今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】   作:沙希斗

57 / 262
「フロンティアZ」が「2(ドス)」の影響を強く残していた頃には、「月と太陽」というクエスト名で希少種夫婦の同時狩猟が出来ていました。
今は廃止されていますのでこの二頭の素材が欲しければ別々に依頼が出ている一頭クエで狩るしかありませんが。

これは、廃止前に依頼があった頃の話です。
前回の話が「銀レウス」の話だったので、「希少種繋がり」で今回はその話を続けて投稿します。
(実際は間に他の話を書いてました)


ゴージャス夫婦

 

 

 

「ようハナ。お前にピッタリの依頼を見付けたんだが、受けてみるか?」

「あんたがそんな事を言うのなんて、怪しくて受けられないわよ」

「別に行かなくても良いんだぜ? 俺はオッサンを誘うつもりで来たんだし。どうせおめぇがもれなく付いて来るだろうと思ってついでに言ったまでだ」

「……。何の依頼だ?」

「【リオス科】の【希少種】だな。なんでも番でいるらしくて、危険だからどうにかしてくれとさ」

「キショウシュって、何?」

「まあ行きゃ分かるさ」

「アレクはいっつもそれだなぁ。おいらの時も、行って初めてどんな【モンスター】か分かるような言い方するし」

「どうせ会うならうんちく垂れるより、実際に見る方が早ぇからな」 

「もっともだな」

「ちょっとベナぁ、納得しないでよぉ」

「事実だしな」

「だよな」

「もぉ……。分かったわよ。行くわよ」

 

 

 【塔】の一角。遺跡の壁の一部が壊れた所の縁に、アレクトロはハナを立たせた。

「ここから飛び降りてみ」

「えぇ!? やぁよぉ」

 そう聞くや否や、彼は蹴り落した。

「きゃあぁ~~~!!」

 彼女の悲鳴が下の方に吸い込まれて行く。

「ひどいなアレク」

 カイが苦笑している。

「さてと……」

 おもむろに、カイを切り上げて落とす。

「うわあぁ~~~!?」

 一応悲鳴を上げたカイだがよくやられている事なので、石畳で体を打つ前に受け身を取った。

「あぁ~~! ちくしょおぉ~~~!!」

 ベナトールを切り上げようとして逆に打ち上げられたアレクトロが、そんな声を上げながら落ちて来た。

 最後にベナトールが飛び下りて、【秘境】と言われている所に降り立つ。

「ちょっとっ! レディーを蹴り落すなんてどういう事よっ!」

 

 アレクトロに詰め寄ろうとしたハナは、その後ろを見て止まった。

 

「な、何この【レイア】!?」

 金色の【リオレイア】を見て素っ頓狂な声を上げるハナに、「こっちも見てみな」と顎をしゃくるアレクトロ。

 

 そこにいた銀色の【リオレウス】を見て、更にハナは声を上げた。

 

「な、ゴージャスなお前にピッタリだろ?」

 彼は兜の下でニヤニヤと笑っている。

「って、これもしかして二頭同時に相手しなくちゃなんないのぉ!?」

「まあ、そういう事だな」

「落ち着いて言わないでよぉっ!」

「二人で組んで一頭ずつ担当するぞ。混戦はやむを得んからなるべく避けるように」

「そういう事だ。行くぞカイ。こっちは【銀レウス】を引き受ける」

「了解っ!」

「ならこっちは【金レイア】だな。さっさと来いハナ!」

「は、ハイっ!」

 

 

 突進やホバリング、ブレスなどの時に声掛けをしながら、なるべくお互いに【閃光玉】などで動きを止めつつ闘う。

 それでも特に【銀レウス】の方が滑空を多発するし、【金レイア】も突進が多いので、お互いがお互いに巻き込まれたりした。

 

「そっち行ったぞ!」

「わわっ!? こっち来んな!」

 とか、

「うは!? ブレスかよ!」

「いった!? 蹴られたっ!」

 

 などという会話が頻繁に聞かれ、ベナトール以外は必ず誰かが被弾していた。

 が、ヒィヒィ言っているハナを除いて、特にアレクトロは被弾する事さえ楽しんでいるようである。   

 討伐と捕獲で【クエスト成功】させたはいいが、お互いに切った尻尾が本体から遠くに転がっており、剥ぎ取りに行く時間が迎えが来た時間ギリギリで焦った。

 

 

 【街】に帰ったその足で【武具工房】に向かったハナは、【金レイア】の防具である【ゴールドルナ】を作ってもらい、「じゃ~~~んっ!」と得意げに見せに来た。

 

「……。おいハナ。それ着て【クエスト】に行くなよ?」

「なんでよぉっ!」

「眩しくってしょうがねぇ。それ着て行く気なら、俺もう二度とおめぇとクエ行かねぇかんな」

「なによぉっ! 誘ったのあんたじゃないっ。なのに防具はダメってどういう事よぉっ!」

「……。ハナよ。すまんが、せめて【ロビー装備】だけにしてくれんか?」

「うん。おいらも【クエスト】に着て行くのは反対だな……」

「みんなして何よぉ。着てみたら割と良いじゃんと思って気に入ったのにぃ……」

 

 文句を垂れるハナに対して、他の者は全員首を振るアクションをしたのであった。




武器が当たると放り上げられるようなアクションになる物を使って仲間同士で飛ばしっこした経験はありませんか?
私はこれでこの話のように高い崖から落とされたり、高台に放り上げられたりしてはしゃいでました(笑)

なのでアレクトロがベナトールを切り上げで落とそうとして逆にやり返されるシーンが、なんか微笑ましくて個人的に好きです。


「ゴールドルナ」は、実際に着ている人を見るとかなり眩しいと思うんですよ。
友人とも「これ着てる人とクエ行きたくないよね」と言うような話をした事があったんですが、ハナ役として自キャラの女ハンターに着せてみると、こうなりました。

【挿絵表示】

【挿絵表示】

【挿絵表示】

目が痛かったです(+Д+;)

うちの自キャラは全員黒人なので黄色人種(だと思われる)ハナとは肌の色が違いますが、雰囲気は伝わると思います。


話に出て来た「ロビー装備」について。
これは多分「フロンティア」だけのシステムなんだろうと思うのですが、「クエスト」に着て行く(通常のハンターの姿として表示される)「クエスト装備」というものと、「メゼポルタ広場」などで寛ぐ時などに着替えられる(見た目だけ変えられる)「ロビー装備」というものがあるのです。
あくまでも見た目だけなのでクエストに出発すると狩場では自動的に「クエスト装備」としてちゃんとしたスキルが付いた物に切り替わるんですが、「普段着感覚で広場では過ごしたい」というハンターの要望で実現されたものらしいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。