【SAO+PSO2】ソードアートオンライン【パラレルダイヴファンタジア】 作:ポメラニマン
艦橋の中央に据えらた大画面は情報の海と化しており、文字達は「スイスイ」と気持ち良さげに泳ぎ回っていた。
しかし、「この騒ぎ」は彼らの泳ぐ海に大波を立ててしまったらしく、泳ぐと言うよりは駆け巡るになってしまっている。
その大波をもたらした者は、出現と同時に捕らえられ絶叫したことからか、画面上の情報達は「いい気味だ」と彼を見下ろし嘲笑っていた。
「おや、コイツ毛が抜けちまってるじゃないか。あんたどこで身ぐるみ剥がされて来たんだい?」
六芒の御意見番、「マリア」はこの争奪戦を勝ち抜いたらしく、その手には幼児程の大きさのロボットが逆さまに吊るされている。
彼女が逞しいせいか、その光景は狩人が獲物の両足を掴み持ち帰る様にも見えて、少し虚しさも感じさせた。
「おいおい、あねさんよぉ。そりゃどう見ても食べられる訳ないと思うんだが。早いとこ捨てちまった方がいいと思うぜ」
六芒の〈四〉、「ゼノ」はため息混じりに捕らえられた獲物をじっと見つめ、先輩に見解を仰ぐ。
「そうさねぇ、見たところ牙は抜けちまってるみたいだが……猛毒があるかもねぇ。そこの所どうなんだい、シャオ」
経験豊富な御意見番の見解によると、目視でわかり得る領域ではないと判断され、その対処は管理者である「シャオ」に託された。
先程まで捕縛に乗り気だった面々も、「マリア」の言葉を重く受け止めたらしく、些細な情報さえも与えまいと口を硬く閉ざしている。
「わからない、でも僕の演算が及ばないとなると事態は深刻だ。みんなも知ってる通り、僕は〈シオン〉と違って全宇宙を観測する程の力は持っていない。つまりその幼児のキャストは異世界から来た可能性が非常に高い!あぁー、こんな時に〈シオン〉がいてくれればっ!!」
管理者を名乗っていても、こういう姿を見ると彼もまだ子供なのだと感じさせる。
子供はこういう場面で親に助けを求めたくなるものだ。「シャオ」の親、「シオン」は先代の管理者であり全宇宙の観測者(アカシックレコード)なのである。
彼にとっての母親像は、まさに「絶対」なのだ。
助けを求めたくなる気持ちもわかるものだが、「シオン」はもう消滅してしまっている。
この世界に「シャオ」を超える演算能力を持つ者はいない。
自分でどうにかするしかないのだ。
一方、晒し吊るされているキャスト「you」は「鉄仮面」であり、オマケに微動だにしない。
ここにいる者は、「いつ情報を晒すか」と彼の一挙一動に目を凝らしていたが、彼は微動だにしない。
それが不気味であり、彼が「くせ者」なのだとこの場の者に良からぬ緊張を与えていた。
しかし、当の本人「you」は目の前で繰り広げられる光景に「感動」しているのだった。
「こんなエピソード見た事ない」やら、明らかにいちプレイヤーでしかない自分を話題にしている様が、ゲームであるのにその枠を飛び越えた「臨場感」を彼に与えていた。
今現在、彼は大人しく「ゲーム内イベント」を見ている真っ最中なのだ。
シャオが大慌てで演算に取り掛かると同時に、緊迫した空間を切り裂く様に、突如として「その穴」は再び開かれた。
この場にいる六芒均衡全てが自身の「創世器」発動を準備し、古参二名は「シャオ」の元へとつく。
拍子抜けな事に、「その穴」は来訪者の姿を見せる前に自己紹介をし出したのだった。
「ごめんなさいニャゥゥゥウウウ」
特徴のある語尾から「犯人」の情報は割れ、それは同時に「幼児のキャスト」は連れ去られたのだということを結論付けさせた。
しかし、問題はそこにはなかった。
彼には聞かなければならないことがある。
「こりゃあ、お仕置きはまたの機会だねぇ」
一同は一斉に警戒を解き、現れる猫の登場を待った。
「到着ニャウ、聞いてほしいニャウ。凄く怪しかったニャウ」
ニャウは到着と同時に弁明と言う名の「言い訳」に必死だが、「シャオ」にとっては「動機」は二の次であった。
「あっ、まるごしじゃん」
沈黙を破り発せらた「you」の脈絡の無い第一声の行く末を一同は監視する様に見つめると、何やらニャウは怒り出したが、そこに「恐怖心」は無い。
どうやら、「敵対関係」では無さそうだ。
「ニャウはニャウニャウ!!!」
「いや、そんなん知ってるよ。でもお前丸腰じゃん」
「ニャウは君を知らないニャウ!!やっぱり怪しいやつニャウ!!シャオ、怪しいやつを捕まえて来たニャウ!!」
一同は、なぜ彼が異世界から誰かを「捕まえて」来ようと行動したのかに心当たりがあり、皆一様に驚愕した。
管理者「シャオ」はその答えに辿り着いてしまい、誰よりも早く我慢の限界を迎えた。
「捕まえて来ただって!?」
「!?」
ニャウは今まで感情を剥き出しにした「シャオ」を見たことがなかったので、言葉に詰まり黙ってしまった。
それは、彼がただの「演算機」でない証明だ。決して悪気があった訳では無い。
しかし管理者の答えが正しければ、事態は最悪の結末を迎え兼ねない。
「ニャウ、君は彼をどこから連れ去って来たんだい?」
「シャオ達が、…話してた…場所ニャウ」
そのたった一言に、「アークス最強」と「〈オラクル〉の心臓」は青ざめた。
( ˘ω˘ ) スヤァ…しおり挟んでくれてありがとう
読んでくれて感謝です!!
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