今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】   作:沙希斗

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タイトルは、ゲーム仲間が「ゲネポス」の事をそう呼んでいたので付けただけです。


ゲネぽっぽ

 

 

 

 【セクメーア砂漠】に【ドスガレオス】を狩りに来ていた二人は、相手が同じエリアに来るまで待つ間、暑さを逃れるために岩場の影に腰掛けていた。

 

「もうちょっと風吹いてくれないかなぁ」

「昼の【砂漠】は暑いけど乾燥してるから、少しでも風が吹いてくれると涼しいんだけどねぇ」

「私もぉ暑いのやだぁ」

「【火山】よりマシじゃないか? 乾燥してる分、汗もあんまりかかないし」

「まぁそうなんだけど……」

 

 そんな事を話していると、岩場の奥の方で何かが動いた。

 

 咄嗟に身構えた二人の目に映ったのは、【ゲネポス】の頭。

 集団で飛び掛かられると厄介なので武器を取ろうとしたが、どうも一匹だけのようである。

 そいつは、岩陰から頭だけ出して目をぱちくりすると、ヒョイと引っ込め、少ししてまた頭だけ出すという事を繰り返している。

 

「見えないけど、奥に仲間がいて話してんのかな?」

「さぁ。集団で出て来たら怖いから、取り敢えずアイツ狩っとく?」

「ねぇ、なんかあの子頭が小さくない? 顔の割に目も大きいし」

 

 ハナがそう言った直後、意を決したというふうに、そいつがピョイっと岩の上に飛び上がった。

 

「うわちっちゃ!」

 カイが笑う。

「子供かな?」

「多分そうだろね」

 

 トコトコと目の前に来て止まった小さな【ゲネポス】は、二人を見上げて可愛い声で鳴いた。

 その声で仲間が来るのかと気を張って周りを注意していた二人だったのだが、何も来る気配はなく、それに答える声も無かった。

 見た目からしてかなり幼いように見えるのだが、親も近くにいないようだ。

 

【挿絵表示】

 

「この子、お母さんとはぐれちゃったのかな?」

「こんなに小さいのに親が付いてないという事は、はぐれたか親が殺されたかしたのかもね」

 話の途中で岩場から見える砂地に黒い背ビレを見たカイは、瞬時に目付きを変えてハナに合図。二人で飛び出す。

 

【挿絵表示】

 

 ところが小さな【ゲネポス】が鳴きながら纏わりついて来た。

 

「ちょっとチビちゃん、付いて来ないでよっ」

「オレ達これからお仕事なんだから、君に構ってる暇無いんだよっ」

 そう言って無視しようとするのだが、飛び付いて体をよじ登ろうとしたりして、邪魔でしょうがない。

 

 ベナトールあたりならば躊躇なく縊り殺すのかもしれないが……。

 

「どうしよう、このまま付いて来られると【ドスガレオス】のお腹に入っちゃう」

「それはちょっと可哀想だよねぇ……」

「気絶させて岩陰に置いとく?」

「でも目が覚めたらまた追い掛けて来ないか?」

「そうだよねぇ……」

 

 困り顔で考えているハナを見て、カイは仕方ないというように言った。

 

「先にコイツの方を解決しよっか」

「えぇ!? 殺しちゃうのぉ!?」

「誰も殺すとは言ってないだろ、仲間のとこに連れて行ったらどうだろ?」

「その前に見付かったら私達が襲われない?」

「う~~ん。じゃあ発覚範囲外で見守るっていうのは?」

「上手くいくかなぁ」

「ま、やるだけやってみようよ」

「そうね」

 

 そこで【ゲネポス】のいると思われるエリアを回る事にした。

 

【挿絵表示】

 

 

 二、三頭ぐらいの所は省き、巣があるような、なるべく群れている所を選ぶ。

 物陰から様子を窺って、警戒していない時に、カイは今まで付いて来ていた小さな【ゲネポス】を抱きかかえた。

 

「何するの?」

 小声で聞いたハナにニヤリと笑い、カイは思い切り群れに向けて放り投げた。

 

 いきなり落ちて来た小さな【ゲネポス】に、その群れは驚き、警戒の声を上げた。

 ハナは襲われないかとハラハラして見ていたが、やがて成体の一匹が恐る恐るというように、小さな【ゲネポス】に近付く。

 ゆっくりと顔を近付けて臭いを嗅いだ成体の【ゲネポス】は、小さな【ゲネポス】が鳴いたのを聞いて、決心したように群れの中央に連れて行った。

 【ゲネポス】達は鳴いたり臭いを嗅いだりしていたようだが、どうやら群れの一員として引き入れる事に決めたらしい。

 

 この群れが幼体が生まれた群れとは限らないのだが、同種の幼体を保護するのはやはり【モンスター】でも変わらないようである。

 その様子を見て二人は笑い合い、見付からないようにしてそっとその場から離れた。

 

 【ドスガレオス】の討伐を終えた二人は、一方は殺して一方は助けるという矛盾を思いながらも、それでも良い事をした気分になったのだった。

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 




文中には幼体が出て来ますが、実際(ゲーム内)には「ゲネポス」の幼体はいないため、挿絵では成体を撮影しています。

うっかりハナ(パートナー)の武器を変えるのを忘れて「バレンタインイベント」で作った「ラブリーアイルーⅠ」のままになっているのは(゚ε゚)キニシナイ!!
ハナのイメージ鎧「リオハートシリーズ」に合うのでこのままでも良いかとも思うのですが、麻痺担当なのに麻痺武器じゃないのは困るので、やはり変えようと思います。

初期武器(赤ゲージ)を持たせているので弾かれながらも一生懸命攻撃している様子を見るのは萌えるんですけどね(笑)
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