今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】   作:沙希斗

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これはネタを探して情報サイトを見ていた時に、「MH4Gで2014年11月7日に配信されたエピソードクエスト」として紹介されていたのをフロンティア風に書いたものです。
本来は三つのエピソードに分かれているものなのですが、最後に出て来る「ウカムルバス」は「フロンティア」には存在しませんので、その内の二つだけを書いています。

今回はその内の「極秘指令16010(秘密指令~紫~)」を投稿します。
クエストの内容及び依頼主、受付嬢などのセリフは情報サイトに載っていたものです。


極秘指令16010(秘密指令~紫~)

 

 

 

 何やら秘密めいた様子で【メゼポルタ広場】にやって来ていた【ネコ―トさん】を見掛けたアルバストゥルは、こっそり後を付いて行った。

 ちなみに【ネコ―トさん】というのは【ポッケ村】にいる【アイルー】の事である。

 いつも首元に大きな鈴の付いた厚手のコートを羽織っている事からそう呼ばれているのだが、どうやら特別な立場であるらしく、喋り方も堅苦しいような、どことなく厳かな感じがする。

 

 つまり語尾に「にゃー」を付けない。

 

 そして全て下位クエストに当たる【村長】から依頼されるクエストのようなものではなく、時には上位に当たるのではないかと思えるような、少し難易度が高めのクエストを提供して来たりするのだ。

 

 そんな【彼女】がわざわざ遠い【ドンドルマ】までやって来たのには、きっと深い訳があるはず。

 そう考えて後を付けて行った彼だったのだが、早々に気付かれてしまった。

 流石に完全に気配を消す事が出来る【ギルドナイト】のようにはいかなかったようである。

 

 だが【彼女】は怪訝な顔すらせずにこんな事を言った。

 

「ふむ、ハンター殿」

「お、おう。久しぶりだな」

 

 かつて【ポッケ村】を拠点にしてしばらくの間狩猟していた事のある彼は、【ネコ―トさん】とも見知った仲なのだ。

 と、【彼女】はチリンとコートの鈴を鳴らしてアルバストゥルのすぐ傍まで近寄ると、「ここで遇いまみえたのも運である。貴殿に使命を与えたい」と囁いた。

 

「使命、だと?」

 ただならぬ雰囲気に彼も小声になる。

 

「左様。受けてくれるな?」

「……。内容は?」 

「貴殿に与えられた使命は、イャンガルルガの狩猟だ」

「【イャンガルルガ】か」

「左様。ただし本件は極秘事項であることを忘れるな」

「ふむ……」

「貴殿が失敗しても、わたくしは一切関知しない」

「なるほど。まぁ良いや、知人のよしみで受けてやるよ」

 

 そう言うと、【彼女】は「成功を祈る」と囁いて去って行った。

 

 

 一応【受付カウンター】に行って依頼書が出ていないかこっそり確認してもらったら、「上位ランクの所にある」と言われた。

 

「【彼女】の話によると、『周辺地域で暴れて大きな被害を出していたところを発見されたあと闘技場に誘導され、どうにか闘技場の中に封じ込めることに成功した』とのこと。 ところがあまりにも狂暴すぎて誰も手出しができず、だからと言って表沙汰にできる問題でもないため、ネコートさんが闘技場の管理人から極秘の依頼を受けた』という事らしいわ」

「っつう事は場所は【闘技場】か……」

「狭い場所で大暴れされるだろうから、充分に気を付けてね。あと毒の対策も」

 

 呟いた彼に心配そうな顔で【受付嬢】はそう言ったが、逆に広いフィールドで逃げ回られずに済むから手間が無くて良いやと思っていた。

 

 

 闘っているといつの間にか観覧席に【ネコ―トさん】が来ていたようで、「ハンター殿。まさか、イャンガルルガ相手に、毒属性の武器を振るっているのではないだろうな?」と聞いて来た。

 【イャンガルルガ】に毒武器は効かないからである。

 

「んなわきゃねぇだろ! 一応【モンスター】に応じた武器に変えるぐれぇはしてる!」

 戦闘中なので叫んで答える。

 

「……ふむ、そうか。ならば、なにも言うまい」

 【彼女】は納得したようで、それからは黙って見ているようだった。

 

 

「実はな」

 

 何も問題なく狩猟した彼が近寄ると、【彼女】はそう切り出した。

 

「貴殿の勇気を見定めたかったのだ」

「と言うと?」

「アカムトルムの出現が原因で、ある国が非常に危険な状態になっている。そこで貴殿を見定め、次なる指令を出す事を決めようと思っていた」

「そっちが本題かよ」

「うむ。ただし緊急性がある故クエスト時間が短い。それを踏まえて受けるかどうか考えて欲しい」

「どんくれぇだ?」

「20時間」

「でえぇ!? けっこう短ぇな」

「どうする? 無理ならば他のハンター殿に――」

「いや、これも乗り掛かった舟っつう奴だ。受けてやるよ」

「そうか。ならば今回、貴殿に与えられた使命はアカムトルムの討伐だ。諸般の事情により、クエストの制限時間が短くなっている点に留意せよ。貴殿の身に、なにが起きようとわたくしは一切関知せぬ。成功を祈る」

 

 こうしてアルバストゥルは、知りもしない国を救うべく【アカムトルム】を退治するために急いで【決戦場】と呼ばれる狩場に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 




話の中では「20時間」となってますが、ゲーム時間で言えば「20分」です。
クエストの説明には「何やら秘密めいた様子でバルバレの集会所にやってきたネコ―トさんから依頼を受ける」と書かれてありましたので、ここでは「メゼポルタ広場にやって来た」という事にしております。
実際のクエストでは、クエ中に「ネコ―トさん」から声を掛けられる(字幕が入る)そうですが、ここでは「観覧席から声を掛けられる」という事にしました。

私は「ポッケ村(つまりMHP2G)」での狩猟経験がありますので、「アルバストゥルがかつて拠点にしていた」という事にしました。

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