今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】   作:沙希斗

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「召使アイルー同士が雑談してる話を書こう」と思い付いて書いてみたら、やたらにゃーにゃーうるさいのが出来ました(笑)


アイルー雑談

 

 

 

 主人三人がクエストに行っているので、【召使アイルー】が集まって、お茶を飲みながら雑談している。

 

「はぁ、また大怪我して帰って来そうですにゃ……」

「お宅の主人はどんなクエストに行ってますのにゃ?」

「確か【剛種の特異個体】とか言ってましたにゃ」

「ゴウシュって何ですかにゃ?」

「にゃーの主人ランクは【HR】ですかにゃ?」

「そうですにゃ。でも【上位】ですにゃよ?」

 

「いくら【上位】でも狩猟許可は下りませんにゃ。【SR】の【モンスター】らしいですにゃ」

「【SR】にゃんて、ウチの主人はとても務まりませんにゃ」

「にゃーの主人はのんびりしてますもんにゃあ」

「そうですのにゃ。そもそも狩猟自体に興味があるかどうかも疑わしいですにゃ」

 

「よくそれで【ハンター】になれましたにゃ」

「とてもとてもお強いハンターさんが付いておられましたからにゃ。その御方が【教官】になって、どうもほとんど手伝ってもらって上位に上げてもらったらしいですにゃ」

「随分羨ましい話ですにゃねぇ……」

「普通は【訓練所】に通って、そこの【教官】に厳しい修行受けて、鍛えてもらって資格を取るものですにゃよ?」

 

「そうですにゃ。でもなぜだか特別な【教官】に付いてもらって、それでハンターになったらしいですにゃ」

「なんだかずるいですにゃね」

「でも、その御方のお陰で今では割と強くなったらしいですにゃよ」

「それなら良しとしましょうかにゃ」

「ですにゃね」

 

「アタクシの旦那様はもっと強い【モンスター】に挑んでいるらしいですにゃよ」

「それはどんな【モンスター】ですかにゃ?」

「【G級モンスター】というらしいですにゃ」

「【G級】という事は、お宅の主人は【GR】ですかにゃ!?」

「そうですにゃ」

「もっと上がいましたにゃ!」

「もっと上って、【SR】より上という事ですかにゃ!?」

「そういう事ですにゃ」

 

「にゃ、にゃらボクの旦那さんよりもっと大怪我して来るんじゃないですかにゃ!?」

「いやそれが、滅多に大怪我しないんですにゃ」

「それはどういう事ですかにゃ?」

「どういう事かは分からにゃいけども、滅多に大怪我して帰って来ませんにゃ。――あぁ大怪我と言っても『命にかかわる大怪我』という意味ですにゃ」

「にゃら『大怪我』自体はしてますにゃね?」

 

「ですにゃねぇ。でも、旦那様曰く『この程度では重症の内に入らん』そうですにゃ」

「随分とタフな主人ですにゃねぇ~~~!」

「ボクの旦那さんはしょっちゅう医務室のお世話になっていますにゃに……」

「自分の狩猟で怪我する事はほぼ無いですからにゃあ。人を庇って怪我する事はあっても」

「お優しいご主人様ですにゃねぇ」

 

「ボクの旦那さんもよく誰かを庇ってますにゃよ?」

「その結果死にかけてたら洒落になりませんにゃ」

「それはボクの旦那さんがヘタクソという事かにゃ!?」

「そういうつもりで言ったのではありませんにゃ」

 

「にゃーの主人が上手いからって、自慢しにゃいでもらいたいにゃっ!!」

「だからそういうつもりじゃにゃいって言ってるにゃっ!!」

「お宅ら落ち着くにゃあ!」

「にゃーはのんびりしすぎなのにゃ! だから主人ものんびりしてるにゃっ!!」

「にゃんですってえぇ!?」

 

 

「……そこまでだ」

 【召使アイルー】達は、急に首筋を捕まれてぶら下げられた。

 

「ったく、にゃーにゃーうるせぇと思ったら、こんなとこでくっちゃべってたのかよ?」

「だ、旦那さん! コイツが旦那さんの事をヘタクソって……」

「……ほおぉ?」

「うう嘘ですにゃっ! そんなつもりで言ったのではありませんにゃっ!!」

 

 ベナトールにぶら下げられたまま慌てふためくエリザベスを見たアルバストゥルは、クスクス笑った。

 

「冗談だよ。俺が下手なのは自覚してる」

「そんな事はなかろう」

「いや、上手けりゃあれ程医務室の世話になんかならねぇよ」

「お前は突っ込み過ぎなだけだ。下手でそうなっているのではない」

「その制御が出来ねぇから下手だっつってんだよ」

「……。まぁ、それがお前の戦闘スタイルと言えなくもねぇからなぁ」

 

「良いんじゃない、何かあったら仲間がフォローすれば良い話なんだし」

「んなもん『甘え』に過ぎん。ソロだったら死にかねん訳だしな。まぁそうならねぇように闘ってっけどな、ソロでは」

「切り替えが出来てんなら大丈夫なんじゃない」

「だから『甘え』だっつってんだよ」

 

「甘えて何が悪いのよ? 仲間がいるんだから『甘え』なさいよ」

「まぁ、かく言う俺も、PTでは『甘え』てるとこあるけどな。ハナに回復を任せたり」

「回復しないのって『甘え』だったのぉ!?」

「嘘付け! それ単にいつもの戦闘スタイルじゃねぇかよ」

 

 豪快に笑うベナトールを、呆れて見上げる面々であった。 

 

 

 




この話、始めはカイの召使アイルー(アルジャン)も参加しているように書こうとしてたんですけど、書いている内に内容がアルジャンが参加する(会話に加わる)余地が無いようになっていったため、彼(とその主人のカイ)だけハブられる事になってしまいました。

「フロンティア」では一応他のMH世界で「オトモ」に当たる「パートニャー」という制度があるんですけども、他の世界と違って「召使アイルー」が転職してなれる訳では無いのです。
「パートニャー」を「召使アイルー」に戻すなど、自由に職を変える事も不可能という事を考えると、「フロンティア」世界でのアイルーの職業は、それぞれに専門職として独立して担われているといえます。

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