今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】   作:沙希斗

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四月十日までやっているイベントクエスト、「かわいい子だよ……」に参加して来たのでそれを基に思い付いて書いたものを投稿します。
実際に私が参加したのはこのクエストが最初に配信された時(2018年10月20日)なのでその頃に書いたものですが、挿絵は昨日ログインして撮ったものです。

※血飛沫多めなので見る人はグロ注意して下さい。

依頼主のセリフ(クエスト出発前)は公式や依頼文にあったものを書き起こしております。
ただし登場人物と絡ませるために無理矢理途中で切ったりしているので、そのままではありません。


原文が長く、そのまま貼り付けたら一万字を超えてしまったので、二回に分けます。



かわいい子だよ……(1)

   

 

 

 

「ついにこの日が来たのだよ!」

 

 【武器研究家X】と名乗った初老の男は、興奮気味にアルバストゥルに捲し立てた。

 

「ついに完成の目途が立った……。この作品は……いや、この子は人生史上最高の1本になるだろう」

 感慨深げに目をギラギラと輝かす痩せぎすの男は、アルバストゥルの両肩をがしりと掴み、「キミの協力のお陰だ!」と抱き寄せた。

 

 協力といっても彼が研究しているという武器に、属性や素材などについて少々助言をしただけに過ぎないのだが。

 

「あの子が……あの子が遂に誕生するのだよ! 楽しみだろぉ?」

 

 アルバストゥルは困惑したが、そんなものは完全に無視されている。

 

「しかし、あの子にはもう少し素材が必要なのだよ」

 そして男は嬉し気に、【あの子】と呼ぶ武器を完成するための素材の依頼を持ちかけて来た。

 

「そのためには……血だ。それも強い奴の新鮮な血が必要なんだよ! それから尻尾あたりの髄液も欲しいな……。うん。必要だ! 髄液を採って来てくれたら、報酬は上乗せしたって構わないぞ!」

 

「そりゃ嬉しいんだが、武器に血なんか必要あんのか?」

「あぁぁん? なぜ必要かって?」

 

 訝し気に聞く彼に、男は苛立ったように言う。

 そして不気味に口の端を釣り上げながら、こう続けた。

 

「ククク……キミもおかしなことを聞くねぇ。この子は生きているんだよ? 血が無ければ生きられないじゃないか! あーはっは!」

 

 狂ったようにしばし笑った後、男は息を付いた。

 

「ふうっ……。だから頼む! この子のために新鮮な血と髄液を持って来てくれっ!」

 そして「いいかい? キミのためでもあるんだ」とアルバストゥルの目を覗き込むように見た。

 

 狂気を孕んだ目で至近距離から見詰められ、たじろいだ彼をすぐに突き放すように解放する。

 

「さぁ、話は以上だ。ボクも忙しい……早く採って来てくれたまえ!」

 男はそう言って彼を置いて去って行った。

 

 

 どうしたもんかと思いつつも、取り敢えず【ユニス】に【依頼書】を見せてもらう。

「【ディアブロス亜種】か……」

 

 相手の【モンスター】を確認してそう呟いていると、「何を狩りに行くの?」とカイが声を掛けて来た。

 

「なんだおめぇか」

「なんだは無いだろぉ?」

 

 不満気に口を尖らせている彼に、「【金魚のフン二号】はよ?」と聞く。

 

「またそんな事言ってぇ。ハナはレインと買い物だってさ」

「あそ」

 

 自分の彼女と出掛けたという話を聞いても、特に興味を示さないアルバストゥル。

 女の趣味には付き合ってられねぇと思っているからである。

 

「で、何を狩りに行くのさ?」

「黒ディア」

「上位?」

「いんや、この条件だと下位だな」

 

 アルバストゥルは、【依頼書】を読みつつそう言った。

 

「んじゃ二人でサッサと済ませちゃおうよ」

「逆に俺一人で行った方が早ぇと思うけどな」

 そうは言いつつも二人参加として受ける彼であった。

 

 

 【砂漠】のキャンプに着くや否や、アルバストゥルはサッサと古井戸に飛び下りた。

 

「おい待ってくれよぉ」

 【アイテムボックス】を覗いて【応急薬】やら【携帯食料】やらを取っていたカイは、慌てて後を追って古井戸に飛び込んだ。

 

 カイが《7》に到着した頃には、アルバストゥルはもう【音爆弾】で【ディアブロス亜種】を引き摺り出して溜めている所だった。

 

 【嵐ノ型(らんのかた)】の溜め一回と通常攻撃を一度すると、アルバストゥルは【大剣】を仕舞って相手の眼前に移動した。

 その頃には【音爆弾】の呪縛から抜けて飛び上がっているため、相手から背を向けて【閃光玉】を投げる。

 直後に短い悲鳴と共に落ちて来た相手に向き直り、正面で構えて溜め一発。

 

【挿絵表示】

 

 当たり前のようにこなしたその一連の流れで、早くも【彼女】の角の一本が折れ飛んだ。

 

「ナイス!」

 声を掛けて側面から滑り込んだカイが、目晦ましになっている間に切り刻む。

 

 一度目の麻痺が入っている間にアルバストゥルが尻尾側に回って溜める。

 最大溜めが決まったと思ったら、今度は尻尾が斬れて【彼女】はつんのめり、勢い余って一回転しながら痛そうに吠えた。

 

「尻尾ぐらいオレに斬らせてくれよぉ」

 文句を言ったカイだが「一発で斬れたらな」と言われて渋々黙る。

 【太刀】の攻撃力ではとてもじゃないけど一発で斬れないからである。

 

 しゃあねぇなと言う雰囲気を出しながらアルバストゥルが再び【閃光玉】を投げた。

 

「ほれ頭譲るから角折ってみろ」

「やった♪」

 

 カイは【彼女】がまた目晦ましになっている間に嬉々として頭に回り込み、残った一本に連撃を加えて行った。

 

 が、折り取る前に噛み付かれそうになった。

 

「わわっ!?」

 【切り下がり】で慌てて下がった隙に回転尻尾で飛ばされる。

「いったぁっ! こんのぉっ」

 

 離れて【応急薬】を飲んでいる間に【彼女】が閃光から立ち直り、よくもやったなとでも言うようにカイに向かって前傾姿勢で構えた。

 だが遠くで構えたのが見えたため、カイは余裕で横に走って逃げた。

 

「残念だったな」

 兜の中でニヤニヤしながら言うアルバストゥル。

「どっちの味方だよぉっ!」

 カイは彼に突っ込んだ。

 

 【彼女】にとっては更に不運な事に、突進した先に岩壁があり、勢い余って角が刺さってしまった。

 カイがその機を逃すはずはなく、とうとう残りの一本が折れてしまった。

 

「あーあ、可哀想に」

 悔し気に唸る【彼女】を代弁するアルバストゥル。

 

「最初に折ったの誰だよっ!」

「一発で折られるより何度も切り刻まれて折られる方が痛ぇに決まってるだろぉ」

「【太刀】なんだからしょうがないだろぉ」

「ま、そらそうだけどな」

 

 そんなくだらない言い合いをしている間に怒っていた【彼女】は、素早い潜りからの突き上げでアルバストゥルを狙った。

 

「んなもん引っ掛かるかっての」

 既にその場にいなかった彼は、相手が地面から出て来たタイミングで「そらよっと」と翼に縦切りを食らわせた。

 怯んでいる間にカイが足に連撃を加えると、堪らずに横倒しになった。

 起き上がる前に溜め攻撃が決まると、【彼女】は度重なる攻撃を嫌がって、潜って逃げてしまった。

 

 が、カイが予め【ペイントボール】を付けていたので臭いで追う。

 《3》に移動したのが分かったので、「なんだ隣か」と走って行った。

 

 狭いエリアで縦横無尽に駆け回る【彼女】を落ち着いて捌きながら、【閃光玉】で足止めしながら闘う。

 怒っているので【音爆弾】が使えず、潜られたら出て来るのを待つしかない。

 しかしこの頃には弱っていたようで、結局他に移動する間も無く【彼女】は《3》で息絶えた。

 

 

 帰ると報酬として、【ギルド職員】が【新鮮な血】を渡してくれた。

 どうも尻尾の切断が【サブオーダー】になっていたらしく、通常報酬より多めに貰えた。

 質が落ちないような密封した瓶に入れられたそれと、同じようにして渡された尾から取った髄液を持って、【武器研究家X】の元へ行く。

 待ち兼ねていた様子の男はしゃくり取るようにして二人の手から素材を取り、研究室に入って行った。

 アルバストゥルでも立ち入り禁止だったのでドアの前で待っていると、もう嬉しくてたまらないと言いたげな表情で、男が布で包んだ長い物を台車に乗せて運んで来た。

 

「見たまえ! これがキミのために作った子だよ!」

 興奮冷めやらぬ様子で包みを取った男の目の前には、台車に乗せられた【大剣】が横たわっており――。

 

「……。何だこりゃ」

「気持ち悪い……」

 二人はゾッとしながら【それ】を見た。

 

 【それ】はまるで死肉を張り付けたような外見をしており、刀身にいくつもの【目】が並んでいるように見えた。

 その目は今は閉じられ、眠っているように見える。

 刃の部分は乱杭に何種かの肉食【モンスター】の牙を並べたような、あるいは直に【大剣】から生えているかのような……。

 

「あっははは! さぁ【この子】を育ててくれたまえ!」

 さも嬉し気に狂気に満ちた笑いを響かせた男は、「では研究に戻る」と台車に乗ったその【大剣】を置いたまま、再び研究室に入って行ってしまった。

 

 アルバストゥルは恐る恐る【大剣】を持ってみた。

 長さは【長リーチ】であるらしく、背負うと引き摺るぐらい長い。

 

「……。使ってみねぇと、どうとも言えねぇなぁ」

 そこで素振りをするべく【採取用クエスト】を受けてみた。

 

 

 【密林】のものを受けたので、キャンプの砂浜で使ってみる。

 抜刀すると、嬉し気に【大剣】がぎょろりと『目を開けた』。

 

【挿絵表示】

 

「うえぇっ!?」

 その事実で二人共に変な声を出す。

 持っている本人は取り落としそうになった。

 

 ぎょろぎょろと動き続ける並んだ目玉の気味悪さに耐え、取り敢えず一連の動作をしてみる。

 縦切り、薙ぎ払い、切り上げ、溜め。

 その風切り音に交じって、明らかに唸り声のような音がする。

 どうやら『使う』ごとに【大剣】が鳴くらしかった。

 

「ううむ……」

「なんか、生きてるみたいだよね」

「……。あの爺さんは『生きてる』っつってたけどな」

 

 納刀すると目が閉じ、『寝る』らしかった。

 

【挿絵表示】

 

 これだけじゃ分からないので各エリアを散策して小型【モンスター】を攻撃してみる。

 が、切れ味ゲージがどうしようもないくらい悪く、早々に弾かれてしまった。

 どうやら元から赤ゲージであるらしい。

 

「これじゃ大型【モンスター】には使えねぇなぁ……」

 ぼやいて一旦帰ろうとすると、【ランポス】の群れに囲まれた。

 

「【ランポス】ぐれぇなら弾かれても一発で仕留められるかな」

 攻撃力は高めなようで、【ブルファンゴ】も高い攻撃をすれば一発で死んでいたので臆せず闘う。

 だが弾かれているのを見ているカイは、サポートに回りつつ心配していた。

 

 

「……。そうか。【血】が欲しいんだな……」

 

 しばらく経った頃、【ドスランポス】はいなかったものの数の多い群れだったらしいそれを何匹も屠っていたアルバストゥルが、ふいにそんな事を口にした。

 

「え? 今なんて?」

 よく聞き取れなかったカイが聞くと、彼はブツブツと呟いている。

 

「……分かっている……。もっと、もっとだな……?」

 カイは兜の隙間から覗いた彼の目が、異常にギラギラと光っているのを見て戦慄した。

 

「アレク?」

「そら啜れ……。もっと食らい尽せ……!」

 

【挿絵表示】

 

「お、おいアレクどうし――!?」

「邪魔だあぁっ!!!」

 

 カイが急に言動のおかしくなったアルバストゥルの肩を引き寄せると、彼は豹変したかのように絶叫してカイを切り上げた。

 

【挿絵表示】

 

 それはいつものようなふざけた切り上げではなかった。

 手加減して鎧の突起に引っ掛けて飛ばすというような、生易しいものではまったくない。

 咄嗟に彼が身を捻らなければ、腰辺りから反対側の肩にかけて、そこから二つに切り離されてもおかしくない程の勢いだった。

 

「……ぐ……! アレク……。なに……を……」

 身を捻ったとはいえ、それ程の切り上げを受けたカイの身体には決して浅くない裂傷が刻まれてしまった。

 【大剣】の刃の部分が牙になっているので刃物で切るような綺麗な切り口にならず、抉れた切り傷になってしまっている。  

 

 ……とにかく……、回復……を……。

 

 カイは激痛で意識が朦朧となりつつも、自分でポーチを弄った。

 しかし運の悪い事に、【採取クエスト】で素振りをするという目的だったがためにろくな回復系を持って来ておらず、せいぜい一番効きそうなものは【回復薬】ぐらいなものだった。

 だがそれでも全く回復しないよりはましなため、カイは立て続けに瓶数本を呷った。

 

 まだろくに動けない彼に【ランポス】は容赦なく襲って来る。

 

 が、目だけがギラギラしているアルバストゥルが、【大剣】に操られるかのように【モンスター】の血を求め続けているので、カイを襲おうとしているものをも屠り続けていた。

 その異様な光景に何も出来ず、カイはただただ戦慄して凍り付いていた。

 

 

 

 そんな頃、大変珍しい事なのだがベナトールが【採取クエスト】を受けて、たまたま彼らと同じ【密林】に来ていた。

 滅多に無い事なのだが採取素材が心許なくなったため、【仕事】が無かった今の内に集めておこうとやって来たのであった。

 

 と、遠くで【ランポス】が騒ぐ声が聞こえた。

 

 やたら多いなとその声に耳を済ませていると、微かに人の悲鳴が聞こえたような気がした。

 大方下位の者が【ランポス】に取り囲まれて苦戦しているのだろうと同じエリアに向かってみる。

 

 が、そこで見えた光景に、彼は一瞬絶句して立ち止まってしまった。

 無数の【ランポス】の死体が散乱していたからである。

 

 しかもどれもがまるで大型【モンスター】に食い散らかされたかのように、損傷が激しかった。

 そしてなおも死体を作り続けている群れの中心にいたのは――。

 

「……。アレク、なのか?」

 

 見慣れている鎧姿で、間違いないと確信する。

 だが返り血で血みどろになってもなお攻撃を止めようとしないその様子を見て、そして獲物を屠り続ける事をただ楽しんでいるだけのような闘い方を見て、ベナトールは彼の異常さを感じ取った。

 

「アレ――」

 声を掛けようとして目の端に違うものを捉え、咄嗟にそちらに向く。

 座り込んだまま、戦慄に怯えたように彼を見続けている者がいたからである。

 

「カイ!?」

 慌てて近寄るとカイはすぐに気が付き、ハッとした仕草をした後身体を折り曲げるようにして呻いた。

「おいどうした!?」

 

 脇腹あたりに大きな裂傷がある。

 

 少しは回復しているようではあったが、抉れたような切り傷は【ランポス】のものではなさそうだった。

 

「この傷は?」

「……アレク……が……」

「……。なんだと?」

「……アレクが……、アレクが、急に……切り掛……っ!」

「分かった。後は俺に任せろ。お前はキャンプで寝てろ」

 

 ベナトールは苦し気に訴えつつ呻いたカイに、【モドリ玉】を押し付けた。

 

 緑の煙が上がったのを尻目に、アルバストゥルの元へと進む。

 既に粗方を討伐してしまった様子で、あれ程いた【ランポス】の群れの数がかなり減っている。

 それでも僅かな数すら残さずに徹底的に狩り尽そうとしているアルバストゥルの腕を、強引にベナトールは掴んだ。

 

「馬鹿者、全滅させるつもりか?」

 反射的に振り解こうとするのを引き寄せると、彼は物凄い剣幕で睨んで来た。

 

 兜の隙間から覗いたその目は異様にギラギラしており、まるで何かに取り憑かれたかに見える。

 

「ここらにいる群れを全滅させるとどうなるか、お前が知らんはずがあるまい?」

 

 何よりも生態のバランスを重んじ、乱獲を嫌うアルバストゥルが【モンスター】同士で微妙なバランスを保っている縄張りを崩せばどうなるか、分からない訳がないのだ。

 だから彼の今の行動は異常であり、ベナトールから見ても有り得ないものなのである。

 

「邪魔を、するな……!」

 それでも彼は生き残った【ランポス】の元へ向かおうとした。

 

 そんな様子を見て【彼ら】は鳴き躱しながら身構えた。

 例え自分の群れが全滅しようとも、この脅威には何としても立ち向かわなければと思ったらしい。

 

「馬鹿者失せろ!」

 ベナトールは一喝し、【彼ら】に気迫を送った。

 

 今にも飛び掛かろうとしていた【彼ら】は我に返ったように立ち止まり、おずおずとベナトールを見てから踵を返すと、逃げて行った。

 迷った様子ではあったものの、どうやら彼の意思は伝わったようであった。

 

 少しでも群れが残っていれば、やがて繁殖して増え、縄張りを維持する事が出来るだろう。

 数が減った事で他の群れや大型【モンスター】などに縄張りを追い出されたり奪われたりする事もあり得るが、ベナトールはそれも含めて【彼ら】に任せたかったのだ。

 

 あれ程の群れでありながら【ドスランポス】が率いていなかったのは、恐らく何かの原因で【彼】が死んだか年老いたかして縄張りを追い出され、次の【ドスランポス】が群れから現れる、もしくは若いはぐれ雄が入って【ドスランポス】として群れを率いるようになるまでの期間を必要としていた、という事。

 【ドスランポス】を招き入れるにはもう少し群れの数を増やさなければならないだろうが、それでも【彼ら】ならやってくれるだろう。

 

 

「……。さて――」

 そこまで考えて、彼は先程から自分の手から逃れようと暴れているアルバストゥルに向き直った。

 

「ふむ。どうやらまだ聞く耳は持てねぇようだな」

 その様子を見て、ベナトールは思案顔になる。

 

「血が……、血がいるんだ……」

 

 アルバストゥルは自身がどうなっているのかも分からないような様子で、ただブツブツと呟きながら獲物を探すように辺りを見回している。

 手に持っている死肉のような【大剣】が、こちらも同じようにぎょろぎょろと並んだ目を動かし続けている。

 

 成程、この【大剣】に呑まれたな。

 

 そう合点したベナトールは、それを奪おうと【大剣】に手を掛けた。

 

「放せえぇ!!!」

 途端に猛獣のような声を上げ、アルバストゥルは【大剣】をベナトールに向けて振り上げた。

 その勢いの凄まじさに少々驚かされつつ離れる。

 彼は完全に自分を敵と認識したかのように、躊躇なく向かって来た。

 

 

 

 

 




作ってみたらとにかく気持ち悪い「大剣」だったため、こんな話になりました。

ちなみに友人には「アレクも取り憑かれちゃったか……」と言われました。
「幻覚の中での犯行(第18話)」でカイが取り憑かれた(というよりは幻覚を見た)のでこんな事を言って来たのだと思うのですが、「他のキャラでも取り憑かれた話を書けば良いのに(笑)」とも抜かしやがりました。

「ハナ」はともかく「ベナトール」が取り憑かれたらえらい事になる(恐らくその場にいる「モンスター」どころか仲間や他の者ですら敵味方関係なく見境なしに惨殺し兼ねない)ので、そんな話は書きたくありません。
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