってみよう”
そう決心し、彼は翼を広げて森の頂上から飛び出した。
ここから彼の話は始まった。
ある小さな村に、とても元気な少女がいたそうだ。
様々なモンスターにとても興味があり、彼女はいつもモンスター図鑑を持ち歩いていたという。
その少女の名は「トウカ」。みんなからとても可愛がわれていたという。
そのトウカが一番好きなモンスターは、「レイギエナ」。
あのほっそりとしたフォルムと花のように空を飛ぶ姿がたまらないらしい。
そして、彼女がハンターを目指すようになったきっかけもレイギエナらしい。
そんな彼女も月日が経ち、いまやマスターランクに入る凄腕ハンターとなっていた。
「そりゃあっ!」
『グオッ⁉︎』
彼女の真飛竜刀【アレクス】が、
たまらず大きく怯み、傷ついた体を休めようと脚を引きずりながら逃げ始める。
「そうはさせないよ!」
彼女は機転を効かせ、脚裏に掬うように指の下に太刀の刃を入れる。
その刃は狙い通り脚裏を掠めてゆき、僅かな傷を作った。
『グオアッ⁉︎』
しかし、僅かな傷でも脚裏はとても痛い。それはモンスターとて同じ事。たまらず一瞬歩みを止めた。
「そこ!」
『グアッ⁇』
その隙に足元にシビレ罠を展開し、麻酔玉を投げつけた。
『グオォォォ…』
綺麗に二発とも顔に命中し、桜火竜は静かに眠りにつく。捕獲成功だ。
「よしっ!捕獲完了!!…はぁぁっ、疲れたぁ…」
桜火竜との戦いでよほど疲れたのか、彼女は一時その場に寝転がる。
だが、まだ彼女の仕事は終わっていない。
「さぁっ、この亜種の軽い調査をしてギルドに送ろう。でもなんでこんな所にリオレイアの亜種が…」
トウカはハンターをやっているが、その気になれば研究員にもなれるほどモンスターの知識があった。
だから彼女は、本来の生息地から離れた場所にいるモンスターを自分で捕獲して、モンスターの健康状態やしっかり栄養が行き届いているかなどを調べてからギルドに一緒に報告している。
桜火竜は砂漠地帯にならば生息している可能性はあるが、ここは地底火山。普段なら生息していない場所だ。
「結構痩せてる。あまり狩りができてない証拠だ。それに火山地帯に適応した種なら、もう少し赤みが強くなっててもおかしくない……けど、この個体の体色は薄い。渓流で育った個体の特徴だ。なんでこんな所に…」
様々な仮説を立ててみるが、なかなかいい結論にたどり着けない。
そこで、今一番可能性のある仮説をギルドに提出することにした。
その仮説とは、「この個体よりも強大な力のあるなんらかの生物が、この個体を追い出した。」という仮説。
しかし、この個体は最初からかなり消耗していたとはいえ、クエストが依頼されるならばマスターランクに相当するほどの強さだった。
追い出された当時は、もっと強力な力を持っていたに違いない。そんな雌火竜のしかも亜種を追い出すことができるモンスターなんているのだろうか。
もしいるとしたら
古龍だとなおさらだ。
流石に自分だけでは分からないと判断して、詳しい調査はギルドたちに任せることにした。
「一度渓流の生態系調査に行かないと。原因を探ろう。」
そして、この判断が後々とても良かったことだと知るのはもう少し後になる。
好奇心で新大陸を飛び出した風漂竜。
生態系変化が気になり、渓流に向かおうと決めた狩人。
彼らが後々、この世界にどう影響するか、それはまだ分からない……………
私が今実施中のアンケートも、どしどしコメントお待ちしてます!
それではまた!