【SAO+PSO2】ソードアートオンライン【パラレルダイヴファンタジア】 作:ポメラニマン
先代の「六」は太陽の様な人だった。
助けを求める声を一つ残らず聞き逃さない耳。
嘘偽りの無い勇ましく猛々しい声。
見ているだけで勇気を分け与えてくれる背中。
理不尽や逆境をねじ伏せて行く拳。
側にいるだけで身体中を勇気で満たしてくれるあの人に近づきたい、側にいたい一心で修行に明け暮れた。
だけど、「六」を襲名してからの俺には太陽が側にいるのが当たり前になり、そんな大切な事も忘れてしまっていた。
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「くっ…やるではないか、我が好敵手ヒートよ!これで戦績は458戦458分け…勝負は持ち越しだな!!!」
「お前な、どう見ても俺の勝ちだろう。いい加減諦めたらどうなんだ」
並ぶ様に背中から仰向けになってみると、頬を撫でる風や草原の土臭い香りが疲れた身体を包み込む。
船内を覆い尽くす空には太陽なんてものは無く、ただひたすらに広大な宇宙しかなかった。
「なあ、お前はどうして俺に挑んでくるんだ?今日だってそんなにボロボロになって」
「愚問だな!ヒートに勝ちたいからだ!!!」
手を抜いている訳ではないが、何度も立ち上がるコイツを俺は本気で殴りたくなかった。
力の差をわかっている筈なのに、コイツは何度も立ち上がる。
だけど、段々と強くなっていくコイツと戦う時間は俺にとっても張り合いがあった。
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「よぉヒー坊、なんだあ?ボロボロじゃねえか」
修行の帰り道、ショップエリアのオッチャンは大人気ない悪戯を終えると決まって果物を差し入れしてくれた。
「グルアアアアア……」
侵食され狂ってしまった原生生物を初めて殺めた時、返り血を浴びた拳に泣きながら誓った筈なのに。
初めて降り立った惑星はとても暖かかった。
暖かさの原因を師匠に尋ねてみると、どうやら太陽という惑星の仕業らしい。
横から見上げたその姿は眩しくてボヤけてたけど、その人には見上げた太陽と同じ気持ちを感じた。
オラクルの空には太陽なんて物はないから
俺はオラクルを包む太陽になりたいと思った
「………っ!!!」
どれ位気絶していたのだろうか。
現状を確認したいが、視界を何かに覆われて何も見えない。
「秋雨…」
自分に覆い被さるそいつは、「死なせない」と身体全体を固く掴み離さない。
「よかった、生きてる!!!」
彼女はこんなにも細い腕で、狂気から自分を守ってくれていたのか。
「あねさんっ!!キツイ!!援護頼む!!!」
「わかっておるわ!!!」
小さな鋼鉄は自らを盾とし、流血が絶えない姉さんの瞳は何一つ諦めちゃいない。
「何か知らんが胸糞悪いぞー!!!!」
次々になだれ込んでくるあれは何だろうか。
「おい貴様!!開けたのか!?」
「嬉しいチャットがうるせーから開けた!!!」
粒子を瞬時に再構成し、続々と姿を現わす人の波。
「プラモさんに続けぇぇぇぇ!!!」
「クラリスたん親衛隊、行くぞぉぉぉ!!!」
「除け者にすんじゃねぇやぁぁぁぁぁ!!!」
次々と召喚される様に現れるのは、先程の観客達だろうか。
「邪魔だぁぁぁぁ!!!」
吹き飛ばされ、命を散らしては舞い戻り押し寄せる。
ここにいる者の瞳は何一つも諦めちゃいない。
「おい、あいつ飛んだぞ!!!」
「レンジャー隊、撃ち落とせー!!!」
宙に浮く殺戮者へ走る弾丸は、いずれも着弾前に消散。
めんどくさいと見下ろす狂気は、掲げた片腕に宿りその姿を顕現する。
「あー、めんどくさいなぁぁぁぁぁ!!!」
掲げられた片腕に集う狂気は、徐々に憤怒の黒炎を宿し質量を増してゆく。
空間の光を喰らう様に巨大化する漆黒の太陽は、このオラクルに日蝕をもたらした。
「少し早いけど、もういーや。ちゃんと死んでね」
悔しげにも高笑いをする狂人は全ての光を喰らい終わるその時を楽しげに待つ。
「おい、照明が!!」
「構うな、撃ち落とせぇぇぇぇ!!!」
徐々に光を失い瀕死のこの世界を
全てを喰らう日蝕を
お前は何もせず見ているだけか?
声に包まれると、不思議な場所にいた。
「お前は……誰なんだ?」
何もない円形の空間に、まるで水中にいる様な静けさ。
目の前に立ち尽くす影は、じっとこちらを見つめている気がする。
「………」
「迷惑をかけた。すまなかった」
「あの日の決意は、取り戻せたのか」
「ああ、もう絶対に離さない」
「ほぉ、ならば問おう。汝の決意とやらを」
「俺は、太陽になりたい。オラクルも惑星の生き物も全ての命を照らせる存在になりたい」
「なれるのか」
「その一歩を今踏み出す」
「ならばもう行け。力を貸そう」
「ありがとう、ワルフラーン」
瞼を開けると、空高くから見下ろす狂人。
薄暗く視界を覆う様に広がる闇に、未だに抗う銃声が鳴り響く。
苦虫を噛み潰したような表情で、ゆっくりと立ち上がる影が一つ。
ーーー命を燃やしてでも守り抜く
「我が決意は太陽」
突如目の前に出現する電子色の一粒の粒子。
光は素早く一筆書きに走り、六芒星を描き消散する。
今までは見られなかった創世器システム作動予兆。
拳に宿る獅子はその時を待ち兼ね大気を揺らす。
一瞥すると、その場の皆も頷き強く見つめ返す。
「今の俺の拳は、お前よりもオラクル二つ分重い!!!」
「グォォォ」と獅子の咆哮。
応える創世の獅子は主の決意を火種にし、爆発的に燃え上がる。
炎は身体を包み込み、天高く掲げられた片腕へと走る。
徐々に質量を増す火球は、闇を払う太陽を顕現する。
日蝕は吸いきれぬ光を目の当たりにし、遂にその殺意を振りかざす。
「いくぞ紛い物ぉぉぉぉぉ」
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「太陽拳(プロメテウス)!!!!」
エースVS黒ヒゲ……
どうしても太陽使いたかったんだ…
読んでくれて感謝です!
また来てください!
お気に入りとしおりありがとうございます!
また来てくださいm(_ _)m
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