退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ...... 作:haru亜
お願いします!許してください!
第三層 主街区
辺りを見渡すともう夜になっており、そこには松明の明かりだけで照らされる木が見えた。
「わぁー!!本当に木の中だー!」
「あこー!あんまりはしゃぎすぎるなよ!」
「わかってるよ陽兄ぃ!」
そう言って宿に続く階段を走って登って行った。
「大丈夫かあれ…」
すると
「あ、あの陽菜くん……」
振り向くと花音に袖を引っ張られてた。
「?どうした?」
「ま、周りの人の目が怖いです……」
花音に言われて周りを見ると
「お、おい…アレってRoseliaとPastel*Palettesじゃねぇか?」
「し、しかもハロハピとアフロ、それにポピパもいるぞ!?」
「スゲェ…5バンド揃ってんじゃねぇか!」
「それより、あの男誰だよ…」
「確かに…なんであの5バンド集団に男がいるんだ」
「な、なぁ…あの男さっき、あこちゃんに『陽兄ぃ』って呼ばれてなかったか?」
「えっ!?あこちゃんってお姉さんだけじゃないのか!?」
「もしかしたら、兄はいるけど兄が目立ってないだけなんじゃ…」
「あー、なるほど…誰か……話しかけてみるか…?」
こんな話し声が聞こえてきた。
めんどくさくなりそうなので、ウィンドウを操作してローブを装備した。
すると
「陽菜?それは何?」
千聖が聞いてきたので
「俺のローブで悪いけど、しばらく隠れやすくなる」
そう言って花音に被せてから
「てことで、俺は先に行」
行こうとすると
「あ、あの!!」
突然声をかけられ、見ると
「あの!陽兄ぃさん!!」
周りがさっき話していた中の1人だろう、てか誰だよ陽兄ぃさん…
すると周りから
おお!勇者だ!勇者がいるぞ!
英雄だ!
などの声が聞こえ、たたえられていた。
すると
「あの!友希那さんを僕にください!!」
するとその勇者の周りから
「この裏切り者ー!!」
「抜け駆けかー!!」
「この野郎!俺も!俺に友希那さんをください!!」
「違う!そいつに渡すんじゃない!僕に友希那さんをください!!」
「僕は千聖さんを!アイドルって知ってるけど、千聖さんをください!!」
「俺も彩ちゃんをください!!」
「オレもたえさんをください!!」
「えっ!?お前らが頼むなら俺に紗綾をください!!」
「さいかわの燐子ちゃんをください!」
「いや、さいかわはつぐみちゃんだ!って事でつぐみちゃんをください!!」
「花音ちゃんをください!!」
「え、えーっと、こころちゃんをください!!」
などの声が聞こえてきた。
多分全員の名前が呼ばれただろう。
すると
「これは…収集がつかなさそうね…」
「ど、どど、どうしよう!」
「わ、わたし……もう宿に…」
そんな話をしていると
『うおおおおおお!!』
そんな声とともにさっき話していたプレイヤー達が一斉に走ってきた。
すると
「に、逃げないと!」
「宿に入ろう!」
そう言われたが、プレイヤー達がイノシシのように突進してきそうで、どうにも入れそうになかった。
「……めんどくさいなぁ…」
「は、陽菜さん!?何してるんすか!?」
「ちょっ!陽菜!?剣抜いてどうする気!?」
「もういい!めんどくさい!斬る!」
そう口走って近づいてきた集団をソードスキル『ホリゾンタル』で一斉に吹き飛ばした。
圏内だから大丈夫だけど……思ったより吹き飛んだな
そう思っていると
「くっ……陽兄ぃ…さん!もう一度言います!
友希那さんを…僕にください!!」
「え、ダメ」
「!どうしてですか!?レベルが低いからですか!?だったら僕」
何か言おうとしていたがそれを遮り
「違う。
そもそも全員が最初から直接本人にそれを言ってない所からダメだろ」
『!!』
この反応、めんどくさいな…
そう思って話を続けた。
「とりあえず全員、自分から告白できるようになるまで……」
ダメだ、セリフを考えてなかった
そう思い
「まぁ…頑張れ」
『陽兄ぃさん!!』
「もう帰れお前ら!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
数分後
大部屋の中では
「にしてもさっきのすごかったな、なぁ蘭」
「うん、陽菜さん本気で止めてたもんね」
「あはは☆ホント、陽菜ってばよくあんな事言ったよね〜♪」
笑いに満ちていた。
「どんだけ笑ってんだよ…」
「でも陽菜?わかってるよね?」
「えっ?」
何の事かわからずにいると
「えっ?じゃないよ〜。
陽菜も好きな人に告白する時は自分から言うんだよっ?」
「え…いや待って?なんで俺が好きな人がいる事になってんの?」
「陽菜いないの?」
「いや……小中の頃はずっと独りだったからそんな事考えた事もないな」
するとこころと香澄が
「そうなの?じゃあ高校は大丈夫ね!
だって、こんなにたくさんの友達がいるんだもの!」
「そーだよ陽菜!私達友達だよねっ!」
「そ、そうだから落ち着」
「やったあー!」
ゴンッ!!
香澄が飛びついてきて頭をぶつけた。
ふつうに痛い…
「本当に今日はついてないな…」
そう呟き起き上がると
「それで〜?あの指輪は誰に渡すの?」
「あ〜、それあたしも気になりました〜」
「さて、と…俺は自分の部屋に戻って休もうかな」
扉をみるとそこには香澄とはぐみが立ち塞がっていた。
「…手の早い事で…」
「さ〜て、陽菜は誰に渡すのかな〜?」
「いや待て!なんで俺に好きな人がいる前提なんだ?」
「いないの?」
「いや…だって小中の頃は」
「待ってそれ、無限ループだから」
そんな会話が続いて、しばらくすると
「そうだ!みんなで攻略組になろうよ!」
そんな香澄の突拍子もない提案に
「そうか、諦めてくれ」
「ここにいるみんなで!」
「うんそうか、諦めてくれ」
そう言ったが
「それは楽しそうね!香澄いい案だわ!」
「あたし達も…攻略組には興味あるし」
「私もみんなの役に立ちたい!」
みんなして行く気じゃねぇか…
そこで
「…一応、俺も攻略組だから次の階層からボス戦に参加し」
したいんだけど、と言おうとすると
「ダメよ」
友希那に止められた。
「あのー…友希那さん?最近俺が言う事ほとんど拒否してませんか?」
「…そんな事ないわよ。
それより、今のあなたのレベルなら後25階層ほど先はギリギリ間に合うでしょう。
それにまず最初はみんなのレベルを上げないといけないわ」
「いやでも」
「あなたはみんなが攻略組になるのが嫌なの?」
友希那がそう言うと
「陽菜さん…」
「ハルナさん…」
つぐみとイブの目が『嫌なんですか?』と訴えかけていた。
「…はぁ……攻略組になるのはいいけど、絶対に危険な事はしないでくれ」
『はーい!』
もはや子供の遠足
なんて思っていると
「じゃあ出発は明日の朝にしましょう」
「そうしよ〜それにモカちゃんはもう眠たいよ〜」
「うん☆もう夜も遅いし、みんな寝ようか♪」
「ええ!陽菜もみんなと一緒に寝ましょう!」
「アホか、俺は自分の部屋に戻るよ。
じゃあな」
そう言って部屋を出て行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁ……」
月が輝き、その光に照らされた主街区の屋上で木の柵によりかかって、ため息をついた。
すると
「…如月」
「!ど、どうした友希那、こんな所で」
「あなたこそ、みんなに『自分の部屋に戻る』と言っておいて、こんな所で何をしていたの?」
「まぁ…息抜きしに来たんだよ」
「…まぁ、あなたには必要な事ね。
あなたは1人で抱え込む事が多すぎるわ」
「はは、それを友希那が言うのか」
「っ……別にいいでしょう」
「それで?こんな時間にどうした?」
「少し、疲れてしまったから…」
「まぁ、約一年半ぶりにみんなが集まってあの集団できてるからな。
ついていける方がすごい」
「そうね…。
わかってるとは思うけど、如月があの子達のレベリングしてあげないと今の攻略組には追いつけないわ。
だから、頼んだわよ」
「う、そうだな…」
あの人数をレベリングはしんどいなぁ…
そう思ったが、まぁいいや、となり考えるのをやめた。
すると友希那が
「……ねぇ如月。
この世界で起こった事は現実世界でも起こっているのかしら…」
「……人の死、以外は起こってないだろう」
「……そう……」
「どうした急に」
「…いえ、ただこれを作った人はどうしてこんな世界を創ったのかがわからなくて」
「…そうだな。
でも、こんな世界だからこそ、いい事があったりするんだよ」
「?例えば?」
「……美味しいものが食べれる、とか…?」
「……っふふ」
「おぉ…珍しく笑ったな」
「!……別に、笑ってなんかいないわ」
「いやいや、今完全に笑ってたって」
「……」
「……そうやって笑えるようになったのは、友希那が変われたから、なんだろうな…」
「…そうね。
…変われた一因にはあ…」
「?あ、って?」
「…なんでもないわ」
「?」
「………」
「…………」
少し気になり友希那の方を見ると、友希那も柵によりかかって夜空を眺めていた。
その景色は幻想的な光景で、実に綺麗だった。
「…っ…」
言葉が出なかった。
なんと表していいのか、俺の表現力では決して表しきれないものだった。
そして、夢中になって見ていると
「?如月、どうかしたの?」
「!いや、な、なんでもない…」
「嘘よ、また何か隠し事?」
「いや……これ言ったら友希那怒りそうだから」
「怒るかどうかは聞いてからにするわ。
それで、何を考えてたの?」
「…夜空を眺めてる友希那が綺麗だったから…つい見過ぎた…」
「!な、何を言っているの!」
「ご、ごめん!そんなに長く見る気はなかったんだ!」
「…あなたは本当に…」
友希那は何か言いかけてたが、やめた。
そして
「と、とにかく明日からのみんなのレベリング頼んだわよ」
「わかった」
「…リサが心配してるでしょうから、もう戻るわ。
おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
そして友希那は戻って行き、俺は夜空を見上げ
「はぁ…」
また一つ、ため息をついた。
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翌日
朝、目が覚めてすぐに起き上がり時間をみるとギリギリだった。
「眠いな…」
とりあえず用意をしてから外に出るとみんなが待っていた。
「陽菜くん遅ーい!」
日菜にそう言われ、腑抜けた声で
「ごめん、遅れた」
「それじゃあみんな揃った事だし、レベリング行こっか♪」
リサに言われて行こうとすると後ろから
「陽菜か!?」
どこかで聞いたような、声だった。
そして振り向くと
「お前…もしかしてクラインか!?」
そこにいたのは、悪趣味なバンダナをして仲間を引き連れたクラインだった。
「おお!やっぱり陽菜じゃねぇか!
おめぇこんなとこ…ろ…で、何……を……」
クラインの動きが止まった。
ラグかな?
と思った次の瞬間
「テメーこの野郎!」
「うわっ!?」
クラインはそう言うと同時に首を絞めにかかってきた。
それを両手で抑えながら
「ど、どうしたクライン!」
「なんでお前の周りにはこーんな可愛い女子しかいねぇんだよ!」
「それかよ!!」
「それ以外におめぇの首を絞める理由なんかねぇ!」
「お、落ち着けクライン!
そ、そうだ、この子達とはただの知り合いだから!」
「ただの知り合いで、こんな有名な5バンドが集まるわけねーだろ!」
「いや、ホント偶然だって!」
「そんな偶然あってたまるかーー!!!」
「ちょ!落ち着けーー!!」
すると友希那が
「如月、この方は?」
「ああ、コイツは」
説明しようとすると、クラインがまた一瞬硬直した後
「は、初めまして!わ、私、くく、クラインと申します!
23歳どくし」
「とりゃぁっ!!」
言い終わる前に腹に蹴りを入れ、後ろに飛ばした。
すると
「如月…何も吹っ飛ばさなくても…」
「!ごめん、つい反射的に…」
そう言うと同時にいつの間にかクラインが戻って来ていた。
「あの!Roseliaの湊 友希那さん…ですよね」
「ええ」
「友希那さんのサイ」
『リーダー…』
「ン…を貰おうと思いましたが、やめておきます」
落ち込むクラインに対して
「いい判断をしたなクライン。
そのまま言い続けたら普通に殴ってた」
「ちょいと過保護すぎやしねぇかおめぇ…」
「普通だ普通」
そう言うとみんなから
「いや〜……陽菜って結構過保護だよ?」
「うん、本当、父親みたい…」
「自分で気づいてないだけだよ」
つぐみにもそう言われ
「いやいや、そんな事ないって」
そう返すと
『ある』
「……はぁ…ていうかクラインはここで何してたんだ?」
するとクラインが急に真剣な表情で
「最近ここいらで奴らがうろついてるらしくてな。
その調査だ」
「…まだ何も起きてないか?」
「ああ、今んとこはな。
でも、必ず動き出すから、陽菜も気をつけろよ」
「ああ」
「そこのお嬢さん方もな!」
「待て、この子達は何も知らないんだよ」
「おめぇ何も教えてねぇのか!?」
「話す機会がなかった…後で話しておく」
「ならいいけどよぉ…」
そんな会話をしていると
「陽兄ぃ!早く早くー!」
元気なあこの声が聞こえて、わかった!と返事すると
「てンめぇ……」
「はは……じゃあな。
クラインも気をつけろよ」
「おう!またな陽菜!」
「ああ」
そして、みんなの所に行き旅に出た。
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転移門に向かっている最中
「それで、さっき話してた『奴ら』って誰の事ですか?」
蘭に聞かれて
「…まぁ、いいか」
そう呟いてから
「それを説明する前に、みんな、この世界には人を好んで殺す輩がいる」
『!!』
この子達はまだ何も知らない。
だから、教えて、現実を受け入れてもらわないといけない。
「今から話すのはそれを前提にした話だ。
念のために聞かせておく」
『……』
「『奴ら』ってのは『ラフィンコフィン』って呼ばれてる人殺しが集まる殺人ギルドだ。
笑う棺桶のマークをつけているのは『ラフィンコフィン』の証だ」
「!待って陽菜。
ギルドって事は…そういう人達が集まって作った、って事…?」
「そうだ。
アイツらが狙うのは自分達よりレベルが低い人達、つまり下の階層に止まってる人は格好の餌だ。
そして、最近奴らがうろついてるのがこの下の階層なんだ」
「っ!どうして…その人達は……そんな事を……」
怯えた様子でいる燐子の質問に
「…俺も一度だけラフコフの1人と出会った事がある。
俺も燐子と一緒で気になったから、そいつに聞いたんだ。
そしたら『楽しいから』」
「!!」
「ただそう返ってきたよ……」
「じゃあ……その人のカーソルは……」
「ああ、黒になってた。
あれはもう戻らない、例え、戻れたとしてもあいつは戻る気はないだろう」
「……」
「まぁ、心配する必要はない」
「?陽菜くん、どうして心配する必要ないの?」
「彩もそうだけど、みんなレベルが現時点で攻略組には少し劣るけど普通以上に強いからな。
香澄達とこころ達は今後レベル上げするとしても、こんなレベルが高いところを襲うのは稀なんだ」
「じゃあ、あたし達は狙われにくいって事?」
「そういう事だ。
でも、ただ狙われにくいだけだから、そこんところはしっかりな」
「……わかった」
そして転移門が見えてきた。
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数時間後
「はぁ……」
アルゴに戦闘レクチャーを教えてもらってから、なんとか、階層を上がりながらのレベリングをして行くうちにモンスターとの戦いに慣れたが、過度なレベリングでみんなはかなり疲労していた。
かく言う俺も25人の面倒を見るのが大変だった。
香澄とこころは「楽しそうね!」とか言う意味のわからん事を言い出してどこかに行こうとするし、花音がいつの間にかみんなと違う方向に行ってたり、と色々あった。
そんな疲労した中で
「………レベルはいくつになったか、各バンドで教えてくれ」
するとたえが
「隊長!ポピパは全員レベル48まで上がりました!」
「隊長言うな」
そして今度は
「隊長!あたし達はレベル63まで上がったよ」
「ひまりもか…」
「陽菜、私達もレベル63よ」
「おお、千聖が普通に答えてくれた」
「隊長!あたしはみんなよりも結構倒したから64だよ!」
「日菜のおかげで台無しだよ…」
「隊長さん……私達はレベル……70になりました……」
「燐子毒されたな?」
「隊長!隊長!隊長!はぐみ達はレベル50まで上がったよ!」
「隊長を連呼するな」
とりあえず全員現時点で攻略組に匹敵するけど……さすがにこの人数を前線に出すとなるとなぁ…
攻略組にはどうやって出そうか、考えていると
「そう言う陽坊のレベルはいくつになったんダ?」
「88だ」
「オオ、ゾロ目じゃないカ」
「ゾロ目だとなんかあるのか?」
「ないヨ」
「思わせぶりな事を言うな。
…とりあえず、全員攻略組くらい強いから、今の攻略組が70階層を超えた所から俺達は参加する。
それでもいいか?」
そう言うとリサが
「?どうして70階層からなの?
アタシ達が攻略組みたいに強いなら今から行った方が効率良くない?」
「それは無理だ」
「どうして?」
「みんなのレベルが攻略組より強くても、装備が整ってない。
25人分の装備が整うのに、大体…2ヶ月くらいだな」
「そ、そんなに!?」
「ああ。
それにしばらく休んだ方が身体的にも精神的にも良いから」
すると紗夜が
「…そうですね。
確かに2ヶ月ほどなら、今の攻略組のペースでちょうど70階層くらいにはついている事でしょう」
「そういう事だ。
…じゃあ、戻るか」
そして1ヶ月経ち、その間に装備を半分以上揃えた。
それから、1週間同じようなレベリングをした。
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第22層
「やったー!レベルアップだー!」
そう喜ぶ香澄がいた。
「ここは難度が低いからな。
確か3日くらいで攻略されてた気が…」
なんか可哀想だったのでこれ以上は言わない事にした。
そして、ちまちま倒しながらレベル上げをしていた俺はウィンドウでアイテムを確認しながら敵を倒していた。
すると
「あっ、落ちた」
そう思わず呟いてしまったのは、エリュシデータのレア強化素材が手に入ったからであった。
すると
「陽菜くん!ちょっとこっちに来て!」
「ちょ!日菜、どこに行くんだ!」
「早く早くー!」
そう言って日菜は俺の手を無理矢理引っ張っていった。
そして、森についた途端に日菜が止まった。
「?どうした日菜、こんな所まで来て」
「ほらあれ!」
そう言って日菜が森の奥を指差した。
「あれは……水?」
そう言った瞬間に思い出した。
「あ!そういえばここの階層には湖があったんだ!」
「やっぱり!あれって湖なんだよね?」
「まぁそうだな。
でも、モンスターはいなかった気が…」
あっ、しまっ
そんな思考を遮り日菜は
「わあ…!
お姉ちゃん達呼んでくる!」
「あ、おい!ちょっと待て日菜!その先は!」
「えっ?」
しかし、止めるよりも先に日菜は崖に落ちてしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……はぁ」
日菜のHPが緑になってる事を見て少し安心した。
一緒に落ちて俺がクッションになったのだろうと思い、日菜を起こした。
「おーい日菜…大丈夫か?」
「ん……あれ…ここどこ?」
「ここは崖の下にある大穴だ。
とりあえず登らないとダメだな」
「うんっ!でも、どうやって上がるの?」
「俺1人なら上がれるんだけどなぁ…。
……仕方ない、やってみるか」
「?」
「日菜、ちょっと失礼」
「え!ええ!?」
そして俺の肩でバタバタしている日菜を抱えて、数歩下がり
「よっ!!」
壁を走っていった。
すると
「あはは!楽しいー!」
「楽しんでる場合か!もうすぐ着くぞ!」
そして、そのまま脱出した。
が
『えっ!?』
「えっ?」
そこにいたのはみんなだった。
そして予測していた着地地点にいたのもみんなだった。
「ちょ、危な」
危ない!と言おうとしたが、みんなは避けた。
ので、日菜は無事に着地させたが、俺の顔を湿った土に思いっきりぶつけた。
「……あの……大丈夫……ですか…?」
「……多分な……」
そう言いながら、立ち上がった。
そして日菜は案の定
「お姉ちゃん!こっちに湖があるんだ!みんなで一緒に行こうよ!」
「えっ!?ちょっと日菜!」
「湖!楽しそうね!行ってみましょう!」
「あっ!待ってこころ」
日菜はまたしても無理矢理紗夜を引っ張っていった。
そしてみんなもそれについて行った。
すると
「如月、そろそろ私達のレベリングは終わりにしたらどう?」
「…そうだな。
友希那レベルは?」
「71よ」
「……なら、もういいか。
みんなも70は超えてるだろうからな」
「そう言う如月はレベルいくつになったの?」
「…98になった」
「!あなた…私達に隠れてレベリングしていたの?」
「……」
怒られる
そう思った。
しかし
「…あまり、無理はしないで」
「!…あ、ああ、わかった…」
「早く行きましょう、追いつけなくなるわ」
「ああ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
湖
「すごーい!ねぇ、りんりん!」
「うん…!……水が透き通ってて……すごく…綺麗だね」
「でも蘭、水着ってあるの?」
「ないよ」
『う〜ん』
みんな悩んでいるところ悪いけど
「ここモンスターいないけど、中に魚がいっぱいいるから入るのはやめといた方が…」
そう言うとリサが
「でも、足をつけるくらいなら大丈夫じゃない?」
「まぁ…それくらいなら」
「やったあ☆じゃあ、早速つけて来よーっと♪」
「待ってリサ姉!あこ達も行く!」
「ま、待って…あこちゃん……!」
「あたし達も行こうよ蘭!」
「ちょ、ひまり早いって!」
「私達も行こっ!」
「うんっ!早く行こう!」
「!待って彩ちゃん、日菜ちゃん!」
「みんな楽しそうね!美咲達も一緒に行きましょう!」
「あ、こころ!」
「ま、待って…こころちゃん!」
「有咲〜!私達も早く行こう!」
「ちょ、落ち着けっ!一緒に行ってやるから!」
みんなはノリノリで向こうのベンチと屋根がある所に向かっていった。
「!…はぁ…やれやれだな…」
そう呟きみんなの所へ向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第48層
それから2週間が経った。
そして、みんなが別々の行動をしていると
「陽菜〜☆これ見てー!」
武器強化をしていた俺の元へリサが扉を開けて入ってきた。
「どうしたんだリサ」
息を切らしているリサに聞くと
「これ!」
そう言って目の前にウィンドウが表示された。
そこには
「!73層攻略!?」
しまった、ゆっくりし過ぎたか。
しかし、そんな焦りもすぐになくなった。
「…あっ、でも全然問題ないわ。
リサのレベルって86だったよな?」
「うん、そうだよ?」
「みんなもそれくらいなら次の階層から参加してもいいだろう」
「!ホント!?」
「ホントだ」
「やったぁ☆じゃあ、みんなにメッセージ送るね♪」
「ああ」
するとプレイヤーの鍛冶屋に頼んでおいた剣の強化が終わったようで
「はいコレ、強化+40にしといたわよ」
そう言って剣を渡してくるのは、ピンク髪の鍛冶屋プレイヤーだった。
「ありがとう、それじゃあ行くか。
キリトによろしく言っとくよ」
「っ!よ、余計なお世話よ!」
「わかった」
そう言ってからリサと一緒に外に出た。
そして
「…面倒だけど、上に行くか」
「面倒なんて言わない!
ほーら、早く行くよっ♪」
そして、73層で待ち合わせになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
数分後 転移門前
「全員揃ったな。
じゃあ、早速だが次のボス戦から参加する」
「ついに…ですね」
「ああ、だからそのために今から一度迷宮区に潜る。
それで、もしボス部屋が見つかったら、その時点でマッピングは終了、そのボスに向けて準備をする」
「わかりました。
ですが、パーティはどうしますか?」
「5バンドでやりたいけど人数が多いから、その内の2つは演奏隊、3つは前線に出て戦う。
まずは…誰にしようか」
『えっ!?』
「まさか…何も決めてないの?」
「まぁ…勝手に決めたら怒りそうだし…」
「私達が演奏するわ」
そう言ったのは友希那だった。
「…みんなも1つはRoseliaでいいか?」
すると
「湊さんがやるならあたし達もやる」
「お〜、蘭がやる気に満ち溢れるじゃん〜」
「じゃあ、Roseliaとアフロが演奏隊、後の3バンドが前線に、って事で」
『わかった』
「……じゃあ行くか」
そして、迷宮区に向かって行った。
アバババ!の時間ですよ。
Bacon0112様 瑠璃ぃぃぃ様
黒夜様 関飛様
また新たに2人増えましたね。
ありがとうございます!
本当に今更なんですが、お気に入りしてくれている方の中に何人か小説投稿している人がいるんですよ。
なので、紹介しようと思うのですが、嫌なら感想に書いてください。
別にいいっすよ、と言う方は感想に書かなくて大丈夫です。
では次回また会おうではないか!