退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ......   作:haru亜

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第12話 新たな挑戦のゆく先は

スタジオ 練習

 

いつも通りメンバーのアレンジを加えた練習をし、いつも通り片付けをしている時、友希那が何か考えていた。

それを見て首を突っ込まないように、と思っていると

 

「……ねぇ、あなた達。

今のRoseliaは本当にこれで良いのかしら」

 

これまた唐突な発言。

 

「?それはどういった意味でしょうか?」

 

紗夜が聞くと

 

「今のRoseliaは頂点を探している状態よ。

頂点とは何か。

それを探す為に、同じ事を繰り返しても意味が無いんじゃないかしら」

 

「…つまり、今の私達には新しい挑戦が必要。

…という事ですか?」

 

「ええ」

 

その会話を聞いていると2人はこちらを見た。

 

(あー…嫌な予感…)

 

「如月。

何か、新しい事はあるかしら?」

 

「…あるにはあるけど……」

 

「けど?」

 

「うむ……なんていうか…。

今のRoseliaじゃ無理なんだよ」

 

そう言うのには理由があったが、リサが

 

「い、今のRoseliaじゃ無理、ってどういう事?」

 

「あー…っと、とりあえず、先に片付けを終わらすぞ」

 

『???』

 

〜〜数分後〜〜

 

「それで、今のRoseliaでは無理。

とは、一体どういう事ですか?」

 

楽屋から出ると紗夜に聞かれた。

 

「俺が言ったらダメというかなんというか…。

とにかく、説明しにくいんだよなぁ…」

 

「?意味がわかりません。

ちゃんと順を追って説明してください」

 

「はぁ……仕方ない。

明日は俺の行きつけだった場所にみんなで行くから、準備しといてくれ」

 

「……行きつけ。

そこに行けば、私達が納得する理由があるの?」

 

「…捉えようによってはな」

 

「今のRoseliaが成長するのなら、それは良い案だと思うわ」

 

「…そうか。

じゃあ、明日決定で。

俺はもう帰る」

 

そして今日はそのまま解散した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はぁ……」

 

風呂から上がり、ご飯も食べた俺は、自室に着くなりため息を吐いた。

 

(フェスで優勝する。

それは、技術、挫折、不朽の心、一心不乱に物事を成す力。

他にも色々とあるが、その中でも1番に大切にしないといけないものがある。

それは…)

 

ベッドに倒れ込むと同時に考えるのをやめた。

 

「……はぁ……」

 

2回目のため息を吐いた後、眠りに落ちた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

 

「……」

 

(如月が行きつけだった場所。

それは、おそらくライブハウス。

それも、フェスで如月達が力を付けた場所でもある)

 

「…でも…」

 

今日の『今のRoseliaじゃ無理だ』という如月の言葉が頭から離れない。

一体何が無理なのか、そんな疑問を持つ。

 

(…いえ、今考えても仕方ないわ。

明日になれば、如月はわかると言っていたのだから、明日に)

 

すると電話が鳴った。

 

「?もしもし?」

 

『あっ、もしもし友希那?』

 

電話からは幼馴染の声が聞こえた。

 

「リサ?

こんな時間にどうしたの?」

 

『や、別に特別な事は何も無いんだけど…。

ちょっと友希那に聞きたい事があってさ』

 

「聞きたい事?」

 

『うん。

今のアタシ達が頂点を探してる、っていう事についてなんだけど…』

 

「?ええ」

 

『もしかしたら、陽菜はこの事、頂点について知ってるんじゃないかな?』

 

「!…どうしてそう思うの?」

 

『これはアタシの勘だけどね。

陽菜っていつも隠し事するでしょ?』

 

「ええ、するわね」

 

すぐに答えた。

 

『あはは…。

それで、陽菜はまだアタシ達に言ってない事があると思うんだよね…。

多分、すごく大事なこと』

 

大事なこと、そう言われて少し考え

 

「……なら、どうして如月はそれを言わないのかしら?」

 

『多分…陽菜は自分から言えないんだよ。

何を隠してるのかはわからない。

でも、陽菜が隠してる事は、アタシ達が自分自身で気づかないといけない事なんだとアタシは思う』

 

「…そう…」

 

(如月ならそこまで考えるかもしれないわね…)

 

『?友希那?』

 

「どうしたの?」

 

『ん?なんか元気無さそうだったから…大丈夫?』

 

「少し考えてただけよ。

それより、もう寝るわ。

おやすみなさい」

 

『うんっ、おやすみ☆

また明日♪』

 

そして通話を切った後に私はベッドで眠った。

 

 

 

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リサ side 〜〜翌日〜〜

 

「……」

 

陽菜の行きつけに向かっている。

どんな場所なのか、気にもなったけど、それよりも気になっている事があった。

 

「も〜、どうしたの?

ずっと難しい顔してるよ?」

 

「……」

 

(?気づいてない…のかな?)

 

「はーるなっ」

 

「……えっ?あ、ああ。

俺か…」

 

名前を呼ぶと反応した。

すると陽菜は薄暗い路地裏に入ってから

 

「別に…ちょっと考え事してただけだ。

それより、もうすぐ着くぞ」

 

そう言うと陽菜は、建物のドアに何か番号を入れた後、ピーという電子音と共にドアが開き、地下へと続く階段を降りようとした。

 

「えっ!?は、陽菜?」

 

「?どうした?」

 

「その〜…この暗い階段を降りるの?」

 

「そうだけど…どうかしたか?」

 

「えっ!?ううん!なんでもないよ!?

ただ、こういう場所って…ほら、アレじゃん?」

 

アレ、で伝わって欲しかったけど、陽菜には伝わらないようで

 

「?まぁ心配するな。

一応、懐中電灯は持ってきた」

 

(懐中電灯に一体なんの期待を寄せてるの!?)

 

「あっ、燐子とか大丈夫か?」

 

「み、みんなと一緒なら……大丈夫です……」

 

「ん、わかった。

あ、後、みんなは中に入ったら、絶対に俺から離れるなよ」

 

「?どうしてですか?」

 

「離れたらいつの間にか消えるから」

 

『えっ…?』

 

「それじゃあ行くか」

 

「ま、待ってよ陽菜〜!」

 

そしてそのまま陽菜は地下へと入って行った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

地下 ライブハウス前

 

ここに降りてから、怖くてずっと左にある信頼できる腕をギュッと掴んでいる。

 

「はぁ…燐子はともかく、リサまで怖いとは…」

 

同じく燐子も陽菜の左腕をアタシより強く抱きしめている。

 

「だ、だって〜…!

来る途中に何度も何度も変なうめき声聞こえたし…」

 

(ていうか、どこからあんな声聞こえたんだろ…))

 

そう思っていると

 

「…お化けっていたら面白いだろ。

壁のすり抜けとか登下校中めっちゃ便利そう」

 

「関西弁って事は本気で言ってるね…陽菜」

 

「そんな事より早く離れてくれ…。

歩きにくい」

 

陽菜にキッパリと言われて、小さく頷いた。

 

「じゃあ、今から中に入るけど、()()()()()を見失うなよ」

 

『?』

 

「…さてと、入るか」

 

陽菜は独り言を呟きながらもドアを開けた。

すると

 

『ワアアアアアアアアアアア!!!!!』

 

爆弾が爆発したような観客の声がビリビリと伝わってきた。

アタシ達は反応で思わず耳を塞いだけど、陽菜は耳を塞ぎ込もうとはしなかった。

 

「っ…。

陽菜ー!!なんでここにー!?」

 

大きな声で言っても、ほとんど音で掻き消される。

すると陽菜は

 

「ここでライブをしてもらう!

そしたら、俺がなんであんな事言ったのか、理由もわかる!」

 

(陽菜の言った理由…)

 

そしてしばらく経つと演奏が終わり、陽菜はどこかに向かおうとした。

けど

 

『!!』

 

「……」

 

目の前に、これまた屈強な男達が道を阻んでいる。

タトゥーやらピアスやらサングラスやら……。

もう見た目は完全にヤクザである。

 

(な、なんかヤバそうな感じが…!

燐子もあこも震えてるし…)

 

そう思っているとその中のリーダーと思わしき人物が来た。

 

「おう」

 

身長がかなり大きいその男は、低い声で一言そう言った。

 

「ん」

 

陽菜がそう返した。

 

(返事の仕方っ!!)

 

心の中でツッコミを入れると同時に、その男はアタシ達を見て

 

「おい」

 

「は、はいっ!」

 

テンパってしまい、つい返事をした。

すると

 

「嬢ちゃん達…。

こいつの知り合いか?」

 

「え!?あ、はい!」

 

「…そうか」

 

するとその人はアタシ達をジロジロと見始めた。

 

(どうしたんだろ…。

何かマズイことでもしたのかなぁ…)

 

そう思っていると陽菜が

 

「はぁ…。

おい、オッサン。

あんまり怖がらせるな」

 

(もうやだ…。

陽菜はなんで怖がってないの!?)

 

そう思いながらも、見守っている。

すると

 

「おっと、すまねぇ。

それで如月さんよ、この子らがRoseliaかい?」

 

まるでアタシ達の事を知っているかのような話し方だった。

 

「そうだ。

とりあえず、ここで一曲やってもらう」

 

「…見たところ、まだひよっこ、ですぜ」

 

「…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

陽菜が一体何の話をしているのか、わからなかった。

すると陽菜は

 

「ああ、それと。

()()()、人取るなよ?」

 

(人?)

 

陽菜がそう言うと、その大柄の男はガハハと笑い

 

「そりゃあん時だけですぜ。

まぁ…。

俺以外に取られないように気ぃつけてくれや」

 

「……」

 

「っ!」

 

一瞬、男の目が本気だった事に少し鳥肌がたった。

そしてそのまま陽菜から離れず、楽屋へと向かった。

 

 

 

 

リサ side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

楽屋に到着するや否や

 

「「「はぁ〜…」」」

 

リサと燐子、あこがそんな声を漏らした。

 

「そんなに疲れたか?」

 

そう聞くとリサが若干涙目になりながら

 

「も〜〜、めちゃくちゃ怖かったよっ!」

 

「はは…。

あこも燐子も、大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫じゃないよ〜…」

 

「…あんなに人がたくさん……こわい…」

 

2人は相当、疲れたようだ。

すると

 

「聞きたい事は色々とありますが…。

私達はここで一曲、やれば良いんですか?」

 

「そうだ」

 

紗夜にそう返すと今度は友希那が

 

「それで、少し聞こえたのだけれど。

()()()()()()とはどういう意味かしら?」

 

「それはこの会場にいる観客と演奏者のほとんどが、FUTURE WORLD FES,に出た事がある奴らなんだ」

 

『っ!!』

 

「えっ、それじゃあ、さっき盛り上がってたのは相当上手いバンドって事?」

 

リサがそう言った。

 

「それは仕方ない。

だって、さっきのバンドは未だ破られない最高記録を出した、フェスの()()()だからな」

 

『!!!』

 

その言葉はRoseliaにとって、超えなければいけない者との対峙でもあった。

 

「それでもやるか?」

 

その言葉に友希那は

 

「やるわ。

誰が相手だって、私達は私達の全力を尽くす」

 

「……そうか」

 

そうしてRoseliaはこの後、ライブを行った。

そしてその結末が()()()()()を予測したのは、皮肉ながらも

 

俺だった。




今回…かなり短めです!

誤字、脱字、よければ感想、評価などよろしくお願いします♪( ´▽`)



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