今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】   作:沙希斗

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「フロンティア固有種」にはユニークなモンスターもいて、新種が発見される(新しく実装される)度に「面白いな」となります。
まあ中には「手強過ぎて無理ゲー」というものもあるんですけどね(苦笑)
今回はそんな中で小説に出来そうなものを書きました。

冒頭の部分は依頼書(剛種)に書いてあった文を参考にしています。


混乱の極み?

 

 

 

「高地周辺に暮らしている人々から騒音の被害が届いています」

 

 それは、そんな報告から始まった。

 それも「いつも聞いているモンスターの鳴き声とは違い、奇妙な音が聞こえて来る」というのだ。

 

「被害の拡大を防ぐため、現地に向かい原因調査をお願いします」

 

 【ギルド職員】からそんな通達が出たハンター達は、各自で【高地】に向かって調査を開始した。

 独自で調査する必要は無いなと判断したベナトールは、誘われるままに仲間と共に【高地】に赴いた。

 

 

 それは、頂上付近に差し掛かった頃であった。

 

「なーんか、えらく音が響いてんな?」

 

 そう呟いたアルバストゥルに同調し、「風の音じゃないのぉ?」とか「誰かが音楽を奏でてたりして?」などとカイとハナが返す。

 

 と、遠くに奇妙な【モンスター】がいた。

 

【挿絵表示】

 

 【それ】は馬鹿でかい口がやたら目立つ【モンスター】だった。

 前脚が翼になっている事から【飛竜種】だと思われたが、『翼に見える』というだけで飛べそうには見えない程皮膜部分は小さい。

 尾の部分は先が膨らんでおり、【ハンマー】のように叩き付けて使うのではと思われた。

 が、瘤状になっているのではなく、何故か先割れして上下に分かれているのが気になった。

 

【挿絵表示】

 

 相手は早速こちらに気付くと、威嚇の声を上げた。

 

【挿絵表示】

 

 それは大音量の声で、しかも遠くまで響くような反響した声だった。

 まるで口だけで出来ているかのような頭の上に、管のように並んだ長さの違う部位があり、どうやら体内もしくは口内で反響させた声をそこから出して遠くまで響かせているらしい。

 幾つもの笛を乱雑にただ吹いただけのような中に更に幾つもの太鼓を乱雑に叩き鳴らしたような音が交じり、これをずっと聞いていた周辺の人々はさぞや騒がしかったろうなと四人は思った。

 

「どうする? 取り敢えず攻撃してみっか?」

「そうだな……」

 

 見上げたアルバストゥルに相談されたベナトールは、顎に手をやって考えながらこう言った。

 

「出方を見よう。しばらく攻撃せずになるべく避けてくれ」

「了解」

 

 後の二人も彼に合わせるように「了解ッ!」と声を合わせた。

 

 

 相手は巨体に見合う大振りな攻撃が多かった。

 体重をかけて前脚を振り下ろしたり飛び掛かったりする度に地形が壊れ、〈耐震〉スキルが無いと振動でグラグラさせられた。

 

【挿絵表示】

 

 それだけでなく地割れの勢いで吹っ飛ばされたりした。

 後ろに回ると当然のように尻尾攻撃が来、案の定尾先の瘤を地面が陥没する程叩き付けられたのだが、その際に上下に割れている部分が打ち鳴らされて音響が広がり、どうも声だけでなく尾の方でも音を鳴らすのだと分かった。

 

 前脚、体全体などを使って攻撃して来るだけでなく、どうも先程からずっと響いている『音』でも攻撃しているのかもしれない。

 というのも不思議な現象が起こったからである。

 

 接近していたカイを嫌がるように音を響かせた時、カイがその場をくるくると回り始めたのだ。

 

「おい、何やってる?」

 

 声をかけたベナトールは、まるで聞こえないかのように回り続けている彼を見て怪訝になりつつ「おい!」と蹴った。

 それで彼は気が付いたのだが、今度はハナがいきなり狂ったように爆笑し始めた。

 

「馬鹿かおめぇは! 戦闘中に笑うとか有り得ぎゃははは!!!」

 

【挿絵表示】

 

 注意しようとしたアルバストゥルも何故か腹を抱えて笑い始め、困惑したカイは「二人共どうしたの!?」と暴れる【モンスター】の傍で笑い続けている彼らの有り得ない光景に顔を引き攣らせていた。

 

「笑うな馬鹿者!」

 

 困惑しつつも二人纏めて蹴り上げたベナトールは、響き続ける『音』を聞いてふら付きながら頭を抱えた。

 

 この……『音』のせい、か……!

 

 どうやらこの【モンスター】の脅威は、地震と地形破壊を伴う攻撃ではなく『音』らしい。

 

「今回は狩らんで良い。帰るぞ!」

 

 自分も混乱しそうになったベナトールは、そう言って三人を抱えるようにしてそのエリアから脱出した。

 

 

 

 他のハンターの報告も同じように「音を聞いて混乱した」というもので、それらの報告を照らし合わせて【ハンターズギルド】は新種であると認定し、【飛竜種】のカテゴリーに入れて【創音竜ポボルバルム】と名付けた。

 

 狩猟出来るランクは【凄腕】から、つまり【剛種】としたが、調査を進めるにつれて【G級】に入れなければならない程の強豪も存在する事が分かってそれらが出現するフィールドではGR以下の者は立ち入り禁止になった。

 

  

 

 

 

 




「ポボルバルム」の画像を見た友人は、「クジラみたい」と言ってました。
確かに腹の部分と地面に潜って対象者を食らうように踊り上がる様はクジラに見えなくもないのかなと思います。

ハナのイメージ鎧は「リオハート」シリーズなんですが、最終強化でも上位素材までしか使えないこの防具ではとても「剛種」には太刀打ち出来ませんし、「奇種(変種の亜種)」や「G級リオレイア亜種」の場合は必要なスキルが揃わなかったり可愛らしいピンク色だった外見が黒ずんだり派手になったりして可愛くないため、「ベイル」シリーズと呼ばれている黒いドレス風の「外装」にして撮影しました。
ベナトールといる時のものは「パートナー」の関係で「外装」が使えないため、ベイルシリーズではなくなっております。
こちらもリオハートではすぐに死んでしまうので、適当なG級、辿異防具を見繕って着せてます。


おまけ↓

【挿絵表示】

「あ、上がれねぇ……」(アルバストゥル)
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