今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】   作:沙希斗

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今年の「ハロウィンイベント」が開始されましたので、参加して来ました。
2019年10月23日(水) メンテナンス終了後~2019年11月6日(水)メンテナンス開始まで行われるそうです。
これがサービス最後の季節イベントになるとの事。
こう告知されるとやはり寂しいですね……。

HR3からのものが1つとGR200からのものが2つあったんですが、どちらにしてもうちのキャラの(話の中での)ランク的にはHRのものしか行けれそうになかったので、HR3から参加出来るものだけ受けています。
クエ開始前のギルド職員のセリフと依頼文の内容は、公式サイトに載っていたものです。



ハロウィンのスピードスター

 

 

 

ある日【大衆酒場】に「大至急で頼みたいことがある」とギルド職員がやって来て、こんな募集をした。

 

「ギルドフラッグを雪山の山頂に立ててきてほしい」

 

 【ギルドフラッグ】というのは【ハンターズギルド】の印が付いた旗の事である。

 【雪山】の頂上に遠くまで見えるように立てるための竿が設置してあるため、たまにハンター達も狩りのついでに立てて来るように言われる事があるのだ。

 

「え~~」

「またかよぉ」

 

 そんなぼやきが出て来るのを聞きつつ職員は「そうだ! まただ!」と食い下がった。

 

「しかも今回は他にも依頼がある」

 

 その言葉で向き直った者は、「そんな重たそうな装備を着ている余裕はないぞ!」と言われた。

 どうやら軽装で挑まなければならないらしい。

 

「支給品は揃えたからアイテムを持っていく必要もないからな」

 

 そしてそう告げた職員は、「この季節は奇面族の活動が活発になる。注意するように!」と促してから帰って行った。

 

 

 【依頼書】を見たアルバストゥルは、報酬が【大剣】を強化するための素材だと知って少しだけ興味が湧いた。

 が、アイテム無所持で出発しなければならない上に【パートナー】の同行禁止。その上にPTを組む人数は二人までと決められており、正直面倒臭ぇなと思った。

 

 それでもまぁどんなものかやるだけはやってみようと受けてみる。

 

 すると道中に「防具は全部脱いで下さい」と言われて【大剣】だけ返された。

 軽装備で挑めば良いのだろうとそれ用の防具を着ていたのだが、まさか『裸』で挑まなければいけないとはと、彼は少々面食らった。

 

【挿絵表示】

 

 【ベースキャンプ】に降り立って、まずは【支給ボックス】を覗いてみる。

 予め「支給品は揃えた」と言われていたので何があるのかと思ったら、【ギルドフラッグ】の他には【支給用回復薬グレート】【携帯食料】【生命の粉塵】【支給用大樽爆弾】【モドリ玉】が入っていた。

 

【挿絵表示】

 

 HR上位のクエストなのに【地図】も入っているのは、恐らく今までに一度も【ギルドフラッグ】を立てた事の無い者のための配慮なのだろう。

 狩猟のために登る頂上より、更に登らなければあの竿には行き着かないので。

 

「……。さてと」

 

 アルバストゥルは気を入れ直してから【ギルドフラッグ】を持った。

 何故ならこの旗は常に熱を持っているため、運んでいる最中は体力が減り続けるからである。

 なので急いで立てる場所まで運ばなければ、途中で力尽きて失敗する場合があった。

 

 

 キャンプから出て地図で言う《1》に来た途端、無数の【チャチャブー】がたむろしていて「冗談じゃねぇぞ」と彼は思った。

 今は体力が減り続けている状態である。

卵運びや鉱石運びなどとは違い、【ギルドフラッグ】の時は両手は塞がってないのでそのまま攻撃出来なくもないのだが、攻撃力の高い【チャチャブー】の攻撃を受けようものなら一撃で戦闘不能にさせられかねない。

 

 なので彼はキィキィ言いながら向かって来る【彼ら】を慌てふためいて避けながら、頂上を目指した。

 

【挿絵表示】

 

 が、行く先々で【彼ら】は待ち構えていた。

 それどころか氷の塊に擬態した数も多く、その脇を通る度に飛び出して来ては胆を冷やされた。

 それでもどうにかハンター達が「頂上」と呼んでいる《8》まで辿り着き、そこにある人間サイズぐらいでしか入れない横穴をしゃがんで通って下に飛び下りる。

 後は段差と手掛かり、足掛かりのある氷壁を越えて【クシャルダオラ】の抜け殻のある場所から更に氷壁を登った先にある竿に【ギルドフラッグ】を取り付けるだけで終わる。

 

 はずたったのだが――。

 

 飛び下りた所には【チャチャブー】だけでなく【メラルー】までいて色々と盗まれた。

 憤慨しつつもなんとか竿のある場所まで登る。

 

【挿絵表示】

 

 立てた頃にはかなり体力が削られていたため、早くキャンプに帰って寝ようと【モドリ玉】を使う。

 ふらふらになって簡易ベッドで休み、さて仕切り直しだともう一つを抱える。

 依頼では「二つ立てろ」という事だったために再び熱い思いをしながら運び終え、やれやれ終わった。他の依頼は……と思った直後、時間切れの合図が上がってしまった。

 

【挿絵表示】

 

「な、なんだとぉ!?」

 

 あまりにも早い合図に面食らう。

 どういう事だとよくよく【依頼書】を見て見たら、クエスト時間が異常に短く、なんと四時間しか無かった。

 

 しかも他の依頼を改めて見てみると、【チャチャブー五匹の討伐】とある。

 更にはそれが【マストオーダー】であるという。

 

「いやこれぜってぇ無理だろ!」

 

 突っ込みつつ何度もやってみた彼だったが、例え【ギルドフラッグ】二つを立て終えられても『裸』状態で【チャチャブー】と闘うのは自殺行為に等しい程即戦闘不能にさせられると分かり、心が折れて「ギルドはクリアさせる気が無いんだな」と諦める事にした。 

 

 

 

 

 




いやマジで「運営はクリアさせる気ねぇだろっ!」と思いました。
話の中では「四時間」となっているクリア時間ですが、ゲーム内では「四分」なんですよ。
なので開始直後に針はゼロになっており、しかも既に点滅している状態なんですよ。
なんで話の中では「四時間」になっているかというと、ゲーム時間の時計の針1分は、実際のハンター時間では1時間にあたるという事を公式小説に書いてあったからなのです。

で、ですよ、HR3と言えば下位に毛が生えたぐらいの装備しか作れない訳なんですよ。
なのに上位の「チャチャブー」は、それより二段階上のHR5の、「剛種」を狩れるようになって作れる「剛種武器」でぶっ叩いても一撃では死なないんですよ。
もしかしたら武器種やスキルによっては死ぬ場合もあるかもしれませんが、これ、「裸(防具無し)」で挑まなければならないクエストなんですよ。

更に言うとですね、上位の「チャチャブー」って物凄く攻撃力高いんですよ。
体力マックスの飯を食べても危うくなるくらいでしたので、恐らく飯無しの通常体力ならば一撃死の可能性が高い訳なんですよ。
そんなのが一匹どころかうじゃうじゃいる訳ですよ、そこら中に。
クエスト時間が短くなかったらソロでもどうにかなるでしょうが、「ギルドフラッグ」を二つ納品した時点であと数秒ぐらいしか余裕が無いんですよ。

なのでソロでは到底不可能だと私は諦めました。

しかしですね、「NPC同行禁止」の代わりに他のハンターとは組めますが、二人でしか受けられないんですよ。
先輩ハンター(つまり超強い武器を持っている人)と二人で組み、その人が「チャチャブー」担当になってもう一人が運ぶ、というやり方を想定しているのかもしれませんが、どっちにしても下手したら一撃死の危険があるんですよ。

しかもですね、このクエをクリアしてその報酬を持って行かないと次のクエに行けないんですよ。
更に言うと、最初のクエはHR3からなのに、次のクエはいきなりGR200からなんですよ。
つまりその間は最終強化が出来ずにずっとお預け状態になる訳ですよ。
いかに現在ランク上げをしやすい環境になっている(課金すればなお上がる)といっても、HR3からGR200まで上げるのは至難の業というか、余程の集中力と時間が必要になるはず。

これ、サービス最後の季節イベントなんですよね?
つまりこれを逃したらこの先一生強化素材が手に入らない訳なんですよね?

公式サイトの情報によると、GR200で手に入る強化素材は「大剣」と「スラッシュアックスF」のもので、最終強化すると毒属性、攻撃力、切れ味ゲージが上がって大剣には「劇物強化」という状態異常を跳ね上げる補助スキル、スラッシュアックスFには「スキル枠拡張」というスキルを増やせる補助スキルが付く、というものでした。

負け惜しみになりますが、正直イラネと思いました。

確かに毒、攻撃力、切れ味共に高いですが、今時「辿異武器」になる最終強化で毒しか無いのはどうかと思いました。
今や「複属性」といって、龍属性のあるものだけでも「火と龍」「氷と龍」「水と龍」「火、氷、龍」など複数の属性が付く武器が出回っている時代です。
確かに「劇物取扱皆伝」というスキルに「劇物強化」を付けて純粋に毒のみに特化したらかなり強いとは思いますよ。「毒が効くモンスター」ならね。
でもそんなモンスターは限られていますので、オールマイティーというわけにはいきません。毒の効かないモンスターだっている訳ですし。
これよりも攻撃力の高いものは他にあるため、これに拘る必要も無い訳ですし。

なので、(負け犬の遠吠えにはなりますが)この武器の最終強化はすっぱり諦める事にしました。

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