退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ......   作:haru亜

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今回は悩んだ(大して悩んでない)末に、この子にしました。
♪( ´▽`)



第6話 暇人と純粋過ぎる子と付きまとう影

朝起きると、まず朝の太陽が目を潰しにかかってくる。

 

「……ふわぁ…」

 

俺は太陽光を腕で防ぎ、あくびをしてから隣にいたはずの紗夜が居ない事に気がついた。

 

(まぁ、流石に俺と寝るなんて嫌だったんだろうな)

 

そう思い、俺はベッドから降りてから歩いて部屋のドアノブに手をかけようとした。

するとガチャ…とドアが開いた。

 

「!…びっくりした…」

 

「!如月…さん…!」

 

そこには、様子がいつもと違う顔の紅い紗夜がいた。

 

「?」

 

(なんか…よそよそしい…?)

 

そう思いつつも首を傾げた。

そして

 

「なんかあったのか?」

 

気になって聞いてみた。

しかし

 

「いえ…なんでもありません…」

 

目を逸らして言われた。

 

「気になるんだが…」

 

「そんなに気にしないでください…」

 

「……紗夜」

 

名前を呼ぶと紗夜はより一層、顔を赤く染め上げて、視線を右下に逸らしながら

 

「では、言いますが…その…如月さん。

いくら寝ているとはいえ、人を抱き枕代わりにしないでください…」

 

「えっ!?」

 

今の紗夜のセリフで大体察した。

 

「えっと…つまり俺は、寝ぼけて紗夜を言葉通り抱き枕代わりにした……。

……そういう事…なのか?」

 

紗夜は、恥じらいながら小さくコクンと頷く。

その0.5秒に俺は超綺麗な土下座を紗夜の前で見せた。

そして

 

「すみませんでしたぁあああ!!!」

 

始まったばかりだが、今日1番の大声を出した気がする。

 

「まぁ…多少驚きはしましたが…。

私は大丈夫ですから、顔を上げてください」

 

そう言われて紗夜を見上げながら

 

「本当に?

俺何もしなかったか?」

 

「ええ。

何もしませんでしたよ。

抱きつくだけ抱きついておいて」

 

「本当に色々すまん…」

 

昨日の夜。

紗夜の魅力について話した事を思い出し、とりあえず謝った。

 

「それより、如月さん。

朝ご飯が出来ました」

 

ついでに言うと、改まった紗夜がエプロン姿だった事に今気づいた。

 

「ああ…わかった」

 

(昨日のもふもふした犬のエプロン気に入ってんのか…)

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リビング

 

机に並べられた朝食。

十中八九、紗夜の手作りだろう。

そして

 

「陽菜くん、昨日はお楽しみでしたねー♪」

 

日菜がニヤニヤしながら言ってきたが

 

「昨日はゆっくり寝てた」

 

と冷静に返しながら日菜の向かい側に座った。

 

「なーんだ。

つまんないのー」

 

「良かったな」

 

そう言うと

 

「むぅ…」

 

となった日菜にゲシッと足のすねを蹴られる。

そして静かに痛がる俺を日菜が

 

「あたしだったら絶対に襲うのになー」

 

「何をだ!?」

 

「えへへー♪秘密♪」

 

日菜の焦らすだけ焦らして秘密にする小悪魔性分はどうやっても治らなそうだ。

すると

 

「2人とも、早くご飯を食べてください」

 

「はーい☆」「おー」

 

俺と日菜の返事に仕方なさそうに紗夜は微笑んだ。

そして、その1時間後、玄関先で

 

「如月さん。

お昼と夜ご飯はちゃんと食べるんですよ」

 

紗夜が重そうな荷物を持ちながら言った。

おそらくバッグの中には2人分の服が入っているのであろう。

 

「わかった」

 

と返す。

俺は紗夜に『昼ご飯は自分で作る』と言ったら紗夜に

『では、夜ご飯用に何か作ります』と言われた。

だから、今家の冷蔵庫には、紗夜が夜ご飯用に作ってくれた食べ物が入っているはずだ。

すると

 

「陽菜くん。

また今度泊まりに来ても良い?」

 

「駄目だ。

『今日だけ』って昨日言っただろ」

 

「じゃあ陽菜くんがあたしの家に泊まりに来たら?」

 

「行くのがメンドクサイ」

 

「あははっ♪

陽菜くんならそう言うと思った☆」

 

「では、私たちはそろそろ帰ります。

昨日、今日はありがとうございました」

 

「おうよ」

 

律儀に頭を下げてから紗夜は出て行き、日菜もそれについて行った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして現在、正午過ぎくらい

 

特にやることも無く、ソファでのんびりしていた。

先程紗夜が言った通り、洗濯やら掃除やら、食器洗いやら色々してくれたので助かった。

 

実際、それ自体はとても嬉しいのだが、同時にやることが無くなり、暇になる時間が増えているのも、また事実。

 

(……そろそろ呼び出しが来る頃か…)

 

なんて考えていたら

 

ピンポーン

 

「ん?」

 

たまたまリビングに居たので、すぐに玄関の扉を開けると、そこには1人の私服姿に身を包んだ少女がいた。

 

「!…イヴ?」

 

「はいっ!」

 

元気に返事をするイヴ。

 

「おはようございますハルナさんっ。

早速ですが、遊びに行きませんか?」

 

それを聞いて少し悩んだ。

やはり、パスパレの子と遊びに行くとなると、どうしても周りの目を気にしてしまう。

俺は唸りながら考えていると

 

「ハルナさん…。

私と出かけるのは、いや…ですか?」

 

イヴが心配そうな顔をして聞いてくる。

 

「えっ…と…それが嫌ってわけじゃないが…。

ただ目立ちそうで嫌なだけだ…」

 

すると

 

「お出かけ……したいです…」

 

そう言いながらイヴが悲しそうな目で見てくる。

 

「うっ……む…」

 

「ハルナさんとお出かけしたいです…。

だめ……ですか…?」

 

うるうると潤ったイヴの綺麗な瞳に見つめられ

 

「あ、全然駄目じゃないです」

 

心が入れ替わった。

するとイヴの顔が花が咲いたように明るくなり

 

「今日は私、暇なのでゆっくりお話し出来ますねっ!」

 

「お、おう…。

まぁ、準備してくるから待っててくれ」

 

「はいっ!」

 

扉を閉める垣間にイヴの期待と喜びを隠しきれてないキラキラした目が見えた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

支度後

 

 

イヴの提案でショッピングモールに行く事になった。

そしてショッピングモールへ着いた頃。

 

「ハルナさんっ♪ハルナさんっ♪」

 

めちゃくちゃ機嫌が良いイヴに左腕を組まれていた。

 

「それで、どこに行くんだ?」

 

「ええと…実はまだ決まっていません」

 

「?決まってないのに来たのか?」

 

「すみません…。

ハルナさんと一緒にお出かけをしたいと思ったので」

 

そう言われて、俺は少し考えた後

 

「それじゃあ、今日だけイヴに連れ回されてやるから、好きな所行って良いぞ」

 

「本当ですか!?」

 

食い気味に、それも嬉しそうに聞いてくるイヴ。

それに頷くとパァっと明るくなって

 

「それでは、あそこに行っても良いですか?」

 

そう言ってイヴが指した方向にあったのは

 

「ゲームセンター…か?」

 

多種多様なゲームが並んでいる所にアイドルが行くのはどうだろうとは思ったが

 

「わぁ…!」

 

イヴの楽しみにしている顔を見ると、断れるわけもなかった。

 

「…それじゃあ行くか」

 

「はいっ!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ゲームセンター

 

俺はイヴが先行しないように隣でくっついている。

すると

 

「ハルナさん。

アレは、なんですか?」

 

「あぁ…クレーンゲームだな。

中の景品をこのアームを使ってゲットするっていうゲームだ」

 

中の景品は刀のぬいぐるみだった。

リーチはそれ程長くないから、純粋な子どもが振り回しても傷つけたり、壊れたりしないようになっている。

 

「そうなんですね…」

 

イヴが納得の声を上げると

 

「1度やってみたいです!

刀はブシドーに有りです!」

 

キラキラした純粋な目を向けられた俺は、この後イヴに所持金全てを貢いでしまう気がしてならなかったが、楽しそうにしてるイヴの頼みなのでクレーンゲームに500円玉を入れた。

すると

 

「ひゃあっ!?ハルナさん!

500円入れなくても100円で大丈夫ですよ!」

 

心配するイヴ。

言っちゃ悪いが、今のイヴは見てて面白い。

 

「まぁ、どうせこのアームは弱いからな。

100円ずつやってたら、それこそ赤字だ。

それに、500円入れたら6回出来るから」

 

「どうしてアームは弱いのですか?」

 

「まぁ、それは大人たちが…」

 

そこで俺は口を止めた。

今も不思議そうに俺を見ているこの純粋無垢のイヴに、大人の汚さを見せても良いのだろうか。

「金儲けのためだよ」

なんて言えるわけがない。

という事で

 

「…ま、まぁ…アレだ。

ゲームってのは、難易度が高い方が面白いからな。

だから、クレーンゲームもアームを弱くしてるんだよ…」

 

俺は説明しながら操作ボタンを押した。

すると

 

「そうだったんですねっ!」

 

(すまんイヴ…)

 

無性に罪悪感が出てきた。

そしてそれに連動するように、景品はゲット出来なかった。

 

「なるほど。

確かに弱いです。

クレーンゲームをするには、アームが弱いかどうかを見極める必要があるんですね!

このクレーンゲームは奥が深いですっ!」

 

(なんか可愛い勘違いしてる…。

ま、良いか…)

 

そう思いながらこの後、最後の6回目でやっと目当ての刀の形をしたぬいぐるみが取れた。

そして

 

「ほい」

 

取れた刀をイヴに渡すと不思議そうな顔をして

 

「私が貰っても良いんですか?」

 

「ん?良いぞ。

欲しかったんだろ?」

 

「わぁ…!

ありがとうございますっ!

一生大事にします!」

 

「んな大袈裟な…。

そこら辺で売ってる奴だぞ」

 

「ハルナさんが取ってくれたから嬉しいんですっ!」

 

「うむ……そういうものか…?」

 

「はいっ♪そういうものですっ」

 

大事そうにぬいぐるみを抱えるイヴ。

ゲームセンターでこんなに喜ぶなら、もう少し居よう。

 

「もうちょい遊んで行くか」

 

「良いんですかっ!?」

 

「おう」

 

「それでは、ハルナさんっ!

こっちに付いて来てください!

さっきから気になってたゲームがあるんですっ!」

 

「んー?なんのゲー…おわっ!?」

 

イヴに腕を組んだまま引っ張られ、そのままシューティングゲームやレースゲームなどのコーナーに連れて行かれ、ゲームセンター内のゲームを遊び尽くした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ちょうど昼を過ぎた頃。

ゲームセンターから外に出ると

 

「は、ハルナさん……」

 

ギュッと俺の腕を震えながら掴むイヴ。

 

「そんなに怖かったのか?」

 

「こ、怖かったです…。

撃っても撃っても…たくさんユーレイが…。

うぅ…!」

 

涙目になっているイヴが言ってるのは、最後にやった幽霊ホラー要素全開のシューティングゲームの事だろう。

 

もちろん。

俺はイヴが怖がりだったなんて知らなかった。

……いや、本当だ疑わないでくれ。

まぁ…ちょっとイヴがタイトル見た時に、ビクッとなってたのは一瞬見えたが…気にするな。

俺は知らなかった。

 

「まぁ…途中から明後日の方向に撃ってたもんな」

 

「手が震えて怖かったです…」

 

「怖かったから手が震えたんだな。

怯え過ぎて日本語がおかしくなってるぞ…」

 

そう言って慰め程度に頭を撫でると

 

ジトッ…

 

「!」

 

誰かの視線を感じてバッと振り返った。

 

(……気のせいか…?)

 

そう思って、撫でていた手を離すと

 

「ハルナさんの手は、あったかくてとても安心出来ますねっ!」

 

「……悪いな」

 

「?どうして謝るんですか?」

 

「…ん?

イヴが怖がりだったなんて知らなかったから」

 

「それはもう大丈夫ですっ。

ハルナさんが頭を撫でてくれましたから!」

 

口を緩めて笑うイヴに

 

「夜、夢に出て来なかったらいいな」

 

「はぅっ!

それは迂闊でした…」

 

可愛い声と共に落ち込んだイヴ。

すると

 

ぐぅぅ…

 

「はぅっ!?」

 

またも天然で可愛い声が出る。

そして

 

「?腹減ったのか?」

 

そう尋ねると

 

「うぅ…すみません。

朝のお仕事でお昼を食べ損ねてしまいました…」

 

イヴは申し訳なさそうに謝った。

別に謝る必要はないのだが、腹を空かせているイヴを放って置くわけにもいかないので

 

「…どっか食べに行くか」

 

「!良いんですかっ!?」

 

「うむ。

どこでも連れて行ってやる。

ただし、俺の体力が尽きない移動範囲内でな」

 

「ふふっ。

それでは、お言葉に甘えて…。

私1度食べてみたいとずっと気になっていた食べ物があるんです」

 

「?」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

皿に乗ったネタがレーンの上で店内を回り、俺とイヴは向かい合って座っていた。

そして

 

「イヴが来たかった場所って、寿司屋だったのか」

 

俺は今、イヴと共に某回転寿司に来ていた。

 

「はいっ♪

普段は外食する事が少ないので、こういう場所は初めてですっ」

 

「てことは…寿司食べたことないのか?」

 

「?いいえ。

お寿司は食べたことあります。

けれどっ、回転寿司のお寿司は食べた事がまだ無かったので、今はとっても楽しみにしていますっ♪」

 

「そりゃ良かった」

 

皿の回るレーンをキラキラした目で見ていたイヴは、また違う発見をしたようで

 

「……?ハルナさん。

この蛇口みたいな物はなんですか?」

 

「ん?まぁ、セルフサービスの1つだな。

そこの黒いボタンみたいな奴を押すとお湯が出てくる」

 

「お湯…ですか?」

 

そう言ってボタンを見つめるイヴに

 

「…言っとくが、手を洗う奴じゃないからな。

この粉をコップに入れてお湯を入れるんだ」

 

「ど、どうして私の考えてる事がわかったんですか!?」

 

「イヴはわかりやすいからな」

 

「そ、そうでしょうか」

 

てれっと笑うイヴは、再び寿司の回るレーンを見て

 

「ふふっ♪

色んなお寿司が回っていますね♪」

 

「たまに逆回転するぞ」

 

「そうなんですかっ!?」

 

「冗談だ」

 

「そうなんですね。

危うく騙されてしまう所でした…」

 

(やっぱ面白いな)

 

そう思っていると、イヴがずっとそわそわしてレーンを眺めていた。

 

「取らないのか?」

 

気になって聞くと

 

「?もう取っても良いんですか?」

 

イヴに真顔で聞かれ、俺は黙って頷いた。

 

「わぁ…!

それでは…。

甘エビを取らせていただきますっ」

 

(なんか礼儀正しいな…)

 

そしてイヴは取った皿を見て嬉しそうにしていた。

 

(俺もなんか頼むか…)

 

そう思い、上にあるタッチパネルでサーモンとビントロを注文した。

結構かかると思ったのだが、意外と早くに届いた。

すると

 

「……、?、……、?」

 

不思議そうに手に持っている皿と、俺の皿を見比べるイヴ。

 

「?どうかしたのか?」

 

「いえ…その…。

ハルナさんの皿は別で届いたので…」

 

「ああ、これか。

場所によって違うと思うけど、今はタッチパネルで注文しても良いんだ」

 

「そうなんですね…。

むぅぅ……」

 

イヴが何かと葛藤しているようだった。

するとすぐにイヴは、ぱくっと甘エビを口にして

 

「美味いですっ♪」

 

頰をトロけさせるイヴ。

それを見て俺は良かれと思い

 

「イヴもなんか食べたい物があったらこれで頼めば」

 

とタッチパネルでの注文を勧めようとしたが

 

「いいえ!

回転寿司に来たからには、私は回転しているお寿司を食べます!」

 

イヴに手を前に出されて遮られた。

 

「なかなか可愛いこだわりだな」

 

「!か、可愛い…ですか?」

 

イヴは頰を赤らめて嬉しそうに、そして、恥ずかしそうに手をもじもじとさせる。

 

「?もしかして、可愛いって言われたこと無いのか?」

 

「い、いえ!

チサトさん達に、言われた事はあります。

でも、相手が男性となると、なんだか少しくすぐったいです」

 

手をブンブンと振り、最後に両手を頰に当てて照れながら笑った。

そして

 

(そんな事あるもんだなぁ…。

今覚えば、可愛いと思う子。

結構俺の周りにいるな…。

スタ○ド使いは惹かれ合う…的な?)

 

そう思いながらも、届いたネタを口に運んだ。

すると

 

「ハルナさんは、可愛いと思った方はどれくらいいるんですか?」

 

イヴに聞かれて、俺は口の中が無くなってから

 

「そうだな…。

今のところは…約25人…くらいだな」

 

「?もしかして、皆さんですか?」

 

「そうだな。

まぁ…可愛い以外はなんとも思わんけどな」

 

「確かに、皆さん可愛いですねっ♪

でも、どうしてハルナさんは皆さんにそう言わないんですか?」

 

「?わざわざ言う必要も無いだろ」

 

すると

 

ジトッ…

 

「!」

 

また何かに睨まれた気がした。

今度はちゃんと周りを見回したが、それといって不審な人物はいない。

 

「……」

 

「?ハルナさん?」

 

キョトンと俺を見るイヴに

 

「……なんでもない。

それより食べるぞー」

 

「はいっ!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お腹いっぱいで、幸せです♪」

 

顔の周りに花を咲かせるイヴ。

 

「んー…」

 

その隣で少し考える俺。

そして

 

「よし、イヴ。

ちょっとだけ付き合ってくれ」

 

「?どこにですか?」

 

「ちょっと歩くだけさ」

 

そう言って、まっすぐ進み、1階から4階まで筒抜けになってガラスで囲まれている所をぐるりと1周した。

 

「うむ…。

やっぱりか」

 

「?何かありましたか?」

 

「んー、これはこれは…。

どうも跡をつけられてるっぽいな」

 

「えっ!?」

 

「あんまり大きな動作は起こさないようにな。

相手に気づかれるから」

 

「ど、どうしましょう…!」

 

「とりあえず、トイレ付近にある角を使って捕まえる」

 

「わかりましたっ!」

 

そしてイヴと一緒に角を曲がってそこから出て来るのを待っていると

 

「ほーらっ☆

そんなこと言ってないで、早くこっちこっち。

2人にバレないようにそっとね♪」

 

(今の意気揚々としてて、甘やかしそうな声は…)

 

1つの確信と共に、すぐさま角を曲がった。

 

「「「「あっ」」」」

 

聞いたことのある4つの声と、それぞれの声に見合った人物がそこに居た。

 

「……リサ、友希那。

それに、千聖に蘭まで。

一体そこで何をしてんだ?」

 

「はぁ…。

だから止めたのに…」

 

「全くだわ」

 

「リサさんが気になり過ぎて無理矢理連れて来るからですよ」

 

「ええっ!?アタシのせい!?

みんなだって気になってたじゃんっ!」

 

4人がそう言っているのを見て

 

「とりあえず、話を聞こうじゃねぇか」

 

とりあえず、付きまとった件について話を聞くことにした。




ゆーるA-様 筋肉様
みょんみょんみょんみょん様

お気に入りありがとうございます。

まぁ、令和になっても、皆やること変わりませんな


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