【SAO+PSO2】ソードアートオンライン【パラレルダイヴファンタジア】 作:ポメラニマン
身震いする寒さに強引に叩き起こされた。
「っ!?………」
一瞬、身体が跳ねる様に痙攣し直後脱力感に身を委ねた。
寝ぼけ眼の彼女には何が起きたのかわからず真っ白い天井を見つめ、ただ放心していた。
そのうちに、部屋のどこからか漂う朝露の香りが微かに鼻孔をくすぐった。ゆっくりと、無意識に香りを追っていくとすぐに答えに辿り着いた。
ーーーー寒いわけだ、窓が開けっ放しだ。
今の季節、常人にとってはまだ然程寒さを感じる気温ではない。しかし彼女、〈本田玲奈〉にとっては約2年ぶりに感じる寒さという感覚なのだ。浦島太郎の感覚は、びっくりして過敏に反応してしまったのだろう。今の彼女にとってこの状況は、一瞬で見知らぬ地にワープしたかの様な気分だ。徐々に覚醒する脳も警戒心を強めていった。
ーーーーとりあえず窓を閉めないと。
立ち上がるだけのこと、幼児でもできそうな事なのになぜだろうか。
「あ…れ?から、だ……うご、けっ」
2年間で錆びてしまった関節をどうにか動かそうとジタバタする姿は、幼児でもしない。まるで乳幼児の様だ。
「なん、で…あ、あれ……ここ…どこだろう…」
そこは国の運営する最先端の病院の一室。個室でこれだけの広さを確保し、常に整えられたシーツやベッドマットからは洗いたての洗剤臭が香る。
ただ、この病院で変わってることをしいて挙げるならば〈ソードアートオンライン〉の被害者が複数人入院しているということくらいだろう。
現状の把握に追いつかなくパニック状態の彼女を畳み掛けるように、ノックも無しに自室の扉は開かれた。
身体を思う様に起こせないせいで姿を確認することができない。恐怖からか、玲奈は必死にジタバタもがく。
「あれっ!!……玲奈ちゃんっ!?」
驚いたのはこっちの方だというのに、女性の声は玲奈に負けじと驚いた様な声で距離を詰めてくる。
ーーーー真っ白な服にへんな帽子…ナース服だ。
年齢はまだ20代前半といったところか。目尻を上げ、ハッと口を半開きにして玲奈を見下ろしている。折角の美人も台無しである。しかし、この病院においてそれ程のことが起こっているのだから当然だ。
「せっ、先生っー!!!」
ナースの足音は不規則なリズムを奏でながら、ドタバタと遠ざかっていく。
意識は完全に目覚め、状況整理のパズルが徐々に埋まっていく。そして理解すると、玲奈は大きく目を見開き口を半開きにしてまた放心した。
「ここ、アインクラッド…じゃない」
刹那、玲奈は此の世の全てを憎むかの様な鬼の形相に変わる。発声も儘ならぬ声帯を振り絞り、金切り声を上げ叫び暴れ出した。
「ーーーッアアアアアアア!!!!」
16ビートを刻む足音が複数近づいているが、今の玲奈には全てどうでもよかった。
「ッ殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すぅああ…元に戻せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
肩で息を切らす白衣達が玲奈の病室になだれ込む。
「大変だっ!!!すぐ運んでっ!!!!」
「ッァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
笑う棺桶〈ラフィンコフィン〉
最凶最悪の殺人ギルド。通称「ラフコフ」。ゲームオーバーが現実の死となるSAOにおいて公然とPK(プレイヤーキル)を行う快楽殺人集団。次々に新しいPKの手口を開発し、100人を超えるプレイヤーを殺害した。
最前線で危険に挑む攻略組など有志50名の討伐隊が捕縛を試みるが、両者数十の死者を出す最悪の幕切れとなった。ラフコフのリーダーを除く生存者12人が捕縛されたことにより、事実上ラフコフは壊滅となった。
プレイヤー名poN
本田玲奈は、殺人ギルド〈ラフィンコフィン〉の元メンバーにして捕縛された生き残り12人の内の1人である。
現在進行形で折り紙つきのレッドプレイヤー、poNこと本田玲奈は現実世界に生還した。
ここが1話だぜー
読んでくださって感謝です!!!
1つ前の「最終章」を読んでから来てくれた方には更に感謝です!!!
皆さんなら、あの最終章から1話を作るとしたらどのような形にしましたか?きっと皆違う話になると思います。
俺なら〜私ならこう〜など、そんな意見もいつか聞けるように続けていきたいと思います。
感想など、いただけたら今後の励みになります。
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