退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ......   作:haru亜

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すいません、バンドリのイベントしてて書くのが遅れてしまいましたが、なんとか完成しました。
楽しみにしてくださってた方には申し訳ない。
今回は前書きが少ないですがお気になさらず。

オマケ
今回は結構、いろんな人が出てきます。はい


第6話 ライブ対決

「なんでここにいるんだ、カイト…」

 

「……俺はここでやるライブに出るからその下見に来ただけや

別にお前に用なんかないわ」

 

「ライブ!?お前あの後解散して、またどこかに入ったのか?」

 

「…そうか…そういえばそうやったな、お前には話してなかったんやけど俺らあの解散した後にもう一回新しい5人で結成したんや、『次こそは失敗しないようにって』」

 

「っ!」

 

すると後ろから

 

「…それは最初から如月を外すために解散した。という事かしら」

 

そう言ってくれたのは友希那だった。

 

「はぁ?こいつを外すつもりやったらFUTURE WORLD FES,に一緒に出えへんわ。

ていうか誰やあんた?」

 

「…湊 友希那よ」

 

「友希那?ああ、あのプロ顔負けって言うバンドの一人か…名前だけ聞いた事あるけど…」

 

「それよりもどうして、如月を外したの?」

 

「…こいつは解散した後、すぐに連絡が途絶えて学校であっても、『もう、歌を歌わない』とか言い出してな。だから外した」

 

「それはあなた達のリーダーが『もうお互い干渉しないようにしよう』と言ったからその時、如月もそういう態度を取ったのじゃないかしら?」

 

「!……なるほどなぁ、もうお前がここまで気を許してるとはな…」

 

するとカイトはニヤッと笑い

 

「次のライブで俺らと勝負せえへんか?なんか雑誌記者も来るみたいやし、その雑誌に載ってた方が勝ちって事で」

 

「勝手な事を言わないでもらえるかしら。

私たちは雑誌に載ることなんて興味ないわ」

 

「それやったらこのライブ対決で俺らが雑誌に載ったら陽菜には今の俺らのバンドに入ってきてもらう。

それでもいいんやったらこの勝負受けんでええぞ」

 

「!それはダメ、如月は裏で私達を支えてくれていて私たちのことを良く見てくれている。

だから彼を渡す事は出来ない」

 

「やったら尚更ライブ対決を受けるべきや、受けへんかったら今、如月には俺らのバンドに入ってもらう」

 

そんな案に友希那が賛成する訳がない

そう思っていると

 

「………わかったわ」

 

っ!?

 

「よしっ!じゃあ二日後のライブ対決、楽しみにしてるわ」

 

そう言ってカイトは帰っていった。

しかし、あいつは『もう一回結成した』と言ってた。

なら当然他の奴らも…でも、ボーカルは一体誰が…

そんな事を考えていると

 

「……ねぇ陽菜?今の人が陽菜の昔のバンド仲間って事………?」

 

リサが聞いてきた。

 

「………まぁ、そう言うことになるかな」

 

するとなぜかみんながしばらく沈黙していた。

 

「どうかしたか?」

 

「…大丈夫?陽菜、辛くなってない?」

 

「……どうだろうな…まだ自分の気持ちがよくわかってない。

この気持ちが辛いと言うのか、それすら分からない…」

 

そして紗夜が聞いてきた

 

「さっきの人、もしかしたら如月さんがここにいる事知ってたんじゃありませんか?」

 

「えっ!?」

 

「あの人が言ってた『目的』は如月さんの下見に来た、そう言うことでしょう。ただ私たちのことは知らなかったようですが」

 

「……とりあえず今日はこれで解散にしよう。

ライブまであと2日しかないからな」

 

そう言って俺は先に帰って行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

そして翌日

俺はいつもの所に行って昼食を済ませようとしていた。

 

「今日はサンドイッチじゃないのか、珍しいな」

 

すると弁当と一緒に手紙が入っていた。

内容は、『なんか最近楽しそうだから普通の弁当にしとくね〜』

と言うものだった。

意味わからん上に、一体どうやって反応すればいいんだか…

そしてしばらくして弁当を食べ終わると

…ふとこう思った。

 

「……にしても…また、あいつらに会うとか思いもしなかったからなぁ…」

 

「会えて嬉しかったの?」

 

「まぁ、多分、そうなんだと思うけ…どっ!?」

 

俺の独り言を聞いていたのはいつもの友希那であった。

 

「…あなた、そんなに独り言が好きなの?」

 

「…ほっとけ」

 

「それで如月、聞きたいことがあるのだけど、いいかしら?」

 

「聞きたい事?」

 

「ええ、昨日の私たちが会った人が入っているバンドについて」

 

「………友希那もわかってるとは思うが、あいつらがもう一回結成したのが本当なら実力的にもあっちが圧倒的に上だろうな」

 

「………そう」

 

「不安か?」

 

「……いいえ、私達は最高のコンディションと最高の技術で挑む。

だから負けるつもりなんてないわ」

 

「じゃあ明日は今まで以上の演奏を聴けるんだな?」

 

「ええ、もちろんよ、楽しみにしていて」

 

 

 

 

 

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ライブ当日

そのライブが始まる少し前

 

「……やっぱりお前ら、4人ともやり直してたのか」

 

そこにいたのは新たに結成されたバンドの

ベース担当のシュウ

キーボード担当のカイト

ドラム担当のアカギ

ギター担当のライカ

の4人がいた。

 

するとシュウとバンドリーダーであるライカが

 

「よっ!久しぶりだな、陽菜」

 

「カイトから聞いてたけど、陽菜は元気にしてたか?」

 

「相変わらずの能天気だな2人とも、まぁ色々あって今は元気にしてるよ」

 

この2人は昔から変わらんな

そう思っているとアカギが

 

「………あの時は悪かった。お前に『周りを見てるつもりでお前は見ていなかった』と言ってしまって本当に申し訳なかった」

 

「っ!?いやいや!あの時アカギが言った事は事実に変わりないから、それに俺も今はその事に気づけたからいいって」

 

「…そうか、それは助かる」

 

「ていうかお前はいつも急なんだよ。

…それで気になってたんだけど、ボーカル担当は誰なんだ?」

 

するとカイトが

 

「それなら、もうちょいで来るはずや、まぁお前は驚くやろうなぁ」

 

「?どういう事だ?」

 

すると誰かが来たようだ。

そしてその人物は俺が唯一勝てないと思った人物だった。

 

「マサヤ兄さん!?」

 

「よう、陽菜、ずいぶんと成長したな」

 

マサヤ兄さんは俺の1つ上で俺と同じ神童と呼ばれた男である。

俺が何をしても敵わなかった人物で、いとこであり、マサヤ兄さんの父親には色々してもらった。

 

「なるほど、この5人が新しいバンドか。それでバンド名は?」

 

「グロリオサ」

 

「グロリオサ?花の名前か?」

 

「ああ、花言葉は『栄光』と『勇敢』だ」

 

「相変わらずいい花言葉が好きなんだな」

 

「まぁな、そういうお前は結構変わったな」

 

「まぁ五年も経てばな……まだ、『人を引き寄せる音』を目指してるのか?」

 

その質問に答えてくれたのはカイトだった。

 

「そんなん決まってるやろ、人を引き寄せてもう一度あのステージに立つ、それだけや」

 

「……そうか」

 

するとライカが

 

「じゃあ、俺たちは楽屋に向かうから」

 

「わかった」

 

そしてライカ達は楽屋へと向かって行った。

俺はライブハウスの中へ入った。

 

 

 

 

 

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友希那達の演奏をしばらく待っていたが、先にアイツらの演奏が始まった。

会場の中には、ちらほらとカイト達の事を知っているらしく…

 

おいあれって!もしかして5年前のFUTURE WORLD FES,に中学生で出たって言う天才組のバンドじゃあ。

 

たしかにそうだけど、ボーカルの奴が明らかに別人だろ。ていうか、あのボーカルなんかで見たことあるんだが…

 

バッカお前!あのボーカルは神童って呼ばれたほどの実力者だぞ!

 

へー、ソーナンダー

 

シラナカッタナー

 

などの声が聞こえてきた。

そして観客席が静かになると演奏が始まった。

 

………やっぱりあいつら技術が予想以上に進歩しているな。

それに歌は昔の歌を歌ってるけどマサヤ兄さんがいるからか、演奏が尋常じゃないほどにいい曲となってる。

 

「あの5人、5年間ずっと練習してたんだろうな…」

 

でも、あいつらがあのやり方を変える気ないなら、友希那達の演奏が…

そんな事を考えしばらくすると演奏が終わり、友希那達の演奏がまだだと知った俺は外へ出て時間を潰そうとした。

すると

 

「なんや、お前もここに来てたんか」

 

「っ…なんだカイトか」

 

「そんな事より、俺らの演奏どうやった?5年前よりも良くなってたやろ」

 

「まぁ、5年も経てばそうなるわ。

それとカイト、俺がここにいるって事知ってたのか?」

 

するとカイトは少し驚いてから

 

「……まぁな、でもなんでそれがわかったんや?」

 

「紗夜が言ってたからな、ちょっと気になって聞いて見ただけ」

 

「…紗夜……Roseliaのメンバーか…」

 

「ああそうだ、紗夜は真面目過ぎるかr」

 

真面目過ぎるからなと言おうとするとカイトは遮るように

 

「お前、Roseliaのメンバーでもないくせに、えらく肩入れしてんなぁ

もしかしてあのメンバーが昔やってた俺らのバンドに雰囲気が似てたからか?」

 

「…っ!」

 

「別にあの子達がFUTURE WORLD FES,に出ても、お前が得する事なんか1つもないやんけ」

 

「…確かに雰囲気が似てたからかも知れない。

でも俺はあの子達がフェスに出て優勝してくれたらそれでいいんだ。

それであの子達が笑顔になるんやったら」

 

「……久しぶりに聞いたな」

 

「えっ?」

 

「お前がいつも何かに本気になった時だけ出る、その関西弁や」

 

「今、出てたか?」

 

「おお、でとったよ」

 

「いやいや、なんの冗談だよ」

 

「冗談違うわ………まぁ、お前がそんなに頑張れるんやったらいいわ。

……頑張れよ」

 

「ああ、もちろん」

 

「…にしてもお前、あんな綺麗事言ってよく恥ずかしくなかったな」

 

「……ほっとけ」

 

しばらくするとライカ達も来てみんなで久しぶりに話し合い、友希那達の演奏の時間が来たので、ライブハウスの中へ入った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那達の出番が来たようだ。

すると友希那達が衣装を身にまとっている事に気がついた。

 

「みんな似合ってるな」

 

すると隣から

 

「だな」

 

隣から話しかけて来たのはバンドリーダーのライカだった。

 

「っ!!びっくりさせんなよ……」

 

「あはは、お前の驚いた姿なんて久しぶりだよ。

……それにしても、あの子達…本当に結成して1年も経ってないのか?」

 

「?ああ、そうだけど…」

 

「……なのに、あの演奏とか凄すぎないか?」

 

「…お前らのバンドは『人を引き寄せる音』を目指してるんだろうが、あの子達は違う。

あの子達が目指してるのは、そんな音じゃない」

 

「じゃあ、あの子達と僕らの違いは?」

 

俺は少し考えて

 

「そうだな…お前らは全員が違う色でその色を混ぜ合わせた物を演奏するんだろうけど。

あの子達は、全員が違う色を持ちながら混ぜ合わせず、だけど混ざらないように合わせた音を演奏する。

それがお前らとあの子達の違いだ。

だからこの勝負でも、俺はあの子達が負けるなんて思ってない」

 

「………そうか、お前がそんな風に言うのは『何か』をあの子達にRoseliaに見つけたからか?」

 

「…多分な」

 

そして、演奏を聴き、最後の演奏が始まりそうだった。

そして、友希那が

 

「次が最後の曲です。

この曲は、私が一番尊敬するミュージシャンの曲をカバーしたものです、聴いてください」

 

そして演奏が始まった。

 

「裏切りは暗いままfall down

崩れゆく世界は

心引き剥がして熱を失った

未だに弱さ滲むon mind

未熟さを抱えて

歌う資格なんてないと背を向けて

 

色褪せた瞳 火をつけた

あなたの言葉

 

Louder…!

You're my everything

【You're my everything】

輝き溢れゆく

あなたの音は私の音でtry to…

伝えたいの

I'm movin'on with you

【movin'on with you】

届けたいよ全て

あなたがいたから私がいたんだよ

No more need to cry きっと」

 

演奏のAメロが終わった時点でライカが

 

「…なるほどな、なんとなくだけど陽菜が言ってる事わかった気がする」

 

「……そうか」

 

「ただ、あの子達のあの『音』を僕らに出せるか?と聞かれたら無理だろうな」

 

「……当たり前だろ。

特にお前らじゃ、あの『音』は出せないからな」

 

「……にしても似てるな」

 

「えっ?」

 

「あの銀髪の子、陽菜が僕らのバンドに入る前の陽菜にそっくりだ」

 

「……そんな事気にすんな」

 

するとライカは何かひらめいたように

 

「あっ!もしかして昔の自分に似てたからほっとけなくて、手伝ってるんじゃないのか?」

 

「っ!なんで俺が手伝ってるって事知ってんだ」

 

「いや〜、あの銀髪の子に少し聞いてみたんだよ。

『どうして陽菜がお手伝いさんみたいな事をしてるのか?』って、そしたら彼女

『彼を何かの音楽雑誌で見たことがあったからよ』って答えたんだよ」

 

「……そうか」

 

そして演奏を聴く事に戻り、しばらくして友希那達の演奏が終わった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ライブ後

俺は外に出て友希那達を待っていたら、ライカ達が来て、アカギが

 

「どうだった?俺達のライブは」

 

「そうだな…

マサヤ兄さんは昔と比べものにならないくらいに歌が上手くなってた。

シュウとライカは昔より音が良くなってて、ミスは相変わらずなかった。

カイトは昔みたいに緊張してなかった上に音色が良かった。

アカギは、叩く強さが変わって迫力があった

……まぁ、そんなもんだな」

 

「?『叩く強さが変わってた』って?うーんあんま、わからんな」

 

「……おいおい」

 

そんなことを話していると友希那達が来た。

するとカイトが

 

「あーちょっとええか?こいつをバンドに入れるって言う話なんやけど…」

 

友希那がそれに反応して

 

「それはまだ、結果が出ていないわ」

 

「まぁまぁ……えっとなやっぱりあの話は無しってことにしてくれへんか?」

 

「っ!……理由を聞いてもいいかしら?」

 

「いや、ただちょっとこっちの事情が変わったんや」

 

「……そう、わかったわ」

 

「おーそうか!ありがとう。

ほんじゃ、ついでに君達に言っとくわ、こいつは世話焼きが過ぎる所があるから一人で抱え込む事が多い。

だから、悪いけど陽菜の事任せたぞ」

 

それを聞いた俺は

 

「おいっ!なんだそれ…」

 

「知らんわ、ほっとけ。

大体、お前があんな目標持つからやろ!」

 

「?なんだ、目標って」

 

「はぁぁぁ?お前が言ったんやろ!

『あの子達をFUTURE WORLD FES,で優勝させて笑顔にする』って!」

 

「っ!!バッカ!お前そう言うことは、黙っとけよ!!」

 

「俺が言わんかったら気づいてなかったやろーが!!」

 

「気づいたよ!多分…」

 

「お前……ホントn」

 

するとライカが仲裁に入ってきて

 

「おい、お前ら騒ぐな、見られてるぞ」

 

「「はっ!」」

 

周りの目を気にせずに言い争ってたようだった。

 

「まぁ、とりあえずこれで、終わったんだからいいだろ?」

 

「……まぁ、そうだな」

 

「そうか、なら良かった。

じゃあ、僕らはもう帰るから」

 

「…ああ、わかった」

 

そうしてライカ達は帰って行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして友希那達との帰り道

燐子が

 

「………は、陽菜さん……みんなと、仲直りできて…良かったですね」

 

「そうだな、良かったよ本当に…」

 

するとリサが

 

「あっ!そういえばさ〜、あのカイトって人が言ってた

『あの子達をFUTURE WORLD FES,で優勝させて笑顔にする』って、陽菜の目標なの?」

 

「あっ!それあこも気になってたっ!どうなの?陽兄ぃ?」

 

そう聞かれた俺は

今思い返すと中々恥ずかしい事を言ってたな俺…

なんて思ってた

 

「さ、さて、みんな疲れてるだろうからもう解散するか…」

 

「………は、陽菜さん……はぐらかした………」

 

「ねっ!りんりんも気になるよねっ!」

 

「……う、うん……!気に、なる……」

 

あこと燐子がそう言うと

 

「私も気になります。

如月さんがなぜ、そう言う考えに至ったのか」

 

「私も如月がどうしてそれを目標にしてるのか、気になるわね」

 

「なっ!友希那達まで…」

 

みんなふざけてるのかよく分からないな

そんな事を考えてるとリサとあこにファミレスへと引っ張られ、

友希那と紗夜、燐子にもこの後、色々と質問された。




今回、人を覚えるのが大変でしょうけどまぁ、気にしないでください。
では、いつものお気に入りをしてくれた方を紹介しますね。

勇気ブレイブ様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様
そして、名前が表示されてないあなた!

お気に入りありがとうございます。
それと、勇気ブレイブ様とユダキ様の名前が間違っていました。
本当に申し訳ありません。
ん?
もう直したかって?
もちろん!
仕事が早いんですよ!!(これに気づくのに軽く1ヶ月は経ってる)

次回予告

昼と夜と互いのすれ違い

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