今日も元気にメゼポルタ広場からお届けします。【完結】 作:沙希斗
無理矢理書かせたようなものなのですが、やはり良い味を出しております(笑)
読みやすいように行間のスペースを空けたり、小説での表現に相応しくない「・・・」を「……」に直したり「」の中の文に「。」が入っていたのを消したりはしましたが、内容は原文のままです。
「カイっ! アレク~っ!」
悲鳴のようなハナの声がこだましている。
そもそも、こうなったのは4時間前に遡る。
カランカラ~ン
「アイスティーって美味しいよね♪ ねえ、カイさっきから黙っちゃってどうしたの?」
「あのね、ハナ。おいら、このままじゃダメだと思うんだ」
「何が、ダメなの?」
「ベナトールだよ。ハナもランク100を超えるハンターになったわけじゃない?」
「そうだけど? その事とベナとが関係あるの?」
「だから、そこだよ! 最近4人で出かけるから甘えてたけど、ベナにだって本来の仕事もあるだろうし、いつまでも依存しちゃいけない時期に来てるんじゃないかって思うんだ」
「そうかもしれないけど、ベナだってそれが嫌ならイヤだって言うんじゃない? 案外楽しいのかもよ?」と微笑んで見せる。
「……。本当にそう思ってるなら、おいらはもうハナと一緒にクエスト行かないよ……」
「何よそれ! じゃあいいわよ、ベナとアレクと行くから」
「俺も行かねえぞハナ」
「あれっ? アレクどうしてここにいるの? せっかくハナと2人で話そうと思ってたのに」
「おまえなあ、朝からショボくれた顔して話しかけても反応鈍いし、何かあるなってわかるだろ? まるで話聞いてくださいって言ってるようなもんだろうが。わかりやすいんだよ、お前は。そんな状態でほっとけるかよ、どうせハナタレの事だろうとは思ったけどな」
「ちょ、ちょっとアレク! ハナタレってどういうことよっ!」
「ハナタレはハナタレだろうが。ハンターランク100になっても教官に依存してるヤツはガキと変わらねえだろ?」
2人から思いがけない仕打ちを受けて、ハナはすでに泣き出しそうになっている。
「ちょ、ちょっとアレク、ハナが泣きそうになってるじゃん!」
「なんだよ、お前の話の流れでこうなってるんだぜ? それで、おっさんに頼るなって話は急にどうしたってんだ? それを伝えるためだけにあんなに朝から塞ぎこんでたわけじゃねえだろ?」
「しっ! こ、声が大きいよ!」
決心したのか、カイは大きく息を吸って、アイスティーを一気に流し込んだ。
「これはね、本当に内緒の話で、伝説にもなってることなんだけど……」
「もったいぶってないで早く話してよ!」
「だから、声が大きいって!」
「カイ、頼むから早く話せよ。お前の声が一番大きいぜ」
「う、うん。本当はハナには伝えるつもりなかったんだけどね、ハナはいつもベナトールに守ってもらってるじゃん。ずっとこのままじゃいけないと思うんだ。だって、ベナトールにも都合が、いや、仕事があるじゃない?」
「カイ~。何が言いたいのか、さっぱり伝わってこないんだけど」
「あ~、もういいよ、はっきり言うよ。ベナトールはギルドの密命を受けて陰で働いてるんだよ。アレクは感がするどいから、わかってるんじゃないの?」
「あー、その話か。一緒に狩りに行ってりゃあ、只者じゃないってわかるだろ。その話をカイから聞くほうが驚きだけどな」
「それってすごい事なの? おじいちゃんからも、そんな話聞いたことないんだけど」
「そりゃそうだろ。あれは伝説だと思わせてるが、暗躍してるんだぜ、おっさんみたいにな」
「でも、暗躍って……」
「ハ、ハナ、たとえ話だよ。だから、内緒にしてる話だから絶対に誰かに話しちゃいけないんだよ。こんな話が伝わったら、どんな罰があるかわからないんだから」
「お前、それで朝から塞ぎこんでたのか。だけど正しいかもな。伝説を守るために口外する奴は密かに消されるって聞いたことないか?」
アレクトロはそう言って、カイのグラスに残ったアイスティーを勝手に飲み干しながら、本気なのか、冗談なのかわからないような顔でニヤリと微笑んだ。
「だから一緒にいちゃいけないの? ベナは、そんなこと一度も言ったことないのに」
「カイじゃ言いにくいだろうから言ってやる。よく聞けよハナ。話によると今までおっさんは独りで狩りをしてきたらしいぜ。それが今や4人で出掛けるようになって、まるで前からそうだったようなチームになってるだろ。そのせいで、本来おっさんが挑むような上級の亜種や古龍に全く行けてないんだよ。恐らくそれはどういう訳なのか、ハナを連れて狩りに行こうとしてるからだと俺は思ってる。男3人なら、俺たちを過酷な狩りに連れて行くはずだろ? おっさんは狩りをする者に対してそこまで優しいとは思えないからな」
「だから私が抜ければいいって話なの?」
「あのなぁ、話は最後まで聞けよ。ハナの悪い癖だな、それ」
「だからね、ハナ、おいら達は狩りを学べるし、守ってもらっていいことばかりだけど、その間に、古龍とか、亜種とか、本来優先して狩りをするハンターが1人不足するってことになるんじゃないかな。だからこそ、もっとちゃんと学んで、全員で古龍や亜種に挑めるようになれば、ベナトールも本来のハンターに戻れるじゃない」
「アレク、そういうことなのね?」
「ん? あ、まぁ、そんなところだ」
「なあんだ、そんな事だったんだ。びっくりしたぁ。カイがもっとすごい話をしてくるのかと思ったけど、要するに私が本物の上級ハンターになれば、ベナもみんなもこれまで通りってわけね♪ カイ、大丈夫よ。私ベナに今の話しないから。そんなに心配しなくても誰にも言わないであげるから」
「あ、う、うん。そういうことだよハナ」
「じゃあ、2人とも私の練習に付き合ってくれるってことでしょ」
「俺は面倒くせー。言い出しっぺなんだからカイが付き合えよ」
「アレク、おじいちゃんにベナのことアレクから聞いたって言うからね」
「おまえ、性格悪くないか? この前助けてやっただろ!」
「そんなこと言ったってしょうがないじゃない。ベナを練習に付き合わせたら優秀なハンターが不足することになるんでしょ。そしたら2人しかいないじゃな~い」
「おいらはいいよ。何から練習しよっか」
もうすっかり先ほどの緊張から解放されたのか、いつもの明るい表情に戻っている。
「うーん、そうねえ。この前サシミウオ取り損ねたから、まずは魚釣りからマスターしようかなぁ」
「くっだらねえな。それなら一人で行けるだろ?」
「アレク知らないの? この前、大きな緑色の魚さんが襲ってきたんだからね! レディをそういう所に一人で行かせるわけ? 一流ハンターさん?」
「ねえ、アレク、一緒に行こうよ。キレアジとかさ、収穫できるじゃん。黄金魚釣ったらお小遣いも増えそうだし」
「言っとくが、自分の命は自分で守るための練習だからな!」
「決まり~♪ 3人で魚釣りね!」
「トラップツールまだあったかなぁ」
「なんだよ先が思いやられるな……。なんでそんなもん持ってくんだよ」
ギルドナイトについてもっと深い話をするのかと思いきや、ギルドの密命を帯びて上級クエストを受けているだけと思っているようで、更には、それを話す事が重罪に当たると思っているあたり、カイらしいなとホッとしながら、つい呟いた。
「アレク、今なんか言ってた?」
「いーや。用意できたらすぐ行くぞ」
「はーい♪」
「うん♪」
そうして3人で密林にやってきたというわけである。
「カイっ! アレク~っ!」
ハナの悲鳴に近い声が響く。
「ハナタレっ! いい加減に自分で針外せよっ。練習したいって言ったの忘れんな!」
「だって、ビチビチ言ってるのよ? でっかいのよ? 無理~」
ハナタレと呼ばれたことも気にしないくらいの集中力を見せる。
「ごめんアレク、おいらも今魚来てるから外してあげてよ」
「これじゃまるで子守りと遠足じゃねえかよっ!」
「とにかく早くお願い~~~」
こういう場面ではビキナーズラックと言うべきか、一番魚を釣り上げるのはハナで、それを外すお役目は一番魚が釣れないアレクトロという予想通りの展開となったのは言うまでもない。
「凄腕ランク(HR100)」にもなって、まず魚釣りから練習するハナってどんだけだよ(笑)
友人は「上位」の事を何故か「上級」と言う(書く)んですよ。まぁGランクを「G級」と言うくらいですからあながち間違いでは無いんでしょうが、なんかモヤモヤします。
「中途半端な終わり方で続きがある様なのが惜しい」と言うと、「もちろん続きを書くつもりで書いた」とは言われたんですが、それからいくらせっついても書いてくれそうにないので無理だと思われます。
(これは去年の六月に書いてもらった話なので)
「続きが書きたいなら書いても良いよ」とも言われましたが、丸投げされた「朝ごはんはココット村で」で懲りたので、私もこの続きを書くつもりはありません。
てか、「この流れ」というか「この雰囲気」は友人独自のものなので、私が書いて雰囲気を壊したくないんですよね。
「アレクトロ」というキャラは友人の中には無い(私の人格なので友人の人格では本当には形成出来ない)ので喋り方などに「違和感があるんじゃないか」と懸念したんですよ。
「朝ごはんはココット村で」のベナトールの喋り方が私的にはかなり違和感があったので(第一話参照)。
ですが、それ程気にならない程度に違和感なく仕上げてくれたので感謝しております。
ちなみにハナの「おじいちゃんに言うよ」は、彼女の「伝家の宝刀」だったりします(笑)