退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ......   作:haru亜

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第11話 歪みの中にある希望と決意と星を見る窓

翌日

 

俺は学校を休んだ。

とはいえ、午前だけで、それなりの目的があっての行動だ。

そしてその目的とは

 

「…着いたな…」

 

通学路に構えるCiRCLEだ。

もっと詳しく言えば、ここのオーナーに話がある。

俺はカランカランと鈴を鳴らして中に入ると

 

「いらっしゃい…って、陽菜くん!?

どうしたの!?学校は!?」

 

姉のように心配してくるまりなさん。

俺はそれを手をヒラヒラとさせて誤魔化した後

 

「オーナー居ますか?」

 

「えっ、と…居るけど…。

何か用なのかな?」

 

「まぁ…ちょっとした用事があって…。

これ終わったら学校行きますよ」

 

「そ、そっか!

じゃあすぐ呼んでくるから少し待っててね!」

 

俺は黙って頷いてからしばらく待った。

すると

 

「なんだいもう…。

こっちは老体で眠りたい気分なのに…って。

【神童】がこんな所で何してんだい」

 

前とは雰囲気が違うオーナーが現れた。

そして俺は気になったことを聞くためにまず

 

「どうも、まりなさんは?」

 

安全確認をした。

 

「あの子にはさっき裏からライブステージの点検してもらってる。

で、何の用だい?」

 

「隠し通そうとするのは政府の十八番だな…」

 

「なんだって?」

 

まだしらを切るオーナーに俺は

 

「特殊機関執行官No.99。

高嶺 ふくら。

それがアンタの本当の名前だな」

 

「…調べたのかい」

 

「まぁな」

 

「どうやってたどり着いたんだい?」

 

「そこは企業秘密って奴だ。

ここじゃ、お互い話しにくいだろ?」

 

「…はぁ…。

こっちに来な」

 

そしてオーナーに連れられた俺は、部屋に入ると真っ先に尋ねたのが

 

「アンタどっち側だ」

 

という短い質問だった。

 

「政府側。

それも、監視役を任されてる」

 

「誰の?」

 

「誰でもないさ。

政府からしたら、いざという時の為にアタシをここに添えているだけ」

 

「CiRCLEは元々そういう場所なのか?」

 

「いいや、アタシは2代目でね。

先代は政府に交渉を持ちかけられて、納得してから承諾した」

 

「なら、ここは本当に音楽を愛してる人が建てた場所なんだな?」

 

「ああ。

それはアタシが保障する」

 

「そうか…。

それを聞いて安心した」

 

そう言ってドアを開けて出て行こうとすると

 

「もう良いのかい?」

 

「ああ」

 

「なら、最後に聞かせてもらおうじゃないか」

 

「何をだ?」

 

「どうして、アタシを調べる事になったんだい?

それほど怪しい動きをした覚えは無いけどねぇ」

 

「ああ、簡単だ。

まりなさんにバイト募集の事で、アンタが俺の名前を聞いた時。

アンタ、それは要らないって断っただろ?

そしてその後に、俺は天皇から仕事のおもちゃが届いた。

だからこそ、調べてみたんだよ」

 

「そんな曖昧な可能性にわざわざ調べたってのかい?」

 

「ああ。

ありふれた言葉だけど。

万が一の可能性って奴だ。

じゃあな、学校行ってくる」

 

バタンッと扉を閉めて学校へ向かった。

そして部屋に残されたオーナーは

 

(少しの疑いも見逃さず、納得が行くまで調べる…かい。

あんな小さなボロを出すなんて…)

 

「全く…年はとりたくないもんだねぇ…」

 

1人ポツリと呟いた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学校に着いて教室が見えてきた頃には、もう3時間目が終わりかけていた。

 

(午前の授業は受けないつもりで朝起きたからな…)

 

そう思いながら教室の扉を開けると同時にチャイムが鳴る。

そして終わりの号令がかかり、俺は自分の席へと座った。

 

どうやら3時間目は保健体育の授業なので男女別れており、日菜と友希那は別の教室らしい。

しかし、保健体育は3時間目だけなので、おそらくもうそろそろ…

 

「あっ!陽菜くんっ!」

 

「!如月?」

 

案の定2人が戻って来た。

俺は近づいてくる2人に目を向けてから、教材を机の中にしまうと

 

「もー!陽菜くんなんで朝から居なかったの!?」

 

「ちょっと用事があってな」

 

「用事ってなんの用事?」

 

「それは…一身上の都合という名の用事だ」

 

「意味わかんないよっ!」

 

プクーッと膨れ上がった頰を持つ日菜に怒られる俺。

そこに友希那が

 

「如月」

 

「ん?」

 

「遅刻する時はせめて何か連絡を入れてちょうだい。

…じゃないと心配するでしょう?」

 

と言い残して自分の席へと戻って行った。

 

「……ああ…」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昼休み 校舎裏

 

芝生に座り、校舎の壁にもたれかかり、スマホからRoseliaメンバーに向けてメッセージを飛ばした。

すると真っ先に返ってきたのが

 

『おっけー♪

みんなの分の飲み物とか買ってから行こうか?』

 

『わかりました٩(๑❛ᴗ❛๑)۶』

 

リサと燐子からだった。

俺はまずリサから返信することにした。

 

『買って来なくて大丈夫だ。

ただ、一応あこが飲みそうな物は買って来ておいてくれ』

 

送信と共に相変わらずリサの気遣いは、シンプルでわかりやすい上、とても上手いと思った。

そして次に燐子のメールを見た後

 

(燐子って意外と返信早いから助かる)

 

そう思っていると次は、あこから来た。

 

『わかった!!』

 

シンプルだ。

メール越しで、あこの元気が伝わってくる。

それから時間が少し経つと

 

「陽兄ぃー!!」

 

「おお、あこ。

来たか」

 

弁当箱片手に元気良く走ってくるあこ。

そして走り終わると、あこは俺の膝の上に座った。

 

「えへへ〜っ。

最近、陽兄ぃと会えなかったから嬉しいっ!」

 

「そ、そうか」

 

「ねーねー陽兄ぃ」

 

「んー?」

 

「今度りんりんと一緒に遊びに行こ?」

 

「あー…今度…か」

 

「陽兄ぃ…もしかしてダメ?」

 

微妙な表情読み取ったのか、あこが不安そうに聞いて来た。

 

「んー…ダメというか…。

まぁ、そこら辺は次の機会に話そうな」

 

「うんっ!」

 

ふと、あこの手元を見て

 

「あこ。

飲み物は要らないのか?」

 

と聞くと

 

「あっ!

そういえばあこ…教室に忘れて来ちゃった…」

 

しょぼん…と落ち込むあこ。

 

「大丈夫だ。

リサが買って来てくれるはずだからな」

 

「ほんとっ!?」

 

「ああ」

 

紫の髪を持つ頭を撫でながらそう返した。

すると

 

「おーいっ☆2人ともー!」

 

向こうから手を振るギャルっぽい子と、その隣で水色の髪を靡かせる友達が見えた。

 

「あっ!リサ姉ー!」

 

あこも手を振り返す。

そして

 

「いやー、紗夜が『廊下は走ってはいけません』なんて言うから遅れそうになっちゃったよ♪」

 

「走ったら危ないでしょう。

誰かとぶつかりでもしたら、お互い損なだけです。

それより…如月さん」

 

「ん?」

 

「学内で携帯を使うのは校則違反ですよ?」

 

ギクッと内心焦ったりもしたが、紗夜がジッと俺の方を見た後

 

「…今回だけですからね」

 

「ありがとうございます」

 

お世辞にも丁寧とは言えない敬語を使う俺。

すると

 

「は、陽菜さん…?」

 

ひょこっと壁の横から顔を出したのは弁当を片手に持つ燐子だった。

 

「燐子も来たか。

まぁテキトーに座っといてくれ」

 

「は、はい…」

 

返事をした燐子は俺の左隣へちょこんと座った。

 

「残りは友希那だけだが…」

 

「友希那さんメール見てないのかな?」

 

あこが見上げて言う。

 

「いや、そもそも友希那にメールしてない」

 

「えっ!?なんで!?」

 

リサが驚いたように言った。

 

「まぁ…紗夜とは理由が別だけど。

友希那はいつもここに来てるから別に良いかな…と」

 

『……』

 

なぜか沈黙する4人。

 

「ど、どうした?」

 

「…如月さんは、随分と湊さんのことを信頼しているんですね」

 

「?当たり前だろ」

 

「「良いな良いな!!」」

 

あことリサが息を揃えて言い

 

「えぇ…」

 

俺は困惑していると燐子が

 

「言わなくても……お互い解り合える感じの関係って…良いですよね…。

少し友希那さんが羨ましいです…」

 

そう言った。

しかし俺は

 

「そうだな…」

 

(友希那だけじゃなくて、燐子たちとも解り合えたら…どれだけ楽なんだか…)

 

本音なのか、よく考えての思想なのかもわからない。

すると

 

「…如月?」

 

「ん?あ、友希那」

 

風で銀髪が(なび)き、それを耳にかける友希那。

 

「どうして…Roseliaのメンバーが集まっているの?」

 

「俺が招集をかけたからだ」

 

「?そう」

 

友希那は短く返して俺の右隣へと座り、俺は無言で友希那に手渡しされた手作り弁当を受け取った。

 

(いつもより距離が近いのは気のせいだろうか…)

 

そう思いながら包みを開けてサンドウィッチを手に取ると紗夜が

 

「あの…如月さん…」

 

「ん?」

 

「今、湊さんからお弁当を受け取っていましたが…。

まさか手作りですか?」

 

「まぁ…そうだな」

 

「いつも湊さんに作ってもらっているんですか?」

 

「いつもでは無いが…。

まぁ、ちょっと母親が不在でな。

俺が作ってたら学校に遅れるから、最近友希那に作ってもらうようになった」

 

「そう…ですか。

それならそうと私に言ってくだされば、用意しましたのに…」

 

残念そうに言う紗夜。

 

「紗夜は生徒会の仕事とかあるだろ?

だからちょっとでも負担になることは避けたかったんだ」

 

「…そうですか」

 

それでも納得いかない様子の紗夜。

そこにリサが

 

「あれ〜?もしかして紗夜。

陽菜に作ってあげたかったとか?」

 

「も、もうお弁当の話は納得出来ましたから良いんです!

そんなことより、如月さん!

どうして私たちを集めたんですか?」

 

「まぁそう急がずに。

ゆっくりしながら昼飯食べような」

 

『??』

 

そうして6人で昼食を食べていると、膝の上に座っているあこを見たリサが

 

「ねー陽菜」

 

「ん?」

 

「なーんーで、さっきから陽菜の膝の上にあこが座ってるの?」

 

不機嫌そうにむすっとしたリサが聞いてきた。

 

「?なんでって、あこは妹みたいなもんだから良いんだよ」

 

なぜそんな質問をするのか不思議に思ったが、テキトーに返しながら近くにある小さな頭を撫でると

 

「えへへー♪

リサ姉、もしかして羨ましいの〜?」

 

「そ、そんなわけないじゃんっ!

アタシは、やっぱり陽菜は小さい女の子が好きなのかな〜って思ってただけ!」

 

リサが照れ隠しで必死に否定する。

 

「まぁ…好きか嫌いかで言えば。

好きな方に入るんじゃないか?」

 

そこにヘラっと言ってみると

 

『えっ?』

 

一瞬この場が硬直した。

そしてリサが

 

「えっ?陽菜自分より身長が低い方が良いの?

小さい子じゃなくて?」

 

「出来ればそれが一番良いな。

それと一応言っとくが、ロリコンと名乗った覚えはない」

 

「へ、へ〜。

そうなんだ…。

ところで、陽菜の身長っていくつくらい?」

 

「んー…多分165くらいじゃないか?」

 

それを聞いた瞬間各自

 

(私は…155cmくらいだったわね…)

 

(この前…ちょっとだけ伸びて…159cmだけど…大丈夫…かな…)

 

(私は…162cmになったけれど…。

大丈夫…かしら…)

 

(アタシは160も無かったから…)

 

「うんっ♪オッケー!」

 

「何がだよ…」

 

「それはヒミツっ☆」

 

「あっ!思い出したっ!

聞いて聞いて陽兄ぃ!

あこね!身長が150cmになったんだ!」

 

「おー、大きくなったなあこ」

 

「えへへ〜♪」

 

あこが嬉しそうにしながら、ふにゃっと口元を緩める。

すると右隣から

 

「如月。

どうして私たちがここに呼ばれたのか。

そろそろ話してちょうだい」

 

と言う友希那の声が聞こえたので、俺はひとまずあこを膝から下ろしてから

 

「じゃあ、ちょっと真面目な話をするから、あこは一旦膝から降りような」

 

「はーい…」

 

あこは残念そうにしてから燐子の横に座った。

そして

 

「話ってのは…今のRoseliaについてだな」

 

『っ……!』

 

バンドの話題を持ち出すと全員の表情が硬くなった。

俺からしたら『やはり』という感じなのだが、話を進めざるを得ない。

俺はリサから今のRoseliaの状態を聞いたことを伏せながら

 

「事情は大体察してる。

なんで友希那が明日のライブに俺を誘ったのか。

なんで俺を最近練習に呼ばなくなったのか。

これらも大体予想がつく」

 

『……っ』

 

「…思った以上に、世間って怖いだろ」

 

その質問に紗夜が

 

「…ええ。

私たちが思っていた以上に『世間からの期待』というのは、恐ろしくありました。

覚悟はしていたつもりでしたが、あれ程まで心を鈍らせるとは思いませんでしたから…」

 

「…そうか。

まぁ…今の俺にはどうすることも出来んからな。

明日のライブ、楽しみにしておく」

 

「…そう…ですか」

 

紗夜が少し元気無さげに返した後にチャイムが鳴った。

そして教室に向かう途中、友希那が

 

「如月。

ちょっとこっちへ来て」

 

「ん?おわっ!?」

 

袖を掴んで階段裏へと連れて行かれた。

すると

 

「如月。

さっきはみんなが居たから聞けなかった。

それに、これは私の愚痴のようなモノだけれど…。

聞いてくれるかしら?」

 

「?良いぞ」

 

「どうして…私たちの演奏は、世間に響かないのかしら…?」

 

「?世間に響いているからこそ。

今の現状になってるんじゃないのか?」

 

「いいえ、そういうことじゃないの。

私は、自分たちだけの頂点を目指すと誓った。

だから、そんなRoseliaの音楽を、私たちのことを知って貰おうとした。

けれど、世間が見ていたのは『私たちの音楽』じゃなく『私たちのずっと先の向こう』を見ていた」

 

「……」

 

「私たちの音楽はまだ『その先』には届かない。

これらを踏まえた上で、どうしたら私たちの音楽は世間にも届けられるのかしら?」

 

「…それは…友希那が本当にやりたい事なのか?」

 

「えっ…?」

 

友希那から驚き、そして不安のような表情が読み取れた。

そして俺は目をつぶって

 

「ま、明日だな。

明日聴いて、それから判断する。

…そろそろ本鈴がなるから教室戻るぞ」

 

(悪いな友希那…)

 

心の中で謝りながらも、多少強引に教室へと戻っていった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

CiRCLE

 

外が暗くなって街灯が付いている頃。

練習が終わり、帰るついでに予約しようと受付に来た。

するとカランカランと音を鳴らして誰かが入って来た。

 

「?」

 

振り返って見てみるとそこに居たのは

 

「hey!!友希那」

 

猫耳のヘッドフォンを付けたチュチュだった。

それを見た友希那は

 

「はぁ…」

 

小さなため息をついた。

そして

 

「今あなたに構っている暇は無いの」

 

そう言って受付の予約に次の予約を入れていると、チュチュは

 

「No.

残念だったわね友希那。

私は今日、陽菜に用があってここに来たの。

……陽菜はどこにいるのかしら友希那?」

 

「!まさか…まだ如月のことを狙っているの?」

 

「?Why?

陽菜はあの時限りで手伝いは終わりよ。

だから、今日はまた別の用事なの」

 

「…如月は、今ここには居ないわ」

 

「?Why?」

 

「今来ていないだけよ。

それと、あなたは如月に何の用があるのかしら?」

 

友希那が問うとチュチュはその質問を待っていたかのように嬉しそうにして

 

「Yes!!

ついに、ギターの有力候補が見つかったの!

だから、()()()()()()で観てもらうのよ」

 

友希那はある言葉を聞き逃さなかった。

 

「明日のライブと言ったの?」

 

「?そうよ?

明日ここであるCiRCLEのライブ。

私たちも出るわよ友希那」

 

「っ!!」

 

「だから、楽しみにしてなさい。

私はRASの音楽で、必ずRoseliaを超えてみせる!!」

 

「…そう。

なら、頑張って」

 

受付の予約を済ませたので、そう言ってからその場を立ち去った。

その場に取り残されたチュチュはその後ろ姿を見て首を傾げながら

 

「?変な友希那ね」

 

と呟いた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

帰り道

 

「…」

 

考え事をしながら家へ向かう。

 

(如月は…何か知っているのかしら…?

それに…前にもどこかで言われたような気がするわ…。

アレは確か、フェスの帰り道に如月が言っていた『才能』について…)

 

『才能を制御出来なければ、その才能によって身を滅ぼす』

 

(あの時如月が言った意味は…どういう意味なのかしら…?)

 

そう思っていると自分の家へと着いた。

考え疲れていた少し頭を横に振り

 

(いいえ…。

今の私にそんなことを考えている暇は無い。

今は…明日のライブについて集中しましょう)

 

そして鍵を開けて中に入っていった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

如月家

 

窓の外にある満点の星空を、部屋の中から見つめている。

するとガチャッと扉を開けて入って来た妹が

 

「お兄ちゃん。

星見ないの?」

 

「俺は窓越しで星を見てる方が好きだ」

 

「…そっか。

それで、お兄ちゃんいつ話すの?

仕事のこと」

 

「…さぁな。

()()アイツらを騙して穏やかに過ごすか。

それとも、今回の仕事で……」

 

そこで俺の口は止まった。

この仕事で、俺はマズイことをすると自分で予感したからだ。

そして

 

「さっきも言ったろ。

俺は窓越しで星を見てる方が好きだ」

 

「その窓、壊せると良いね」

 

「?なんで?」

 

「…別に気にしなくて良い。

でも、もしも、お兄ちゃんが死んだら。

その時は、あの人たちになんて言えば良い?」

 

「『強く生きろよ』」

 

「うっわ最低だこの人…」

 

「実際、その方が俺のことをすぐ忘れてくれる気がする」

 

「そっ。

じゃあ、仕事頑張ってね」

 

「……ああ」

 

(…俺が死んだら…か。

アイツらには、この事知られたくねぇな…)

 

バタンと扉が閉まる音が聞こえると同時に、俺の心は不甲斐なさで覆われた。




寒ブリ阿求伝様 白黒姫様
レムりん様 剣崎雷太様

お気に入りありがとうございます。

不定期更新とはいえ、かなりサボってましたごめんなさい。
次は、半分くらいもう書いてあるので出来るだけ早めの投稿にします。

では、またな皆の衆
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