翠風に舞う氷の華   作:滅爛ねぎ

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どうも、ここしばらくまたモチベが死んでたねぎです。というかまだ完全にモチベが復活したわけではないです()
流石にあんな良いところでずっと待たせるのもアレなので(もう四ヶ月以上待たせてるが)、急いで書き上げました。
それでは、お楽しみくださいませ♪


風と炎と渓流と…

『クルルァ!』

小手調べと言わんばかりに突進をする淡竜。海竜種に近い身体構造の扇竜種の一体であるため、本種の突進は四肢の大きな鰭を振り回す形になり横の範囲が非常に広く、他のモンスターの突進よりも厄介である。

主な対処法は、斜め上に避けるか

「はっ!」

その攻撃範囲を利用したカウンター。トウカの見切り切りが淡竜の左前脚を襲う。普通ならば大型モンスターはその程度では怯まないはずだが、この淡竜は何故か怯んで突進を中断し、距離を置こうとする。しかし

「やぁッ!!」

『クルァ!?』

大きく回転し左前脚に追撃。転倒こそしなかったものの、更に大きく怯み一瞬体制を崩す淡竜。より集中した彼女の視界の端には、白色の光を纏ったように見える自らの愛刀がチラリと写り込んだ。

ーーー気刃大回転斬りーーー

一瞬で正面に回り込み、体制を崩したことで頭が下がった淡竜の額を右上から左下にかけて一閃。それにより更に怯んで後退した。

ただ、トウカはこの一連の行動の中でとある違和感を抱いていた。

「(おかしい…いくらなんでも怯みすぎだ…それに、私達が駆けつけた頃には既に怒り状態だった……まるでここに来るまでに何者かと争ったかのよう…)」

その一瞬の思考が、彼女の判断を鈍らせた。

『クルァァ!!』

「ッ!?しまっ!?キャア!!」

淡竜の右前脚の鰭で殴打され、派手に飛ばされる。トウカもそれなりに距離をとっていたとはいえ、伸ばした鰭のリーチは彼女の想像の上をいっていた。

更に追撃を加えようと彼女に視線を向ける淡竜。しかし、相手は()()()()()()()を忘れていた。

『キィィ!』

『クルァ!?』

エールが淡竜の顔に向かって突進。想定の外からの攻撃を顔に受け思わずよろける。その間にトウカは体制を整えていた。

「ありがとうエール!助かった!」

『キィ!』

相棒に軽く礼を良い、再び太刀を構える。相手も大きく身震いをし、膠着状態となった。

今度はトウカから仕掛けた。太刀を少し下げ、刀身を地に擦り、抜刀しながら駆け抜ける。淡竜も黙って見ているわけではなく、再び右前脚を振り上げ彼女を叩き潰そうとする。そしてトウカが最大限まで近付いたのを見計らい勢いよく鰭を振り下ろす。

振り下ろしたタイミングでトウカは刀身を振り抜き、剣先で鰭に一閃。直後に身を翻し、鰭の一撃を見切り切り付けた。そして気刃大回転切りで更に追撃。一瞬だが、刀身が黄色に輝いた気がした。

そして、大回転切りの段階で淡竜の右前脚や鰭の鱗が大きく欠落し、悲鳴を上げながら転倒した。

部位破壊だ。

すると突然、トウカは指笛を鳴らしながら刀身を大きく掲げる。すると、エールが刀身に向かってブレスを放った。そして、刀身は雷を浴びる。

そう、武器を掲げながら合図を送ることで、短時間ながら蒼殻竜が扱う属性を刀身に纏うことができるのだ。この行為にはそれなりの隙を晒すため、相手の隙を見計らってする必要がある。

そして、転倒した淡竜に向かい縦切りを数回、そして気刃切りへと繋ぎ…

「…やぁッ!」

気刃大回転切り。ついに刀身が紅く輝き出したような気がした。

そのタイミングで淡竜が転倒から復帰。口から大量の火の粉を散らす。

「あっと…これは不味いですね!」

地を蹴り急いで距離を取るトウカ。その直後、さっきまで彼女がいた場所は淡竜の火炎放射によって焼かれていた。

その直後、淡竜の後頭部に向け電撃が襲い掛かる。エールの雷ブレスだ。後頭部への衝撃で淡竜は一瞬ブレスを止めてしまう。

「今ッ!!」

トウカは再び刀身を地に擦らせながら駆けてゆき、下がった頭部の額に向けて今度は左下から右上にかけて一閃。それにより額に大きな傷が生じ、更に怯む。

その隙に構え、左前脚に向けて突きを繰り出す。その後鰭を踏みつけ、大きく跳躍する。

「これでも喰らいなさい!!」

その一言の後に、淡竜の胴体に向けて勢いよく縦に一閃。その後数多の斬撃が淡竜を襲う。

ーーー気刃兜割ーーー

これにより淡竜は大きく怯み、胴体の部位破壊が完了した。

直後に鞘を腰まで持ってきて刀身を仕舞い、相手の様子を伺うトウカ。淡竜はここぞとばかりに火の粉を散らせながら噛みつこうとする。

しかし、淡竜のその行為は叶うことはなかった。噛みつきのタイミングでトウカは刀身を振り抜き、攻撃を見切った。直後に軌跡に沿って斬撃が走り、淡竜を襲う。

ーーー居合抜刀気刃斬りーーー

しかし、なお淡竜は怯まなかった。

『クルルァァ!!』

「えちょっ!?」

淡竜は向き合い、一瞬の隙を見せるトウカに火球を放つ。トウカは上手く避けきれず、モロに食らってしまう。淡竜は追撃…はせず、何かに身構えていた。

『クルルァ!!』

『キィ!?』

淡竜が上空に火球を放ち、突進してくるエールを撃ち落とす。そう、淡竜は()()()()()()()()()()()()のだ。

「くっ…エール!一回退いて!」

『…キィ!』

なんとか立て直したトウカは、傷付いたエールに撤退の指示をする。エールは高く飛び上がり、一時的に戦線離脱した。

「扇竜種…なかなかやるじゃない…」

『クルル…』

お互い手痛いダメージを受け、再び膠着状態になったトウカと淡竜。今度は先に淡竜が仕掛けた。

『クルァ!!』

「えっ嘘!?」

火球を地面に放ち、なんと炸裂する直前に前脚の鰭でトウカに向かって打って来たのだ。

これは淡竜の戦術の一つ。通称『火球ノック』。もしも淡竜が不自然に火球を地面に放つ直前に鰭を振り上げた場合、この攻撃の警戒が必要である。

初見技である『火球ノック』に驚き、急いで迫ってくる火球を切るトウカ。しかしその時、淡竜は更に大きな火球を放とうとしていた。

「嘘でしょ!?」

慌てて火球を切った直後で体制が崩れているトウカ。今あの火球をモロに喰らえば無事では済まないだろう。

「(こうなったら…()()をやるしかない!!)」

そうトウカが思った直後に放たれる火球。放たれる直前、トウカの左の瞳が一瞬()()()()に輝いた。すると、彼女の周りを覆うように『竜巻』が発生する。その竜巻は、淡竜が放った火球を飲み込み、炎の渦へと変化した。

『クルァッ!?』

自身の火球が防がれたことに驚く淡竜。

いや、それよりも、目の前の人間から一瞬だけ()()()()()()を感じたことに驚き、恐れを感じた。

炎の渦は瞬く間に霧散、あった場所には体制を整えたトウカが立っていた。

またまた膠着状態になった時…上空から何かが飛来してきた。

『アォォォォォォン!』

「ええっ!?」

『クルァ!?』

突如として乱入してきたソイツは、頭部と尻尾が群青色に染まった茶色の丸いフォルム、今にも爆発しそうなおびただしい数の紅い何かを頭部と尻尾にぶら下げ、その巨体を生かして特攻してきた。

「こ、こんな所になんで『紅蓮滾るバゼルギウス』が!?」

そう、普段ならば渓流には生息していないはずの『バゼルギウス』……の特殊個体『紅蓮滾るバゼルギウス』が乱入してきたのだ。

『ルァ……クルァァァァ!!』

『アォォォォォォォォン!!』

なんとか特攻を回避した淡竜は思わぬ乱入者に一瞬たじろぐものの、咆哮して突撃。既に着地している紅蓮滾る爆鱗竜の胴体の上からのしかかり、噛み付く。しかし、その頑強な鱗にまともに牙が通っていない様子。

その後、紅蓮滾る爆鱗竜は身を翻し、軽々と淡竜を振り払う。そしてその勢いで軽く上昇し、今度は淡竜を押し潰そうと急降下する。

『クルァ!?』

突然の動作に驚き、対処が遅れ下敷きになる淡竜。あの巨体に押さえつけられてしまうと、ほぼ脱出は不可能となってしまう。現に、淡竜は脱出しようと必死に暴れているが、紅蓮滾る爆鱗竜を退かすどころか動かすことも出来ていない。

『ォォォォン!』

身体全体で押さえつけていた紅蓮滾る爆鱗竜は、上体を起こし脚で押さえつけ始める。それでも尚淡竜は脱出することが叶わず、その後の爆鱗の雨に晒され、淡竜は完全に沈黙した。

『アォォォォォォン!!』

勝利の咆哮を轟かせる紅蓮滾る爆鱗竜。幸いまだこちらには気付いていないようだ。

「(よし…今のうちに…!)」

元々9番に近い所で交戦していたのもあってか、容易に離脱することができたトウカ。9番にたどり着いた直後に上空からエールが戻ってきた。

「これは…想像以上にとんでもないことになってるね…」

『キィ…』

「…と、とりあえず、急いで報告しに戻ろう。あんな化け物を放置してたら危険だけど、今の私にはちょっと手に余るから…」

『キィ!』

こうして、渓流での惨状を報告しにキャンプへと駆けていくトウカと並走するエール。

こうして、後に現大陸を巻き込む大異変の片鱗が報告されるのであった…




いかがでしたでしょうか?
正直このペースでの投稿は読者の皆さまに申し訳ないとは思うのですが、なにせこれからバイトとかが始まるのでペースを上げることは難しいと思います…申し訳ない
途中で投げ出すことは絶対に無いので、完結までお付き合い頂けるとありがたいです…
それでは、また次回!
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