ガンダムビルドダイバーズ〜RE:Action〜 作:勘張 明倫
それから2年後、
私ことヒラサカアスカは高校二年生になり普通の高校生活を送っていた。
次期生徒会長は目前とか言われたり勉強で上位を取り感心されたり、
いろんなことがあった。
けれど、2年前から変わったのは・・・GBNから離れたことだ。
二年前の試合ののち、
私とトモキの判断が間違っていたことや隊長を守れなかったこと等の問題でフォースは完全に内部分裂を起こしてしまい、
さらにそこは追い討ちをかけるように隊長が
『リアルでも忙しくなった上、分裂具合が激しいゆえ。
このフォースを解散する』と言い出してしまい、結果フォースは解散してしまった。
個々でやるGBNは酷く退屈に思えてしまい私はGBNをやめてしまったのだ。
しかし、やめたのちも普通の高校生活を送りながらもGBNやガンプラについては頭から離れなかった。
街頭のガンプラのCMでは見入ってしまうしGBNのお知らせをケータイで見たときはついクリックしてしまう。
部活だって、帰宅部を貫いている。
しかし、頭の中ではGBNなどはもう楽しくないとわかってしまっているからか行動することができない。
そんなモヤモヤした日々が続いたある日、
トモキから
『GBN内でのすごい熱い戦いが始まるって!
見に行くだけでもいいから一緒に行こうよ姉さん!』
としつこく勧められた。
私としても特に予定もなく、見るだけならばとトモキの誘いになりその戦いを見ることになった。
ア『・・・全く、
久しぶりにGBNにログインしたと思ったら、こんな人混みに連れられてくることになるなんてね。』
トモキの横でピョンピョン飛び跳ねながらハロになった私は移動する。
アカウントは消してしまってたのでゲストアカウントのハロになるしかなかったのだ。
ト『しょうがないじゃん姉さん。
なんて言ったって今日はフォーストーナメントの決勝!
それも現GBNチャンピオンにして最強のダイバーの{クジョウキョウヤ}率いるフォース、
フォースランク一位、チーム[AVALON]。
それに対するはキョウヤも認めるライバルであり知将として知られるダイバー。
知将ロンメル率いるフォースランク二位のフォース、
[第7機甲師団]!
彼らの激闘は熱戦必至だからどうしても姉さんと見たかったんだ。』
ア『へぇ・・・私がインしてない間にすごい盛り上がってるのね。
まぁ、せっかくトモキが誘ってくれたんだし。
とりあえず見て行くわ。』
ト『うっし!
じゃあ早く見に行こう!
いい席とってるんだ!』
トモキが私を拾い上げ駆け出して行く。
・・・思えばGBNを始めたばかりの頃は私がトモキを引っ張っていってたっけ・・・
それが今や私がトモキに先導してもらっている。
なぜだか少し感慨深くなってしまった。
しばらくしたのち決勝戦は始まった。
要塞の外ではガンブラスターやトーラス、翼の生えたグルドリンとヘビーガンダムカラーのバスターガンダムなど。
両者様々な機体を用いて熱い戦いを繰り広げていた。
その中でもひときわ司会の紹介もあり目立っていた機体があった。
ガンダムAGE2をベースに肩の翼がクリアパーツに変更されていた紺色のガンダム。
ガンダムAGE2マグナム、
そしてそれに乗るチャンピオンと言われたダイバー、クジョウキョウヤだ。
彼とその仲間のクランシェカスタム2機とドートレスネオは第7機甲師団の隊長、ロンメルの待つ要塞の内部に侵入して分断して行動を開始した。
そこからは互いの知恵をぶつけ合う熱いバトルの連続だった。
そしてAGE2マグナムがロンメルの乗るグリモアレッドベレーとその仲間のギラ・ドーガと戦い、2対1ながら全く引けを取らなかった。
しかししびれを切らしたドーガが特攻し、機体を損傷しながらマグナムを抑えた。
そして
『来い!ジャック!』
その掛け声とともにコロニーを貫通しながら凄まじいビームが絡み合う二機を飲み込み爆発した。
放たれたレーザーを撃ったのはザク1スナイパーの色に塗装されたヅダだった。
会場の観客たちが息を飲んだ。
あのチャンピオンが敗れるのか、勝負はどうなったのか。
少しの沈黙の後に声を出したのは。
『これでもなお・・・落ちぬかよ、ガンダム!』
ロンメルの少しわかっていたかのような焦りの声が響き、
煙の中から肩のファンネルを喪失したマグナムが姿を現した。
観客の中からどよめきが上がる。
あのレーザーを耐えきった上にファンネルを失ったとはいえ五体満足なのだ。
ガンダムのセリフを使って言うならまさに、『あのMSは化け物か!』
と言いたくなるだろう。
そう考えているうちにロンメルが慟哭し、
グリモアレッドベレーとマグナムがぶつかり合う。
目も離せないほどの激突の連続、
お互い譲らない攻防が続いた。
互いに武器を破壊されながらも、損傷しながらも、2人はぶつかり合う。
そして違いのビームサーベルとナイフで鍔迫り合いをして互いの頭部をぶつけ合う。
けれどそれを行なっている2人の顔に浮かんでいるのは焦燥ではなく、倒すという決意でもなく。
あの2人は・・・ロンメルとクジョウキョウヤは・・・・
ア『・・・楽しんでる・・・この戦いを。』
『その情熱!闘争心こそが、僕を掻き立てる!!』
『全く・・・君の強さには本当に敬服する!』
『チャンピオンの称号を持ってしても、それでも僕はまだ勝ちたい!
まだ足りない!』
『呆れるほどの我力!
だが、ファイターなら誰でもそうさ!』
『・・・ガンプラバトルを、僕が一番好きなんだと!!』
『私が一番うまいんだと!!』
そして、言い切るやいなや鍔迫り合いをとき後方に一度下がり、
再び2人は・・・ライバルに負けて突進する!
『『この拳!空高く突き上げて見せるためにぃ!!』
二期のガンプラがぶつかり合おうとしている、
次にぶつかった時、そこで生き残っていればその人の勝ちだ。
観客が息を呑んで見守る中、
『キョウヤ!!!』
『ロンメルゥゥ!!』
2人の雄叫びが呼応し、プラズマナイフとビームサーベルが交錯しようとしたその刹那、
《battle end。
flag MSdestroy》
ブザーと共に試合終了のアナウンスが告げられた。
なんと第7機甲師団のフラッグMSはロンメルのグリモアレッドベレーではなく、
ビックガンで狙撃したジャックの乗るザク1スナイパーカラーのヅダだったようで。
傷ついた2機のクランシェカスタムを一つに集約した者が撃破して試合が終わったのだ。
クジョウキョウヤとロンメルが、お互いを称え合いそしてガンプラで握手をする。
そして告げられた勝者のチーム名に会場の熱狂は盛り上がり、しばらく消えることはなかった。
ト「やー、まさかロンメルさんがフラッグじゃなかったなんてなー。
けどあの2人のぶつかり合いはかなり熱かったね!」
ア「ええ、久しぶりにいい試合を見た気がするわ。」
現実世界に戻り、私達は夕飯を食べながら先ほどの試合について談笑していた。
私達の親は両者共同じ会社に働いており、
今は2人とも海外出張中で家には私達しかいない。
だからこそのびのびできるというものでもあるのだけれど・・・
ア「・・・今日はありがとうね、トモキ。
あの試合を私に見せてくれて。」
ト「何言ってんのさ姉さん。
別に大したことじゃないって。」
私がお礼を言うとトモキは嬉しそうに頬を人差し指でかく、
そして私は、試合の終わりから抱いていた思いをトモキにぶつける。
ア「・・・ねぇトモキ、
私はGBNに戻ろうと何度か思ってたんだ。
けど・・・どうしても戻れなかった。
あの時の記憶がどうしても頭から離れなくて・・・
またあんなことになるくらいならいっそやめてしまう方が楽だって言い聞かせてきた。
・・・けど、そうして手に入れた生活はあまりにも普通で・・・
なにかをずっと探してた。
その答えを・・・トモキが、今日教えてくれた。」
ト「姉さん・・・」
ア「トモキ、私・・・もう一度やり直したい。
もう一度GBNをやりたい!
そして今度は、私達のフォースを使って2年前のあのフォースに勝ちたい!
だからトモキ!一緒にまた始めよう!GBNを!」
ト「・・・わかったよ姉さん!
俺にできることなら手伝うよ!」
トモキは嬉しそうにはしゃぎながらわたしにそういってくれた。
クジョウキョウヤとロンメルとのバトル、
それは私に再びGBNの楽しさを教えてくれた気がした。
だから、私はここから再スタートを切る。
そう、
ここから私の再出発なのだ。