今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】   作:沙希斗

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「シリーズクエスト(ベテラン)」で配信されていた「クレア叙情詩」の続き「破壊の章」です。

三人の会話はゲーム内の「ミズキ」のセリフや、それから思い付いたものなどを書いたものです。

この章は短い(二千字超え)です。


《クレア叙情詩(破壊の章)》 

   

 

 

 

「では、次はその数年後の物語、《クレア叙情詩・破壊の章》へと進みましょう」

「は~~い」

 声を揃える二人。

 

「《クレア叙情詩・破壊の章》。主人公は、エスティンの臣下であり、親友でもあった【ディストル】です。ディストルは【破壊の将】とも呼ばれ、彼の手にかかれば、壊せないものはないとまで言われました――」

 

 

 【ディストル】の気性は荒く、遠慮の無い男だったが、主君である【エスティン】の他に、もう一人だけ頭の上がらない人物がいた。

 それは、川のほとりに住む【洗濯屋の娘】。【ディストル】は恋をしていたのだ。

 永く血にまみれたその人生に、ようやく花が咲いたと思われた――。

 

 が、運命は意外な展開を見せる。

 その娘は、かつて【エスティン】が失った恋人と瓜二つだったのである。

 【エスティン】は、その娘を結婚相手として選んだ。

 

 忠義か愛か――。

 【ディストル】の心は激しく乱れた。そして婚礼の日に彼女を攫い、一緒に逃げようとすら考えた。

 

 しかし【エスティン】と娘の婚礼の儀が行われる日の事――。

 

 婚儀を控えた【古塔】で、【ディストル】は物陰に潜む【モンスター】を発見した。

 【ディストル】は自分の感情を抑え込み、【モンスター】に襲い掛かって行った。

 

 

「《クレア叙情詩・破壊の章》は、この【モンスター】の討伐シーンがクライマックスなんですよ」

「うんうん」

 

 二人が興奮気味で答えている。

 

「【モンスター】の正体は長らく不明でしたが、最近では【デュラガウア】なのではないかと言われているようです」

「それはホントに最近出た説だね」

「うん。今までは【古塔】で棲息しているだろう【モンスター】を、それぞれの本の作者が解釈して当てて書いてたもんね」

「そうそう。だから本によっては違った【モンスター】が出て来る事もあったよね」

「中には【ナナ・テスカトリ】なんてぶっ飛んだものを当ててた本もあったな~~!」

 

 【ミズキ】はそんな話に笑いながら、「【C.P.T.】の皆さんも、今回は【デュラガウア】説を採用することにしたそうですよ」と言った。

 

「それでは、《破壊の章》の再現のため、【デュラガウア】一頭の討伐をお願いします!」

「は~~い」

 

 

 【エスピナス亜種】に続いて、今回の狩場も【古塔】である。

 だが頂上部ではなくて、そこまでにある途中の【秘境】と呼ばれている場所に【デュラガウア】はいる事が多いため、劇団員達を登らせるのも比較的楽だった。

 

「こ、ここを飛び下りるのかいぃ!?」

 道の途中の【秘境】に通じる崩れた遺跡の間を見て、劇団員達は尻込みした。

 なんせ下を見ても霧が掛かって地面が全く見えないのだ。どれぐらいの高さがあるかすらも分からない状態で飛び下りるのは、慣れた者でなければ恐怖だろう。

 

【挿絵表示】

 

「【デュラガウア】を見てぇなら腹を括るこったな。どうしても嫌だと言うならそれは知らん」

「わわ、分かったよ!」

「自分で飛び下りる勇気のねぇ者は付き落とすが、どうする?」

「じじ自分で頑張ります!」

「おお同じく……」

「んじゃ後から付いて来な。カイ、ハナ、どっちか最後まで残っててやれ」

「了解」

 

 先に飛び下りた彼が全員が飛び下りて来たのを確認すると、彼は「念のために渡して置く」と劇団員達に【ホットドリンク】を渡した。

 

「ブレスはガード出来るが、氷竜巻の場合は回りながら向かって来るからガードし切れん。もし巻き込まれたら【凍傷】になっちまうから飲んでくれ」

「り、了解」

「アレクの分は?」

「まぁ何とかなんだろ。んじゃ行くぜ」

 

 そう言って、中央辺りで威嚇していた【デュラガウア】に、彼はサッサと向かって行った。

 

【挿絵表示】

 

 戦闘中は劇団員達に向かって行くブレスと突進だけガードして、後は誘導しながら闘った。

 やはり彼が前もって言ったように氷竜巻に巻き込まれてしまった劇団員がいたが、事前に【ホットドリンク】を渡されていたので事無きを得たようだった。

 

【挿絵表示】

 

 怒り時の変化と素早さに劇団員達は驚愕していたようだったが、それに合わせて闘っている三人の立ち回りにも驚いていたようだった。

 

【挿絵表示】

 

 

「お疲れ様でした!」

 帰ると【ミズキ】は「さらなる【怨嗟の大骨】です」とアルバストゥルに素材を渡した。

 そして続きを話した。

 

「この件で、【破壊の将ディストル】は、帰らぬ人となりました。彼の周辺には、砕け散った柱や壁の破片、そして、全身の部位が破壊し尽くされた【モンスター】が横たわっていたそうです」

 

 【ミズキ】は「う~ん……」と唸ると、「お話の中の出来事だとわかっていても、この場面の凄惨さには背筋が凍りますね」と身を震わせた。

 

「でも、【破壊の将ディストル】が何を考え、行動したのかを想像すると、この章も味わい深いものがあります」

「【エスティン】への嫉妬を全て相手にぶつけて闘ってたりしてな」

「『可愛さ余って憎さ百倍』ってヤツ?」

「それはちょっと違うと思うんだけど……」

「さ~て、まだまだ続きますよ~」

 

 切り替えるような【ミズキ】の発言に、二人は真面目な顔になって彼女に向き直った。

 

 

 




挿絵の撮影では「ハナ」がいない事に(以下略)

「デュラガウア」は今までも挿絵を載せているんですが、一応「フロンティア固有種」なので載せて置く事にしました。
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