退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ......   作:haru亜

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正直な気持ちを伝える。
みなさんはそれを出来ていますか?
あっ、この質問に深い意味はありません。



O・MA・KE
I am fry←これの意味が知りたい方は偉大なるGoggle先生に聞きましょう、スペルミスに注意です。


第8話 正直な気持ち

数日後

この前の出来事から何日か経った後

リサからメールが届いた。

その内容は

友希那が来週のRoseliaの練習予定を全てキャンセルした、と言うものだった。

それから俺は1人で考えていると時間だけが過ぎていった。

そして帰り道

 

「あっ、陽菜くんだ。久しぶりだねっ」

 

そこには日菜がいたが、心なしか元気がないように見えた。

 

「……紗夜となんかあったか?」

 

「すごいっ!なんでわかったの?エスパー?」

 

「いや、元気だけが取り柄みたいな日菜が元気なさそうだったからな」

 

「それって褒められてるの?」

 

「さぁな、それよりもなんかあったのか?」

 

「んーっと、お姉ちゃんが最近、優しくなったの」

 

「……ん?良かったな」

 

「違うのっ!そうじゃなくて、なんだろう……前のお姉ちゃんは教科書ぽかったのに、今はなんだか…そうっ!お姉ちゃんって感じがするんだよっ!」

 

「?要するに今の紗夜の音は紗夜自身の『音』になってるってことか?」

 

「うーん?…とにかくっ!お姉ちゃんって感じがするの」

 

「そ、そうか。その事は紗夜に言ったのか?」

 

「ううん、言ってないよ?」

 

「……はぁ、とりあえず日菜はいつも通りが落ち着くよ…」

 

「えー?なにそれー、どう言う事ー??」

 

そして、買い物をした帰り道の途中である事を思いつき

リサに電話をする事にした。

 

「もしもし?陽菜から連絡なんて珍しいね、どうかしたの?」

 

その声はまるで泣いた後のような声だった。

 

「……何かあったのか?」

 

「えっ!?な、なんにもないよ!あはは…」

 

「泣いた後の声になってるぞ」

 

「えっ!?」

 

「やっぱり何かあったんだな」

 

「…うん……ちょっと、ね」

 

「…友希那と話したんだな」

 

「…うん」

 

「……どうだった、今の友希那は」

 

「…それが…怒られちゃった…」

 

「お、怒られた?」

 

「うん……『どうして、いつもそうやって優しくするの!悪いのは全部、私のせいなのに!』って……それに他にも色々と言われて……」

 

「…凹んだか?」

 

「…ちょっとだけ凹んだけど…アタシは、アタシに今できる事をしたから後悔はしてないよ!」

 

「なら大丈夫だ、いくら何でも親友の言葉に耳を貸さない。なんて事、友希那はしないはずだ」

 

「そう…だよね。それで陽菜はどうしたの?」

 

「ああ、危うく忘れるとこだった。悪いんだけどみんなが練習してる時の動画って持ってるか?」

 

「…うーん、ごめん持ってないや、でも燐子とあこなら持ってるかも…でも2人の連絡先って陽菜持ってたっけ?」

 

「持って……ないな」

 

「わかった、じゃあ燐子たちに話してから送るね」

 

「ああ、頼む」

 

そう言って電話を切り、しばらくするとリサから2人の連絡先が届いたのでまずは燐子に電話した。

 

「もしもし?ちょっといいか?」

 

「は、ははいっ!り、りり、燐子……です…は、はは、陽菜…さん……で、ですか…?」

 

「……そんなに緊張しなくていいから、燐子は一旦落ち着こうか」

 

「は、はい、すみません……男の人、だと…つい、緊張…しちゃって……」

 

「?リサから俺が電話するって聞いてないのか?」

 

「き、聞きました。…でも…やっぱり、緊張しちゃって…ダメ、ですよね…こんなんじゃ……」

 

「別にダメじゃない、そういう自分が嫌ならゆっくり時間をかけて変わればいい」

 

「っ……そう、ですか……ありがとう、ございます…」

 

「別にいいよ……それで話は変わるけど、Roseliaが練習してる時の動画とか持ってないか?」

 

「……動画……でしたら…あこちゃんが、持ってたと思います……」

 

「ホントか!?」

 

「!は、はい!この前見せてもらったので……」

 

「よしっ。ありがとう燐子、助かったよ」

 

「…いえ、力になれて良かった、です……」

 

「じゃあな」

 

「はいっ」

 

そうしてあこに電話をかけた。

 

「もしもし?陽兄ぃ?さっきリサ姉から連絡きたけど、どうしたの?」

 

「ああ、あこが持ってる動画をみんなに送信してほしいんだけど、いいか」

 

「あっ!それなら新しいのあるよっ。今から送るね」

 

「ああ、頼んだ」

 

「でも何で動画が必要なの?いつもと同じ練習を撮っただけだよ?」

 

「まぁまぁ、Roseliaが解散しそうな事になったら俺が助けるって約束だからな」

 

そう言って通話を切り、辺りを見回すとほとんど朱色の夕焼けに染まっていた。

すると学校の屋上で5人くらいの生徒が夕焼けを見て何か話しているのが見えた。

しかし、急に動きすぎたのか今日は一段と疲れたから家に帰ることにした。

 

 

 

 

 

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ある日の帰り道

俺はもう家の前まで来ていた時、リサからメールが届いた。

その内容はよくわからないものだった。

 

陽菜今どこにいるの?もうみんな集まっちゃったよ。

 

「……ん!?」

 

みんな集まったって、どういう事だってばよ。

その内容を読んだ後すぐに返信をした。

 

集まったってどこに?

 

するとすぐに返信がきて

それを読むと

 

どこって、いつものスタジオだよ?もしかして友希那から聞いてない?

 

えっ?

そう思って

 

最近、友希那と話してない。

とりあえず俺もすぐにそっちに向かうから。

 

そう送ってからスタジオに急いで向かった。

 

着く頃にはかなりの時間が経っていて、受付のスタッフさんに場所を聞いてから勢いよくドアを開けて入った。

すると

 

「あっ!陽菜!」

 

「……ぷっ、あはは!」

 

あこに笑われた。

 

「えっ!?」

 

すると続けて

 

「「…ふふっ」」

 

「「ははっ」」

 

えっ?なんで笑われて…ていうかみんないつも通りになってる。

 

「…いやいやいや、…俺がここに向かってる間、何があった…」

 

「あはは、実はねぇ〜」

 

するとリサは話し出した。

そしてそれは…俺がいなくても良かったんじゃないかと思う物語であった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あこ 燐子 side

 

「……ねぇ、りんりん。あこがあんな事言わなかったら、こんな事になってなかったのかな……」

 

「それは、違うよ。………友希那さんが……本当にRoseliaを止めるなら…多分いつかはわかってた事だと思う………」

 

「じゃあ、Roseliaはなくなっちゃうの?」

 

「ううん……それは大丈夫じゃ、ないかな?」

 

「どうして?」

 

「だって、この前…陽菜さんが……『Roseliaに何かあれば俺が助ける』って言って、くれたから…」

 

「!りんりんが……男の人を、信じてる……!?」

 

「もうっ!あこちゃん…」

 

「…やっぱり、りんりんもRoseliaが大事だよねっ!」

 

「うんっ、でも……だからこそ、わたしは……わたしを変えてくれた、あの人達と…もっと、ずっとこれからも一緒に……演奏が、したいっ」

 

「!りんりん……!」

 

「だから、わたしたちでも……できる事をしよう…」

 

「うんっ!ってあれ?リサ姉から電話だ。

もしもし?えっ、陽兄ぃから電話?うん、りんりんもいるよ?

…うん、わかったっ!りんりんにも言っておくねっ」

 

「?……あっ、あこちゃん、もう暗いから一緒に帰ろう……」

 

「うんっ!」

 

あこ 燐子 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

紗夜 日菜 side

 

ダメっ!こんな技術じゃ、私にはギターしかないのに……!

 

「……たとえ、Roseliaがなくなったって……」

 

「?お姉ちゃん、どうしたの?」

 

「!日菜っ、勝手に入ってこないで…」

 

「ドアが開いてるだけで入ってないよ、ほら」

 

「なによ……それ、早く自分の部屋に戻って。今、忙しいから」

 

そう言って、私は妹を部屋に戻し、ドアを閉めた。

すると

 

「?……宇田川さんから動画メール……?……っ!!」

 

そこに映っていたのは、楽しそうに演奏していた自分の姿だった。

 

「っ……Roseliaがなくなれば、私は……」

 

日菜 紗夜 side out

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友希那 side

ある一本の電話が来た。

 

「…もしもし。………はい。……わかっています。……決めました。はい…それでは、お願いします」

 

そして電話を切り、全員にメールを送った。

内容は

 

『私の正直な気持ちをみんなに伝えたいので、集まってほしい。日時は…』

 

そして全員にメールを送った……つもりだった。

 

友希那 side out

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各員 その時 side

 

あこと燐子

 

「あっ!友希那さんから」

 

紗夜

 

「……『私の正直な気持ちをみんなに伝えたいので、集まってほしい。日時は…』……湊さん……」

 

リサ

 

「!友希那…」

 

如月

 

「ふわぁぁ、ん?うわっ!?虫!?」

 

各員 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして数日後

Roseliaが集まった。

 

「……まだ、如月が来ていないけど」

 

「えっ、友希那のメールみんなに届いたはずだよね」

 

「……もしかしたら、携帯の充電が…切れたのかも……」

 

すると友希那が

 

「………先に進めるわ。まず、この前はごめんなさい。

これは、1バンドメンバーとして、自分の気持ちが整理しきれていなかった事とあなた達との関係性を認識できていなかった」

 

それを聞いたあこは

 

「う〜??つまりどういう事?」

 

「スカウトは断ったわ」

 

「「!!」」

 

すると紗夜は

 

「…そうだとしても、私たちのことを『コンテスト要員』として集めた事には変わりないのよね?」

 

それを聞いたリサは

 

「紗夜、何もそんな言い方!」

 

リサが何か言おうとしたのを友希那が遮り

 

「リサ、ちゃんと聞いて。

紗夜の言う通り、確かにそうだったのだから、責められて当然よ」

 

すると紗夜は首を少し振りながら

 

「……湊さんの意思がわからないわ」

 

「…紗夜の言った通り、私はFUTURE WORLD FES,に出るために全てをかけて音楽をやって来たわ……」

 

「…失礼だけど、フェスは確かに音楽の頂点。だけど湊さんが全て『フェス出場』の為なら、その後のビジョンというものが何もない……つまり…私達は使い捨て、そういう事になるわ」

 

すると

 

「それは違うわ!」

 

「「「「!!」」」」

 

「確かに最初は、如月をバンドの手伝いに誘い、メンバーを探している時は…そうだった……でもっ、紗夜を見つけて、如月が燐子を呼んで、あことリサが入ってきた時から…いつのまにか、私は…お父さんの事より……」

 

「…『お父さん』?」

 

「…本当の私は『私情』のために利用して来た人間よ。

……少し長い話になるわ。昔1人のバンドマンがいたの…」

 

そうして友希那は自分のお父さんの事を話し出した。

そうしてしばらく話し、話し終わると

 

「…確かそれは…インディーズ時代の名盤だって、湊さんのお父さんが……」

 

「そして私はRoseliaを立ち上げて、『自分達の音楽を極める』と偽って、私の私情であなた達を騙した…」

 

「……友希那」

 

「……私は、私がRoseliaから抜けるべきだと思う。私と違い、あなた達の音楽に対する思いは、信念は本物だから」

 

「ちょ、ちょっと、友希那」

 

「そ、それなら、あこだって」

 

「でもっ!!!!でも、私は……こんなに自分勝手で、なにもかも元を正したら、ただの『私情』で……こんなの都合が良すぎる事くらいわかってる。

それでも……また、この5人で演奏したいっ!この5人じゃなきゃダメなの!」

 

すると紗夜が少し微笑んで

 

「……あなたの気持ちもわかるわ。音楽を始める動機なんて、みんな…私情や私的なものなんじゃないかしら」

 

そしてあこと燐子も

 

「あこも、おねーちゃんみたいになりたかったからだもんっ!友希那さんの『お父さん』と一緒だよ!」

 

「わ、私も……こんな、自分を……どこかで、変えたいって……思ってました、から…」

 

するとリサも

 

「アタシは友希那と一緒に…って言わなくてもわかるか♪」

 

「抱えたものをどうしても捨てられないのなら、そのまま進めばいい。…そうじゃない?」

 

「……紗夜……」

 

「それに私だって、またこの5人で演奏したいと思いますから」

 

「あれ?これってRoselia再結成?」

 

すると仲良く

 

「「解散してない。

……!!」」

 

「「ふふ(はは)」」

 

そして紗夜が仕切り直しに

 

「では、Roseliaとして、FUTURE WORLD FES,のコンテストにエントリーする。みんなそれでいいかしら」

 

「「「はいっ!」」」

 

「……紗夜、みんな……」

 

するとあこが突然

 

「あっ!陽兄ぃの事忘れてた!」

 

「そういえば、まだ来ないんですか?」

 

「多分さっきメールしたから大丈夫だと思うけど…

それよりあこ、陽菜が色々してくれたのもあったから今こうなってるんだし、陽菜の事忘れちゃダメだよ?」

 

「ううっ、ごめんなさい陽兄ぃ」

 

「「今井さん

リサ」」

 

「?どうしたの?」

 

「いえ、如月さんが色々してくれた、ってどういう事ですか?」

 

「あ〜それはね」

 

するとドアが勢いよく開く音がした。

そしてそこに入って来たのは……

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして前後編が繋がった今

 

「あーなるほどな、そういう事か…急いで来たのにもう終わってたのか…」

 

はぁ、かなり疲れたずっと走って体力がもうない。

でも

 

「それで、みんなはちゃんと仲直り出来たのか?」

 

するとあこが元気よく

 

「うんっ!ちゃんと仲直り出来たよっ!これも陽兄ぃのおかげだねっ」

 

「いやいや、最後に関しては俺、何もしてないしてない。というか、なんで俺の所にメールがこなかったんだ?」

 

その質問に友希那は

 

「それは、あなたが私の連絡先を持っていなかったせいよ」

 

「えっ、俺のせいなの!?」

 

「あははっ、何はともあれ、これで全員集合したね♪」

 

すると紗夜が

 

「はい、ようやく練習を始めれます」

 

そして友希那が

 

「みんな、ロスした分を取り返すわよ」

 

 

「「「「はいっ!」」」」

 

そしていつもより綺麗で、またあの『音』が出ていた。




ネタがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

次回予告

そういえば、こんな行事があったなぁ…

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