退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ......   作:haru亜

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見てくれてる人に言います。

実はもう次の第2期的なのを思いついてしまいました。

後、主人公の名前は自分が知っている好きなキャラの名前をくっつけました。1人は艦これのあの子ですね、くそっ!!フラグ建てやが(ry

オマケ
まぁ、2期考える暇があったらさっさと投稿しろっての…


第7話 昼と夜と互いのすれ違い

ライブハウスでの出来事が終わり数ヶ月が経った。

もう夏頃になってきたが、みんなはまだ夏服に衣替えをしていなかった。

そんな中、俺は下足室から3階に上がろうとし、急いで上っていた。

理由は…まぁ、俺のいつもの寝坊が原因でHRが始まりかけていたからで、2年生の階を走っていた。

そして腕につけていた時計を見て間に合うと思い、歩いて壁を曲がろうとしたら

 

「わぁっ!」

 

「うおっ!」

 

ぶつかってしまった。

しかも制服から見て同じ2年生だろう。

そう思った俺は

 

「ごめん、大丈夫か……っ!?」

 

そこにいたのは、水色の髪をした女の子だった。

その髪の色はまるで紗夜のようだった

 

「いてて、転んじゃった……っ!」

 

「?どうかしたか?」

 

その女の子は俺を見るなり目をキラキラさせて

 

「ねぇねぇ!!

もしかして、いっつもリサちーと一緒にいる男の人?」

 

「いつもではないが……まぁ、そうだな」

 

すると女の子はさらに目をキラキラさせて

 

「やっぱり!!

ねぇ、練習してる時のお姉ちゃんってどんな感じ?」

 

「お、お姉ちゃん!?ええっと君は?」

 

「えっ?あたし?

あたしは氷川日菜、氷川紗夜の妹だよっ!

よろしくっ!」

 

い、妹!?

あーうん色々聞きたいが…

 

「……まぁ、よろしく…」

 

「それでねっ!あっ、ごめんっ!あたし教室に急がないと!!

じゃ、そう言うことだから、またねー!」

 

「えっ、あ、またな…」

 

なんであんなに急いで……

そう考え、歩いていると

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴って完全に理解した。

 

「…はは…なるほどな、そういう事か……」

 

少しため息をついて

なんで気づかなかった、俺!

そう思い急いで教室へ向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして昼休みになりいつもの場所に行こうとしたら

 

「あっ!如月くーん!ちょっと来てくれない?」

 

そう呼んだのは叶先生だった。

 

「えぇ……はぁ、わかりました」

 

今日はまだ夏じゃないのに暑くて疲れていた、しかも体育をした後の昼休みは最高の安らぎであったのに

仕方なく、俺は話を聞くことにした。

 

「何か用ですか?」

 

「えっとねぇ、君っていつも校舎裏で食べてるでしょ?」

 

「ええ、まぁ」

 

「あそこって、夏になったらかなり日が当たるでしょ?」

 

「そう……ですね」

 

「そこで先生がちょっとだけ権限使ってあそこに屋根とベンチを設置しましたー!」

 

「……えっ!?マジで?ホントに?」

 

「ええ、マジでホントに設置しました。

夏に入って熱中症とかになると危ないので、これからはそこを使用してもらって構いませんよ?」

 

「……ありがとうございます!

ありがたく使わせていただきます」

 

そう言い終わると少しだけ早足でそこに向かった。

すると本当に3人くらいで座れるベンチとそれを覆う大きな屋根が設置されていた。しかも、人目につきにくい。

 

「おお、これで今年の夏は乗りきれるな」

 

そしてベンチに座り俺は

あの子達、この短期間でよくあそこまで成長したなぁ…俺たちでもこの短期間であんなに成長しなかった。

 

……でもまぁ、だからこそ期待してるのだろう、それにあの事もカイトが目の前で話しやがったからな………。

 

そう考えていると誰か来たようだった。

友希那が来ると思った。

 

しかし、それは友希那ではなく。

 

「あっ!朝ぶつかった人だー。

ねぇねぇ!何でここにいるの?こんな所で何してたの?」

 

「……朝の…えーと、確か…氷川日菜、だっけか?」

 

「うんっ!そうだよ、それで何してたの?」

 

「何って言われてもな、俺は昼休みの時間はここにいつもいるから」

 

「ふーん。

じゃあここに来ればお姉ちゃんの話とかいろいろ聞けるんだ!」

 

「?いや、別に俺は」

 

すると聞こえてなかったらしく

 

「それにしても、ここってベンチとか屋根とかあったっけ?」

 

「……これは叶先生が設置してくれた。それよりも」

 

「へー!叶先生が設置したんだっ!」

 

「………他の生徒には言うなよ、俺の居場所が無くなるから…ていうか」

 

「なんでー?居場所って友達の所に行けばいいじゃん」

 

あーもうダメだこりゃ…

そう思った俺は

 

「……友達が少ないからここに来てんだよ」

 

「何で友達作らないの?」

 

「何でって…友達を作れたとしても、大体は俺の事忘れてる。

それが作らない理由だ」

 

「ふーん……あっ!じゃあ、あたしが友達になるっ!」

 

何を言いだすんだこの子は…

 

「何言ってんだお前は…」

 

「えっーと、じゃあまずは…そうだ!名前教えてよっ!」

 

「えぇ、嫌だよ…」

 

「えー、なんでー?いいじゃんっ!教えてよ!」

 

これが長く続く感じがしたので

 

「…はぁ、如月陽菜だ。よろしく」

 

「うんっ!こちらこそよろしく!」

 

すると手を伸ばして来たので握手だろうと思い、握手をした。

すると

 

「?如月、何をしているの?」

 

「うわっ!!ビックリしたぁ、友希那か驚かすなよ」

 

「…私はいつもここに来てるじゃない。

それより」

 

友希那が何か言いかけると

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴ったので、放課後に聞こうと思い教室へ戻った。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして放課後

いつものようにスタジオへ向かっていると

 

「あら?如月さん?」

 

「ん?おお、紗夜か。今日は生徒会なかったんだな」

 

「いえ、ありましたけどすぐに終わらせました…それより少し付き合ってくれませんか?いつもの店が何か仕入れてないか見ておきたいので」

 

「わかった」

 

「ありがとうございます」

 

そして楽器などを売っているショップに着いて、中に入った。

そしてしばらく店内を見ていた。

すると

 

「っ!?」

 

「?紗夜どうした?」

 

そう聞くと同時に紗夜の目線の先にポスターが貼ってあった。

そのポスターには

 

「ん?あれって日菜じゃないか……Pastel*Palettes?」

 

「っ!どうして如月さんが日菜の事を!?」

 

「えっ、それは同じ学校だから…そういえば日菜が紗夜の妹って事、日菜に言われるまで気づかなかったな」

 

「っ……わた、し…これから練習するので……これで!」

 

「えっ!?紗夜!?」

 

そう言って紗夜は飛び出して行った。

そして、その後の練習の休憩時間

あこと燐子、リサがゲームの話をしていた。

 

「それでねっ!その時りんりんが防御魔法で守ってくれたんだよ……

やっぱり、りんりんはゲームでもカッコイイんだよっ!」

 

「ははっ☆燐子の向こう見ずはゲームでも一緒なんだね」

 

「あ、あこちゃん……ゲームの話は……それにあこちゃんのお姉さんの方が……」

 

「あーっ!巴ね、燐子も知ってるんだ。確かにあれは男前だ。陽菜よりもね」

 

「くっ!ぐうの音も出ない!」

 

「あははっ!」

 

「あ、あこちゃん…わ、笑っちゃダメだよ…ふふっ」

 

「そう言う燐子だって、笑ってるよ〜」

 

そんな会話をしていると後ろから

 

「紗夜、どうかしたの?」

 

「えっ?私が、何か?」

 

「こういう時は、いつも私より先に紗夜が音楽以外の話をやめさせるのだと思って」

 

「……わ、たしは…」

 

そしてこっちの話を進めてるあこが

 

「ふんっ。3人ともわかってないなぁ、妹にとっておねーちゃんは憧れの存在なんだよっ!」

 

すると紗夜が

 

「っ!……いい加減にしてよ!!」

 

「「「「「!!」」」」」

 

「お姉ちゃんお姉ちゃんって、憧れられる方にどれだけ負担を感じてるかわかってないくせに!!

なんでも真似して、自分の意思はないの!?

姉がすること全てなら自分なんて必要ないじゃない!」

 

するとリサが

 

「紗夜……もしかして、それってヒナのこと……」

 

「っ!!」

 

「ヒナ?」

 

「あ……あこ……前にも言われたのに……」

 

前?いや、俺のいない間にそう言う話があったのだろう。

そう考えていると

 

「さ、紗夜さん……ご、ごめん…なさい……」

 

すると友希那が少し迷った様子を見せた後に

 

「……どんな事情があるか知らないけど、Roseliaに私情を持ち込まないで。

それに紗夜、あなたは今日の演奏にも集中できていなかった。…帰ってちょうだい」

 

「っ!……返す言葉もありません、迷惑をかけて、ごめんなさい……お先に失礼します…」

 

そう言って紗夜は出て行ってしまった。

そしてそのまま練習が始まった。しかし、あの『音』が聞こえてくることはなかった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数日後

この前の出来事から友希那は一人でスタジオ練習をしている。

そして時間が過ぎて昼休み

 

俺は叶先生が設置してくれた校舎裏へ向かった。

そして、そこで弁当を食べ終わり、時間が過ぎていき、チャイムが鳴った。

 

「…」

 

最近友希那がここに来ることがなくなった。

しかも最近みんなが集まって練習する事が少し少なくなってきた。

なんとかしないとな……

そんなことを考えながら教室へ戻っていった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

私が時計を見ると練習時間が過ぎていた

 

「Dスタジオ、空きました」

 

「あっ、友希那ちゃんおつかれ〜、最近個人練、多いね?Roseliaどう?」

 

「まだまだ理想のレベルには程遠いです」

 

すると

 

「すみません、ちょっとよろしいでしょうか。友希那さん時間を少しいただきたいんですが」

 

「?失礼ですが、どなたでしょうか?」

 

「私こういう者ですが、友希那さん。うちの事務所に入りませんか?」

 

「……私は自分の音楽で認められたいので事務所には入りません」

 

「待ってください!私達ならあなたをFUTURE WORLD FES,に出場させる事が出来ます!一緒に、あなたの夢を叶えましょう!!」

 

「…!?」

 

「実は2回目のあなたのライブの時に一度断られているんです。

あなたがバンドにこだわっていることは知っています、だからあなたの為のプロメンバーも用意しました」

 

「友希那ちゃん、これってつまり、メジャーデビューじゃ……」

 

「コンテストに出場しなくても、フェスのメインステージに立つ事ができる!お願いします、友希那さん!」

 

「……私……は……」

 

どうして…お父さんの夢だったフェスにバンドで出られるのに………なんで……私は……

 

「……確かに……今のRoseliaではフェスのメインステージに立つ事は難しい…」

 

なぜ言い訳をしているの、私。この事務所に入ればフェスに、それもメインステージに立つ事が出来るのに……

 

「?友希那さん、何かお気に障りましたでしょうか?」

 

「…少し……待ってほしい。……っ!?」

 

何を言ってるの、フェスに出られるこれ以上ないチャンスなのに

 

「わかりました。友希那さんの中で答えが出るまでいくらでも待ちましょう。また、ここに来ますので」

 

そう言って男は出て行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

帰り道

どうして、私は引き受けなかったの?……待たせてどうするの、待たせた所でまた来る事には変わりないのに

そんな事を考えていると

 

「あっ!友希那じゃん。おかえり〜今日のお茶会楽しかったよ☆」

 

そういえばそんなメールが届いていたわね

 

「あこと燐子も行ったそうね。貴方達、今日の練習をしないつもり?」

 

「みんな家でやってるってさ♪アタシもこれから!

あ、それとアタシ達から提案なんだけど…」

 

「?」

 

「Roseliaの衣装作ってもいい?」

 

 

 

 

 

友希那 side out

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学校の帰り道歩いていると

 

「ん?リサからメール?」

 

内容は

Roselia、雑誌掲載記念お茶会!と言うものだった

 

この子達は練習どうしたよ…

そう思いつつ俺は

 

「集合場所は?っと」

 

返信してしまった。

するとすぐに返信がきた。

 

「『羽沢珈琲店に集合だよー』って、どこだよ……」

 

まぁ、すぐ近くにあるかもしれないからな探してみるか

そう考えて探していると

 

「……迷った…」

 

まさか高校生にもなって迷うと思わなかったな

仕方ない、そこら辺の人に聞いてみるか。

そう考えていると1人の女子高生がいたので聞く事にした

 

「あのーすみません」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

「この羽沢珈琲店ってどこにあるか知ってますか?」

 

「あっ!それでしたら、羽沢珈琲店はうちですから、案内しますね」

 

とてもいい笑顔で返された。

 

「えっ!?よ、よろしく…」

 

「はいっ!ではついて来てください」

 

申し訳ない気分になった

それと、なんだろう、いつも変わってる子としか会わないからこう言う普通の子に会うとなんか新鮮に感じるなぁ。

そんな事を考えてると

 

「着きましたよ」

 

「…結構近くにあったな…とりあえずありがとう、助かったよ」

 

「ふふっ、どういたしまして」

 

そしてドアを開けると

 

「あっ!陽兄ぃおっそーい!」

 

「ごめん、道に迷った」

 

「……だから、お店の人に………陽菜さんって……意外と、方向音痴、なんですか?」

 

「…燐子よ、これはたまたまなんだ」

 

そう言い返してから隣のあこを見ると何か悲しそうな顔をしていた。

少し気になって

 

「あこ?どうした?」

 

「えっ!?」

 

「いや、なんか難しそうな顔してたから気になって」

 

「……えーっと、唐突かもしれないけど…もしRoseliaが解散、とかなっちゃったら、これからどうしようって思っちゃって……」

 

「………あこちゃん……」

 

それを聞いた俺は

 

「二人とも、その辺は大丈夫だから。そんな顔するなって、何かあっても俺がRoseliaを助けるから」

 

「ほんと?」

 

「ああ、本当に本当だ、ただ戻すためには多分この3人の力が必要になると思うからその時はよろしく頼む」

 

「わかった!あこ達が手伝えばRoseliaが元に戻るならあこ達手伝うっ!!」

 

「……わ、私も……お手伝いします…」

 

「アタシも手伝うね♪」

 

「うーん、リサの場合は特に変わらないような…」

 

少し目を逸らしながら言った。

 

「アタシだけ!?

…あっ!陽菜ちょっといい?…陽菜はこの雑誌みて、どう思った……?」

 

そう言ってリサは雑誌を見せてきた。

 

「?えーっと……あっ、友希那の【孤高の歌姫】って言うのがゲームの称号みたいでかっこいい!うん……」

 

「ちょ、陽菜まで〜?もー、そうやって3人してはぐらかされると、なんか凹むからさ〜、はっきり言っていいよっ!」

 

するとあこが

 

「じゃあ……言うけど……リサ姉だけ、ギャルっぽくて浮いてる」

 

「はっ!」

 

そういうことかナルホド完全に理解した。

 

「ううっ!…やっぱり……友達の言ってた通りか〜…」

 

「で、でもでもっ!なんというか、リサ姉だけじゃなくて…」

 

「……統一、感……?」

 

それを聞いた俺とあこは

 

「「それだ!

それだよっ!」」

 

「なるほど、さっすが燐子♪それだよ今のRoseliaに足りないの

そういえば…燐子と友希那の服の趣味似てるよね?」

 

「それなら、あこも一緒だよ!」

 

「ええ?あこはちょっと、ほら…」

 

それをあえて言わないのがリサの中の優しさでもあるな

そう考えていると衝撃的な事実がわかった。

 

「だってあこのこの服、りんりんに作ってもらったんだもんっ、りんりんに作ってもらう方が着心地いいから」

 

「えっ!?それって結構すごくない?あこの着てる服、手作りってわかんないじゃん」

 

「……わたし……いつも……家に、いて…時間が……あったから…」

 

「それでRoseliaの衣装でも作ったらどうだ?」

 

ほんの軽い気持ちで言った。

するとリサとあこが

 

「「それだよっ!!」」

 

「お、おう」

 

そうして、Roseliaの次のライブに衣装を着る、という事になった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして次の日の放課後

今日はみんな揃ってのスタジオ練習であった。

しかし

 

「あこと燐子はともかく友希那が遅れるなんて、珍しいな」

 

「「……」」

 

するとドアが開く音がした。

 

「友希那!」

 

「遅くなってごめんなさい。…あこと燐子はどうしたの?」

 

「う〜ん、連絡は取れたんだけど、あこと燐子は少し遅れるって」

 

「……そう」

 

「……」

 

気のせいなのか友希那が少し悲しそう、というか何かを迷っているような顔をしている。

そして友希那が来てから15分くらいたった後にあこと燐子がきた。

すると友希那が

 

「………30分の遅刻よ、やる気はあるの」

 

「そういう友希那も、15分遅れたけどね〜。しかもあこと燐子まで珍しい事もあるもんだね〜」

 

「いいから早く準備してください。ロスした分を早く取り戻さなくては」

 

燐子とあこの様子がおかしかったから聞こうと思ったが練習する時間をロスしたせいで聞けなかった。

さらにスタジオの雰囲気はいつもと違っていた。

すると紗夜が

 

「宇田川さん、やる気がないのなら帰…」

 

「あ………あの…っ」

 

「あ、あこちゃん……!」

 

2人の様子がやはりおかしい。

 

「ごめん、りんりん。あこ見ちゃったの…」

 

「何をですか?」

 

「友希那さんが……スーツの女の人と、ホテルで…話してて…」

 

それを聞いた友希那は少し驚いているように見えた。

 

「湊さんにもプライベートというものがあるでしょう」

 

「で、でも、あこはコンテストに出られないなんて絶対イヤだもん!」

 

「…どういうこと?」

 

「今日…りんりんと待ち合わせしてて、そしたら友希那さんが練習時間前のギリギリなのに女の人と待ち合わせしてるのが見えてそれで…」

 

あこが言うには、友希那が女の人からFUTURE WORLD FES,にRoseliaではなく、事務所が用意したバンドでフェスに出よう。

と言うものだった。

そして

 

「宇田川さん達の言い分はわかりました。

湊さん、認識に相違はないんですか。」

 

しかしそれを聞いた友希那はただ黙っているだけであった。

 

「………」

 

「…っ!私達とコンテストなんかに出場せずに、自分だけフェスのメインステージに立てればいい、そういうことですか?」

 

「!………わた、し……は」

 

「……っ。フェスに出られれば、誰でも良かった。……そういうことじゃないですか!!」

 

「……え……それじゃあ、あこ達はそれだけのために集められたってこと?」

 

「……あこちゃん、なにも、そうとは……」

 

するとあこは

 

「あこ達の技術を認めてくれたのも、Roseliaに全てかけるって話も全部嘘だったの……?っ!!!!」

 

そう言って飛び出して行ってしまった。

そして燐子も

 

「まって……あこちゃん、どこに……」

 

「ちょっ、二人とも!」

 

すると紗夜が

 

「湊さん、私は本当にあなたの音楽に対するフェスに対する信念を尊敬していました。だから私も……」

 

紗夜は何か言いかけたようだったが

 

「とても失望したわ」

 

「ねぇ、ちょっと待ってよ。何もそうとは限らないでしょ」

 

「答えないことが最大の答えだわ!!

私はまた時間を無駄にして少し苛立っているの、申し訳ないけれど、失礼するわ」

 

「紗夜っ、待」

 

リサが呼び止め用としたが紗夜は出て行ってしまった。

 

「ねぇ、友希那、今の話本当なの?」

 

「…本当だったらなに?」

 

「なにって、このままじゃ…ねぇ、本当はみんなに言いたいことがあるんじゃな」

 

「知らないっ!!」

 

「!友希那……」

 

「私はお父さんの為にフェスに出るの!昔からそれだけって、言ってるでしょ!!」

 

お父さんの為?

そう思っていると

 

「……帰るわ」

 

「帰るって、どうするの?」

 

「…フェスに出るための準備をするだけよ」

 

「!待て友希那!」

 

「……なに?」

 

「なにじゃない、フェスに出るための準備ってRoseliaはどうするつもりだ」

 

「……それ、は……」

 

「本当は迷ってるんじゃないのか。確かに今のRoseliaでは、コンテストでフェス出場が決定したとしてもフェスのメインステージに立つ事は難しい」

 

「……だったら」

 

「だからってRoseliaを見捨てるのか?」

 

「っ!違う!!」

 

「……なら、しばらく考えておいてくれ。そうすれば自分が何をしたいのか、何をすべきなのかが分かるはずだ」

 

「…」

 

すると黙って友希那は帰ってしまった。

 

「っ!友希那……」

 

リサが追いかけようとした。

しかし

 

「リサ、今は1人にしといてやれ」

 

「でも!!」

 

「友希那自身が1人で考えて、行き詰まった時はリサが助ける。それで頼む」

 

「わ、わかった…」

 

「あっ、それと俺が小説で読んだいい言葉を教えとく」

 

「?」

 

「『本当に大切なら、隣にいるだけじゃダメ、時には道しるべとして支える事も親友の役目』だ」

 

「隣にいるだけじゃ、ダメ…」

 

すると

 

「Roseliaさーん、もうスタジオの時間過ぎてるよーってあれ?リサちゃんと陽菜くんだけ?」

 

「えっ、もうそんな時間?すみませんっ」

 

そうして俺とリサは外に出て話すことにした。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……じゃあリサさっき言った通り、友希那が行き詰まってるように見えたら任せた。紗夜の方はみんなで解決するから」

 

「おっけー☆わかった、じゃあね陽菜♪」

 

「ああ、気をつけてな」

 

そうしてRoselia解散を阻止するために動くこととなった。




今回は次回予告だけです。

次回予告

正直な気持ち

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