今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】 作:沙希斗
お月見限定イベント「メゼポル探検隊が追う!月夜のリバース伝説」として2019年9月4日(水)メンテナンス終了後~2019年9月18日(水)メンテナンス開始まで配信されるようです。
依頼主、依頼文(一部)、クエ内容は公式に書かれてあったものです。
ある日【メゼポル探検隊所属研究員】と名乗る者からこんな依頼が舞い込んで来た。
『今回は【月夜のリバース伝説】という、月夜にまつわる伝説の調査を手伝ってほしい。
言い伝えによると「その月の夜、大は小へ、小は大へと変化する」……らしい。
文字通りなら「何かがあべこべの大きさになる」ということのように思えるが、今の所の調査ではそのような現象には出会えていないため、調査をお願いしたい』
「場所は?」
【ユニス】にそう聞いたベナトールに、彼女は「潮島」と答えた。
「……。ふむ」
「公式で出してる調査だから、貴方の立場で行く必要は無い。もう他のハンターも向かってるし」
「PTでは行けるのか?」
「行ける。ただしパートナーは同行禁止」
「そうか」
参加出来るランク帯はHRの上位からとGR。それはG級の狩場でも調査して欲しいという要望だからなのだとか。
「行くなら武具が貸与されてる。HRでは【レイルF】シリーズと【決意の剣(進) 】。GRでは【リーデレGP 】シリーズ」
「武器は?」
「こっちは自由。ただし【剣士】限定」
二人がそんな会話を交わしているまさにその最中、ハナは我が目を疑っていた。
「何よコレぇ!」
HR帯のクエストを受けて【潮島】に行ったまでは良かった。
本当はカイと行きたかったのに「パートナー同行禁止」と言われて、でも調査だけなら大した事ないだろうと受けた自身の軽率さに、心底後悔していた。
夜に着いたが貸与防具には【ライトクリスタル】が中に入っているであろうヘッドライトが付いていて、夜になると自然と光るような仕組みになっていた。
なので暗闇でも夜目だけを頼りに移動するよりは断然明るかったのだが……。
ヘッドライトに照らされた木々の間にいたものは、やたらでかい【チャチャブー】の群れだったのだ。
それだけではない。
キィキィと耳障りな声で喚き散らしながら向かって来た奴らに交じっていたのは、やたら小さな【イャンクック】と【イャンクック亜種】だった。
「何かがあべこべの大きさになるって、もしかしてこういう事ぉ!?」
彼女は混乱しつつも【依頼文】の内容を思い出してそう言った。
本当は今すぐに帰りたい心境だったのだが、ともかくも調査を続けねばならない。
依頼では何を討伐するかも分からず、『??????の討伐、??????の討伐、??????の討伐』と【マスターオーダー】なのにもかかわらず全てが謎になっていたために、取り敢えず今いるやたらでかい【チャチャブー】を討伐してみる。
どちらにせよこいつらを何とかしないとこちらは逆にやたら小さい二種の【鳥竜種】を見失い、死角からブレスが飛んで来たりして危険極まりなかったからである。
全てが謎に包まれているのが逆に面白そうだと思って受けた彼女であったが、今やワクワクどころか怖くて泣きたかった。
巨大な【チャチャブー】の恐怖にきゃあきゃあ言いながら攻撃してみると、すぐに地面に潜ってくれて胸を撫で下ろす。
その場にいるものを全滅させてから先程から暴れていた、小さな小さな【鳥竜種】たちを攻撃していく。
二匹(小さいので頭とはいえない)は兄弟なのか離れようとせず、常に一緒に行動していた。
卵から生まれたばかりなのではないかと思える程小さかったのに、ちゃんと飛べたりブレスを吐いたりしている。
しかもダメージも上位並である。
という事は、やたらと小さい個体だというだけで、成体なのかもしれないとハナは思った。
どうにか討伐すると二匹は寄り添うようにして死んだので、可哀想になりつつもこれはこれだとしっかり剥ぎ取る。
上位の素材が剥げ、やはり成体だったのだと思った。
ちなみに巨大化した【チャチャブー】からは通常と同じ【ホピ酒】などしか剥げなかった。
「【ユニス】ぅ、怖かったよおぉ」
ハナは帰るなり【ユニス】に泣き付いた。
彼女は微かに同情の表情になりつつ、「お疲れ様」と報酬を渡した。
それは今までの【お月見イベント】で渡されていた、歴代武器の生産素材だった。
クックたちはこんなに小さかったのに、「巨大なクチバシ」が剥げて笑いました(笑)
この話、始めは「アルバストゥル」が参加した事にして書いていたんですが、貸与武器が「片手剣」だったのと、彼の性格上「あー、片手ならパス」とか言いかねんなと書いてる途中で思い直して書き直しました。
ので、「挿絵」も「ハナ」役のキャラでログインして撮っています。