退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ......   作:haru亜

27 / 107
第9話 え?

第55層

 

「では、オレとデュエルをしてもらおうか…!!」

 

片手剣を持った男を相手にして

 

「いいよ〜」

 

「ちょモカさん!?俺の意思は!?」

 

「ふっふっふ…大丈夫、勝てますよ〜」

 

「いやいやいや!!戦うの」

 

すると

 

「遅い!!」

 

男の1人が剣を青く輝かせ、そのまま斬りつけてきた。

 

 

どうしてこうなっているか。

それはほんの約10分前の事だった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

10分前 第55層

 

「如月、どうしたの?」

 

「いや……そこら辺にいる騎士の目が小心者の俺にかなりのダメージを与えてるなぁと思って…」

 

「HPは減ってないんでしょう。

なら大丈夫よ」

 

「そ、そういうもんかなぁ…」

 

「いいから先に進むわよ。

街を歩いて少し疲れているの」

 

「あー…みんな有名人だから、人だかりが出来て大変だったもんな。

友希那とかすごい二つ名だったなぁ…」

 

「その話をするのはやめて。

私だって女神なんて呼ばれたくないわよ」

 

「『歌姫の女神』って誰が考え」

 

「如月?」

 

「すみません…」

 

やっぱりあの二つ名のネーミングセンス疑うな…

 

そう思っていると

 

「それはそうと、私はここに入っていたから呼び出されるのはわかるけど、どうしてあなたまで呼ばれたのかしら…」

 

「……さぁ、俺が団長と最後に話したのは50層の時だから。

それよりも、聞きたいことがあるんだけど」

 

「?何かしら?」

 

「友希那のユニークスキル『歌姫』って何か制限あるのか?」

 

「制限…『演奏スキル』と一緒に使えなくなる事ぐらいかしら?」

 

「なるほど…」

 

じゃあ『歌姫』は、アルゴが言ってたシステム的なデメリットがあるのか…

 

そう思っていると

 

「そういえば、このスキルを使っている時はHPバーが15ずつ減っていったわね。

後、一曲終わるまで途中で止めることはできないわ」

 

「えっ!?」

 

「それに、自分には『歌姫』の効果は付かないようね」

 

「そ、それかなり大事な事だぞ…。

なんでもっと早く言わなかったんだ」

 

「聞かれなかったもの。

それにどうしたの?そんな事を聞いて」

 

「いや、気になって聞いてみただけだ…」

 

マズイな。

HP減少効果がついてその上自分に『歌姫』の効果が付かない。

しかも、15ずつ減っていって、その時の曲が5分ほどだとすると…約5000ほどHPが削られるのか…

付け加えるなら、モンスターのヘイトも溜まるし…

 

「……」

 

どうしようか迷っていると

 

「如月、あれよ」

 

そう言って友希那が指差したのは騎士の彫刻が施された大扉だった。

 

「…無駄にでかい扉だな」

 

「…否定はしないわ。

とりあえず入るわよ」

 

「ああ」

 

そして扉を開けて中に入った。

すると

 

「やぁ、久しぶりだね。

友希那君、陽菜君、2人とも元気にしていたかな?」

 

そこには椅子に座って独特な雰囲気を放っている団長と幹部的な4人がいた。

 

「ええ。

それで、なぜ私達だけを呼び出したの?」

 

直球ですね友希那さん…

 

そんな事を考えていると

 

「…君達2人に血盟騎士団に入ってもらいたい」

 

こっちも直球ですね…

ていうか…

 

恐る恐る横を見てみると

 

「っ」

 

やはり友希那さんは怒っていらっしゃるようだ。

すると

 

「…それは、私達以外他のみんなは要らない。

そう言っているの?」

 

そう友希那が団長に聞くと隣にいた男達が

 

「何を言っている。

実際に役に立つのは君達…いや君だけだろう」

 

「それに『演奏スキル』の効果はランダムなんだろう?

だったら、効果が決められている『歌スキル』の方が良いじゃないか」

 

「確かに…なら、あの男も要らないな。

君が持っているユニークスキル『歌姫』さえあれば、我々血盟騎士団の戦力は一気に増すだろう」

 

「ユニークスキルを持っているのが2人ともなれば、血盟騎士団の信頼度も上がるというものです」

 

「それもそうだな」

 

「信頼は必要ですからな」

 

「っ!…」

 

などの会話を聞いて友希那は本気で怒りそうだったので

 

「はい、友希那はちょっと落ち着こうか」

 

「!でも…」

 

「冷静にならないと勝てる試合も勝てないからな。

……まぁ…とりあえず」

 

『っ!!!』

 

「な、なんだ今の悪寒は…」

 

「殺気…」

 

ムラマサに教えてもらった殺気、今でも使えたのが幸いだったな。

ハイパーセンスの応用ってだけ、だけど

 

そう思ってから幹部的な4人を見て

 

「やっと静かになったな。

まず、あんたらに言っておくけど、この子は道具じゃないんだ。

ましてや自分達のことしか考えてない奴らに友希那は渡せない。

それに、この子達が『演奏スキル』を使っているから、あんたらも助かっているんだろ」

 

「助かってる?

はっ!よくそんな事が言えたな。

今まで『演奏スキル』を使って救えずに死んだ人間は何人いる?

優に100は超えている!」

 

「同時に、助けた人数は今の攻略組全員の数だろ。

……この中に第一層からずっと最前線に出てボス戦に参加してる奴はいるか?」

 

『……』

 

すると男の1人が手を挙げ

 

「わたしがそうだ。

わたしはずっと最前線に立っている」

 

「なら、わかるはずだ。

3〜10階層の間に『演奏スキル』無しで攻略していった時の事を」

 

「……確かに、第三層以来急に演奏隊が来なくなり、演奏隊無しでの攻略を進めて行った。

しかし、ボス攻略をするたびに必ず人が死んでいった。

そして、我々は改めて演奏隊の存在が必要なものに変わっていった…」

 

「そうだ。

なぜ、あの時にいた演奏隊が来なくなったかわかるか?」

 

男は俯いたまま首を横に振った。

 

「それは第二層の時、ある男が演奏隊にこう言ったからだ。

『俺達攻略組の邪魔をするからだ』と」

 

「!!」

 

「あんたも知ってるだろ。

1人の鍛冶屋を殺そうとして、1人の関係のない女の子が死にかけた」

 

「!お前…まさか、あの時の…!!」

 

「…まぁ、とりあえず何が言いたいかと言うとだな…。

これ以」

 

これ以上、それを言い終わる前に扉が勢いよく開き

 

「頼もう〜!」

 

「モカ!?」

 

しかし、そこにいたのはモカだけではなく

 

「友希那っ!」

 

「リサ…!?」

 

「なんでみんな来てるんだよ」

 

すると蘭と香澄が

 

「だって、すぐ終わる、とか言っといて帰ってくるの遅かったし」

 

「友希那先輩と陽菜に何かあったんじゃないかなぁ、って心配だったんだよっ!!」

 

「はぁ……まぁ、いいか。

それで話を戻すぞ、このギルドに友希那が入りたいなら止めないけど…」

 

「嫌よ」

 

「ていう事だから、友希那は入らないって事で」

 

すると一番端に座っていた男が立ち上がって

 

「なっ!?…いいのですかヒースクリフ殿!

あんな男に貴重なユニークスキル使いの彼女を渡してしまって!!」

 

「別に構わないさ、それが彼女の決めた事なら尚更だ」

 

「っ!!」

 

すると男はこちらに怒りの表情を向けて

 

「おいお前、お前が出て行くのは勝手だが、そこのユニークスキル使いを置いていけ!」

 

「はぁ……何回言ったらわかる。

この子は道具じゃない、ましてやあんたなんかに渡す子は1人もいない」

 

「っ!侮辱する気か…!!」

 

「事実、あんたより俺の方が強いからな」

 

今、物凄い意地張ったな…

俺のレベル、確かに高いと思うけど相手のレベルと戦闘技術は知らないから圧倒的にこっちが不利なんだよなぁ

 

そう思っていると

 

「では、オレとデュエルしてもらおうか…!!」

 

そう言うと男はデュエル申請をして、目の前にウィンドウが表示された。

 

えぇ…めんどくさい

断ろうか

 

そう考えて断ろうとすると

 

「いいよ〜」

 

するとモカが俺の手を操作して丸ボタンを押した。

そしてデュエルカウントが始まった。

 

「ちょ、モカさん!?俺の意思は!?」

 

「ふっふっふ…大丈夫、勝てますよ〜」

 

「いやいやいや!!戦うの」

 

俺なんだけど

 

そう言おうとしたが、デュエルカウントは0になっており

 

「遅い!!」

 

男の1人がそう叫ぶとともに剣を青く輝かせ、そのまま斬りつけてきた。

 

「っ!」

 

しかし男は、隙をついたにも関わらず、体術スキル『空輪』で武器を奪われ、エリュシデータに右肩、左腕、胴を一瞬で斬り裂かれた。

そして空中には【Winner 陽菜】と表示された。

 

「…はぁ…」

 

意外とレベル低かったな。

 

そう思っているとヒースクリフが

 

「フム…陽菜君のレベルは90強と言ったところか…これなら次のボス戦に参加しても問題なさそうだ……。

どうかな、私と一度デュエルをしてみないか?」

 

レベルは大体当たってる上に冗談めいた事を言ってきた。

 

「いやいや無理だろ。

普通に考えて、ユニークスキル使いに一般スキルだけの俺が勝てるわけない」

 

「ははは、そうか。

…では、君達2人はギルドには入らない、という事でいいのかな?」

 

「ああ。

それと、みんながこのギルドに入るのなら勝手にしていいから。

俺はしばらく平和な暮らしをしたいから攻略は休む」

 

『は、はい!?』

 

「だーかーら、しばらくは平和に生きたいって言ったんだ。

次のボス戦まで期間はあるだろ?」

 

そうヒースクリフに投げかけると

 

「そうだね。

しばらくはレベリングをして満を持してから、次のクォーターボスに挑むつもりだ。

それに、君のレベルなら次のボス戦も大丈夫だろう」

 

「でも油断は禁物だ」

 

ん?なんか前、誰かに言われたような…まぁ、いいか。

 

そう思ってから

 

「まぁ、とりあえずそういう事だから、ボス戦をする時はメッセージしてくれ」

 

「待ちたまえ陽菜君」

 

「?」

 

「君は、自分を犠牲にしてでも大切な人を守る事は出来るかい?」

 

「……そういう考えは、もうやめた。

…前に一度、誰かさんに怒られたからな」

 

「…そうか」

 

そう言うとヒースクリフは半円形の机の下で小さくウィンドウを操作するような動作を行った。

ジッと見つめたが、ウィンドウが他プレイヤー不可視モードにされていてウィンドウの切れ端すら見えなかった。

そしてその動作が終わるのをみて

 

「…まぁ、いいか。

今度こそ、じゃあな」

 

「ああ、ボス戦を楽しみにしているよ」

 

そして、扉を閉めた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さてと……家買おう、かなぁ」

 

う〜ん…家買ったら財布が羽になるからなぁ。

まぁ、財布という入れ物が無いからどっちにしろ羽だけど…

 

そして、この一言を言った後の出来事に俺は後悔した。

すると

 

「ハルナさん家買うのですか?」

 

「えっ!?いや言ってみただ」

 

言ってみただけ、そう言おうとしたが

 

「ええ!陽菜くん家買うのっ?」

 

「いや別にそうい」

 

「陽菜、今の本当!?」

 

「だから、そういう事じゃ」

 

「陽菜さんの家か〜、どんなのにするんだろ〜」

 

「モカ、それ以上は」

 

「いい事思いついたわ!

これからみんなで家を選びましょうっ!!」

 

「おお!さすがこころだよー!!」

 

「ちょ、ま」

 

「「じゃあ早速、行ってみよう!!」」

 

「だから、まっ」

 

香澄とこころはどこかに走っていき

 

「あたしも行くー!!」

 

「あっ、待って!はぐみもー!」

 

それに日菜とはぐみもついていった。

 

「……」

 

すると紗夜が

 

「如月さん、大丈夫ですか?」

 

「………うん。

とりあえず追いかけようか」

 

「ですが如月さん、家を買うお金はあるんですか?」

 

「うーん……豪邸を買うほどの金はあるけど、買ったら買ったでそこに住むだろ?」

 

「はい」

 

「そうしたら、そこから引っ越し出来なくて移動に時間がかかるんだよなぁ…」

 

「それならマイホームを上の方に買ってみてはどうですか?」

 

「それが、下の方にしかいい家がないんだ。

上の方は人通りが多い所でしか家は売ってないからな」

 

「……でしたら、下の階層ですが、いい物件があったと思いますよ」

 

「!そ、それどこの階層?」

 

「確かあれは…47層だったと思います」

 

「47層か…とりあえずあの4人を捕まえてからだな」

 

「そうですね」

 

そして、しばらくすると香澄と日菜を見つけて、その後にこころとはぐみも見つかった。

 

「4人ともあんまり勝手な行動はしないでくれ」

 

「?私達は陽菜の家を探しに行ってただけよ?」

 

「こころとはぐみに関しては武器屋の前にいたからそれはないだろ」

 

「ううん!はぐみ達、ちゃんと家探してたよ!」

 

「?どういう事?」

 

「でもね、同じ事ばっかり言う人で、その人とお話し出来なかったの」

 

「あーうんわかった。

ずっとNPCに話しかけてたんだな、とりあえず行き先は決まったから行くぞ」

 

「次はどこへ行くのかしら!」

 

「次はだな…」

 

説明しようとした。

その刹那、耳元で冷たく凍りつかせるような声でその思考は停止させられた。

 

「…みーつっけた……ケヒッ…♪」

 

「っ!」

 

急いで振り向き、フードを被った男を見つけた。

その男は黙ってこちらを見ていたが、顔がフードで隠されており、口元の不気味な笑みしか見えなかった。

そして、男は走って路地裏に入っていった。

 

「っ、待て!」

 

「えっ!?ちょっと陽菜!?」

 

入り組んだ路地裏の道を走って追いかけていると曲がり角で男の姿が消えていた。

 

タッ!

 

「っ!」

 

見上げるとそこにはさっきの男が壁を蹴って登っていた。

 

「ちっ!」

 

同じように壁を走って登り、瓦屋根の上に乗ってから周りを見るとすでに男は遠くの屋根をつたっていた。

敏捷度全快で追いかけたが、追いつく後一歩のところで男は転移結晶で逃げてしまった。

 

「…アルゲード…」

 

確かにそう聞こえた。

しかし、あの街は街が広すぎて誰も街全体を把握している人は1人もいない。

ましてや、今は転移結晶を持っていなかった。

 

「……はぁ」

 

ため息を吐き、みんなの所へ戻っていった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第47層 主街区

 

「………」

 

あの男は一体誰で誰を探してたんだ。

この子達だとしたら話はしておくべきだが、俺の耳元で囁いたという事は、俺が狙い…でもあんな男、この世界で会ったことは…

 

「…ん!…さん!ハルナさん!!」

 

「っ!!ど、どうしたイヴ」

 

「ハルナさん大丈夫ですか?

さっきからずっと元気がないように見えます…」

 

「ちょっと考え事してた…。

もう大丈夫だ」

 

「……本当ですか?」

 

「…ごめんな心配かけて」

 

47層に着き、人通りが少なく、自然豊かな所で暮らせる場所を探していると向こうから香澄と日菜が走ってきて

 

「ねぇねぇ陽菜っ!こっち来て!!

いい家あったよ!」

 

「わかったから、落ち着け2人とも」

 

「陽菜くん早くっ!るんっ♪ってくるでっかい家見つけたんだ!!」

 

「それは大丈夫なの」

 

「ほら行くよ!!」

 

「かっ!?」

 

言い終わる前に腕を全力で2人に引っ張られて行った。

そして

 

「はぁ……はぁ…ふ、2人のスタミナ値どうなってんだ…」

 

レベル差的にこちらの方が圧倒的にスタミナは上のはずが、全力疾走した後の疲れ具合が2人から全く感じられない。

 

むしろ、元気出してるんですけど…

 

そう思っていると

 

「ほら陽菜!これこれ!」

 

「おお、確かにいい家って……待て待て待て待て」

 

「?どうしたの?」

 

香澄が首を傾げて不思議そうに見てきた。

 

「いやこれどう考えても……ただの豪邸だろ!!」

 

そこには人通りが少なく色とりどりの花に囲まれた立派な豪邸だった。

 

「なんでこんな見るからに高そうな家を見つけたんだ…」

 

その疑問に花音が

 

「え、えっと…わたしが道に迷っちゃって…その時にこれを…」

 

「なるほどな。

花音はとりあえず誰かと一緒にいてくれ、誘拐とかされたら大変だから」

 

「う、うん…ごめんなさい…」

 

「いいよ、花音が家を見つけてくれたんだから。

…かなり大きいけど、まぁ、ありがとう」

 

「そ、それなら、良かった……!」

 

「…俺1人で住むにはこの豪邸は広すぎるからな。

どうしようか」

 

別の所を探したら、なんか花音に申し訳ないし…

かと言って、この家は広すぎて暮らすのが大変だろうなぁ

 

そう思っていると日菜が

 

「私もここに住みたいっ!!」

 

「いや、男女はさすがにダメだろ」

 

「えー…こんなに探すの手伝ったのになー」

 

「うっ……!それはひきょ…う…

確かに手伝ってもらったけど、それはさすがにマズイって」

 

「?なんでー?」

 

そう首を傾げて言う日菜に千聖が

 

「あのね日菜ちゃん。

私達はアイドルとしても活動しているから、こういう男性との同棲は絶対にダメなのよ」

 

「ええー?

…じゃあ千聖ちゃんは?ここに住んでみたくない?」

 

「それは…一度は住んでみたいけど…」

 

………ん?

 

「あれ?ちさ」

 

「じゃあ一緒に住んでみようよ!

それに、ここは人通りも少ないし、誰も来ないと思うよ?」

 

「それも…そう、だけど…」

 

「だから、ちさ」

 

「陽菜くんなら大丈夫だって!問題ないよっ!」

 

「……わかったわ。

でも、あまり陽菜の事は周りに話したりしたらダメよ?」

 

「え?あの、ちさ」

 

「やったぁ!!みんなも一緒に住むよねっ!」

 

「はいっ!私も住んでみたいです!!」

 

「え?ちょ、イ」

 

「彩ちゃんと麻弥ちゃんは?」

 

「私もっ!ここに住みたい!」

 

「え?あ」

 

「ふへへ。

ジブンもここなら皆さんとゆっくり過ごせそうです!」

 

「え?」

 

「お姉ちゃんも一緒に住もうよっ!!」

 

「ダメよ日菜。

如月さんの迷惑にもなるわ」

 

「ええ〜?おねーちゃんと一緒がいい〜!!

ねっ?お願い!!」

 

「……わかったわ…」

 

「え?」

 

「やったあ!!おねーちゃん大好きっ!!」

 

「!日菜!

急に抱きつくのはやめなさいっていつも言っているでしょう!?」

 

すると香澄の方でも

 

「ねぇねぇさーや!

私達も陽菜の家に住んでもいいかなっ?」

 

「う〜ん……ダメとは言わないけど…。

香澄が危ない事しそうで心配だなぁ、って思ってて…」

 

「大丈夫だよっ!

それにみんなで住んだ方が合宿みたいで楽しいよ!きっと!」

 

「合宿かぁ…いいね香澄!」

 

「やったあ!!じゃあ決まり!」

 

「え?」

 

そんな会話を聞いてから他の所も見てみると

 

「合宿って楽しそうねっ!私達もここに住みましょう!」

 

「ちょ、こころ。

決めるのが早いって」

 

「?どうして?みんなきっとここに住むわ!

そうしたら楽しい事がいっぱいできるじゃない!」

 

「それはそうだけど…」

 

「美咲は嫌なの?」

 

「いや、別にわたしは嫌じゃないけど…。

あの、こころ、陽菜さんが…ちょっと…」

 

「なら決まりねっ!ここに住むことにするわ!」

 

「え?ちょ」

 

「すみません陽菜さん…」

 

「いや……別に美咲が悪いわけじゃないんだけど…。

…なんか頭が混乱してきた」

 

「あー…混乱してるところ、悪いんですけど…。

陽菜さん後ろ」

 

「えっ…」

 

指を差された方向へ振り向くとつぐみがいた。

 

「陽菜さん。

私達も住んじゃ…ダメ、ですか?」

 

今住むと言っているのは5バンド全員か……ははは…

 

「うん……もう、いいよ」

 

「!ありがとうございますっ、陽菜さん!」

 

「…ああ…」

 

すると日菜が

 

「じゃあ、ここには26人で住むって事で!

陽菜くん!これからもよろしく!!」

 

「……あの、その前にちょっといいか?」

 

『?』

 

「…みんなはここに住むんだよな?」

 

「うんっ!」

 

「俺はどこに住むんだっけ?」

 

そう聞くと日菜とリサが

 

「どこ、ってここじゃないの?」

 

「も〜陽菜ってば!さっき話し合いで決めたじゃんっ♪」

 

「え?」

 

嘘だろ…

さっきの会話に俺の意思ほとんど入ってなかったぞ…

 

「えっと…つまり、同棲するって事?」

 

「うんっ!」

 

いや元気よく笑顔で返事されてもね?

 

「ちょ、千聖さん?

さっき同棲は絶対にダメって言ってなかったっけ?」

 

「そうは言ったけど…別にあなたと同棲をしている事を周りに話さなければ大丈夫よ」

 

「え?じゃあ千聖さんも入ってしまわれるのですか?」

 

「ええ…。

それとその変な話し方やめてくれるかしら…」

 

「すみません……いやなんで謝ってんだ。

おかしくない?

別にハーレム作りたい訳じゃないんだよ?

ゆっくり寝てゆっくり過ごせればそれでいいんだよ?」

 

「ヒナさん、ハーレム…とは何ですか?」

 

「いや、今それは」

 

「えーっとねっ!

ハーレムって言うのは、陽菜くんの周りに女の子がいっぱい集まって1人ずつ付き合って行くのっ!」

 

「おい待て日菜、それなんか違うし、それだと俺がただのク」

 

「ハルナさん!

ユウジュウフダン、ですよ!!」

 

「ちがーうっ!そうじゃない!」

 

「ハーレムかどうかは置いといて。

悪い気はしているわ、ごめんなさい」

 

「いや待て、謝られたらなんかこっちが悪いみたいになるから。

……とりあえず全員ここに住んでしまうんだな?」

 

『うん!』

 

「はぁ……まぁ、いいや。

中を見てからだな」

 

俺の大事な部屋割りを決めるのは…

 

そう思いながら、家のドアノブを触るとウィンドウが表示され、1000万コルと、みんなが少し払ってくれたにも関わらず、致命傷になりそうな額を支払った。

そして、手元に家の鍵が現れた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

家の中 数分後

 

入ってからすぐにみんなそれぞれ家の中を歩いていった。

 

「にしても…現実世界と家具がほぼ一緒で汚れが一つもないとは…」

 

まぁゲームの中だから出来る事なんだろうけど…

 

そう思っていると

 

「如月さん。

そろそろみんなを集めて部屋割りを決めないと夜になってしまいますよ」

 

「えっ!?もう夕方か」

 

リビングにある大きな窓ガラスを見てみると夕焼けに染まる花が見えた。

 

「メッセージ送って全員呼ぶか」

 

そう言ってから招集メッセージを飛ばした。

そして数分後

 

「…まぁ…わかってたよ、うん」

 

香澄とこころが遅れることは

 

「陽菜さん、香澄とこころなら、今二階で熟睡中です」

 

「嘘ぉ……」

 

「こころが急に『夢の中で香澄と遊んでくるわ!』とか言い出しちゃって…すみません…」

 

「いや、あの2人が遅れるのは、むしろ予定通りだけど…まさか寝てるとは…。

とりあえず部屋割りを決めよう…。

そう、大事な部屋割りを…」

 

「陽兄ぃなんで必死になってるの?」

 

「それは陽菜さんにとって部屋割りは死活問題でしょうから…」

 

「それじゃあ始めるか」

 

そうしてしばらくの話し合いが始まった。

 

「俺は3階か…」

 

そして部屋割りが決まった。

途中何度か、日菜やイヴに部屋を決められかけたがなんとか回避し、少し気になったのでその後に一階を見回った。

 

この家の構造は迷路のようにはなっていないけど、広すぎるな。

花音と燐子が心配だ…

 

そんな事を思いながら3階に上がって、奥にある自分の部屋を見つけたので向かっていると

 

「きゃああーーー!!!」

 

そんな悲鳴が聞こえ、すぐ隣の扉を開けると

 

「どうし…ぐふっ!!」

 

「こっちに来ないでーー!!!」

 

今起きた事を説明すると

扉を開けた瞬間、目の前に何か飛んできて真っ暗になり、そのまま倒れた。

そして、その悲鳴の相手は

 

「あっ!ごめんなさい!大丈夫?」

 

「…千聖、何をしてんだ」

 

「ご、ごめんなさい。

お茶をしていたら、扉に虫みたいな物が見えたから。

それでついビックリしてティーカップを…」

 

「投擲スキルで投げるなよ…。

…それに家の中で虫は出ないから安心しろ」

 

「そうなの…良かった。

それなら安心ね」

 

「まぁ、何もないならそれでいいか。

俺は自分の部屋にすら着いてないからな」

 

「あっ…」

 

その声は、何か思い出したような感じで発せられた。

そして

 

「?どうした?」

 

「いえ…なんでもないわ。

あなたの部屋って、あの一番奥よね?」

 

「そうだけど…どうかしたか?」

 

そう聞くと千聖はドアノブを握ってゆっくり閉め、ほんの少し隙間を開きながら

 

「……頑張って」

 

扉が閉まった。

 

なんか最後、不吉な事言ってた気がするけど…

 

「…気のせいだろ」

 

そう決め込んで部屋に向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

おかしい…

 

まず自分の部屋の前に来てそう思った。

 

「なんで中から声が聞こえるんだ…」

 

そう思ったがここが俺の部屋には変わりがないので、開けることにした。

しかし、やっぱり中には

 

「あっ!やっほ〜陽菜☆

お邪魔してるよ♪」

 

「陽兄ぃお邪魔してます!」

 

「お、お邪魔…してます……」

 

そこにいたのはリサとあこ、燐子だった。

 

「ねぇねぇ!陽兄ぃ陽兄ぃ!」

 

「ん?どうしたあこ」

 

「あのねっ!りんりんがRoseliaの衣装を絵に描いてくれたの!

それでね!この衣装をいつか現実世界で着ようって!!」

 

「…よしよし」

 

そう言ってはしゃぎそうなあこの頭を撫でた。

 

「えへへ、陽兄ぃの手、お父さんみたいっ!」

 

「いや、俺まだ高校生だよ…」

 

そう言ったのだが燐子が

 

「確かに……陽菜さんってお父さんみたいで……どこか安心できます……」

 

「そんな事よりも、なんでここに来てるんだ。

俺の部屋だよなここ……」

 

その質問にリサが

 

「そうだ!忘れるところだった!」

 

「ど、どうした…?」

 

「今日の晩ご飯のメニューを何にしようか、悩んでてさ〜。

それで陽菜の部屋に来たんだけど、なぜかいなくって」

 

「ちょっと一階を見回ってたんだ。

それで、なんでメニューなんて俺に聞く?」

 

「だって陽菜、1年間くらい1人で過ごして来たじゃん?

もしかしたら、自分で料理とかしてたのかなぁーって思ったからここに来たんだ」

 

「う……む…」

 

俺、あの1年間、パンとか店で買える同じ物しか食べてなかったんだよな。

しかも、最近も同じような食べ物しか食べてないからな…

 

そんな味気ない1年間を思い出していると

 

「陽菜さん……もしかして、1年間同じ物しか……食べていないんですか……?」

 

「っ!な、なんでわかった…」

 

「陽菜は顔に出やすいからね〜☆」

 

「うっ……」

 

「じゃあリサ姉!

今日は陽兄ぃの好きな食べ物にしよっ!!」

 

「うんっ♪そうしよっか☆

陽菜の好きな食べ物ってなぁに?」

 

「えっ、と……シチューとか?」

 

「おっけー☆晩ご飯期待してていいよ陽菜っ♪」

 

「あっ…わたしも手伝います……」

 

そう言ってみんな出て行こうとしていた。

そこである事を思い出し

 

「あっ!リサ、料理スキルかなり必要になってくるんじゃないか?」

 

そう言うとリサは振り返って

 

「あっ、それならダイジョーブ☆

昨日、料理スキルコンプリートしたから♪

それじゃ、出来たら呼ぶねっ!」

 

そう言ってリサは扉を閉めた。

 

「…………えっ?」

 

今なんかサラッとすごい事言ってなかったか?

 

そう思って自分の進めていた料理スキルを見ると

 

「…『醤油ラーメンの作製』

……いや、この世界に醤油なんてないけど…」

 

どこの階層にも店には醤油やマヨネーズと言った調味料は売っていなかった。

それなら、作るものだと思ったが、何が素材なのか未知の為作れなかった。

しかし

 

リサはコンプリートしたと……

 

「どんなチートだよ……」

 

そう呆れたような事を呟き、そのまま部屋で装備の見直しを始めた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……っ!なんだ…これ……!」

 

晩ご飯が出来るまでベッドの上で寝そべっていたのだが、ウィンドウを見ていると思わず飛び起きた。

すると

 

「陽菜〜☆ご飯出来た…よ、って!?

まだそんな格好してたの!?」

 

そう言われて自分を見下ろすと、まだ、戦闘の時に着ているコートと剣がある事に気付いた。

 

「えっ…あ、ああ。

すぐに着替えてから行く」

 

「うんっ♪わかった。

冷めないうちに陽菜も早く来てねっ♪」

 

「わかった」

 

そう返すとリサは扉を閉めて行った。

 

「…今は保留だな」

 

そう呟いてから装備ウィンドウを開き、普通の服に着替えて下に降りた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

階段を降りてすぐ目の前にあるリビングに行くと

 

「つぐみ、何してんだ?」

 

目の前で料理を持っているところを見ると、料理を運んでいる事は一目瞭然だが、なぜつぐみが食べていないのか気になり聞くと

 

「あっ!陽菜さん、すみませんもうちょっとで運び終わるので」

 

「……つぐみは作るのにも手伝ってたのか?」

 

「えっ、と…はい」

 

「じゃあ、後の料理は俺が運ぶから、つぐみは食べてこい」

 

「えっ!?でも、晩ご飯は陽菜さんの好きな食べ物なんじゃ…」

 

「いいよ、それにもうちょっとで運び終わるなら、俺1人で充分だ」

 

「それじゃあ、2人で運んだ方が私も陽菜さんも早く食べられますから、2人で運びましょうっ」

 

「…それもそうだな。

2人で運ぶか」

 

「じゃあ陽菜さんはそっちの料理をお願いします」

 

「ああ」

 

そう言って最後の二つの料理、チーズダッカルビとグラタンを持って行った。

 

「チーズ系が多い気がするけど、材料はどこで取ってきたんだ?」

 

「確か、第二層だったと思いますよ。

あこちゃんと紗夜さんが一緒について来てくれて」

 

「……変な奴には会わなかったか?」

 

「?別に…会いませんでしたよ?

どうしてですか?」

 

「…いや、もし変な奴に会ってたらどうしようかと思っただけだよ」

 

「ふふっ、陽菜さんって本当に父親みたいですね」

 

「やめてくれ、俺まだ高校生だぞ…」

 

そんな会話をしていると部屋に着き、だだっ広いリビングの真ん中にある大きな机の上に料理を置いた。

 

「俺で最後だったか」

 

すると香澄が

 

「みんな揃ったし、いただきますっ!!」

 

「ちょ、早えよ香澄!」

 

「まぁまぁ有咲落ち着いて、みんなでいただきますしよ?

それじゃ、いただきます」

 

『いただきます!』

 

そして豪華な料理をみんな美味しそうに食べていった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして全員食べ終わった。

 

「ご飯美味しかったね!イヴちゃん」

 

「はいっ!

特にリサさんのシチュー美味しかったですっ!」

 

「あははっ♪ありがとイヴ☆

明日のご飯も楽しみにしてていいよっ♪」

 

「はいっ!」

 

するとリサが食器を持って行こうとしていたので

 

「俺も手伝う」

 

「あっ、ありがとっ♪」

 

そして、キッチンに食器を持って向かっている最中の廊下で

 

「なんか、大家族みたいだったな…」

 

「あはは☆確かに、大家族って感じするね。

料理の量も多くしておいて良かったね、陽菜っ!」

 

「そうだな。

じゃないと危うくシチュー食べられないとこだった…」

 

「そうだっ!あのシチュー美味しかった?」

 

「ああ、ビックリするくらい美味しかった。

明日の料理も楽しみにしてるけど…」

 

「けど?」

 

そしてキッチンにつき、食器を置いてから

 

「あんまり1人で無理はしない事だぞリサ」

 

「それ、陽菜が言う?」

 

「うっ…」

 

「あはは☆

でも、心配してくれてありがとっ♪」

 

「いやいや。

…そういえば、醤油って作れるのか?」

 

「うん、作れるよ?」

 

「また今度教えてくれるか?」

 

「うんっ!もちろんっ♪」

 

「ありがとう。

それじゃ、後片付けは俺がやっておくから、リサはもう寝ててもいいぞ」

 

「えっ!?いいよアタシもやるってば」

 

「いやいや、リサは今日色々やってくれただろ?

料理もそうだけど、みんな呼びに行ったり、つぐみと料理を運んだり」

 

「!陽菜…気づいてたの?」

 

「逆に気づかないとでも?」

 

「あ、あはは…。

それじゃあお願い、しようかなっ♪」

 

「ああ、今日はゆっくり休んでおけ」

 

「うんっ♪ありがとね陽菜!」

 

そう言ってリサは階段を登って行った。

そして、皿洗いを始めようとすると

 

「あれ、陽菜さん?」

 

「ああ、つぐみと沙綾か。

2人もみんなを落ち着かせるの大変だったろうから、もう上に行って休んでいいぞ」

 

「えっ!でも、その食器の量結構ありますよ?」

 

「大丈夫だ、こういう作業は慣れてる。

それに今日は何も手伝ってなかったから、俺がやるよ」

 

するとつぐみと沙綾が少し悩んでから彩綾が

 

「…わかりました。

陽菜さんも早く寝てくださいね?」

 

「わかった。

それじゃ、おやすみ」

 

「はい、おやすみなさい」

 

「おやすみなさい」

 

そう言って2人もリサと同じように階段を登って行った。

 

「さて、やるか…」

 

それから、10分ほど経ち、ようやく後片付けが終わった。

 

「……今は」

 

何時だろうか

 

そう思ってウィンドウを開くともう23時だった。

 

「………」

 

そして家から何の音も聞こえなくなった事を確認して、外に出た。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第50層

 

「………」

 

壁の裏に誰かが来たのを感じた。

 

「…………どうゾ」

 

「…ラフコフはもう全滅したんだよな」

 

「…いいヤ。

まだ、かろうじて生き残っている奴らはいル」

 

「その中にヤツは含まれるか?」

 

「…残念ながら、ナ。

アイツは未だに健在な上に所在がつかめていなイ」

 

「……わかった。

それじゃあ、もう一つ」

 

「?」

 

「プレイヤーホームの中には、絶対に他プレイヤーは入れない。

って事でいいのか?」

 

「?あア、その認識で間違いなイ。

ただし、他プレイヤーが入れる方法は一つだけあル」

 

「!それは?」

 

「そのプレイヤーホームに1番お金を多く払った人がその家に入れられる人数、また、性別を決められル。

だからその人が入家許可を出したら他プレイヤーは入れル」

 

「……なるほどな。

ありがとう、助かった…」

 

「…陽坊、次アイツに会ったら逃げろヨ…」

 

「……」

 

黙ってそのまま3000コル支払った。

そして転移門に入り

 

「…フローリア…」

 

そう呟くような声量で言った。




ヘイヘイやってくぞい!

kuronosu127様 九澄大牙様
アーペ様 Bacon0112様
瑠璃ぃぃぃ様 黒夜様 関飛様

あと1人名前が見えないんです。
今2人ほど名前が見えません…
あれかな?シャイなのかな?

ではこちらもどうぞ

九澄大牙様

小説投稿している方でございます。
そして、投稿遅れてすみません。
頭痛で1日休んでしまいました。

ではまた会えるかな?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。