今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】   作:沙希斗

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内容は「ハンター編」とまったく同じものですが、こちらはベナトールの口から直接話して貰った形になってます。
というのは、前回の「ハンター編」の文があまりにも友人が書いてくれたものと違っていたがために、私自身がなるべく友人の文に近付けようと思ったからなんです。

友人のものが「一人称」の形式で書かれていたので一人称にしたかったのですが、ベナトールでは一人称にならない(寡黙な性格なので自分からは語らない)ため、「誰か」が無理矢理話を聞き出しているようにしました。
そうでもしないと話してくれそうになかったので(笑)

前回と内容が同じなので載せなくても良いかとも思ったんですが、文の性格が違うので、こちらも載せる事にしました。
「ハンター編」を読まなくても分かりますが、そちらの方が詳しくなってしまったので、先に「ハンター編」を読んで置いた方が分かりやすいかもしれません。



朝ごはんはココット村で(ベナトール一人語り編)

 ――ん?

 ハナが【ドンドルマ】最速で、上位ハンターになった経緯(いきさつ)を聞きたいと?

 そんなもの話して何になる。第一そこまで珍しい事でもあるまいに。

 ……ああ、普通なら【上位最終試験】まで最低でも五年はかかるもんが、二年かそこらで合格した奴は、あいつぐらいだろうな。

 どうせあんたが全部やってやったんだろうって?

 まぁ、それは否定せんが……。

 ――あん? どうしても聞きたいってぇのか?

 仕方ねぇ。なら一度しか話さんから、よく記憶に留めて置くんだな。

 

 

 どこから話すか……。そうさなぁ、【大長老】様から呼ばれた所からにするか。

「孫娘がハンターになりたいと言い出したから、【教官】として上位まで育ててくれまいか?」

 そうおっしゃられたんだよ。

 最初俺は、自己流で生きて来たから【教官】の器じゃねぇと思ってな、断ろうとした。

 人に教える自信なんざ、なかったからな。

 が、「多少痛い目に合わせても良いから」とおっしゃられる。

 俺は「本当に痛い目に合うかもしれませんが、それでもよろしいんですかい?」と念を押した。

 だが「それでも構わん」という事だったから、引き受けたのさ。

 「【ドンドルマ】一の鬼教官という事にしている」と付け加えられたのには、苦笑いしちまったがね。

 

 で、顔合わせの時間に【メゼポルタ広場】で待ってたら、ひらひらな服着たちっこい嬢ちゃんがやって来たんだよ。

 ――ん? あんたから見たら誰でも小さく見えるだろうって?

 そりゃそうだな。

 確か「嬢ちゃんあんたが孫娘かい?」と言うような事を聞いたっけか。そうすっと「嬢ちゃんなんて呼ばないでよ!」と噛み付きやがった。

 初対面なのにだぜ!? こりゃ相当肝っ玉が据わってやがると思ったね。

 んで「ハナって名前で呼んで」と。「オジサンはなんて名前なの?」と聞くもんだから、「ベナトールだよ」と名乗ったら、途端にケラケラ笑いやがんだ!

 何事かと困惑したら、「だって、【ナイシトール】みたいな薬の名前みたいじゃない」と腹抱えて笑いやがる。薬はねぇと思わねぇか!?

 一応「【ハンター】という意味がある」と名前の由来を説明したんだが、「ベナって呼ぶから」と言われちまってな。俺の立派な名前も形無しだよ……。

 おい、お前まで笑うこたぁねぇだろ!?

 

 普段着のまま【クエスト】に行こうとすっから、こいつ馬鹿か? と思ったんだが、なんとか【z(ゼニー)】と【素材】を与えて【リオハート】シリーズに着替えさせた。

 始めに与えようとした【ザザミ】シリーズは、「ダサい」と突っぱねられたがな。

 初めての【クエスト】なら【採集クエスト】当たりかと思ってたらば、「【沼地】ってとこに行きたい」と言い出しやがった。夜にだぜ?

 一応反対したんだが、押し切られちまってよ。まあ毒沼に触れるのも経験の内かと受けたんだよ。

 

 

 【沼地】に着いて毒沼について説明してたら、それ聞く前に手を突っ込みやがった。しかも「綺麗~~♪」とか言って。

 

【挿絵表示】

 

 馬鹿だろ? 当然「気持ち悪い……」ってなるわな? 

 「死にそうだからどうにかしてよ」と言われたんだが、「ポーチから【解毒薬】を出して飲んでみろ」と促したら、「そんなものない」と抜かしやがった! 前もって言ってあったのに、だぜ!?

 他にはといえば【蜘蛛の巣】とか【トラップツール】とか、そういうもんしかポーチに入れて無かったんだと。その内毒が回ってパタンと倒れやがったから聞けなかったが、回復系が入ってたかどうかも疑わしかったよ。

 あまりに間抜けなもんだから、このまま放って置こうかと思ったんだがな。その内毒が抜けて勝手に帰って来るだろと。

 けどよ、【大長老】様に託されてる手前、何かあったら首が飛んじまうだろ? だから仕方ねぇから猫掴むみてぇに首根っこ捕まえて、【クエストリタイヤ】してぶら下げて帰って来てやったのよ。その後医務室に放り込んだがな。

 その後どんな【クエスト】に連れて行っても随時そんな感じでよ。ちっとも前に進まねぇもんだから、狩猟は全部俺が引き受けた。

 ――あ? それじゃ実力が付かねぇってか。

 そいつを言われると辛ぇんだが、まあそれを見込んで【大長老】様も俺を付けたんだろうと思うんだよな。だから諦めたよ。

 で、結局【上位最終試験】までに二年程経過したと。まあこういう訳だ。

 

 【最終試験】がどうなったかも聞きてぇのかよ? お前さんも物好きな奴だな。

 あんたも分かってる通り、上位になるための【最終試験】は【シェンガレオン】の撃退参加だ。

 だがこればっかりは、俺が全部やってやるわけにゃいかねぇ。

 俺だけでは【砦】を護り切れんからな。

 あいつも珍しく真面目になりやがってよ、「失敗は許されんぞ」と諭したら、しおらしく「はい」と頷いたのよ。

 なんでも、うんと幼い頃に、【ラオシャンロン】に【街】を潰された記憶があるらしいんだな。だから今度ばかりはおちゃらけてはいられねぇと思ったとみえる。

 だがいかんせん、〈耐震+1〉を付けてねぇと抜かしやがる程抜けてる奴だからよ、「前進中の止まった隙に攻撃しろ」と教えたら、つい脚の前に回り込みやがって踏まれちまったのよ。

 

【挿絵表示】

 

 あれには弱ったね。なんせ状態見たら内臓破裂してそうだったからな。

 慌てて【秘薬】を飲ませようとしたんだが、内臓やられてたら飲めねぇだろ? だからまず【生命の粉塵】を掛けて、内臓を回復させてから飲ませたよ。

 死んじまったらどうしようかと焦ったが、目を開けてくれたのには正直ホッとしたよ。

 もういっその事、無理してでも俺一人でやっちまって、【キャンプ】で寝ててもらおうかとも思ったんだがよ。健気にも「逃げたくない」と言いやがったからよ、そのまま参加してもらったよ。

 ヤドの中で【対巨龍爆弾】を置いて講義した時は、流石に文句言ってたがね。

 

 二人だと攻撃力が足りねぇのか、どんなに攻撃しまくろうが奴が止まってくれなくてよ。とうとう最終門である《5》まで辿り着いた日にゃ、流石に焦ったよ。

 だが【守護兵団(ガーディアンズ)】も頑張ってるし、そこを崩されたら終わりってんだから、諦めるわけにゃいかねぇ。

 死に物狂いで【砲弾】とか【大型固定弓(バリスタ)】なんかを使ってると、誰かが「【激龍槍】の準備が出来た」と声を掛けた。

 そこで「俺が撃とう」と、【撃龍槍】の前に陣取った。

 ハナに作動の仕方を教えてやろうと思ったんでな。

 そうしてる内に、奴はどんどん近付いて来る。

 ハナはそりゃあオロオロしてたさ。「早くしないと門が壊されちゃう~~」って泣きそうになってやがった。

 だが【撃龍槍】ってのは、うんと引き付けてからでないとキッチリ効かせられねぇだろ? だから奴が密着するまで引き付けた。そうすっとハナは「もうダメぇ!!」と目を覆いやがった。

 その瞬間に作動させたもんだから、せっかくの見せ場も見逃しちまったんだよな。しょうがねぇやつだよまったく。

 それで奴は観念してくれて【砦】から去って行ったんだが、正直【撃龍槍】が効かねぇとなったら、もう駄目かと思ったわ。 




ちなみにベナトールの鎧イメージは「アカムト」シリーズで、メイン武器は「ハンマー」です。

挿絵に二人いるのは他のプレイヤーではなく、フロンティアZではAIが操作して勝手に付いて来るキャラが作れるから。
これはその内の「パートナー」という制度を使ったものです。
自キャラは一人しか操作できませんが、これを利用して二人クエの再現は試みたいと思っております。
漫画的表現になっているのは、画像加工ソフトを使って私が漫画的な吹き出しを加えているためです。
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