【SAO+PSO2】ソードアートオンライン【パラレルダイヴファンタジア】 作:ポメラニマン
やはりニャウは次元を超越し渡る力だけでは飽き足らず、その場を凍結させる力まで持ち合わせているのだろう。
たった一言で、この場の「最強」と「心臓」を凍結させてしまったのだから。
しかし、この手は一般人である「you」には幾らか効果を発揮しても、彼らに同様の効果時間を期待するのは難しい事だろう。
何故なら彼らは、「最強」であり「心臓」なのだから。
大人達の凍結の魔法は瞬く間に解け、子供達は少しばかり出遅れて時は再び動き出した。
「これは僕の失態だ。まさか先回りされて…しかも〈特異点〉の存在を連れて来ちゃうなんて」
今更悔いても仕方がないことだが、管理者がそうするまでに事態は深刻らしい。
「連れて来ちまったもんは仕方がないさねぇ。シャオ、わかってるね」
マリアはそう言ったが、実際はこうして管理者の回答を待つしか出来ないのだ。
何故なら事態は、「未知」の領域に大きくフライングして足を踏み入れてしまったのだから。
「全知」でない「シャオ」にそれを求めるのは酷だが、「最強」達は打開策を管理者に委ねた。
「大丈夫、わかってる。もうこうなってしまった以上、そこの彼とニャウには否応にも協力してもらうよ。拒否権はない」
二人の返事を待たずに、管理者は続ける。
「因みに、ニャウを使って過去を改変するのはなるべく避けたい。歴史改ざんした先の〈特異点〉の未来までは、僕の力では演算しきれない」
自分達さえ助かればいいという問題ではないのだ。それが、未来を知る者の責任であり、ずっと先まで終わりなく最善を掴み取る事にも繋がるのだから。
「ただ、一筋の希望はある。ニャウの存在を認めたのは、〈全知〉である〈シオン〉だ。彼女がそれを最善として掴み取ったのなら、僕たちは進むべきなんだ」
「そこの阿呆な猫に、過去の私らに伝言を頼むのもダメなのか?」
こういう役目は私だろうと、クラリスクレイスが割って入る。
「さっきも話した様に、改ざんした副作用は〈特異点〉を少なからず蝕むだろう。失敗したからといって、繰り返しを続けると…下手したら最善に辿り着けなくなる危険がある」
「それに」と、管理者は一呼吸置いてその場を鼓舞する一言を投げかけた。
「この結果が失敗だなんて、現状分かり得ないんだ。今も演算の結果は変わらない。彼がここに来た副作用が怖かろうとも、やるべきことは変わらない。寧ろ、幸運かも知れない」
疑問符を浮かべる様な事はしないが、一同は押し黙る。
「不運の結果、僕達は〈特異点〉を知る存在を手にしている。彼の情報は、世界を救う鍵にもなり得る」
一同の視線は、渦中の存在「you」の元へとそそがれる。
状況をよく分かっていないお気楽なキャストは、注目を浴びた事に「ストーリー上のプレイヤーの分岐選択」なのだと解釈し、躊躇なく自らの「選択」を述べた。
「えーと、よくわからんけど。困ってるなら手を貸しますが」
現状に置いては彼の意思など尊重する必要も無いのだが、彼が嘘を述べる可能性も捨てきれない。この短時間で見た「you」という人物像から、彼が本当に協力してくれるということを確認する必要があった。
「それより、ずっと気になってたんたんだけどさ」
自らの投げかけに返事が返ってくるとは期待していなかったが、この場の「臨場感」が彼にそうさせた。
「なんだい?何か気になる事があるのかな?」
鍵の言葉は現状どんな些細な事だろうが、喉から手が出る程欲している。
無下に扱うことは悪手、それに彼は協力者として「仲間」になる事を選択したのだから。
「うわっ、返事返って来ちゃった…まいっか。あんたら六芒均衡と管理者だろ?」
一同は少しだけ警戒を強める。何故彼が自分達を知っていて、自分達は彼を知らないのか。そんな事も見ず知らず、鍵はお気楽に語る。
「あんたらは知ってるんだがー、……そいつ誰?イベント見逃した覚えは無いんだけど」
指された極小の指の先、一同の視線は「ヒート」の元へとそそがれた。
「お、俺か!?俺はヒート、六芒の〈六〉を任されている」
まさか大人達を差し置いて自分に矛先が向くとは思っていなかったらしく、たじろいながらも「ヒート」は自己紹介をした。
「あれ?〈六〉はヒューイの筈だが。一番好きなキャラだから見逃すなんてあり得ないんだけどな?」
両者の会話から、〈特異点〉には自分達が存在している事と、ズレが生じている事を読み取る一同。
ここまで確認出来れば、後は鍵から直接聞く方が早いと判断し、管理者は質問を始めた。
「割り込んでごめんね、混乱すると思うけど、僕達は君を知らないんだ。良ければ名前を教えて貰えるかい?」
「えーと?初めまして?プレイヤー名,〈you〉です。得意クラスはファイターですが、基本何でも出来ます」
不可解な単語がポロポロと音を立てずに溢れ落ちる。
管理者は偽りなく自らの疑問を「仲間」に晒す。
「初めまして、〈you〉。知ってると思うけど、僕はシャオ、オラクルの管理者をしている。ここにいる人達は六芒均衡、それも知ってるよね」
勿論だと一つ頷き、〈you〉はイベントに没頭する作業に戻る。
「君はヒートの事を知らないのかい?それとも、見た事がないだけかい?」
言葉の意味が理解出来なかったらしく、少し考えた末「you」は自らの知り得る設定を語り出す。
「えっと、ゲーム内設定ではそんなキャラクター存在しないし、アクティブプレイヤーの俺が見逃すなんて事まずありえんしー?」
聞き捨てならぬ単語が飛び出した事により、管理者は無礼を承知で割って入る。
「ごめんね、〈ゲームナイセッテイ〉って言葉はどういう意味かな?僕の解釈だと、ゲームは〈遊び〉なんだけど」
なにを今更と、「you」も負けじと語る。
「ゲームはゲームっしょ?〈VRMMORPG〉ファンタシースターオンラインパラレル。〈PSOP〉はあんたらゲーム内キャラクターの居場所だろ?開発は何してんだよ、ちゃんとプログラムしとけよなっ!」
段々とパズルは組み上がり、完成間際にまで来ている。
早とちりでそれを壊さないように、管理者は慎重に確認を取る。
「君は僕達から返事が返って来るたびに驚いてたよね?その〈you〉達の〈遊びの世界〉で、僕達は人の呼びかけを無視する程に傲慢なのかな?」
何のことやらと、システムの綻びに再び設定を教え込む様に〈you〉は声のトーンを少し上げ応えた。
「だーかーらー!!お前らはゲーム内キャラクターであって生きちゃいない!!システムで作り上げられた情報の塊に意思なんてある訳ないっつの!!」
「生きていない」、「情報の塊」、「遊びの世界」、「意思を持つ存在かいる」、「ゲーム内設定」、「キャラクター」、「プレイヤー名,〈you〉」……………………………………………
「僕達は……〈you〉の遊びの世界では……遊びの中の登場人物として誰かに作られた情報の塊。そこで遊ぶ存在、プレイヤーが……〈you〉なのかい?」
そんな事考えた事もない。何故なら、彼らが立ち向かうこの事件は「未知」なのだから。
「ん、そうだけど?」
「you」の一言を持ってして、パズルは完成した。
しかし、「ヒート」がそこにいない理由がさっぱりわからない。しかし、彼に聞いたところで得られる情報は何も無いだろう。一先ずは、置いておく他ならない。
「ありがとう、〈you〉。おかげで君の事も〈特異点〉の事も大体わかったよ」
「そりゃよかったなー」と、〈you〉は曖昧な無礼者であるが、悪気などあり得ない。
彼も平等に、「未知」の体験者なのだから。
「それじゃあ、僕達もこの世界の事を君に教えてあげるね」
「シャオ」は、今までの細やかな御返しだとばかりに無邪気に微笑み語る。
「おっ!イベント進展!!」
これが、お気楽者「you」が発した最期の言葉だった。
「この世界には〈プレイヤー〉なんて存在しない。実は僕達、生きてるんだ」
細やかな御返しの威力は絶大で、有るはずも無い目玉が飛び出そうとしたからか、〈you〉のメインフレームは「ピシャッ」っと音を立てて割れた。
「がーん!!!」
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描写とか自分なりに工夫して頑張りますので、この先も気が向いたらでもいいので、どうぞお越しください!!!
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