今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】   作:沙希斗

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全てはここから始まった――!

友人が書いてくれたこの短編が始まりでした(掲載許可済み)。
なので最初は友人節が炸裂しております(笑)
次からは私自身の書き方になりますので、雰囲気がガラッと変わる事をご了承下さい。


朝ごはんはココット村で

 あたしの名前はハナ。新米にして凄腕ハンター。ドンドルマの歴史においておそらく最速で上級ハンターになった、と思う。すごいでしょ?

 そもそも、ハンターになるつもりは全くなかったんだけど、ひと月前なんとなく「狩りに生きる」を手に取って読んでいたら、アイツがいたの!

 ココット村で取材って書いてあったから、アイツは、「カイ」は今ココット村にいるってことだわ。

 編集後記によると、「奇跡の少年を訪ねてココット村に向かった。ドンドルマで一番と言われた強運の持ち主は、ハンターになってパートナーと狩りをし、村を助けていたが、奇跡の少年の面影は見られず、はつらつとして、どこにでもいる若者のようだった」

 間違いない。奇跡の少年とは、カイのことよね。

 居てもたってもいられず、ココット村へ向かうため荷物をまとめて、その“門”へ向かったんだけど……。

 

「これはハナお嬢さん、いい天気だねえ」門番が声を掛けてくる。

「本当にいい天気~♪ じゃあ、行ってきます」

「ご冗談を(笑) この門は上級ハンターしか通しちゃいけない決まりは知っているでしょう。大長老様の許可なくして一般人を通すわけには行きませんので」

「おじいちゃんの許可はもらってるから。ココット村で極秘任務があって、そのために向かうんだもの。おじいちゃんに聞いてみてよ」

「はいはい、大長老様からは、誰であれ上級ハンター以外は通すなと言われております」

 

 むむむ~。さすがおじいちゃんが選んだ門番だけあって、どんなにうまく言ったつもりでも通してはくれなかった。

 

 そうそう、あたしのおじいちゃんは大長老。とは言っても、血のつながりはないんだけどね。

 その昔、ラオシャンロンとかいう、山のようなモンスターがドンドルマを襲ったことがあって。

 今でこそ、砦を作って街を守っているけれど、“その時”まで誰も山のようなモンスターを見たこともなければ戦ったこともなかったらしいの。その姿を見たことがある者は、これまでに1人いたとか、いなかったとか。

 そのラオシャンロンが初めて街にやってきて、あらゆるものを踏みつぶして消してしまった。

 逃げ惑う人々。戦い方を知らないハンターたち。どういう武器が有効なのか、弱点はあるのか……。

 そうしてラオシャンロンが通った跡は、かつて街だったことを感じさせないくらいに破壊されて、多くの人が亡くなった。

 

 その戦いで多くのハンターや一般人の人が亡くなったけれど、残された子供たちを引き取ってくれたのが、今の大長老。そして、そのラオシャンロンとの戦いで、唯一そこで生き残っていた3歳か4歳くらいの少年が「カイ」ってわけ。

 壊滅した街の瓦礫の中で唯一生き残った子供。そのうち、「カイ」は奇跡の少年と言われるようになってた。

 あの惨劇の中、どうして助かったのかは今でも謎なんだって。

 あとで聞いた話によると、カイもおじいちゃんに引き取られて、1年くらい一緒に暮らしたんだけど、「ここで暮らすのは酷じゃろう」って、おじいちゃんがどこかの街か村の知り合いに託したけれど、あたしにはどこに行ったのか教えてくれなかったのよね。

 あ、それからあたしはね、その時に引き取られたわけじゃなくて、赤ん坊のころ、おじいちゃんの家の前にそっと置かれていたらしいの。案外、本当に私のおじいちゃんとか、お父さんだったりしてね(笑)

 

 おっと、話がズレちゃった。それで、あたしはおじいちゃんに直訴したわけ。

「おじいちゃん! ココット村に行きたいの。いいでしょう?」

「ハナ、何度言ったらわかるかの。ここでは大長老と呼ぶのじゃ。それから街の掟は誰であれ守ること。これは変えられん。門を通る者は一流のハンターでなければならん」

「じゃあ、今日から一流ハンターになる。いいえ。なった! じゃあ、行ってくるね!」

「何度行っても門番は通してはくれぬがの。本物でなければならんのじゃ。門から先は過酷な道のりゆえ、ただのハンターではなく、上級ハンターの技量が問われる。お前が思うほど楽な道ではないのじゃよ」

「どうしてわかってくれないの? どうしても行きたいの。ちょっと見てくるだけなんだから。お願い!!!!!」

「むぅ。それならば、街一番の鬼教官を付けるが、それで良いな。しっかりと修行をして、その資格を得られれば、その時門番が通してくれよう」

 

 そんなやり取りがあって、なんとか上級ハンターにならないとココット村への道が開かないから、ハンターになりましたとさ。

 

 

 どこから説明したらいいかな。えっと、鬼教官の話もしなくちゃね。

 ハンターになりたてのころ、私に付けられた鬼教官と一緒に夜の沼地に行った時のこと。きれいな紫色の池があちこちにあって。所々水たまりがあるんだけど、そこも紫色。

 ん~、なんて綺麗な色なんだろう。見たこともない色だなぁ。ハンターになるとこんな処にも行けるんだ♪ なんて思ってその水をすくってみた。だって、本当に綺麗な色だったのよ。

 ちょうどその時、鬼教官が「そこら中にある紫色の水には近づくなよ、神経をやられる毒だからな」って言うのと同時だったけどっ……(涙)

「んっ……。気持ち悪い……。死にそうな気分……」

「おい、まじか。早すぎるだろ? なんで自分から触るんだよ!」

「ベナー、気持ち悪いよぉ。どうしたらいいの?」

「おい! その呼び方するなって言ってるだろ? 俺のイメージが崩れるだろっ!」

「ベナー、イメージとかどうだっていいでしょ? だいたい誰のイメージが崩れるのよ?」

「誰って、そりゃあ、ドクシャ(読者)だろ」

「毒者? あたしのこと? ベナは『近づくな危険』って看板付けたハンターってことは変わらないでしょ。それより早くなんとかしてよ。ほんとに死にそう。どうして猫たち運びにきてくれないんだろう……」

「ほぉ。それが人に助けを乞う者の言い方か。まぁ、いいだろ。初めてだしな。ポーチから解毒薬を出して飲んでみろ」

「げどぉくやくぅ? そんなのないけど……」

「ハナ、持ってきてないのか? 持って来いって言ったよな? 他には何が入ってんだ?」

「えーっと、トラップツール、砥石、蜘蛛の巣、いじょおぅ」

そこからは意識が遠のいてしまって、その後のことは覚えてないんだけど、無事に帰って来てるってことは鬼教官「ベナトール」がなんとか助けてくれたと思うの。

 

 

まぁ、そんなこんなでハンター修行を続けていったんだけど、その辺りの話はベナにお任せするとして。

 

 あ、そうそう、初めてベナトールを紹介された時ね、大きいし黒いし、とっつきにくそうだし怖そうだし、これはダメかもって思ったんだけど。それが名前を聞いたら「ベナトール」って言うじゃない。「ナイシトール」とかみないな薬の名前っぽくない? って見た目とのギャップに内心笑っちゃってて。

 そしたら不思議と怖くなくなったのよね。

 それに、口数少ないんだけど、みんなが思うような鬼教官でもなく。ほら、沼地でも知らない間に助けてくれてたし。

 あと、これは本当に内緒なんだけど。クエストを最短でクリアし続けられたのはベナが次々とモンスターを倒してくれてたんだわ。いいやつでしょ。

 きっとおじいちゃんは、その辺のこと知っててベナを付けてくれたんだと思うんだけど。

 そんなこんなで、最速で上級ハンターに仲間入り。

 聞けばベナは何度もココット村に行ったことがあるらしいのよね。道案内もしてもらおっと。

 

 

 

 よーし、いよいよココット村だわ。

 カイ、待っててね(^^)




ちなみに、「カイ」は「モンスターハンター2(ドス)」時代に友人が操作していたキャラ名、「ハナ」は友人が考えたオリジナルキャラ、「ベナトール」は私が「フロンティア」で操作していたキャラ名です。

今現在、友人はとうの昔に引退しており、私は「フロンティアZ」の、無料で出来るものだけを気が向いた時だけやっている状態です。

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