退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ...... 作:haru亜
オマケ
ない時もあるんだなっ!
リサ side
今井家 リサの部屋
「ごめん……急に引っ張っちゃって」
「いいわよ。
それより、如月さんからの手紙は?」
「あ、うんっ、ここに閉まってて」
そして、机の引き出しを開け、手紙を出した。
「本当にその手紙に何か書いてるの?」
「多分……陽菜の事だから書いてると思うよ。
それじゃ、開けるね」
そう言って手紙を開けた。
そして、その内容は
前略
みんながもし、迷ったりバラバラになったりした時のためにそれぞれにいくつかの事を書いとく。
1、まずはリサ。
リサはみんなの事を気にかけ過ぎて、全て自分で引き受ける所がある。
だからもっと周りを頼る事とリサはもっと自分に自信を持っていい。
『友希那の為に動く』リサではなく
『Roseliaの』リサへ
2、次は紗夜。
これは俺の推測だが、紗夜は最初、日菜に負けない一心でやってたと思うけど、それは確実にRoseliaの件で変わったと思う。
その変われた理由が必ずある、それを思い出してくれ。
『日菜と比べてる』紗夜ではなく
『Roseliaの』紗夜へ
3、……
そう書いてあった。
他にもあこや燐子、それに友希那の事も書いてあったがそれは直接本人に見せるべきだとアタシは思った。
すると
「全く……如月さんらしいですね」
「うん……そうだね、向こうに行ってもアタシ達の事心配してくれて……
それに『Roseliaの』かぁ……」
「今井さん、どうかしましたか?」
「ううんっ。
本当に、陽菜には感謝しても仕切れないなぁ、って思ってさ…」
「そうですね、如月さんは私達に何かあったら必ず助けてくれましたから。
………明日、湊さんにこの手紙を読んでもらいましょう」
「そうだねっ♪
そういえば陽菜、友希那にはなんて書いたんだろ…」
読もうとすると
「待ってください」
「えっ?どうして?」
「私達だけ先に読むのはあの3人に悪いわ。
だから、あの3人が読んでから見ることにしましょう」
「う、うん。そうだねっ」
リサ side out
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
紗夜 side
翌日 スタジオ
「紗夜〜〜何かわかった?取り戻し方!」
昨日の如月さんの手紙には取り戻し方は書いていなかったものの、あの手紙には確かに『何か』ある。
そんな事を考え、今井さんの質問に答える事にした。
「そんなにすぐにわかったら、苦労しないわよ。
…そういえば、宇田川さん達と連絡は取れたの?」
「う〜ん、雑談っぽいのは来るんだけど、練習の話になると濁されちゃって……」
「前途多難ね」
どうするべきか…
そう考えていると
「はぁ……あ、でもさ。
こういうこと言ったら怒られちゃうと思うけど、アタシ、ちょっと嬉しくって」
それを聞いて呆れたように
「何を言ってるんですか、こんな時に……」
「アタシ達、バンドを始めた頃もさ、こんな風にバラバラになっちゃった事あったじゃん?」
「ええ」
「その時アタシ、相談できる人が陽菜くらいでさ。
で、その時陽菜が言ったの『本当に大切なら側にいるだけじゃダメだ』って……だからアタシ、友希那に必死に向き合った。
わかんない事ばっかりだったけど、アタシなりに考えてさ」
「………」
「でも、こうやってアタシの弱音を吐いたりできる相手や相談できる相手がいるのはアタシはすごく嬉しいな♪」
「あ、あの時は私も、個人的な悩みがあって……それどころではなかったのよ……」
「ううん、そうじゃなくて……陽菜の手紙に書いてあった通り、アタシ自身、抱え込んじゃってた。
それに、こういう話ができるのって、お互いに心を開いたからこそなのかなーって。えへへ……」
「今井さん……。
こ、こういう話は全て解決してからにしましょう。
今は目の前の事を」
すると扉が開き
「2人とも、お疲れ様」
「ゆ、友希那……!おはよ!」
「練習を始めましょう」
そこで私は
「湊さん、1つよろしいですか?」
「何かしら」
「『Roseliaの音を取り戻す』それはわかりますが、昔の未熟な状態に戻るのは、私達が成長した事を、無下にするようなことは」
すると
「………からない………」
「友希那……?」
「わからないのよ!!他にどうしたらいいのか、わからないの!見つからないから……こうするしか……っ!!
こうするしか……ないじゃない……!」
それを聞いて
「私だってわからないですよ!でも、こんな形でこれまでの経験を全部なかった事にしたくないんです!!」
そして、個人的な話になるけれど…
「個人的な話になりますが、私はこのバンドに入って成長しました。
……妹と約束したんです。いつか彼女の隣を並んで歩けるようになると……前に進んでいくと……。
湊さん、あなたも同じはず。
お父様の大切な歌を歌った事を全部なかった事にするんですか?」
「……それは……っ」
湊さんはスタジオを出て行ってしまった。
「あっ、友希那…!!」
「……手紙を……渡しそびれてしまったわね……」
紗夜 side out
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
友希那 side
スタジオを飛び出て、駅前に着き、
「………」
わからない……
そう思いながら涙を流していることに気づいた。
「うっ……うう……っ」
自分が何をしているのかも、なぜこんなやり方しかできないのかも……!
どんどん、遠のいてる……このままじゃ、何もかも失ってしまうかもしれない。
すると
「友希那……先輩?」
そこにいたのは
「……戸山さん…。
…ごめんなさい、見苦しいところを見せてしまって」
「い、いえ!友希那先輩、大丈夫ですか?」
「ええ……落ち着いたわ」
その質問に対して嘘のような答えを返してしまった。
そう思っていると
「……あの!ライブ、来てくださいっ!」
すると隣にいた有咲が
「は、はあ!?おいっ!なんでそうなるんだよ!?」
「私、上手にアドバイスとか無理だから、陽菜に一回聞いたんだ。
どうすれば誰かの力になれるか、そしたら陽菜が『そんなの
香澄達が正しいと思うやり方でいい』って言ってたの」
如月がそんな事を……でも、どうしていつもそこまで…
そう考えていると
「あの、私達の演奏、Roseliaの皆さんみたいに上手じゃないですけど、見てくれたら、きっと元気になれると思いますっ!」
「戸山さん……」
すると
「あの、ホントすみません……無茶言って、無理だったらいいので」
「………わかったわ」
戸山さん達の聴いた時に感じた私が忘れた『何か』……そこにあるかもしれない……
「やったあ!じゃあ、明日CiRCLEでライブあるので見に来てくださいっ!」
そして、翌日
CiRCLEライブ
しばらく待っていると
「みなさん、こんにちは〜〜!!
Poppin' Partyですっ!それじゃあ早速、1曲!いっきまーっす!!」
そして演奏が始まった。
……以前見た時より、技術はあがっていそうね。
まとまり方も悪くはない。
それに、この気持ちは……
そして、ライブ終了後
「友希那せんぱ〜〜〜い!!」
「戸山さん。お疲れ様」
「今日の演奏どうでしたか?キラキラドキドキ、してもらえましたか?」
すると
「うん、したよ!」
「いや別におたえに聞いてるんじゃねぇ!」
「でも、私達がその気持ちを持ってないと聴いてる人には伝わらないと思う。だから大事なことだよ」
自分達が……
そんな事、考えた事なかった。
そして、少し気になった。
「少し気になったのだけど。
あなた達、いつもどんな気持ちで演奏しているの?」
「ポピパが、大好きっ!って思ってます」
「うんっ!私もみんながポピパの大好きだって思ってます」
「あ……!」
「友希那先輩?」
「いいえ、なんでもないわ。
今日はいいものを見せてもらった。ありがとう、戸山さん」
「はいっ!私もまた、Roseliaの演奏を聴きたいですっ!」
「ええ……そうね」
そして、帰り道
「………」
みんながどんな気持ちで演奏してるかなんて考えた事もなかった……。
同じ気持ちで演奏しているなんて、なおの事気にしてなかったわ。
私達の音を取り戻す事……それは、私達がRoseliaである誇りを取り戻すことなのかもしれない。
でも、どうやって?
「あと少し……あと少しなのに……」
友希那 side out
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あこ side
「はぁ……」
「あこ、どうしたんだ?」
「あ、おねーちゃん……実はね」
そして、悩んでいる事を話すと
「なるほどな〜。それで練習にも行きづらいってわけか」
「うん……」
「あこ、Roseliaは好きか?」
「えっ、う、うんっ!大好きっ!」
「Roseliaのメンバーは?」
「もちろん大好きだよっ!おねーちゃん急にどうしたの?」
「んー?確かめたかっただけだよ。
でも、あこがそこまで好きなら、その思いを伝えればいい。
そうだな〜……あ、燐子さんと一緒に衣装、作ってみるとかどうだ?」
「衣装、かあ……!うんっ!わかった、ありがとうおねーちゃん!」
そう言ってから早速りんりんにメッセージを送った。
あこ side out
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燐子 side
練習しなくても……Roseliaの事考えてる……
「あっ…」
衣装…ほつれてる……。
大切な衣装……わたし達が『Roselia』でいられる……大切な衣装……
「…また、みんなで着て……演奏…したいな……」
すると
「あ……!メッセージ……あこちゃんから」
その内容は
『りんりん!Roseliaの事、取り戻そう!』
それを読んで同じ事を考えていると思い
『あこちゃん、わたしも今同じ事を考えてるよ』
しばらくあこちゃんと話をして
『じゃあ、今からりんりんの家に行ってもいい?』
『うん…!いいよ……』
しばらくするとあこちゃんが来て、家で一緒に衣装を作った。
燐子 side out
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リサ side
CiRCLEスタジオ
「ねえ、紗夜〜、アタシ達、本当にこうやって練習してるだけでいいのかなあ?」
「今、湊さん達が来ない今、私達がRoseliaの音を守らないと……たとえ、以前のような音が出ないとしても……」
「紗夜、ホントに変わった。ヒナとの約束はかなり大きかったみたいだね」
「ええ、そうね……だから私がここで立ち止まるわけにはいかないのよ」
それを聞いて
「立ち止まると……紗夜っ!!アタシ、わかったかもっ!」
「わかったって何がですか?」
「アタシ達、Roseliaっていうバンドはやってるけど、みんな個にとらわれてたんじゃないかな?」
「どういう事ですか?」
「アタシ達はFUTURE WORLD FES.を目指してたけど、みんなはそれぞれの目標にしか見えてなかった気がして……それにRoseliaにいるのに、もしかして誰もRoseliaの事見てなかったんじゃないかな……」
「……」
「紗夜?」
「いえ、私も日菜との約束を守るためにやっていたのかもしれない、と思いました」
「アタシも友希那のために、ってやってたのかもしれない。
……燐子が飛び出て行った時に言ってた『誰の音も聞いてない』ってそういう事だったのかも」
「『Roselia』を一番、集団意識していたのは、ひょっとすると白金さんだったのかもしれませんね」
「うん、それからあこも、『Roseliaは超カッコイイ』ってずっと言ってくれてた。アタシ達の『音』を一番大切にしてくれた」
「Roseliaを取り戻すにはあの2人の力が必要ですね。それと今井さん」
「?」
「一応、如月さんの手紙を持ってきてください。
あの2人にも見てもらいましょう」
「うんっ!でも、2人ってどこにいるのかなぁ?」
「それなら問題ありません。
この前、巴さんから白金さんの家で衣装を作っている、と聞きましたから」
「さっすが紗夜♪じゃあ今から燐子の家に行こっ!」
「わかりました」
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「衣装……」
「できたーっ!!!」
「やったね……あこちゃん……手伝ってくれて……ありがとう」
「こちらこそだよっ!早くみんなに着て欲しいっ!」
すると
ピンポーン
インターホンが鳴った。
「あれ?……誰か、来たのかな?」
「きっと……宅配便とかじゃないかな……?
わたしじゃないと思う……」
そう言いつつも開けると
「「お邪魔しま〜す!
お邪魔します」」
「リサ姉に、紗夜さんっ!!?」
「ゴメンね、急に。
でも、2人が飛び出した理由がわかったの」
「どういうこと?」
「それは…」
そして、説明をした。
「集団を……意識してた……」
「ええ。あなた達2人がRoseliaのメンバーとして唯一、Roseliaの事を見てくれていた」
「アタシ達が、Roseliaである事をもう一度意識しないといけないなって」
すると燐子が
「わ、わたしも……あこちゃんと……Roseliaを取り戻す方法を考えて……これからもRoseliaでいたい……それで、一緒に衣装を作って」
「あこも、衣装作ってる時、もっともっとRoseliaでいたいって思えて……。
Roseliaの事を考えて楽しい気持ちになるのってダメなのかもしれない。
もっと真剣にならないといけないかもしれない。
でも、あこは『Roselia』の事が大好きだからっ!」
すると紗夜が
「その気持ちは、これからもRoseliaに誇りを持っているという事だから、大切なものになると思うわ」
「は、はいっ!あこ、Roseliaに誇りを持ってます!」
「わ、わたしもあこちゃんと同じくらい……Roseliaのこと、大切です……!」
「あこ、燐子。大切なことに気づかせてくれてありがとう。
それと、はいっ!これ陽菜からの手紙」
「「えっ!?」」
「それって、リサ姉が預かってた……どうして?」
「ほら、困った時に開けるって言う約束でしょ☆これにみんなの事、書いてるからあこと燐子も読んでみてっ」
「う、うん」
あこが読んでいるのを横から見てみると
こんな事が書いてあった。
前略
3、次はあこ。
あこは多分、みんなの中でも一番Roseliaが好きなんだと思う。
いつも『自分だけのカッコイイ』を目指してるあこは、俺から見てもカッコ良く見えた。
『Roseliaをしっかり見てる』あこと
『Roseliaの』あこへ
4、次に燐子
燐子は引っ込み事案であんまり前に出たがらなかった。
でも、だからこそ燐子はRoseliaの中でも一番『Roselia』の事を見れたのかもな。
『みんなの事をよく見てる』燐子と
『Roseliaの』燐子へ
5、……
そして、それを読み終わると
「陽兄ぃはやっぱりすごいねっ!りんりん!」
「うん……それに、やっぱり……陽菜さんは向こうに行っても……みんなの事……心配してくれて……」
「あはは、アタシも読んでそう思ったよ。でも、改めてわかった。
陽菜ってみんなの事、本当によく見てくれてたんだね」
「そうですね。
それなのに、私達は如月さんに助けられてばかり…」
「でも……陽菜さんは……きっと……そんな事気にしてないと……思います……だって、陽菜さんですから……」
「「………」」
「あ、あの……どうしたんですか……?」
「い、いえ、白金さんが男性を信用してるなんて考えられませんでしたから……」
「え……っ!?」
「ごめん燐子…アタシもちょっと思っちゃった……」
「ええ……っ!?」
「まぁ、それは置いといて。
あこ、燐子。大切なことに気づかせてくれてありがとう」
「い、いえ……わたしは…何も……それに、今井さんや氷川さんがRoseliaを取り戻したかったのは……きっと…Roseliaが大切で好きなんだと……思います……」
「そっか……うん、そうなのかも。
きっとそれに気づけなかったのも、今までRoseliaを見てなかったからなんだよね。
反省、反省」
「そうね……私も反省しなくては」
「ね……友希那もさ、Roseliaの事、好きかな?」
「それを確かめる為にもみんなで、湊さんともう一度話をしましょう。
それにこの前は手紙を渡しそびれましたから」
「………そうですね。
友希那さんに……わたし達はすでに……Roseliaとしての『誇り』を持っているんだって……伝えましょう……!」
リサ side out
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
友希那 side
CiRCLE、いつものスタジオ
「……」
何度歌ったところで、何もわからない。
どうすれば、誇りを取り戻せるのか。
本当に暗闇に迷い込んでしまったみたい……
そう思っていると
「あ……」
「1人で練習ですか」
そこにいたのは紗夜だった。
「……まだ、取り戻せない。
だから、歌いに来たの。でも、それも意味がないみたい」
すると
「あなたは私の背中を押してくれた。
だから今度は私の番です」
「……っ」
「この問題をどうするか考えている時思った事があります。それは以前の私ならここまでバンドの問題に向き合いませんでした。
それがどうして今こうやって考えているのか……
それは、私が『Roseliaの』氷川紗夜だから」
「Roseliaの……」
「そうしてくれたのは、あなたが背中を押してくれたからです。少しずつ日菜を見返そうとしている私から、『Roseliaの』ギタリストの私へと変わっていきました。
それはあなたも同じ」
「私も……?」
「はい、それを説明するにはこれを見てもらった方が早いです」
そう言って渡されたのは
「っ!!如月からの……手紙…」
「今井さんから借りてきました、ぜひ、読んでください。
きっと、何かを思い出せるはずです」
「……」
私は黙って如月の手紙を開けた。
そこに書かれていたのは
前略
5、最後に友希那。
友希那は音楽だけじゃなく、信じたものに対して本当に純粋な子だ。
だからこそ、周りが見えなくなってしまい、自分1人で抱え込み誰にも相談できずにいる。
だから、もし暗闇に迷い込んだら、まず自分が何者なのか、考えてみてくれ。
『父親の背中を追いかける』友希那ではなく
『Roseliaの』友希那として
「っ!」
そして如月からの手紙を読み終わると
「あなたは何者なのか、もう一度考えれば、答えは見えてくるはずです」
私が何者なのか……それは昔から変わっていない。
「私は……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
各メンバー side
翌日 いつものスタジオ
「友希那さんが戻って来てくれるまで、練習は続けないとね!」
「きっと、湊さんなら帰って来てくれます」
あなたなら、きっと……
「は、はい……!」
氷川さんが言ってくれると本当にそんな気がして、今井さんとはまた、違った……強さ……
すると扉が開き
「みんな……っ!」
「友希那さん!?」
「……!」
「………」
「………」
「………っ」
「ゆ、友希那……っ!!!あの……っ!!」
すると紗夜が首を横に振って
「……今井さん」
「……っ」
「……SMSが終わってからずっと考えてた。
どうしてお客さんが離れていったのか、以前と何が違うのか、昔に戻ったら『音』を取り戻せるんじゃないかと思ったけれど、それは間違いだった」
そう…それは間違いだった。
「音を取り戻す事はRoseliaとしての『誇り』を取り戻す事だと思った。でも、何もわからなかった。
『誇り』を取り戻すまであなた達に顔向けできないと思ってた。
だけど、私は『Roselia』の湊 友希那だから…」
如月の手紙に書いてあった通り、私はもう『父親の背中を追いかける』湊 友希那じゃない!
「たとえ、『誇り』を失おうが、それが惨めだろうが、私は『Roselia』の湊 友希那でいたい……!その為にここにいさせてほしい!
私は……ここで歌うことしか……できないから」
すると
「友希那さんは、惨めなんかじゃない!………そんなこと、あるわけない………っ!!」
「燐子……」
「友希那さんは……そうやって、ずっとRoseliaの事を………1人で考えて……『誇り』を取り戻そうとして……悩み抜いた友希那さんが……惨めなわけ、ない……!それに『わたし達』は『Roselia』です……!わからないなら……一緒に探せばいい……!」
「っ!」
「『Roselia』の湊 友希那でありたい、この気持ちが友希那の『誇り』なんだよ……!」
「あなたは一度も『誇り』を失ったことなんてない。『誇り』を持っていたからこそ、あなたは悩み続けたんです」
「あ、あこだって、Roseliaがカッコイイバンドでいる為に、この5人の誰が抜けてもダメなんです!!」
「……ごめんなさい……こんな私を……もう一度受け入れてくれて……」
そう言うとリサが
「ううん、友希那。アタシ達だって、ずっと『Roselia』を見てこなかったのは同じ事なんだよ」
「わたし達は……今……ようやく『Roselia』になれたんです」
「っ……みんな、本当にありがとう」
そして、いつもの練習が始まった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一週間後
スタジオ
「これ……この曲、友希那がこの短期間で作って来たの!?」
「ええ……私達がRoseliaでいられるように。その気持ちを曲にしたかった」
「わあ……!カッコイイ!!あこ、今すぐ演奏したい!!」
「素敵な曲ですね、私も今すぐにでも演奏したい気持ちです」
「これ、頑張って次のライブに間に合わせようよ」
「はい……!ライブまであまり時間がありませんが……新しい……わたし達を象徴する曲になりそうですし……」
「今日から次のライブに向けて、集中していきましょう」
「はーーいっ!」
すると
「……あの、さ。ちょっとみんなにこれ、食べてほしいんだけど」
リサが出したのは
「わあ……!クッキーだっ!」
「これは……リサが作ってきたの?」
「ううん、アタシと紗夜で作ったの!」
「……クッキーには練習パフォーマンスを向上させる効果があると思いますので、練習前に食べるのがいいかと」
「いただくわ。………うん、おいしい」
「うんっ!すっごくおいしい〜!リサ姉、紗夜さん、ありがとうっ!」
「だってさ、やったね、紗夜」
すると紗夜は顔を少し赤くして
「さあ、クッキーの効果が切れる前に、練習しましょう」
「はい……っ!」
そして、練習が終わった帰り道
「友希那さんっ、今日のあこの演奏どうでしたか?」
「ええ、悪くなかったわ。
ただ、いくつか問題点が……」
「友希那さんが必ず戻ってくると………力強く言ってくれた氷川さん………とても……素敵でした」
「湊さんには、借りがあったから、それを返しただけよ」
「ははっ、も〜、照れちゃって!けどアタシ達が前に進めたのは紗夜のおかげだよっ!」
すると燐子が
「前に……進む………そ、そうだ……っ!」
「り、燐子…?」
「あ、あの……明日、新しい衣装……一度回収させてもらってもいいですか……?」
「何か問題があったの?」
「いえ!その……アクセントになるものが……ほしかったんですけと……今、思いつきました。
あっ!お店閉まっちゃうかも……こ、これからアクセサリーパーツの店に行ってきます………っ!」
そう言って燐子は行ってしまった。
各メンバー side out
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
香澄 有咲 side
そして、ライブ当日、ステージ
「うう〜……なんか緊張してきちゃった……!」
「なんで香澄が緊張してんだよ……今日出るのはRoseliaだろ?」
「けどさ〜!この間の友希那先輩が、なんだかつらそうだったし……ちょっと心配でさ」
「まあ、確かに……」
「友希那先輩.Roseliaのメンバーさん頑張ってください……」
香澄 有咲 side out
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Roseliaメンバー side
その頃の楽屋
「燐子、新しい衣装は持ってきてくれた?」
「はい。こちらを……」
「いつも、本当に素敵な仕上がりね」
「それじゃあ、早速着替えよー!」
そして、着替え終わり
「おおおーーっ!超、超、超〜〜似合ってるよっ!!」
「それにしても、時計や歯車……?私達にしては珍しいモチーフね」
「わたし達の時は……一度、止まりました……ですが……今こうして、時計の針は進もうとしてます……。
これからも『わたし達』で進み続けたい……そんな気持ちを込めて、このモチーフを……入れました」
「素敵なモチーフだと思うわ。過去の私達と、これからの私達をつなぐ、大切な衣装になりそうね」
すると時間がきて
「よーしっ!本番、がんばろうっ!!」
そして、ステージ
「……Roseliaです。
まずは一曲」
Roseliaメンバー side out
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
香澄 有咲 side
「んーーー!やっぱり、Roseliaの人って本当にかっこいい!有咲、すごいねっ!」
「友希那先輩も、絶好調って感じだな」
「うんっ!!」
「って!!ええっ!!?」
「?どうしたの有咲?」
「ちょ、ちょちょ!!おまっ!あれ見ろ!!」
「あれって……え、ええっ!?なんで!!?」
香澄 有咲 side out
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
各メンバー side out
2曲のうち、1曲が終わり、次は
「次は新曲です。『私達』で作った新しい曲、どうか、聞いてください。
『Neo- Aspect』」
そして、演奏が始まった。
「美しき命の艶麗
紡がれた調べ 生まれゆく道
Believe me this is the right way
灯りは何処へ消えた?手繰り寄せるように
手を伸ばす手は何も掴めないまま
息継ぎも上手くできず
冷えた唇 黙り込む
Into(darkness…darkness…)
I feel(loneliness…loneliness…)
Your voice…心の裏側に触れた刹那
(Find a way…Find a way…)
I know(loved one…loved one…)
もう一度繋ごう 手を
きっと悔しくって 情けなくって
涙したって 此処にいるよ
扉は開けておくから
I hold you…
Beautiful prouder
So, Beautiful braver
So, Beautiful brighter
誇り高く(奏でたい)
Ah…on stage
Sing away!Sing away!
魅せよう 新たな姿 を
Wo wo Wow…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
各メンバーの演奏をしている時
リズムを刻むギターの音が……思わず走りそうになる……でも、今はただ、思いに任せて演奏したい……!
友希那の横顔、すごく凛々しい。これからもアタシは、この5人のステージでの横顔をただ見ていたい。
他のバンドでもない、アタシ達のステージで……!
あこは、『カッコイイドラマー』じゃなくて『カッコイイRoseliaのドラマー』になりたいっ!!これからもずっとみんなで音楽を一緒にやりたいっ!!
時計の針が……進んでいくのがわかる……わたし達の歯車が、噛み合って、音にのって……これが、『わたし達』の音……!
歌う事に罪悪感を感じた日々……未熟でも歌っていいと赦された日……でも私はまだ、自分のことを好きになれなかった!
いつか好きになれたら……そう思って歌い続けていた。
それでも、道は見えなかった。ずっと、心の片隅にひっかかったままだった、歌への気持ち……
今なら、少しだけ好きといえるかもしれない、この5人で奏でる『音』にのる、私達の歌を!!!
そして、その思いを持って演奏が終わった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
楽屋
「……なんだか、信じられませんでした。
今日の私達の演奏」
「はい……わたしも……」
「あこ、まだ手が震えてます…」
「なんだろう……この感じ……」
すると
「……本当は、本番直前まで怖かったの。
また、離れて行ってしまわないか……でも、演奏してみて思ったわ。
私達は『Roselia』なのだと。
だから、これからも、この『誇り』を持って演奏していきましょう。
……如月にも恩を返したいから」
「〜〜〜〜っ!友希那っ!!」
「リサ!?ど、どうしたの、急に抱きついて……!」
「だ、だって……アタシ……本当に友希那ことが心配で……っ!」
「リサ……」
「ずっと、友希那の事甘やかさないようにしようって思ってたのに、ほんとにほんとに心配で……!
だから、本当に戻って来てくれてよかった……またこの5人が集まれて本当に良かった……!ううっ……!」
「リサ……本当に、もう……。
?」
するとドアが開き、スタッフさんが来て
「あ、あのRoseliaさん。
さっき変な男から伝言を頼まれて」
「伝言?」
「はい、『いい土産になった』って言われて」
「「「「「?」」」」」
「あの、男ってどんな人でしたか?」
「えっと…目つきが悪くて、身長が多分これくらいでした」
「目つきが悪くて……」
「身長がそのくらい……」
「「「「「ああっ!!」」」」」
「そ、それって陽兄ぃの事じゃっ!!」
「うん、間違いなく陽菜だね。
目つきが悪くて身長がこのくらいとなるとね……」
「陽菜さん……見に来てくれてたんですね。
でも……どうして会いに来てくれないんだろう……」
「家の事でまだちゃんと帰ってはこれないのでしょう。
全く……挨拶くらいは、しに来てほしいものですね……」
「如月が何も言わずに何かするのはいつものことでしょう……」
「それにしても…陽菜ってば、『変な男』扱いされてたね」
「まぁ、普通は、伝言をお願いします。
なんて普通は言いませんからね」
するとリサが何か思いついたように
「あっ!今、電話かけたら繋がるかもっ!!」
「ホントっ!?リサ姉早く早くっ!」
「待ってて〜、今かけるから」
そして、リサが電話をすると
『もしもし?』
「もしもし、陽菜?どうして楽屋に来なかったの?」
『その声はリサか。
ごめんごめん、時間が足りなかったんだよ。
もうちょっと時間があれば、会えたんだけどなぁ……』
「陽兄ぃっ!今どこっ?あこ、そっちに行くっ!」
『あこは相変わらず元気だな。
でも、俺は今空港近くだから、それは諦めてくれ』
「あ、あの……陽菜さん…!い、いつ頃に帰って来れますか……?」
『ごめんな燐子、それはまだわからない。
それに今回は少し休みをもらっただけだから。
…まぁ、出来るだけ早めに帰るようにするから、心配しなくていいよ』
「如月さん…この間、今井さんとクッキーを作ったので、帰ってきたら、ぜひ、食べてみてください」
『紗夜のクッキー、美味しいだろうなぁ。
…わかった、帰ってきたら紗夜のクッキー食べてみるよ』
「……如月、その……あなたはRoseliaに必要だから、早く帰ってきてちょうだい」
『俺が必要だからって……何かあったのか?』
「ええ、あなたがいない間に」
「そうですね。本当に、色々ありました」
『?何それ気になる、教えてくれ』
「それが…」
そして、如月にこれまでの事を全て話した。
『なるほどなぁ……だから今日の演奏、前に聞いた時よりも良くなってたのか…』
「『なるほどなぁ』って、如月さんも他人事じゃないんですよ」
『えっ?そうなの?』
「そうだよ☆陽菜の手紙がなかったら今ごろどうなってたか……」
『あれ?手紙になんか書いてたっけ俺…』
「書いてたよっ!それに陽兄ぃがあこ達の事ちゃんと見てくれて嬉しかった!!」
『あー、なんかそれらしき書いたような感じがするな……それがみんなの助けになったなら良かった良かった』
「はい……すごく……助かりました。
陽菜さんは……Roseliaの事……好きですか……?」
『ああ、もちろん大好きだよ』
「「「「「っ!!!」」」」」
『あ、あれ?みんなどうした?』
「は、陽菜さん……は、恥ずかしい、です……」
「あこも、ちょっとだけ…恥ずかしかった……」
「あはは、アタシも…」
「き、如月さん…言葉には気をつけてください……」
「………」
『えぇ、俺答えただけなのに……まぁ、好きな事には変わりないから』
「あっ!も〜、陽菜がそういう事言うから友希那、顔が赤くなってるよ♪」
「……な、なってないわよ…!」
『あはは、ごめん。って、ええっ!』
電話越しから悲鳴のような物が聞こえ
「ど、どうしたの!?陽菜!」
『いや、なんか雷が酷くて後10分くらい時間があるらしい…』
「ええっ!?それって…」
『まぁ、今からそっちに戻るのは無理だろうから、残りの時間、話し合うか?』
「うんっ!あこもいっぱいお話ししたいっ!」
「わたし…も……陽菜さんと話したい……です…」
「アタシもアタシもっ!!
友希那と紗夜も、だよねっ!」
「……まぁ、少しなら……」
「……わかったわよ……」
『友希那と紗夜は相変わらず冷たいなぁ』
「「別に冷たくしてないわ」」
『……まぁ、少し話すか…』
久しぶりにみんなで如月と話した。
そして…
『あっ、そういえば燐子が作ってるみんなの衣装、あれって結構工夫して作ってるんだな。
あこがクロスでスネアを叩く時、袖が邪魔にならないようにしてたのが見ててわかったよ』
「はい……ふふ……やっぱり……陽菜さんって……本当に色々見てるんですね……」
『まぁな。あっ……悪いなもう時間だ』
「えぇ、もうちょっと陽兄ぃと話したかったなぁ」
『帰ってきたら、もっと話そうか。
それと』
「……それと……?」
『君たち5人が頑張ったんだ、俺もまた頑張ってくる。
だから、帰ってきた時、『Roseliaの』演奏をまた、聴かせてくれ。
頼めるか?』
「ええ、もちろん。
如月が帰ってきたら、今までより最高以上の演奏を聴かせてあげるわ」
『友希那の歌声、楽しみにしてるよ。
……じゃあな』
「ええ、さようなら如月」
「陽兄ぃまたねっ!」
「……さようなら……陽菜さん……」
「早く帰ってきてね陽菜っ!」
「如月さん、さようなら。
また会いましょう」
『ああ』
そして、通話が終了した。
「「「「「……」」」」」
するとあことリサが少し泣いているのが見えた。
「2人とも……。
……あまり、泣いてばかりでも困るわ。
これから、反省会をしなくちゃ」
「ええ、そうね。
私達の課題はまだまだあります」
「ふふ……はい……っ!」
「それじゃあ、みんなで……いつものとこ、行こっか」
各メンバー side out
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??? side
「早速だが、お前には、やってもらう事がある」
「やってもらう事……?」
「ああ、ある男に疑惑がある。
しかも、それは人間が犠牲になる可能性がある事だ。
俺はその男がつくるゲームに興味があり、プロジェクトに参加した。
だが、その男は自分の作ったゲームを使い『何か』を始める気だ。
それが何か確かめる為にお前に最後の課題をしてもらう」
「……それは?」
「日本に戻り、このゲームに参加し、その疑惑を解消してもらう」
「!日本に!?」
「ああ、お前が前に住んでいた所でそれはやってもらう。
………お前の言う『あの子達』にも会えたらいいな」
「!!」
「それと、それが解消でき次第お前はもう帰っていいぞ」
すると隣にいた男が
「勝手に連れ戻しといてこいつの扱いがそれか……」
「ふんっ、お前ら2人に継いでもらおうと思ったが無駄だったようだからな。
それにこの課題は何があるか、俺にもわからない。だから用心しろ」
「……わかりました。
ありがとうございます」
「ああ、言い忘れてたが、このゲームが出来るのは日本だけだから、さっさと行ってこい、如月 陽菜」
「……ああ」
??? side out
お気に入りand初コメント、ありがとうございます!
では、お気に入りを
夜刀様超燃え萌え隊様 ヒロキチ様 月季様 たうそ きさまや様 ー咲良様 勇気ブレイブ様 田中さん様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様
本当にいつも読んでくださっている方もありがとうございます。
コメント(感想)などは非常に嬉しかったです。
次回予告
第2章 ゲームの世界
こんなの鬼畜ゲームだろ……