今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】 作:沙希斗
その中でも「エイプリルフールイベント」として配信されるクエストは、「毎年四月一日だけ」に一日限定で配信される謎のクエストです。
一応依頼書などにヒントが隠されている事もありますが全てが謎のクエストで、しかも普段のクエストとは全く違うものが、毎年趣向を凝らして配信されるのが特徴です。
今回はそのクエストに参加して来たものを書きました。
今年のものなので出来立てほやほやです。
本当は「エイプリルフールネタ」として「四月一日」に投稿するべきものなのでしょうが、書いたり挿絵を編集したりなどしていたので遅くなってしまいました(言い訳)
先に投稿していた「クレア叙情詩」の話を終わらせてから載せたかったというのもあります。
その日、【大衆酒場】は騒然となっていた。
何故なら短髪の男の子が「るこがいた!」と駆け込んで来たからである。
「るこがいたんだ!」
「……。それは、間違い無かろうな?」
【ギルドマスター】の前に連れて来られた男の子は、少々怖気付きながらもこくりと頷いた。
そして途切れ途切れにこう話した。
「るこがいた」
「こわくてなにもできなかった」
「ああ、撃龍槍が使えれば」
「らくに追い返せたのに」
「わあっと驚いて逃げちゃった」
「るこ…すごかったなあ」
直ちに【ルコディオラ】迎撃の召集を掛けた【ギルドマスター】やそれに応えて動き出すハンター。そして一般人に非難を呼び掛ける【守護兵団(ガーデンズ)】などを、酒場の端に追いやられた男の子は給仕係に守られながら眺めていた。
ベナトールが駆け付けた頃には、既に街中は【戦闘街】と化していた。
【メゼポルタ広場】の一角の露店は、恐らく取るものも取り敢えず店の者が逃げ出したのだろう。品物がそのままになってもぬけの殻になっている。
ここでも奴は暴れたようで、建物が破壊された場所があった。
だが幸いにも大した被害にはならなかった様子で、倒壊した建物は無く一部が壊されているだけだったので、すぐに修復出来るだろうと思われた。
被害状況を調べつつ、街中には見当たらないのを確認して【龍撃槍】が設置されている場所まで行く。
が、外壁の上から覗いてみても奴の姿は無い。
もう飛び立ってしまったのか?
そう考えつつ立ち去ろうとすると、強烈な殺気が襲って来た。
身構え、素早く辺りを見回すも、やはり奴の姿は無い。
が、気配だけは感じる。しかもすぐ近くに。
まさか、姿の見えないタイプなのではあるまいな?
そう思って「馬鹿らしい。【オオナズチ】じゃあるまいに」と直後にそれを否定した。
だが気配が消えないので、取り敢えず見えないものとして考え、その気配が丁度【龍撃槍】のある辺りだったのもあって作動させてみる。
すると、【龍撃槍】の飛び出す機械的な音と共に気配が消えてしまった。
「……。不思議な事もあるもんだな」
まるで【龍撃槍】によって殺気が掻き消されたかのようにまったく気配がしなくなったのを知って、独りごちる。
少し留まって辺りを調べたがやはりまったく気配がしないので、危機は去ったものと見なして帰る事にした。
首を捻りながらも【大衆酒場】に戻ると、こちらでも同じ現象が起きたという話で騒がしくなっていた。
「オッサン!」
聞き慣れた声が飛んで来たのでそちらの方に向くと、案の定アルバストゥルが手招きをしている。
どうやら他の二人も一緒のようだ。
近寄ると、「あんたも迎撃に参加したんだよな?」と聞かれた。
「そうだ」
「俺もなんだがよ。ありゃどういう事だろうな?」
「それがな。俺にもさっぱりなのだよ」
「ももももしかして、【ルコディオラ】の幽霊とか……」
隣でカイが縮こまった。
「やぁねぇ、そんなわけ無いでしょぉ。現に姿を見たみたいだし。あの子」
「でも、参加したみんなも見てないって……」
「もしかして、子供だけに見えるとか?」
「んなわきゃねぇだろ。妖精の類いじゃあるめぇし」
「……。だが、実際に気配だけしか無かったのは、事実ではあるのだよなぁ」
「それだよ。すげぇ殺気だったのによ、姿が一切見えなかったっつうのはどういうこったろうな?」
「不思議だよねぇ……」
「だねぇ……」
結局、原因は分からないが【ルコディオラ】と思われる【古龍】に襲撃された模様だという事でこの『事件』は終止符を打たれる事になった。
男の子のセリフは依頼文のものです。頭を縦読みしてみてね。
ちなみに私はいくらエリアを駆けずり回っても見付からないので「見えない程の極小ルコでもいるのかな?」と思っていました。
で、依頼文に「龍撃槍が」とあるので取り敢えず作動させてみたら、「クエストクリア」になったので面食らいました。
そして「報酬画面」を見てようやく「あ、ルコいた!」と気が付きました(笑)