退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ......   作:haru亜

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一応言っておきますね。
前回の予告とかが変わっている時があると思いますが気にせずに見てください。

オマケ
なぜ、回送が2回くらい連続で来るんだ……


第11話 最後の最高ライブイベントになるかもな

修学旅行からしばらく経ったある放課後

俺はCiRCLEに向かっていた。

すると

 

「あれ?陽菜だー!」

 

「?あっ!香澄、どうしたこんな所で」

 

「わたし達ね、今からCiRCLEって言う登校してる時に見つけたライブハウスに行くんだよっ!」

 

「奇遇だな、俺の知り合いもこの後CiRCLEで練習するんだ」

 

「あっ、もしかして!この前言ってたバンドの人達?」

 

「まぁ、そんな所だ」

 

すると香澄の後ろにいた4人のうち2人が

 

「あ、あの…香澄ちゃん、この人ってこの前話してた…」

 

「うんっ!そうだよっ!この人が陽菜だよ!」

 

「あ…は、初めまして…牛込りみ、です」

 

「わたしも初めましてだね、花園たえだよ」

 

「俺は…ってもう話してるか」

 

そんな事を話しているとCiRCLEに着き、中に入った。

するとスタッフさんが来て

 

「君たちちょっといい?」

 

「「「「?」」」」

 

「はいっ!いいですよ!」

 

「いや早えーよ!!」

 

「ナイスツッコミ」

 

とりあえずそう言っといた。

 

「それで何か用ですか?」

 

「えっとね、今度CiRCLEで目玉になるイベントを企画中なんだけど、参加してくれるバンドがいないの。

だから、あなた達、Poppin' Partyにお願いしてもいいかな?」

 

「私達のこと知ってるんですか!?」

 

「うん、それはもちろん!」

 

「わぁ!やったー!」

 

「いやいや、それで香澄達は参加するのか?」

 

「うんっ!もちろんだよっ!」

 

するとたえが

 

「香澄がそう言ったらやるしかないでしょ」

 

「ありがとう!おたえ〜!」

 

「ふふ、よしよし」

 

「ホント!?ありがとう!あっ、私の事はまりなって呼んでね。

それで悪いんだけど…」

 

「?何ですか、何でも言ってください!」

 

「ちょ、お前な」

 

「…実はね」

 

そう言いまりなさんはイベントのメンバーがポピパしか決まっていなく、他のバンドを探して集めて欲しいと言うものだった。

 

「…目処は立ってるんですか?」

 

「もちろん!最近私が注目してる高校生のバンドがあって、全部で4バンドあるんだけど…」

 

まぁ、色々話されてまとめると

 

1つ目は、Afterglow(アフターグロウ)

2つ目は、Pastel*Palettes(パステルパレット)

3つ目は、ハロー、ハッピーワールド!

そして4つ目はRoselia

 

まぁ、2つは知ってるから呼ぶ事は出来……るかなぁ…。

個性的だし、Roseliaのみんなに関してはどうにかなるとして…って!何でこんなやる気出てんだ俺。

そう考えているとまりなさんが

 

「君は参加しないの?」

 

「…俺は別にバンドやってるわけじゃないから、ただの手伝いしてるだけなんだ」

 

「手伝いって…あっ!思い出した!いつもRoseliaと一緒にいる子だった!」

 

今頃ですか。

だが、あえてそれは言わなかった。

それよりも気になることがあったからだ。

 

「………あの」

 

聞こうとすると誰かが入ってきて、そちらを振り向くと

 

「あ、みんな」

 

「如月さん?それに戸山さん、花園さんも…こんな所で何をしているの?」

 

すると香澄が香澄らしくない行動をしていた。

 

「ひ、氷川先輩っ!せ、せせせ先日はどうもっ!今日はRoseliaの皆さんに用がありまして〜…」

 

「俺から話そうか?」

 

「いいの?ありがとう!お願いしますっ!」

 

「それで…如月さんには色々聞きたいですが、何の用ですか?」

 

「実はな、このライブハウスでライブイベントをするらしいんだ。それに出る候補としてRoseliaが呼ばれてるんだ。

……友希那達にはそれに出て欲しい」

 

「「「「「!!」」」」」

 

「…如月、私達は自分達のレベルに見合っていないステージには立たない、この事はあなたも知ってるでしょ」

 

「それは…そうだけど…」

 

言葉が詰まっていた時後ろからたえが

 

「それなら私達の演奏を聴きに来てください」

 

「なんですって……?」

 

「音楽は、演奏技術が全てじゃない。

弾きたい人が弾けばいいんです」

 

「そういう考えのバンドを否定するつもりはないわ。

ただ、私達とは目指すものが違うというだけ」

 

「なぁ友希那、1曲聴くだけでもいい、それで納得してくれなかったら

それはそれで諦める。だから頼む」

 

「……わかったわ。納得できなかったら私達はイベントには出ない、そういう事でいいわね」

 

「は、はいっ!ありがとうこざいますっ!」

 

「ふぅ、香澄達には悪いけど1曲だけでなんとか頑張ってくれ」

 

するとたえが

 

「うん、大丈夫だよ。

ありがとう、私達の音を聴いた事もないのに信用してくれて」

 

「いや、あれはただの成り行きというか何というか…」

 

「それよりも何で陽菜は先輩達に敬語使わないで怒られなかったの?私それが気になった!」

 

「?ああ、そういえば言ってなかったな。

俺は高校2年生だからな」

 

「「ええ!!」」

 

「気づかなかったのか…いいけど」

 

本当に気づかないもんだなぁ

なんか傷つくような傷つかないような…

そう考えていると

 

「それより如月?いつからあなたはその子達の『手伝い』をするようになったの?」

 

「いやいや、ただ来る途中で会って、一緒に来ただけだから」

 

そして紗夜も

 

「そうなんですか、私もてっきりそちらに寝返ったのかと」

 

「いやいやいや!どうしてそうなった、ていうか寝返るって何?」

 

するとあこが

 

「でも、陽兄ぃさっきまでそっちの味方してたよね、りんりんっ!」

 

「………う、うん……味方に、なってた……ね…」

 

「えぇ、あこと燐子まで…寝返ってないから!」

 

「あはは☆でも、陽菜がいて良かったよ♪今日はいつもの場所に陽菜、いなかったから」

 

「いつもの場所?」

 

「ほら、校門の前にみんなでいつも集まってるじゃん。

もしかして忘れちゃった?」

 

「えっ!?いやいや、今日はたまたまだよ……」

 

「?そう?」

 

まずい、この前のマサヤ兄さんからの連絡でかなり動揺してるな。とりあえず落ち着こう。

リサはこの中でも人の事がよくわかってるからな、気をつけないと。

 

「…みんな、今日、俺抜きで練習してくれないか?」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

「今日だけだから、頼む」

 

それを聞いた燐子とリサ、あこが

 

「……陽菜、さん……?」

 

「ど、どうしたの?陽菜が休むなんて…」

 

「陽兄ぃ、やっぱり寝返ったんじゃ…」

 

「いやいや!寝返ったんじゃないから」

 

すると友希那が

 

「……理由を、聞いてもいいかしら?」

 

「…ごめん、理由は言えない」

 

「……わかったわ。

一度あなたのいない練習をしてみるわ」

 

「ちょ、友希那?」

 

「湊、さん……?」

 

「……練習、頑張ってくれ」

 

そう言ってから俺を加えてバンド集めが始まった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Afterglowは今日練習を入れてない見たいだった。

なので先にパスパレを集めるために芸能事務所に入った。

パスパレを集める為に、俺と香澄と有咲が呼ばれ行く事になった。

 

「おおっ!ここがゲーノー事務所っ!」

 

「香澄、あんまはしゃぐなよっ」

 

「あっ!ここかな?」

 

「人の話聞けよ!!」

 

香澄は扉を勢いよく開けてしまった。

するといかにもアイドルらしい金髪の子が来て

 

「あの……うちの事務所に何かご用ですか?

事前のアポがないようでしたら、お引き取りを……」

 

俺たちがアポ無しで来たのが一瞬でバレた、まぁ、当たり前だ。アイツはいない見たいだけど…

そう思っていると

 

「千聖ちゃん、イヴちゃんがもうちょっとリハが…あっ!」

 

「げっ…」

 

「陽菜くんだー!!」

 

「…やっぱりここの所属だったか」

 

すると千聖と呼ばれていた子が

 

「日菜ちゃんのお知り合い?」

 

「うんっ!この人がこの前話した陽菜くんだよ♪」

 

「へぇ、この方が…」

 

また話したのかこの子は…いや、それよりも

 

「あの」

 

話そうとすると向こうから何人かが来て

 

「ヒナさーん、どうしたんですかー?」

 

「もうすぐリハの時間過ぎますよ……って陽菜さん!?

どうしてここに?」

 

「ハルナサン?

あ、もしかして!

この前ヒナさんが話してた殿方の事ですか?」

 

「はいっ!

陽菜さんにはジブンも相談に乗ってもらいましたから!」

 

「そーなんですか!えっと…あっ!カスミさん!」

 

「やっほー!イヴちゃん!」

 

すると奥からピンクの髪の子が来て

 

「あれ?あなた達もしかしてPoppin' Partyの人達?」

 

「わぁ!わたし達の事知ってるんですか?」

 

「花女じゃ有名だよ!」

 

「もしかして、花女の生徒何ですか?」

 

「うん。私は丸山彩!

千聖ちゃんと一緒の2年生だよ」

 

これは話が長引きそうだ。

そう思って

 

「あー、ちょっといいか。

次のライブイベントについてなんだが」

 

「イベントって?」

 

「ああ、イベントっていうのはな」

 

そしてパスパレのみんなにライブイベントの説明をした。

 

「へー、ライブイベントってそういうことかぁ」

 

「たしかに同い年の人達とバンド共演あまりしてないですよね……」

 

すると彩と千聖が

 

「みんなの気持ちはわかるけど…」

 

「私達は芸能事務所に所属してるバンドだからすぐに出演できるか分からないんです。

事務所にも確認しないと」

 

「もちろん私も出たい気持ちはあるから、その気持ちを事務所の人に伝えてみるよ!」

 

「……じゃあ、出来れば参加する、って事でいいのか?」

 

「はいっ!ええと…なんて、呼べばいいかな?」

 

「なんで」

 

なんでもいいよ。

そう言おうとしたら

 

「この人のことはね〜、陽菜くんって呼んでいいよ!」

 

なぜ勝手に決め

すると有咲が

 

「香澄は勝手に決めんじゃねぇ!」

 

思考を遮られたがナイスツッコミ

 

「えっ、えっ!?」

 

混乱してんじゃねぇか

 

「はぁ、もうそうやって呼んでくれ。

それと同い年だから敬語はいいよ」

 

「じゃあ、陽菜くん、よろしくねっ!」

 

「ああ、よろしく。リハ頑張ってくれ」

 

そう言ってそのまま次のバンドを探した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次はハロー、ハッピーワールド!だ。

そのバンドを探す為に俺と香澄は変わらず1人りみが入り、捜索した。

 

「じゃあ、次はどこにいるんだ…」

 

「探す、あてが……ないですから…」

 

「ん?あの人だかり、何かイベントでもやってたか?」

 

「ううん、多分そんなイベントなかったと思うっ!」

 

「その根拠は?」

 

「だって、あんな人だかりが出来るイベントを私が見逃すわけないもんっ!」

 

「「………」」

 

「とりあえず向かってみるか」

 

すると

 

「世界を笑顔にっ!ほらほら、あなたも笑顔!私も笑顔っ!」

 

「君の笑顔……儚く、美しいね」

 

「ん?」

 

「おや、陽菜じゃないか、どうしたんだいこんな所で」

 

「おお薫、いいところに、ハロー、ハッピーワールド!っていうバンドを探してるんだけど知らないか?」

 

「ああ、それは私達の事だよ」

 

「そうか……ええ!?」

 

「何もそんなに驚く事じゃない、いつだって人は」

 

すると後ろから

 

「りみりん!顔真っ赤だよ!大丈夫?」

 

「あ、あれ?本当だ、なんでだろう」

 

すると水色の雰囲気が燐子に似た子が

 

「も、もしかして熱が…」

 

「そうなのか?りみ熱でもあるのか?」

 

「なんとかわいそうに……君のような可憐な女性が……もしかして、恋の病というやつかな?」

 

「〜〜〜〜〜っ!」

 

「は、はわわ、ど、ど、どうしよう!と、とりあえず救急車……!」

 

あ、薫が一言話すと大変だ。

 

「ちょっと薫はややこしくなるから静かに」

 

「おや?どうしてだい?」

 

すると奥から

 

「あーあーあー、もう。

花音さんちょっと落ち着いて。

てか、A組の戸山さんと牛込さん……?

…とそこの人は?」

 

「あっ!美咲ちゃん!この人は如月陽菜だよ」

 

「あ、どーも。ていうか戸山さん、この人絶対年上だよね?」

 

「うんっ!そうだよ!」

 

「そうだよって年上の人には」

 

美咲と呼ばれてた子が何か言いかけると

 

「あらっ?

あなた達、どこかで…そう、学校!

多分、学校で見たことがあるんだわっ」

 

「うん、同じ学校だし同じ学年だからね。

……てか、あんたが喋るとややこしくなるからちょっと静かにしてようか」

 

どうやらここのまとめ役はこの子はみたいだ。

 

「それで何か用でしたか?」

 

「ああ、実はな」

 

そしてイベントの事を話した。

するとさっきかなり元気だった子が

 

「いいわね、参加するわ!」

 

「ちょ、早すぎる!

誰が出るのかよくわからないのに…」

 

「そんな事関係ないわよ。

だって、あたし達は世界を笑顔にするためにいるのよ!

それならそんなに楽しそうなイベント、参加しないわけないじゃない!」

 

「はぁ、わかりました。まぁ、そこにいる如月さんも悪い人ではなさそうだし?戸山さんと牛込さんもいるなら大丈夫……かな」

 

すると香澄が

 

「やったー!」

 

「じゃあ、ハロハピはそういう事で」

 

「「ハロハピ?」」

 

「ハロー、ハッピーワールド!を勝手に略しただけだ。

嫌なら変えるけど…」

 

「いや、いいですよ。

ハロハピで」

 

そして少し気になったことがあったので聞くことにした。

 

「そういえば、あの写真に写ってたでっかいクマ、どこ行ったんだ?」

 

「「「「えっ」」」」

 

「?」

 

とりあえず

「ん?」事情を聞いた。

「ああ!」納得した。

「ふむふむ」色々説明された。

「…わかった」承諾した。

この4つが終わり今日は帰ることにした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

電話が鳴って電話に出ると

 

「…もしもし?」

 

「陽菜か、すまないこんな朝早くから」

 

「いや、いいよ。

それに延期の件についてだろ?

どうなったんだ?」

 

「ああ、12月まではいかなかったが11月の初めに海外に来い、だとよ」

 

「…そうか、まぁ12月なんて無理だと思ってたけど…ありがとう、11月までなら時間がギリギリだかまぁ、なんとかなるだろう」

 

「…何かするのなら頑張って楽しめよ」

 

「……もしかしたら最後の最高ライブイベントかも知れないからな、俺は出来ることをするよ」

 

「おう」

 

そして電話を切り、学校に向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

午前の授業はあっという間に時間が過ぎていき

そして、昼休み

いつもの校舎裏に向かった。

すると廊下で

 

「あ〜、つぐの知り合いの陽菜さんじゃないですか〜」

 

このゆったりした話し方は聞き覚えがあった。

 

「俺の事覚えてたのか…」

 

「はい、それもうあたし達のこと助けてくれましたからね〜」

 

「「?」」

 

「助けた覚えはないんだが…」

 

「あたしも、この人に助けてもらった覚えなんてない」

 

「なんで〜?リサさんが言ってた言葉って陽菜さんから聞いたってリサさんから聞いたんですよ〜」

 

「リサが、言ってた、言葉?」

 

「ほら、あの『本当に大切なら、隣にいるだけじゃダメ、時には道しるべとして支える事も親友の役目』っていう偉大なセリフですよ〜」

 

「あ〜、あったなそんな事…」

 

「でも、本当にその時はメンバー全員、助かりました〜。

陽菜さん、ありがとうございます」

 

「それは、それを言ってくれたリサに言ってあげてくれ。ええと…」

 

名前を言おうとした。しかし

これだけ話しておきながらこの子の名前が出てこない。

 

「ええ、まさかのまさか、あたし、覚えられてない〜?

モカちゃん、ショック」

 

すると隣の黒髪の子が

 

「いやモカ、あたしたち、ちゃんと名乗ってないから」

 

「あ〜そういえば〜、あたしは青葉モカ、でこっちにいるのが美竹蘭だよ〜」

 

「…どうも」

 

「こちらこそどうも」

 

「それで何か迷ってたんですか〜?」

 

「……どうしてそう思った?」

 

「いや〜、なんか迷ってるように見えたから〜

何で悩んでるのか気になってさ〜」

 

「………残念ながらなんにもないよ」

 

「ええ〜、モカちゃんレーダーが反応してたのにな〜」

 

モカちゃんレーダー怖っ!

気付かれなくてよかった。

 

「ま、まぁ、俺今から昼食だからじゃあな」

 

そう言ってからすぐに校舎裏に行き、着いた瞬間にベンチに座った。

…あの件についてみんなに話すべきだろうか…

そう悩んでいると時間が過ぎ昼休みが終わってしまった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後になり、いつものライブハウスへ向かっていった。

すると

 

「あら?如月さん。

今日も一人で来たんですか?」

 

「そう言う紗夜も今から自主練か?」

 

「ええ、少しでもギターの精度を高めるために」

 

この子は本当に真面目だなぁ。

 

「…紗夜は真面目すぎて損をしそうで俺は心配だよ」

 

「…そうかも、しれませんね。

でも、私はRoseliaに入って何も損をした事はありませんよ」

 

「…そうか、それならいいか」

 

「?どうかしましたか?」

 

「いや…それより、この前の俺がいない時のスタジオでの練習はどうだった?何かいつもと違ってたか?」

 

「どうだった、と言われましても、宇田川さん達がいつもより静かでしたけれど、今井さんがスタジオの空気を和ませてくれていますから…」

 

「…なるほど」

 

「?本当にどうしたんですか?」

 

「何にもないよ、ただちょっとみんなの事が心配なだけだ」

 

「そうですか…あなたもRoseliaが気に入ってるんですね」

 

「ああ、もちろん。

それじゃ、自主練、頑張って来い」

 

「如月さんは中に入らないんですか?」

 

「まぁ、ちょっとだけ用があってな、出来るだけ早く練習に参加出来るようにする」

 

「わかりました。では」

 

そう言って紗夜はスタジオに入っていった。

そして俺は受付近くで待っていると

 

「あっ、陽菜くん!来てくれてたんだ」

 

「ええ、ただ今日は早く済ませてRoseliaの練習を見たいんですよ」

 

「いや〜いいなぁ」

 

「?何がですか?」

 

「何がって、Roseliaの練習を間近で見れるチャンスなんて滅多にないから、いいなぁ、って」

 

「ああ、なるほど…まぁ確かにRoseliaの練習中とか結構楽しいですよ」

 

「そうなの?今度覗いてみようかしら…」

 

「やめといた方がいいですよ、友希那や紗夜が黙ってないでしょうから」

 

「う〜ん、そっか〜」

 

まりなさんが落ち込んでいると

ドアが開く音がし、待っていた子達が来た。

 

「おっ、来た。今日は香澄と沙綾なのか」

 

「あっ、どうも陽菜さんとまりなさん、今日は誰をスカウトするんですか?」

 

すると元気を取り戻したかの様に

 

「うん!今日はAfterglowに声をかけてもらおうと思ってこの3人を読んだんだ、彼女達がいつも使ってるスタジオがあるから、まずはそこに行ってくれる?」

 

「どんな人達なんだろ、会うのが楽しみ!2人とも早く行こっ!」

 

「わかったから走らないでくれ…」

 

「わーい!」

 

走っていった。

 

「あっ、香澄!まったく…陽菜さんすみません…」

 

「まぁ、香澄が言うこと聞かないのはいつも通りだからな」

 

そして少し早めに歩くと

 

「あふたーぐろう、あふたーぐろう…どこ〜?」

 

「香澄、あったぞ。てか通り過ぎてるぞ」

 

「ほんと!?やったー!じゃあ早速入ろう」

 

入ろうとすると

 

「あれ?もしかして沙綾?」

 

「あっ、巴!」

 

巴?

 

するとどこかであった赤髪の子は

 

「よ。偶然だな、こんなとこで会うなんて」

 

「「もしかして…2人とも知り合い?」」

 

香澄とかぶってしまった。

 

「わぁ!かぶったね!」

 

「香澄とかぶるなんて、この先不安だなぁ」

 

「ええ!なんで〜」

 

そんな香澄を置いといて

 

「それより、2人は知り合いなのか?」

 

「うん、同じ商店街に住んでるんだ。

宇田川巴さん。私達と同じ高校1年生だよ」

 

それを聞いた俺は

 

「ん?宇田川…って、まさかあこのお姉さん!?」

 

「あこの事知ってるのか!?

ん?あれ?そういえばどこかで…」

 

「そうなんだよ、俺もどこかで見た事あると思うんだけど…」

 

「「う〜ん………あっ!」」

 

「「屋上で会った!」」

 

「あーなるほど完全に思い出した。

俺は確かつぐみ?って子を読んでくれって叶先生に頼まれて、呼びに行った時にいた子だ」

 

「私も…あの時は本当にすいませんでした…」

 

「いいよそんな事、それよりも巴に聞きたい事があるんだけどいいか?」

 

「はい、いいですよ」

 

「敬語は使わなくていいよ、それでAfterglowっていうバンドを探してるんだけど、知らないか?」

 

「?Afterglowなら私達の事だよ」

 

「えっ」

 

えっ、そうなの?

そう言う寸前に香澄が

 

「ラッキー!!ねぇねぇ、ライブイベントに参加してみないっ!?」

 

「説明をすっ飛ばすな香澄…」

 

すると

 

「ライブイベント?それ詳しく…って、陽菜さん!?」

 

「えっ、うそうそ、陽菜さんいるの〜?」

 

まぁ、2人とも印象的で覚えてるけど

 

「…蘭にモカもAfterglowだったのか…」

 

「うん、そうだよ。それより…どうしてここに?」

 

「それはだな、次のライブイベントの為にバンドを集めてるから」

 

「それ詳しく聞かせてよ」

 

そしてAfterglowの全員に説明をした。

すると巴が

 

「へぇ、面白そうだな。みんなどうする?」

 

「いいねいいね!私も出てみたいっ!つぐは?」

 

「私も出たいっ!うん、出よう出よう!」

 

「つぐがそう言うんじゃあ、決まりだね〜。あたしも出てみたいし〜」

 

それを聞いてとりあえず大丈夫だと思うけど…一応

 

「ちょっと待ってくれ、とりあえずちょっとしたみんなの自己紹介から頼む」

 

「なんで?」

 

「それは」

 

それは誰が誰かまとめたいからだ。

そう言おうとしたら香澄がまた俺の言葉を遮って

 

「いいじゃんっ!やろうやろう!自己紹介!」

 

すると向こうにもノリがいい子が

 

「うん、そうだね。

一応、誰が誰か、再確認の為にもやろっか」

 

そして全員の自己紹介が終わった。

 

「へぇー…じゃあ、あこがいつも話してた陽兄ぃって陽菜の事だったのか。なるほどなぁ」

 

「まぁ、そういう事だ。

…それでライブイベントには出場するって事でいいのか?」

 

すると蘭が

 

「…待って、最終的にはあたし達の演奏を聞いて判断してほしい。

今、ここで弾いてみせるから、聴いてて」

 

「…わかった」

 

そして、演奏が終わり

沙綾が

 

「すごい演奏だったよ、巴!

めちゃくちゃかっこよかった!」

 

「あはは、ありがとな」

 

たしかにあこが憧れるのもわかる気がするな。

 

「すごい、なんかすっごい!!!」

 

語彙力をどうにかしてほしいものだ。

でも、Afterglowの演奏技術はRoseliaに劣るかもしれないがAfterglowの演奏はRoseliaにないものを持っているのも知れないな。

そう思いつつ俺は

 

「かなりいい演奏だったよ」

 

「これで出場決定だねっ!幸先が良すぎてワクワクしてきたよっ!」

 

「はぁ、ワクワクするのはいいが、あの子達がまだなの忘れるなよ」

 

するとアフロのメンバーが

 

「「「「「あの子達?」」」」」

 

「ああ、RoseliaとPastel*Palettesの事だ。今は両方保留中なんだ」

 

「なるほど〜」

 

とりあえず集まったな、じゃあ次は……あっ!!

 

「…忘れてた」

 

すると蘭が

 

「?忘れてたって何を?」

 

「ちょっと用事思い出した。

香澄…はダメだろうから沙綾」

 

「?はい」

 

「出演バンドが揃って来たら全員集合させたいからその時は連絡してくれ」

 

「わかりました」

 

そう言ってRoseliaの練習場所に向かい、扉を開けた。

すると

 

「あっ!陽兄ぃ来たー!」

 

「……陽菜、さん………今日は………遅かった、です…ね……」

 

「まぁ、ちょっと待ち合わせしててな。

それより今は休憩か?」

 

「うんっ、でも、もうそろそろ練習に戻るけど…何か用事でもあった?」

 

「いや、何でもない…」

 

「?本当に?」

 

「本当に何にもないよ」

 

「う〜ん、そっか☆

でも困ってる時はいつでも相談に乗るからね♪」

 

「…その時は、そうするよ」

 

嘘をついた。

申し訳なさで勝手に辛くなってる自分に腹が立った。

でも、あの件は最後まで隠し通す。

そしてそんな気持ちのまま演奏を聴いた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして次の休日

今日は集合するはずなんだが

 

「……まぁ、みんな最後のギリギリまで頑張ってるし、いいか」

 

にしてもやっぱりRoseliaは演奏すればするほど確実に上手くなっていってる。

これはコンテストも3位以内には入るだろう。

そして、練習が終わりみんなが集まっている場所に向かい、スタジオの扉を開けた。

 

「すみません、遅れました」

 

そう言いながら周りを見るとスタジオに全バンドメンバーが揃っていた。

するとまりなさんが

 

「うんうん!これで全員揃ったね。

じゃあ、ライブイベントについては、彼から聞いてると思うから省略して、まずは自己紹介、私はここで働いている月島まりなって言います。

よろしくね」

 

『よろしくお願いします!』

 

この人数で挨拶したら結構すごいな。

 

「じゃあ、みんな簡単な自己紹介をしよう!まずは…香澄ちゃんから」

 

そして全員の自己紹介が終わる頃

 

「……湊 友希那。Roseliaでボーカルをしているわ。

どうぞよろしく。

さっそくあなた達の実力を見せてもらうわ」

 

あ、そういえばそうだったな、忘れてた。

どうしようか…

そう思っていると

 

「実力って……?どういうこと?」

 

「私たちは自分達に見合わないステージには立たない。だから今日はあなた達と共演するから実力を見に来たの」

 

すると巴が

 

「アタシらが、あなたたちの実力に見合わなければ出ない。

そういうことですか?」

 

そして紗夜も

 

「ええ、その通りです」

 

「へぇ、それだけあなた達のバンドはすごいって事ですか」

 

俺はそれを聞いて

めんどくさくなりそうだなぁ。

そう思い止めに入った。

 

「まぁまぁ、落ち着いて。

みんなバンドをやってるんだから、1曲ずつ演奏してみたらどうだ?」

 

「それも…そうだな。

よしっ!みんな一曲やろう!」

 

そうして各バンドが1曲ずつ演奏していき、次はPoppin' Partyの番になった。

すると

 

「次は私たち!Poppin' Partyの演奏を始めるよー!!」

 

…演奏技術はまだまだ、だとしても、面白いな…不思議と楽しくなっていく様だ。

そして、演奏が終わり友希那と紗夜の答えは

 

「…どのバンドも実力はそれなりにあるようだけど、私達のイメージするレベルには達していないわね」

 

それを聞いて

 

「でも、友希那と紗夜は、Roseliaに足りない『何か』が今聞いてあったんじゃないか?」

 

「ええ、そうね。

それを見つける為なら私たちが出る意味はあるかも知れない」

 

「それじゃあ、出るって事でいいか」

 

「ええ、出演するわ」

 

すると香澄が

 

「わぁっ…!やったーー!これで5バンド揃った!」

 

その通りなんだけど…やって行けるんだろうかこれ…

そんな心配をしていると

 

「そうだっ!良いこと思いついた!」

 

ロクなことじゃないな

内心そう思いつつ、そのまま話を聞くことにした。

 

「イベントの前にさ、みんなでミニライブしようよ

 

香澄がそう言った。

そして、こころと蘭も

 

「いいわね!お客さんを笑顔にするチャンスはたくさんあった方がいいもの!」

 

「あたしも賛成。みんなの音、もっと知りたいし」

 

するとまりなさんが

 

「うんうん、いいわね!宣伝にもなるし、一度オーナーにかけあってみるよっ」

 

そう言ってすぐにどこかへ行ってしまった。

 

「……忙しくなりそうだな」

 

すると後日まりなさんが来てオーナーから許可が来たらしい。

こうしてミニライブが決定した。




さてと
ゆく旅面白いですね。
絶対見た方がいいですよ。
……それだけ

次回予告

大丈夫

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