今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】   作:沙希斗

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これは前回同様リアルで起きた「ヒキガエルが穴にはまっていたものを救出した珍事件」を基に思い付いた話です。


踏んだり蹴ったりの救出劇

   

 

 

 

 【大衆酒場】で他のハンターに同席されたアルバストゥルは、肴にと求められてこんな話を披露した。

 

 あれは【密林】にいた時だったと思うんだがよ。

 鬱蒼と茂る木々の奥からなんだかひしゃげたような悲鳴が聞こえて来てよ、何事かと思ったんだわ。

 でよ、気になってそっちの方へ行ってみたらば、今度はにゃーにゃーと、やたらうるせぇ猫の声が聞こえて来やがる。

 

 見えて来たのは【メラルー】の集団でよ、最初はこりゃやべぇと思ったんだよな。盗まれまくって厄介な事になんぞと。

 

 ところがよ、そいつらが一定の方向を見て騒いでる訳よ。

 そんで、なんか倒木に手ぇ突っ込んで必死で引っ張ったりしてる訳。

 何やってんだ? とこそっと近付いてみたらな、さっきのひしゃげた悲鳴が倒木から聞こえて来た。

 よく見るとよ、倒木のうろによ、【メラルー】の一匹が頭突っ込んで上半身が埋まって、脚だけ出した状態でもがいてたんだわ。

 仲間が必死こいて助けようとしてるようなんだが、キッチリはまっちまってんのか、まったく抜けねぇ。

 どんくれぇその状態になってたのかは知らねぇが、はまってる奴がかなり苦しそうにしてたから、結構長い間そうなってたんじゃねぇのかな。

 その恰好があまりに間抜けだったから、最初俺ゲラゲラ笑っちまってよ。

 だが、可哀想になって、助けてやろうと思った。

 

「オイお前ら」

 

 声掛けたらいきなりだったからか仲間がみんな飛び上がってビックリしちまってよ。

 

「驚かせてすまんな」

 謝ったが明らかに警戒してやがる。

 

「おめぇらを攻撃する気はねぇよ。困ってんだろ?」

 そう言うと、困惑して顔を見合わせた。

 

「そいつ助けんの手伝ってやんよ。おめぇらだけじゃどうにもなんねんだろ?」

 俺が言いたい事が分かったのか、おずおずと場所を譲ってくれた。

 

 

 脚を掴んで引っ張ってみたが、『ぎにゃ~~~!!』とか叫ばれて、鼓膜が破れるかと思ったぜ。

 しゃあねぇからベルトに引っ掛けてた小型ナイフを出して、うろの隙間に突っ込んだ。

 【剥ぎ取り用ナイフ】よりそっちの方が細けぇ作業はしやすいからな。

 それでもって隙間を広げてたら少しずつ動くようになって来たからよ、無理に引っ張らねぇようにしながら徐々に引き摺り出してやった訳。

 んで、掴んでたそいつをそっと地面に下ろしたらよ、そいつ怒りながら俺に向かって来やがってよ。

 あついらがいつも持ってる肉球を模した武器あんだろ? あれでポカポカ殴って来やがった。

 

「ちょ、待て痛ぇって!」

 

 まぁ【メラルー】の攻撃なんざ尻餅付くぐれぇで大して痛くもねぇんだが、それ見て周りの仲間が煽るもんだから、ますます調子こきやがってよそいつ。

 

 その内便乗したのか近くにいたらしい【アイルー】までもがぶっ叩いて来たり【小樽爆弾】に火ぃ点けて追い掛けて来たりしてきやがるもんだから、参ったよ。

 

 んであまりにもムカついたもんだから、「いい加減にしやがれぇっ!!」っつって吠えながら【大剣】をぶん回してたらそこにいた全部が蜘蛛の子散らすみてぇに逃げてったんだがよ。

 

 

 

「ぎゃははは! そりゃ災難だったなぁ」

「だろぉ? 踏んだり蹴ったりっつうのはこの事かと思ったぜ」

「面白かった。良い肴になったぜ。ありがとよ」

「そりゃどうも」

 

 相手は大笑いしながら彼と酒の入ったカップを打ち合わせると、上機嫌で他の席に移って行った。

 

 

 

 

 




今回は「メラルー」だったためか、違う意味でえらい目に遭った模様です(笑)
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