退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ......   作:haru亜

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オマケ
フカ次郎カッコカワユス


第5話 今こうして生きてる

数日後

 

学校に来たのはいいが…

リサから聞いた話によると今、学校中で俺と犯人とのいざこざが噂になって広まっているらしい。

 

なんで広まったか聞くと、通りすがりの男子生徒達がそのやり取りを見ていて、その話が動画付きで説明したらみんな信じてしまった。

という事だと……

 

「はぁ、俺の平穏な日々はどこに行ったんだろうなぁ」

 

そして教室に着きドアを開けると

やはりザワザワしていた。

 

あ、あれが動画に映ってた子だよね。

 

うんうん、あの子が犯人に刺されたっていう子だよ。

 

スゲーよな、殺人鬼と戦うとか

 

そうだよね、僕じゃ考えられないよ…

 

などと噂をそれぞれ口にしているが無視した。

ていうか、動画撮ってる暇があったら警察呼べよ

 

俺刺されたからな?

そう考えてから廊下を歩いていたら友希那がいて目が合った瞬間

 

「っ!……………」

 

逃げられた

 

「えちょっ!?なんで!?」

 

何かしたっけなぁ

いや、今回は俺、身に覚えがない。

 

あるのは刺された記憶と友希那を突き放した記憶だけだな。

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り、急いで戻った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして昼休み

やはり俺の安らぐ場所は校舎裏である。

 

「さて、食うか」

 

そう言って弁当を開け、食べようとすると誰かが近づいてきていた。

近づいてくるのを待っていると、相手の影は見えるが近づいて来ない。

気になって覗くと

 

「友希那?」

 

「っ!………」

 

「いやいや、ちょっと待て」

 

逃げられそうだったので引き止めた。

何か困ったような顔をして

 

「………」

 

「はぁ、ここに来たって事は俺に何か用があったんじゃないのか?」

 

「………っ」

 

すると何か少し迷いながら

 

「……この間は私のわがままであんな事になってしまって、ごめんなさい…。

私が……無理にあなた達を付き合わせたから……それにあなたには、一生消えない傷を残してしまったわ。だから、本当にごめんなさい」

 

そう言って友希那は深々と頭を下げた。

それを聞いた俺は

 

「……あの時友希那は『どうしても無理なら来なくてもいい』って言った。それに勝手について行くって決めたのは俺だから。

それと練習時間を確かめなかった俺が悪いしな」

 

「それでもっ!あなたは……死にかけたのよ……」

 

 

「それでも結果的にこうやって普通の生活に戻れたんだ、だからあんまり気にするな。

それに今こうして友希那と話ができるのは今こうして生きているからな」

 

「っ!あなたはそれでいいの?私にも非があるというのに…」

 

「えっとなぁ友希那。

俺はあの時、友希那達の演奏が聴きたくて、見たくて、楽しい時間を過ごしたくて、ついて行ったのかもしれないしな」

 

すると少し驚いて何か悲しい目をした後、微笑みながら友希那は

 

「…あなたの意思が聞けてよかったわ。

ありがとう、如月」

 

「ああ、どういたしまして」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして俺と友希那はここで食べる事になり、食べ終わった時にある事を思い出した。

 

「そういえば...俺が救急車で運ばれてる時に誰かが隣で泣きながら手を握ってた気がするんだよなぁ、友希那何か知らないか?」

 

すると友希那は顔を赤く染め、耳まで赤くなっていた。

 

「?友希那?どうかしたか?」

 

「い、いえ…なんでもないわ」

 

「?」

 

「…そろそろ教室に戻るわ」

 

「えっ、あーうんわかった。

じゃあ放課後」

 

「ええ」

 

どうしたんだ?さっきの友希那。でも、まぁ

たまには誰かと一緒に食べるのも悪くないな

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後

 

俺は一足先にスタジオへ向かった。

すると受付の人が

 

 

「あれ?あなたは確かRoseliaといつも一緒にいる人ですよね?」

 

「ええ、そうですけど、どうかしましたか?」

 

「この近日またライブをしようと思うのですが、その時にぜひRoseliaの皆さんに出ていただきたくて、色んなところのライターさん達が来るみたいですし、Roseliaの事を広めるチャンスですよっ!それにRoseliaならPVトップも狙えるかもしれませんよ?」

 

「ああ、あのライブですか…そうかじゃあ…

まぁ、みんなと相談してからにします」

 

「そうですか…わかりました。

どうぞDスタジオの鍵です」

 

「ありがとうございます」

 

そう言ってスタジオに入り一人で考え事をした。

一足先に来たのは遅刻せずにゆっくり考えられる場所がスタジオだったからだ。

 

そんな事を思っているといつものメンバーがきたので、何も考えられないまま、ライブの話をして出場が決定したところで練習が始まった。

 

そして練習演奏が終わった。

すると

 

「ねぇねぇリサ姉っ!今日の練習いつもよりうまくできたんじゃない?」

 

「あ、それアタシもおもった。特に最後の曲とか今までで、1番良かった。ねっ、燐子!」

 

「う、うん…私も、うまく、弾けたと思い…ます……」

 

「よ〜しっ、次のライブも決まってることだし、この調子で、」

 

それを見ていた紗夜と友希那は

 

「この程度で、満足しないでください。

改善点はあるんだから」

 

「そうね、紗夜の言う通りだわ」

 

「ちょっと二人とも〜、今のはこの調子で頑張ろーって、いう流れでしょ?」

 

そしてそれを見ていた俺は

 

「…それで、次のライブでの曲は何にする?

Roseliaが演奏できるのはせいぜい3曲までだけど…」

 

するとあこが

 

「はいは〜い、あこはそろそろ新曲が演りたいですっ!」

 

「新曲…」

 

「あ、それいいんじゃない?最近のライブは同じ曲だったし」

 

すると紗夜が

 

「でも、ライブまで後2週間しかありません。

今から新曲を創って、練習しても未熟なままでは意味がないのはわかってますか?」

 

「でもでも、いっぱ〜い練習すれば、ライブには間に合うと思いますっ!」

 

少し長くなりそうだったので

 

「まぁ、とりあえず。明日それぞれでセットリストを考える、って事でいいか?」

 

「ええ、わかったわ」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

昼休みになってセットリストを少し考えていた。

今あるのは確か…BLACK SHOUT、Re:birth day、熱色スターマイン、-HEROIC ADVENT-、ONENNES、それと軌跡

 

「どれにしようか。

BLACKとリバディ、それにONENNESがいいかなぁ…。

………自分で言い出したけど、これ結構難しいな。

でも、ずっと同じテンションだったら、観客が…」

 

「…何を一人でぶつぶつ言ってるのかしら」

 

「っ!?」

 

そこにいたのは友希那であった。

 

「……びっくりしすぎて、いま声出なかったぞ」

 

「…それで何を一人でぶつぶつ言ってたのかしら」

 

スルーですかそうですか

 

「いや、実は次のライブのセットリストを考えてたんだけど、これがなかなか決められん」

 

「……その事だけど、今日の練習で聴いて欲しい曲があるの」

 

「聴いて欲しい曲?」

 

「ええ、そうよ。昨日見つけたの」

 

「…友希那が選んだならその曲で問題ないと思うけど、それってカバーするって事か?」

 

「いいえ……カバーするかどうかは…まだ、決めてない」

 

「…そうか。まぁ、どちらにせよ今日の放課後だな」

 

「ええ、でもちゃんとセットリストは考えておいて」

 

「おー、ちゃんと考えとくよ」

 

「そう、それじゃ」

 

 

 

 

 

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放課後

みんなのセットリストは最初の2曲は満場一致となり、みんなでラストの曲を考える事になった。

 

友希那が放課後に聴いて欲しいと言っていた事を思い出し

 

「そういえば友希那、聴いて欲しい曲ってなんだ?」

 

「えっ?」

 

「ほら、昼休みに言ってた」

 

「……そうね…みんな、ちょっと聴いて欲しい曲があるの」

 

そう言って友希那はカセットテープを入れ、スイッチを押した。

曲が流れた瞬間に俺は少し考えた。

 

この曲をRoseliaが演奏したらかなりいい。

それにこの曲なら、最後に持ってきたら、ちょうどセットリストが完成する。

 

現段階ではこれを含む3曲が最高のセットリストだろうな。

そんな事を考え、曲をしばらく聴き、曲が終わった。

 

「………カッコ、イイ…今の、すっごいかっこいいよっ!!

ね、りんりんっ!!」

 

「………うん、すごく………ステキな、曲だった」

 

「今のは、最後の曲にぴったりなんじゃないか?」

 

そう聞くと友希那の様子がおかしかった。

すると紗夜が

 

「確かに今の曲はかっこいいと思うけれど、一体誰がこの曲を…」

 

「それは…」

 

「ねぇ友希那、もしかしてだけど今の曲って」

 

「……いえ、やっぱりこの曲は今のレベルに見合わない。

無駄な時間を取らせてしまってごめんなさい。

今のは忘れて、セットリストを考え直しましょう」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

そして、また、セットリストを明日までに考える事になった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして帰っていると友希那らしき人が見え、思い出したこともあったので

 

「おーい!友希那ー!」

 

「如月?どうしたの?」

 

「帰る途中でいたから、それにちょうどよかった」

 

「?どういう事?」

 

「…なぁ友希那…さっきの曲ってもしかして10年くらい前にできた。

『LOUDER』じゃないのか?」

 

「っ!!どうしてあなたがそのことを?」

 

「えーっとな、俺がバンドを組む前に趣味で昔の音楽を聴くことがあってその時聴いてたのがあの曲で、数少ない音楽に対する純粋な思いがあって、よく覚えてる」

 

「……そう。

ならやっぱり私には…」

 

「?どういう事だ?」

 

そして何かを決めたように話し出した。

 

「……如月には話しておくわ。

これはリサも知っているけど、あの曲は私のお父さんの曲なの。

あれは私の父がインディーズ時代、それも父がまだ音楽を楽しんでいた頃に創った曲…」

 

「……まぁ、色々聞きたいが…なんであんな『今のレベルに見合わない』なんて言ったんだ?」

 

「……それは、あなたがさっき言ってた音楽に対する純粋な思いを、

私の歌声にのせて歌える自信がないから……」

 

「歌いたいなら歌えばいい。

友希那自身も歌いたいと思ってるんじゃないんか?」

 

「で、でも…」

 

「その思いが今の友希那の音楽に対する思いなんだったらそれをのせて歌えばいい」

 

「私が未熟でも………?」

 

「ああ、それに完璧じゃないと演奏してはいけない音楽なんて絶対にない。

それに友希那がそんだけ技術とか精神的に未熟さを感じてるなら……それは友希那が音楽に対する思いがかなり純粋なものだと、俺は思うけどな」

 

「……!」

 

「それに…真似するだけじゃダメだからな……。

もう夜も遅いから気をつけて帰れよ」

 

「……ありがとう如月」

 

友希那は微笑みながら言った。

 

「ああ、ライブ期待しとくよ」

 

いつか友希那には話さないとな…そう思いながらも言った。

 

「ええ、期待以上の演奏をするわ」

 

そしてそのまま友希那と別れて家に帰った。

 

 

 

 

 

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そして3日後

 

友希那はみんなに曲の事を話し、演奏が決定した。

いつも通り授業が始まり時間が過ぎていった。

 

退屈になりそうだ。

しかし、後5分乗り切ればなんとか昼休みになる。

 

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴りいつもの場所へ向かった。

 

「暇だなぁ……ライブまだかなぁ、後5日とか暇すぎてつらいなぁ…

早く放課後ならないかなぁ…」

 

「また、独り言を言ってる…」

 

「ウワァっ!!」

 

今度は声が出た。

少し微笑みながら友希那は

 

「今度は、声が出たわね」

 

「俺の独り言は是非無視してくれ、ていうか何しに来たんだ?」

 

「…この前は、その…本当にありがとう……あなたはいつも私達をよく見てくれてる事がよくわかったわ。

私の音楽に対する思いも知ってくれてたから」

 

「…いいよ、別に」

 

「実は昨日、お父さんにも同じ事を言われたの。『今持っている思いを歌声にのせればいい』って…そういえば如月は私のお父さんにどこか似ているわね…」

 

「あの曲を創った人に似ているのは、嬉しい事だな」

 

「それで話は変わるのだけど…あなたはボーカルをしてたのよね?」

 

「うん」

 

「それって今も歌えるの?」

 

「う〜ん、解散して以来1回も歌ってないからな、わからん」

 

「そう、少しあなたの歌声が気になったのだけど…まぁいいわ」

 

「?そうか」

 

すると友希那の携帯が鳴り、誰かから連絡がきたようだ

[ねぇ、友希那いまどこー?友希那どこにもいないんだけど、教室で待ってるからね〜]

 

「……リサが呼んでるから行ってくるわ」

 

そう言って友希那は立ち去っていった。

 

 

 

 

 

 

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放課後

今日は別の用事で先にスタジオへ来た。

 

「さてと、ちょっとだけ歌ってみるか...」

 

約5年ぶりに歌うから、技術的にもかなり下手になってるだろうな

そう思いどれを歌うか悩んでから、少しだけ歌うことにした。

 

曲はBLACK SHOUT 時間的に考えて一曲歌えるかどうかか…

とりあえず俺は歌ってみた。

 

すると久しぶりだったが懐かしい、あの時に戻ったかのような。

こんなに楽しいと思ったのは5年ぶりだなホント

そうして歌い終わった。

 

「…まぁ、5年も経てばこんなもんか。

やっぱり、なまってんな……ま、しょうがないか」

 

そう言い時間を見るといつも友希那達が到着する時間だった。

にしても、結構集中してやったな。

そう思い、入り口を見ると

 

「「「「「……………」」」」」

 

「ッ!?」

 

「「「「「……………」」」」」

 

友希那達がいた。

 

「あ、あの〜、いつからそこに?」

 

「そうね、あなたがちょうど歌っていたAメロのサビの部分からずっといたわね」

 

「私が来た時は湊さんと今井さんが先に着いていました」

 

「アタシは友希那といっしょにいたよ〜」

 

「あことりんりんはBメロの最初を陽兄ぃが歌ってる時に着いたよ」

 

「……わ、私も…あこちゃんと、一緒に…いましたから…」

 

「……てことは、みんなさっきの聴いてた…のか…」

 

久しぶりにヘコんだな

ていうか、過去最大にヘコんだ

すると友希那とリサが

 

「でも……あなたの歌声、悪くなかったわ」

 

「だよね〜私もそう思ったよ♪」

 

「流石、FUTURE WORLD FESに出場しただけの事はあるわね」

 

「それはもう5年前のことだから」

 

するとあこと燐子そして紗夜も

 

「……は、陽菜さん、の歌声…とても、力強くてカッコ良かったです……」

 

「だよねだよねっ!あこもカッコいいと思ったもんっ!」

 

「確かに如月さんの歌声はかなり良かったです。正直、想像以上でした」

 

「……と、とりあえず、みんな練習、頑張って…」

 

そう言っていつも見ている所にいった。

 

にしても、人に見られるってこんなに恥ずかしかったっけ?

いやーもう本当恥っずかしいなぁ

 

そんな事を考えつつ、練習を見ていた。

みんな課題をやっているから前よりも上手くなっていってる。

最初に比べて『音』が良くなっていた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

練習後

 

いつも通りの時間に終わり、帰ろうとした。

すると向こうから1人の男が来た。

その顔を見て驚きと罪悪感がこみ上げて来た。

 

「っ!!!」

 

相手も気づいたようだ。

 

「っ!お前もしかして…陽菜、か?」

 

「なん...でここに、お前、が…」

 

目の前に現れたのは

 

「どうしてここにお前がいるんだ…カイト」

 

俺が5年前に組んでいた元バンドメンバーだった。

 




今思えば主人公の昔の仲間たちの名前出てませんでしたね...
話は変わりますが、お気に入りしてくれた方を紹介しますね。

ユダキ様 勇気ブレイブ様 天駆けるほっしー様 貧弱様

お気に入り登録ありがとうございます。
そこんとこはゴミを見るような温かい目でお願いします。

オマケ
なんで風呂入ってる時にカップラーメンにお湯入れるかなぁ

次回予告

ライブ対決


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