【SAO+PSO2】ソードアートオンライン【パラレルダイヴファンタジア】   作:ポメラニマン

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前の章最後の台詞「お前を許さない」に変更しました。


第25章「殺戮の子守唄」

 

 

「馬鹿者がっ、やってる場合ではなかろう!撤退だ!」

 

地を蹴る動作もなく、瞬時にリングへ移動したクラリスクレイスに会場は乱戦を予想し騒ぎ立てる。

 

「小娘!手筈通り貴様らは帰れ!ヒー坊、ニャウの元まで走るぞ」

 

その前に、と邪魔な人目を薙ぎ払うが如く創世の爆風が会場を撫でる。

 

「クラリッサ!!!」

 

不意をついた爆発は観客席を撫でる様に焼き払い、吹き飛ばされたプレイヤーは次々にリスポーン地点へと消えて行く。

最後に待機場に控えた参加者を吹き飛ばすと会場はもぬけの殻となり、リスポーン地点は生き返ったプレイヤーで溢れ、行く末を見逃さぬ為とゲートエリアへと押し寄せる。

 

「早くするニャウ!!」

 

待機場で参加者に紛れ潜伏していたニャウは被っていたポンチョを投げ捨てると少しでも距離を縮めようと駆け寄る。

 

「時間は稼ぐから、早く!!」

 

偵察を辞め、護衛に回る秋雨は身の丈程もあろう一振りを振りかざし、殺戮者の元へと駆け出す。

 

血走る瞳をなぎ払おうと、全身の全てを振り絞ろうとした時、会場の何処かで微かに笑い声が聞こえた気がした。

 

「ニャウゥゥゥゥゥゥ………」

 

異常を知らせる声に振り向くと、膨大な情報量は固く閉じ込められ、駆ける猫はその姿を石像に変え佇んだ。

 

「!?…ヒー坊、ニャウを守れ!」

 

言い切ると同時に放たれた火球は、詠唱すらも追い越し凄まじい速度で殺戮者へと走る。

到着と同時に真っ二つに分かれた火球は着弾点を見失い会場へと突き刺さる。

 

「猫ちゃん、死んじゃったね。かわいそー」

 

切り裂いた得物の残り火を振り払い、肩に掲げるその姿は創世器の火力に驚く様子も見られない。

見せびらかす様に、構えを解き高らかに笑う姿からは有り余る余力が滲み出す。

 

「リスポーン地点まで飛ばしてルームロックを掛ければ一時は凌げる!!!」

 

高笑いに飛び込んだ小さな身体は両刃の持ち手を軸に、身体ごと捻りを加えて飛び込んで行く。

 

「また来てくれたの?うれしーなぁー!!」

 

両刃の捻りは勢いを殺され火花を散らしながらも進む。

回転が止まる事を感じ取ると両者は得物を弾き飛ばす様にノックバックし距離を取る。

 

「〈you〉、お前生きていたのか!!」

 

「死なねーつっただろ!!エリアホストはテレポーターの前に飛ばされるだけだ!ルームロックはかけたが、こいつを追い出す必要がある!」

 

四人を嘲笑う様にユラユラと刃をチラつかせる殺戮者、

プレイヤー名「poN」は獲物の足掻く姿を見物する様なジットリとした視線を飛ばす。

 

「〈you〉、石化魔法なんてものあり得るのか!?」

 

「そんなものは存在しねぇ。ただ、この世界を作ってる奴らなら可能かもしれねーな」

 

仮説への意見を求め、秋雨へと視線を走らせる。

 

「確かに可能かもしれない。けど運営は全て調べつくしてるの。ハッキングも考えられる」

 

今すぐにでもログアウトし、外にいる者へ報告に行くのが得策だろう。

しかし、プレイヤーで無い二人には命は一つしか無いだろう。

オマケに、目の前の殺戮者は自分達を弄ぶ様な化け物。

 

「逃げちゃやだよ?逃げたら石にしちゃうからね」

 

石化の謎も解けない。

けれど、目の前の殺戮者はその答えを知った様に語る。

 

呼吸すらも感じない静寂の中、両陣営は視線を切らさずゆっくりと武器を手に取る。

構えを取ると徐々に腰は沈み、両足は跳躍を待機し地面をえぐる。

 

「なー、石化なんてどこで覚えたんだよ。俺にも教えてくんねーかな?」

 

「えー、どうしよっかなー」

 

教える気などさらさら無いと口角を上げ、見下ろす瞳は殺意を飛ばす。

 

それを合図に跳躍する四人は殺戮者を押しつぶす様に四方から襲いかかる。

 

「ねー、殺したい?そんなに私のこと殺したい?」

 

ゼロ距離で押し寄せる壁を避けることもせず受け止める。

刃は腹部を突き刺し、拳は骨を砕く様にめり込む。

にも関わらず彼女の狂気は鋭さを増し、狂った様に恍惚の表情を浮かべ立ち尽くす。

 

ねじ込む様に力を尽くす壁の一面は、標的の頭上を確認すると異様を察知し叫ぶ。

 

「こいつ、自動で回復してやがる!退け!」

 

後退する一面を、待っていたとばかりに殺戮者は飛び出す。

 

「どうしてやめちゃうのかなぁぁぁぁ」

 

「っ!」

 

仰け反るヒートを逃すまいと四方八方から繰り出される剣撃。

衝撃は大気を揺らし、カマイタチとなって獲物の身体をかすめ切り刻んでゆく。

 

「あれー?」

 

突如手を止めた狂刃の隙を突き、ヒートは自らを吹き飛ばす勢いでその場を離脱する。

 

「血…きみ、なんで血出てるのかなー?」

 

おかしいなーと、戯ける姿は如何にもわざとらしく、喜びを隠す様に演じるが、我慢の限界を迎え盛大に吹き出す。

 

「アハハハハハハ、血ぃ〜。あったかい!なんで〜どうして〜!!!」

 

ケタケタと笑う姿はおぞましさを増し、四人は一つにまとまり恐怖心を堪え構える。

蛇に睨まれたカエルの様に固まる一瞬、四人の中心に滑り込んだ殺意は一蹴りで全てを吹き飛ばし、飛ばされた一人の首元を締め上げ囁く。

 

「君のせいだよ、バレちゃったの。でも私ね、これでも感謝してるんだよ」

 

締め上げる両手を解こうと打撃を繰り返す。

無駄に足掻く瞳を覗き込む恍惚の瞳は、ウットリと静かに優しく囁く。

 

「でもね…私、短絡的な人嫌いなの。だから、貴方には最後に死んで貰うね。反省して絶望したら、殺してあげる」

 

「ぐっ!!!」

 

みぞおちに食い込む拳は徐々にヒートの意識を蝕む。

解放され崩れ落ちる低い視線は、徐々に離れて行く殺戮者を追いかけるが届かない。

 

「………」

 

抗えぬ昏睡の中、不気味な笑い声が子守唄を歌い始める頃、ヒートの意識は途絶え崩れ落ちた。

 

 

 




リゼロのスバル君みたいなどうしてそうしちゃう感を求めたのですが、力不足でした。
進めてみて納得いかなくなったら修正するかもです。

読んでくれて感謝です!
また来てください!

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