今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】 作:沙希斗
特殊な武具が手に入る分必要素材が激レアだったり、レアでは無いものの大量採取をしなければならなかったり、クエスト自体が難しかったりするものがこの中に入っており、とても短期で出来るものではない、というものが多いです。
今回はその中の「決意シリーズ」と呼ばれている武器が手に入るクエストの話です。
この武器は「入門用」として位置づけられているのか「作る事(クエスト)」自体は簡単なんですが、G級になってからの強化がGR200からしか狩れない「辿異種(てんいしゅ)」と呼ばれる超高難易度の「モンスター」を狩らないと手に入らない素材を使うため、最終強化までにはちゃんと対策したスキルで望まないとかなり苦戦します。
ですが下位からG級まで長く使える武器として、特にG級駆け出しには「取り敢えずこれ作っとけば何とかなる」と言える程大抵の狩猟をこなせる一本ではあります。
四人ごとに書いているので、まずは主人公(なのか?w)の「アルバストゥルの場合」から。
冒頭の「教官」のセリフは依頼書に書いてあるものです。
「諸君! 【ハンター】とは生半可な気持ちでなれるものではない」
ある日抜き打ちで選ばれて【教官】に呼び出された者達は、幾つか並んだ【闘技場】に赴く場所で、【教官】の話を聞いていた。
「【モンスター】と対峙し生き抜く術と強い心が不可欠だ」
アルバストゥルもその一人だったのだが、正直面倒臭ぇと思っていた。
「そこで問いたいっ!」
【教官】は興奮して捲し立てている。
「いかなる決意をもってハンターとなったのか。それを示してほしいのだ。決意を示してくれれば特別な報酬を進呈しようっ!」
「おぉ~~っ!」
感慨の声が上がった中で、アルバストゥルだけは冷めた目で【教官】と興奮した周りの者達を見ていた。
【闘技場】には防具無しで一人で入る事になっていた。
武器、アイテムは自由だったが、狩猟には課題があった。
「【ヒプノック】の嘴を破壊した上で捕獲する事!」
【教官】はそう言ったのだ。
一応【アイテムボックス】にはそれに困らない支給品が親切にも入れられていたので持ち込むアイテムと併せると罠なども贅沢に使えるようになっていたのだが、相手の【ヒプノック】はどうやら【弱個体】らしく、失敗する事が多いとこの課題に挑んだ者に予め聞いていた。
ちなみに【弱個体】というのは成体になったばかりの、もしくは成体直前のまだ本格的な力を兼ね備えていない個体の事である。つまり鷹などでいう【若鳥】のような。
このような個体でも生息場所によってはその近くの地域に住む人間に危険が及ぶため、ハンターへの依頼が出される事があるのだ。
【ギルド】ではそれほど強くない事を利用して、駆け出しハンター用として回す事もある。
通常ならばどんな個体であっても捕獲した【モンスター】を【闘技場】に放ってハンターに挑ませるものなのだが、【教官】が行う抜き打ち試験のようなものは、繁殖力の高い【モンスター】を捕獲、繁殖させて、いわば【養殖モンスター】として養って置き、それを使うのだそうだ。
そうすればいつでも課題を提供出来るし、失敗が続いても生態系を壊す程に【モンスター】が減る事もないからだ、との事。
なにせ【ドンドルマ】には数千人規模のハンターがいるのだ。それら全てが何度も失敗して対象【モンスター】を死なせるような事になれば、生態系が狂ってしまうのは目に見えている。
さて、控室でインナー姿になって【闘技場】に入ったアルバストゥルは、早速正面奥で呑気に寝ていた【養殖ヒプノック】に切り掛かった。
立ったまま寝る【モンスター】なので正面から攻撃すれば【大剣】は簡単に嘴に届く。
ビックリして起きたと同時に嘴が壊れたまでは良いものの、斬り下ろした【大剣】をそのまま斬り上げると死んでしまった。
当然失敗である。
「どんだけ弱ぇんだよ……」
アルバストゥルは膝を付いて落ち込んだ。
そもそも攻撃力1056のものを使っているのが悪いのだと気付いて一旦武具倉庫に戻り、弱い【大剣】を吟味する。
「やっぱ緑ゲージは欲しいよなぁ」
そう呟きながら、今持っている【大剣】の中で一番弱い【シプレラブレイド(攻撃力864、無属性)】を担いでみる。
最低でも緑ゲージは無いと、嘴や足など硬い部分は弾かれてしまうからである。
が、結果は同じ。嘴を壊すために数回攻撃するだけで、捕獲に移る前にすぐに死んでしまった。
「こうなりゃ作るしかねぇな」
これ以上攻撃力の弱いものは持っていなかった彼は、仕方なく【ブレイズブレイド(攻撃力528、無属性)】を作った。
ほんの少しだけ緑ゲージになる初心者用の武器である。
これを担いで【闘技場】に行き、更に慎重に慎重を重ねて攻撃していく。
何も考えずに攻撃していると死んでしまうので、まずなるべく正面を斬って嘴を破壊。
後は様子を見ながら弱点以外を斬っていき、弱ったサイン(ピンと立っている尾羽がヘタって垂れ下がる)を見るや否や、【支給用シビレ罠】を掛けた。
罠に掛ったショックで死んでしまう事すらあるので様子を見つつ、支給されていた【捕獲用投げナイフ】を当てた。
今度は無事に成功である。
「ふいぃ~~~っ」
安堵の長い溜息を付いていたら【教官】がやって来てこう言った。
「まぁ良かろう。ちと慎重になり過ぎて時間がかかっておったがな」
報酬の【決意の証】を受け取りながら、むくれっ面をした彼であった。
ちなみにこの報酬を【武具工房】に持って行くと、【決意の】という銘が付く、強力な雷属性と麻痺属性という、双属性の長リーチの武器が作れる。
当然のように【大剣】を選んだ彼は、赤い派手な刀身を持つ【決意の大剣】を手に入れた。
「養殖ヒプノック」という話になっていますが、もちろんそんなものはいません。
「若個体」の解釈も、私が勝手に考えたものです。
「決意を示す者」という下位クエに出て来る「ヒプノック弱個体」は本当に弱く、「すぐ死んで失敗する」という意味でクエストの難易度が高くなっています(笑)
しかもクリアしても貰える証は一枚なので、一武器だけでなく他の武器種も作ろうと思ったら何度も繰り返さなくてはなりません。
なので、正直言って「だるい」クエストの一つです。
一応一クエに付き五枚貰える「決意をつらぬく者」というG級クエもあるのですが、「辿異種ヒプノック(GR200~)」が相手なのでG級駆け出しでは行けません。
「決意の大剣」は、今までの「挿絵」でも使っています。
長リーチの武器はフロンティアハンターの間で人気が高く、私も一番使い勝手が良いです。