退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ......   作:haru亜

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第13話 ありがとう

ある休日

本番のライブイベントに向けてファミレスで話し合う事になり、そこに向かった。

するとまだ全員が集まっていなく、集まっているのはアフロとポピパのメンバーだけだった。

 

「あっ!陽菜、おはよう!」

 

「おはよう。

みんな早いな、まだ時間じゃないのに」

 

すると蘭が

 

「そういう陽菜さんも、時間前に来てるじゃないですか」

 

「まぁ、そうだけど…」

 

「あっ、そういえばつぐみ、陽菜さんに用があるんじゃなかったっけ」

 

「う、うんっ。

陽菜さん、ちょっといいですか?」

 

「?いいけど…どうした?」

 

「すみません、ここじゃちょっと…外で話しませんか?」

 

「?わかった」

 

そう言ってファミレスの外に出た。

 

「それで話って?」

 

「あの、この前の打ち上げの時に陽菜さんが電話してるのを聞いてしまって……すみませんっ!」

 

「!!」

 

「陽菜さん、ずっとRoseliaの練習に付き合ってたんですよね。

紗夜さんから聞きました」

 

「…それがどうしたんだ」

 

「どうした、って陽菜さんが海外に行ったら、皆さんきっと悲しむと思いますよ!」

 

「…そんな事わかってる」

 

「だったら!」

 

するとファミレスの扉が開き

 

「今の話どういう事ですか?」

 

そう言って出て来たのは、中にいた蘭達だった。

 

「…どういう事って聞いたままだ。俺はもうすぐ海外に行く」

 

「それっていつ?」

 

「今年の10月29日には日本を出る」

 

「それって、あたし達のライブイベントの次の日じゃん」

 

「そうだ、だから次のライブイベントは俺にとって最後になるかも知れない。

それにまた、いつここに戻って来れるかわからないからな」

 

するとひまりが

 

「わからないって……期間を延長してもらう事は出来ないんですか?」

 

「何年も延長し過ぎて今こうなってるからな…これ以上は無理だ」

 

「…どうして海外に行くんですか?」

 

「…親父さんに呼ばれたから行く。それと俺が親父さんにちゃんと向き合うためだ」

 

するとそれに反応して蘭が

 

「…向き合う、ため?」

 

「ああ、俺は親父さんからバンドの事とか、否定され続けて、逃げてきた。でも、Roseliaに出会ってわかったんだ。

『ぶつからないと伝わらない事もある』って…だから俺は親父さんにちゃんと向き合う事にした」

 

「ぶつからないと伝わらない…か……」

 

蘭は何か考えている様だった

すると

 

「でもでも〜、黙って行ったらリサさんに怒られますよ〜」

 

それを聞いて

 

「…モカ、それにみんな、なんか勘違いしてるみたいだから言うけど、俺は何もしない、なんて言ってないからな?」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

「いや、お礼くらいはさせてもらうから」

 

「「「「「……」」」」」

 

「……今の、絶対わざとだよね……」

 

「「「「…うん」」」」

 

「いやいや、そんな事ないって……多分…」

 

「わざとじゃん……」

 

「あはは、まぁ、もうちょっとで時間だから中に入ろう」

 

「そうだね」

 

そしてファミレスに入って、しばらくすると全員が集まった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして全バンドが集まり、香澄が話を始めた。

 

「まずイベントの名前なんだけど『ガールズバンドパーティ』はどうかな?」

 

すると巴と紗夜が

 

「へぇ、パーティか……いいな!」

 

「パーティには社交的な集まりという意味の他に集団や一行などの意味もあるわ。

そう言った意味でもパーティというのは最適かも知れないわね」

 

そんなに意味があるのか…

そう感心していると美咲ことミッシェルが

 

「なるほど、ダブルミーニングってやつか」

 

「そーなんです!ダブルミーニング!」

 

香澄のやつ絶対知らなかっただろ。

すると

 

「ぜってー偶然だろ」

 

ナイスツッコミ有咲

そう思っていると彩綾が仕切り直しに

 

「と、とにかく!異議がなかったらこの名前にしようと思います。みんなどうかな?」

 

すると一同

 

『異議なし』

 

「やったあ!決まりっ!」

 

香澄がそう言うとそれぞれが

 

「それで、肝心の内容はどうするの?」

 

「やっぱり、世界中を笑顔にするパーティにしましょう!」

 

「ブシドーパーティはどうですか?きっと楽しいですよっ!」

 

「あたしは他のバンドとセッションとか…」

 

「それは賛成よ。

ただ、セッションをするのなら私たちのレベルまで演奏技術を引き上げてもらうわよ」

 

「だから、楽器のうまい下手っていうのは……!」

 

「あたしもおねーちゃんと一緒に演奏したいなぁ♪」

 

「……遠慮するわ。あなたはもっと、Pastel*Palettesの皆さんとの協調性をしっかり持ちなさい」

 

それを聞いて

 

「やっぱり、バラバラだな…」

 

「……ちょっと予想してたけど、めちゃくちゃだね……」

 

「ま、こうなりますよねー…」

 

すると話は進んでおり

 

「じゃあ、他のバンドの曲をカバーするって言うのは」

 

「「「賛成」」」

 

「「反対」」

 

意見が割れた。

すると次は

 

「音楽は何よりも雄弁よ。MCはいらない」

 

「私たちアイドルバンドは、MCがお客さんを盛り上げるために必要不可欠なものと思っているわ」

 

「別にあたしらはアイドルじゃないし……」

 

「蘭ちゃん!落ち着いて……」

 

みんな音楽にこだわりすぎて意見が合ってないな…

すると蘭が

 

「これ以上話しても意味ないね。

……みんな行こう」

 

そして友希那も

 

「同感よ」

 

そう言って立ち去っていくのを見て

 

「ごめんなさい、私たちもこれから仕事があるの」

 

「あら、今日の話し合いはもう終わりなの?それじゃあ、あたし達も帰りましょう」

 

そう言ってポピパ以外のバンドメンバーは帰っていった。

 

「……行っちゃった」

 

「…とりあえず、みんな今日は解散だ。

明日CiRCLEで話し合おう」

 

そして、今日は終わった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして翌日

スタジオに着き、まりなさんに今の状況を説明した。

 

「たしかにバンドの方向性が違うもんね。

譲れないものがあるのはいいことだけど…」

 

すると

 

「これじゃあ『ガールズバンドパーティ』も、うまくいかないよ〜!うわ〜ん!ありさ〜!!」

 

「ちょ、落ち着けって!とにかく、今はこの状態を解決する方法を考えろー!」

 

「…それなら解決してる。

5バンドの共通点を探せばいい」

 

「……共通点、ですか…?」

 

「でも、それがないからあんな事になったんじゃ…」

 

すると

 

「でも私たちバンドをやるってところでは共通してるよ。

例え、方向性が違うとしても」

 

「たえ、今いい事言った」

 

「♪」

 

「香澄、今まででどれが一番みんなと同じ気持ちになったと思う?」

 

「それは、みんなで一緒に演奏した時が一番ドキドキしたっ!」

 

「それはみんな同じ気持ちになったと思うか?」

 

「うんっ!」

 

「じゃあ、それが5バンドの共通点だ」

 

「「「「「!!!」」」」」

 

「ただなぁ、問題はどうやってここに連れてくるかなんだよな。何かいい案無いか?」

 

「ちょっ!陽菜、その頼み方は…」

 

「?」

 

すると香澄とたえが

 

「やっぱりここに連れて来るにはアレしかないよねっ!」

 

「うん、それしかないね。香澄」

 

「「強制連行だよっ!!」」

 

それを聞いて

 

「…有咲、なんかごめん」

 

「いや、それよりもあいつら見張っとかないと」

 

「そうだな」

 

そしてその翌日

いつもの昼休みにいつもの場所で食べていると

誰かが近づいて来る足音がした。

そして出てきたのは

 

「やっほ〜☆陽菜♪」

 

「!リサがここに来るなんて珍しいな。どうした?」

 

「……それが、ちょっと陽菜の事で気になる事があって」

 

「?どうした?」

 

するとリサは何か決意したように

 

「陽菜…アタシ、偶然聞いちゃったんだけど…海外に行くってホント?」

 

「!!!なんでそれを……?」

 

「ほら、パーティの名前を決める時にファミレスで集まったじゃん?その時、アタシだけ早く来た時に、つぐみと陽菜が話してるの聞こえたの。あの後は友希那が出て行ったから聞けなかったけど……」

 

「……海外に行くのは本当だ。

それもライブイベントが終わった次の日にな」

 

「っ!」

 

すると

 

「如月、今の話どういう事かしら?」

 

「!」

 

「友希那っ!」

 

「…ライブイベントが終わったら、話そうと思ってた」

 

「…ねぇ陽菜?どうして早く言ってくれなかったの?」

 

「…言ったらリサ達はどうする?」

 

「どうするって、そんなの陽菜のお別れ会…とか…」

 

「…それだ、俺はRoseliaが好きだ。

だから次のライブイベントでRoseliaのみんなが楽しめればそれでいいんだ…でも、この事を話したらみんなは違う楽しみ方を知る事が出来ない。

だから話さなかったんだ」

 

すると友希那は

 

「…私は、私達は、あなたには助けられてばかりだったわね。

…だから、私は次のライブイベントであなたに恩を返そうと思うわ」

 

「!?」

 

「友希那……」

 

「だから如月?本番のライブイベントはあなたが好きなRoseliaと他のバンドで最高のライブにしてみせるわ。

…ちゃんと側で観ていて」

 

その言葉を聞いて、今までの思い出を思い出し、それには感謝しても仕切れないものだった。

それをRoseliaのみんなに伝えるにはどうしたらいいものか。

でも、ただ思った事を正直に言えばいいんだ。

そう思い

 

「ありがとう」

 

「ええ、楽しみにしていて」

 

「あはは、2人って恋人みたいだね♪」

 

「「…それはない」」

 

「ほら、息ピッタリ♪」

 

「「…」」

 

「とりあえず、ライブイベントについては俺がどうにかするから。

友希那とリサはライブに集中してくれ」

 

「わかったわ

うんっ!」

 

「あっ、それで今日の放課後…まぁ、頑張ってくれ」

 

「「?」」

 

するとちょうどいいタイミングでチャイムが鳴り、教室へ戻った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして放課後

校門前に行くとちょうど友希那達がたえに連れて行かれた。

そういえば今日だっけな強制連行…

とりあえず俺も向かうか。

 

ねぇねぇ、今のって湊さん達だよね

 

うん、リサもいたし、あの小さい子も連れていかれたね

 

などの会話を聞いて

有名人だなあの3人。

とか思った。

そして、しばらく歩きCiRCLEに着いた。

そして、扉を開け、まりなさんがいたのであの子達がどこにいるか聞いた。

 

「みんなならもう、そこのスタジオに入ってるよ。

なんか、香澄ちゃん達、強制連行してきたみたいだけど…」

 

「ああ、それなら気にしないでください。

それとありがとうございます」

 

そう言って中に入るとみんな何かで悩んでおり、香澄が

 

「う〜ん………あっ!陽菜っ、いい所に来たー!」

 

「嫌」

 

「ええ!まだ何にも言ってないのに!?」

 

「あっ、すまん、なんか口が勝手に…それでどうした?」

 

「あのねっ!みんなで最後の曲を何にするか決められないの!だから陽菜も考えてっ!」

 

「?決まってなかったのか、俺はてっきり5バンドでの新曲でも作るのかと思ってた」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

「えっ?」

 

「それだよ…それだよ、陽菜っ!きっと、一緒に音楽を作ればもっと気持ちを1つにできるよっ!」

 

「…本番まで2週間か……ギリギリいけるんじゃないか」

 

「うんっ!」

 

「でも、人が多いから意見まとめるの大変だぞ?」

 

「それなら、各バンドの代表で曲を作ればいいんじゃないかな?」

 

「なるほどっ!さすがおたえ!」

 

するとまりなさんが

 

「あっ、それなら、隣のカフェでオリジナルドリンクやスイーツを出したいと思っているんだけど、どうかな?」

 

そしてりみが珍しく

 

「それなら、彩綾ちゃんちのチョココロネとか、スイーツ系のパンを出してみたらどうかな?」

 

「ええっ、ウチの!?

あはは……まりなさんがいいって言うなら」

 

「もちろんだよ!」

 

いいのか…そう思いながら、カフェについて思い出したことがあり一応…

 

「そういえばつぐみの家もカフェやってたな、何かヒント貰えるか?」

 

するとつぐみが

 

「う、うんっ!」

 

それを聞いてりみが

 

「それに、花音先輩や千聖先輩もカフェとかスイーツが好きで、よく2人でお茶してるって言ってたよ」

 

すると香澄が

 

「みんな、いつの間にそんなに他のバンドの人と詳しくなってるの!?」

 

「いやいや、打ち上げあったろ…」

 

「え〜、いいなぁ〜!」

 

そんな香澄を置いといて

 

「まぁ、そういう事で、それらを作るのはいつにする?今からはそれぞれ練習だろうから」

 

するとたえが

 

「うん、そうだね。代表を集めてやるのは明日にしよう」

 

「じゃあ、今日は解散だな」

 

そう言って今日は解散し、俺は家で手紙を書いた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次の日、代表が集まり、オリジナルドリンクを作るのに俺も手伝い、ライブイベントの準備は順調に進んでいった。

そしてライブイベント当日

夕方になったが全体ミーティングが始まった。

千聖が急な仕事が入りPastel*Palettesが遅れるとメールが来たが、紗夜が生徒会に入っているから、指示が的確でライブ予定もすぐに調整できた。

そして、自分の仕事が終わり、外に出ていると

 

「如月」

 

「!友希那、仕事はどうしたんだ」

 

「私は終わったわ。

あなたこそこんな所で何をしているの」

 

「俺も終わったから休暇してる……それで、何か用があったんじゃないのか?」

 

「……ええ」

 

「……」

 

「……Roseliaについてよ。

その…如月が抜けたらRoseliaは上手くやっていける、かしら……」

 

「…どうしてそう思った?」

 

「それは……あなたがいたから今のRoseliaがいて、いつも私達の『音』を聞いているから、あなたがRoseliaのメンバーをまとめている面もある。だから」

 

「だから、俺がいなくなったらやっていけないとでも?」

 

「…ええ」

 

まったくこの子は…

そう思い

 

「Roseliaにはリサがいる。

リサがいれば大丈夫だ」

 

「えっ…?」

 

「それに友希那はメンバーと上手くやれてる。

だからRoseliaは上手くいく」

 

「でも……そんな事わからないじゃない!」

 

「だったら、直接メンバーに聞いてみたらいい。

そうしたらメンバーとうまく出来てる事がわかるだろ?」

 

「そんな事……」

 

「それと友希那は……いや、なんでもない」

 

「?何かしら?」

 

「なんでもないよ、早くライブハウスに行って来たらどうだ?リハーサルがあるだろうから」

 

「……わかったわ」

 

「頑張れよ…」

 

そして、友希那はスタジオに戻って行った。

 

「俺も少し経ったら戻るか…」

 

そして、少し夕焼けに近いくらいになった。

なので、俺は戻る事にした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

すると中に入るとすでに観客が大勢いた。

 

「多いな……」

 

でも、それだけ、あの子達の歌を楽しみにしているのだろうな。

そう思っていると

 

「皆さんはじめまして!わたし達Poppin' Partyです!」

 

そして演奏が始まった。

やはりポピパの歌は『楽しい』と思わせる音が出てるな。

そして、演奏が終わり次は

 

「あたし達の歌で、あんた達を燃え上がらせてみせる!」

 

アフロの演奏はパワフルな演奏がいいな。

そして演奏が終わり、次はPastel*Palettesだけど千聖が間に合っているのかどうか……

そんなことを考えていると

 

「みなさんこんにちはーっ!!わたし達…」

 

「「「「「Pastel*Palettesです!」」」」」

 

そして、演奏が始まった。

パスパレはプロの意識が高いからかそう感じるステージだな。

そしてパスパレの演奏が終わり、次はハロハピの番になり演奏が始まった。

名前に違いないみんなが笑顔になる様な演奏だな。

そして、演奏が終わり、残りはRoseliaとなった。

 

「…聴いてください」

 

「!!!」

 

Roseliaの演奏は今までより、比べ物にならないくらい素晴らしい演奏だった。

…本当に最高のライブになったな。

そんな事を思い聴いて、演奏が終わった。

すると

 

「みなさーんっ!!ご来場ありがとうございましたっ!!」

 

「残念ですが、次で最後の曲となりますっ」

 

「次の曲は、バンドの垣根を超えて、私達、26人で作った新曲です」

 

「このパーティに来てくれた全員が同じ気持ちになればいいなと思って作りました。だからその思いが届いたら、嬉しい」

 

「それじゃ、行くわよーっ!!

ミュージック、スタートっ!!!」

 

26人……か…

そう思っていると演奏が始まった。

 

「lalalalala〜P

 

色とりどりの音 聞こえたの

どれもみんな 素敵な魅力で Best Shining☆

集まり弾けた火花は どんな色?

私たちと 君たちで生まれた

ちょい辛(から)のウキウキ day

 

奏で合うひたむきさ 支え合う心を包み

熱いままで立ち向かうよ 駆け出せ

<<ゴー! ゴー! レッツゴー! チャ〜ンス!!>>

思うがままに!

 

どんな笑顔にでも しあわせ来ちゃうよ

お・す・そ・わ・け みんなで声を合わせ

音楽が気持ちを 1つに結ぶから

<<ポップ!ステップ!ジャンプ!ラン!>>

捕らわれず 飛び出せ! 自由さ乗せて 行こう!

<<さぁ!いっせーのーで、ピース!>>

クインティプル☆すまいる…」

 

演奏を聴いていた。

ただそれだけなのに、なぜか視界がボヤけた。

すると

 

「!」

 

涙が出ている事に気がついた。

泣いたのは何年ぶりだろうか…

そう思いながら涙を拭き、みんなの演奏を聴いた…。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして全てが終わり、CiRCLEロビーに向かって歩いていると

 

「ライブ、大成功だったねっ!!」

 

「だねっ!外のカフェで売ってたパンやドリンク大人気だったみたい!」

 

「やったぁー!」

 

するとまりなさんもいて

 

「みんな、お疲れ様!!最高のライブをありがとうっ!!!」

 

「お疲れ様っ!まりなさんも手伝ってくれてありがとうございますっ!」

 

「そういえば香澄ちゃん達は?」

 

「香澄は今片付けしてるけど…」

 

すると香澄達も来て

 

「みんな、お疲れ様ー!!って!彩先輩泣いてる!?」

 

「だ、だって〜、……なんかカンドーしちゃって…」

 

そして日菜が

 

「あー、彩ちゃんはいつもこうだから、あんま気にしなくていいよ?」

 

するとリサと巴、美咲が

 

「なんかアタシも、友希那がみんなと歌ってるのみてちょっとジーンと来ちゃった…」

 

「アタシも蘭を見てたら、つい……」

 

「あたしはちょっと安心したよ……」

 

そう言い、モカが

 

「どこのバンドにも、ボーカルの保護者がいるんだね〜」

 

すると蘭が

 

「ちょ、ちょっと!恥ずかしいからやめてよ……っ!」

 

そして、遠くから見てた俺が近くに行き

 

「…みんな、ライブイベントお疲れ様」

 

「「「「「あっ」」」」」

 

「「「「「……」」」」」

 

少し空気が重くなった。

まぁ、こうなるわな…

ていうか…

 

「……みんな、俺のこともう知ってるんだろ?」

 

すると彩が

 

「うん……陽菜くんが海外に行く…事、だよね…」

 

「そうだ。

それで、なんでこんなに空気が重くなってんだ。

俺の事、みんな知ってるんだったら、いいだろう。

何を気にしてる?」

 

それを聞いて彩と香澄が

 

「それは……って、ええ!?」

 

「みんな、知ってたの!?」

 

すると千聖と有咲が

 

「ええ…この前、知ったわ。

てっきり私、彩ちゃんは知ってるものだと…」

 

「知ってるも何も、香澄お前、この前のファミレスの時、ちょっとだけそんな話聞こえてきただろ」

 

「「ええ!?」

 

「まぁ、要するに2人だけ知らなかったんだな」

 

「「ううっ」」

 

「それと、今日で俺、最後だからできれば普通に接してくれ」

 

「「うんっ!」」

 

「2人とも息ピッタリだな」

 

「陽菜、ありがとうっ!!!」

 

急に香澄がお礼を言い

 

「!?ど、どうした急に」

 

「だって、私たちが悩んでる時、陽菜がみんなの共通点を見つけてくれたもんっ!」

 

「「「「「ええ!?」」」」」

 

みんなが驚いた後、燐子とリサが

 

「…陽菜さん…そう……だったん、ですか…」

 

「陽菜、すごいね♪一瞬で解決しちゃうなんて」

 

「あっでも、みんなを強制連行しようって言ったのは俺じゃないからな」

 

すると香澄とたえが

 

「ええっ!?陽菜の裏切り者ー!」

 

「陽菜、寝返ったね」

 

「いやいやいや!裏切り者でも寝返ってもないから!」

 

それを聞いてまりなさんが

 

「あはは、でも最高の演奏できたから、オーナーが、さっそくイベントの第2弾やってくれー!だって」

 

すると有咲と麻弥が

 

「なんかチョーシいいなぁ」

 

「まぁ、いいじゃないですか。

みなさんのおかげでジブン、すごくいい経験ができたと思ってます!」

 

「うんっ!次もこの26人で頑張って、絶対楽しい事やろうっ!」

 

「ま、頑張ってく……えっ!?俺も!?」

 

「もちろんっ!」

 

俺いつ帰って来られるか、わからないのに

そう思っていると友希那と紗夜が

 

「そうよ。

如月が抜けたらまとめ役は誰がやるの?」

 

「そうですね、如月さんが抜けたら色々と仕事が増えます…」

 

「…帰って来れるかわからないけど、まぁ、帰って来れるように頑張るよ」

 

「うんっ!陽兄ぃが帰って来るの待ってるね!」

 

「…わ、わたしも……待ってます、から……!」

 

するとまりなさんが

 

「いいねいいね〜、なんかせーしゅんって感じがするなぁ。

って前置きが長くなったけど、今日はパーっと打ち上げちゃおうね!

乾杯の音頭は陽菜くんお願いっ!」

 

「わかりました」

 

するとはぐみが

 

「あれ?陽ちゃん、どのタイミングで乾杯っていうの?」

 

「実を言うと俺もわからん」

 

「あっ!確かに!いつ言うんだろ?」

 

「あはっ、あはははっ!めっちゃバラバラ!なんかアタシ達みたいだね♪」

 

「ミニライブの時は揃って言えてたのに……」

 

「確かに!ふっ、ふふっ……あはははっ!」

 

「じゃあ、『せーの』のあとに『乾杯!』でいくぞー。

せーの……」

 

『『『『『かんぱーい!!』』』』』

 

そしてしばらくみんなで色々と話し合っていると香澄が

 

「あっ!そーだ!陽菜が最後だからついでに記念写真、みんなで撮ろうよっ!」

 

すると他のみんなも

 

「いい案だね、香澄ちゃん…!」

 

「さっすが香澄!いい事言うねっ!」

 

「ま、悪くないんじゃねーか?」

 

「そう言いつつも、みんなで写真が撮れることが嬉しい有咲でした」

 

「おー!いいねいいねっ!陽菜さんも喜んでくれるよっ!」

 

「うんっ!さすが香澄ちゃん!」

 

「ま、悪くないんじゃない」

 

「蘭〜、こう言う時くらい素直に喜べって」

 

「おお〜、記念写真…いいね〜」

 

「記念写真…いい案だと思うわ♪」

 

「はいっ!ハルナさんには本当にお世話になりましたからっ!」

 

「ううっ、お別れするのは嫌だな…」

 

「彩さんっ!?泣いてるんですか!?」

 

「あたしも、陽菜くんと会えないのはちょっと寂しいかな〜…」

 

「日菜……もう、ほんとにこの子ったら…」

 

「記念写真っ!友希那さん、りんりん、リサ姉早く行こっ!」

 

「あ、あまり引っ張らないであこ」

 

「ま、待って……あこちゃん……」

 

「もー、あこってば急ぎすぎ〜」

 

「さっすが、かーくん!」

 

「あはは…キグルミ脱いでてよかった……」

 

「みんなで記念写真…ん〜!すっごく楽しそうねっ!」

 

「このひと時……儚い……」

 

「ふぇぇ…みんな、置いてかないで…」

 

そして、みんな並び

 

「全員並んだな〜、撮るぞ〜」

 

『『『『『ちょっと待った!!』』』』』

 

「陽菜さん、何してるんですか……」

 

「あっ…」

 

しまった。

つい裏方の仕事をするクセが

 

「ごめんごめん。

でも、誰が撮る?」

 

「あっ、じゃあわたしが撮るよ」

 

「まりなさんが?いいんですか?」

 

「うんっ!だってこれは陽菜くんの為の記念写真だもの」

 

「ありがとうございます」

 

そしてみんなに招かれ真ん中に行き、まりなさんが

 

「じゃあ、みんな撮るよ〜!はい、チーズ!」

 

パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ

 

「ちょ、何枚撮ってるんですか!?」

 

「あはは、まぁまぁいいじゃない!それじゃ、打ち上げの続きといきましょうっ!」

 

『『『『『おー!!』』』』』

 

そしてしばらくみんなで楽しい時間を過ごした。

そして、その楽しい時間は終わりを迎え、みんな帰る事にした。

その帰り道

 

「いや〜、打ち上げ楽しかったね☆」

 

「うんっ!あこも色んな人とお話しして楽しかったっ!りんりんはどうだった?」

 

「わたしも……楽しかった、よ……」

 

「湊さんはどうでした?」

 

「ええ、楽しかったわ」

 

「わたしもです」

 

そんな会話を聞いて

…渡すなら今だな。

 

「…みんな、ちょっといいか」

 

「「「「「?」」」」」

 

「どうしたの?如月」

 

「これみんなに、そしてRoseliaに」

 

「これは…」

 

「手紙?」

 

「ああ、そうだ」

 

「陽兄ぃこれ開けてもいい?」

 

「いや、明日の練習に開けてくれ」

 

「……ど、どうして、ですか……?」

 

「今ここで開けられると、まぁ、アレだからな…」

 

「アレって?」

 

「……みんな、今まで本当にありがとな。

……じゃあ俺、帰り道こっちだから」

 

すると

 

「待って」

 

「!」

 

そう呼び止めたのは友希那だった。

 

「…如月、あのライブイベント。あなたは楽しめたかしら?」

 

「もちろん、最高の演奏と『音』だったよ!」

 

「そう……なら、よかったわ」

 

「友希那達も楽しかったか?」

 

するとみんな微笑んで

 

「ええ、楽しかったわ」

 

「私もあんな演奏ができるとは思いませんでした」

 

「私もすっごい楽しかったよ♪」

 

「あこもあこもっ!楽しかったっ!」

 

「……わたし、も……すごく、楽しかった、です……」

 

「…なら良かった。じゃあまたな、みんな」

 

そして、そのまま家に帰った。

 

「……ええ、さようなら陽菜」

 

「バイバイ!陽兄ぃ!」

 

「……また…会えるの、楽しみに…してます…陽菜さん…」

 

「また会いましょう、如月さん」

 

「ううっ、バイバイ陽菜ー!」

 

「リサ姉…泣いてるの?」

 

「ううっ、うんっ。ごめん」

 

「……今井さん……」

 

「…リサ……」

 

「大丈夫だよリサ姉、陽兄ぃさっき『またね』って言ってたもんっ!だからまた会えるよっ!」

 

「そう、だよね。

うんっ!そうだよ!」

 

「……リサさん……元気に、なりました…ね」

 

すると涙を拭き

 

「よしっ。それじゃ、みんな帰ろっ♪」

 

「「「「ええ(うん!)」」」」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

俺は空港で飛行機がもうすぐ着陸するのを確認した。

そして自分が乗る飛行機に乗り、席に座った後、写真を眺めていた。

 

「……ありがとう」

 

そして、飛行機は離陸した。




今回で第1章は終わりです。
では、お気に入り登録してくれた人本当にありがとうございます。

ヒロキチ様 月季様 ー咲良様 勇気ブレイブ様 田中さん様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様

最後にもう一度
ありがとうございました。







Continued on next time

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