【SAO+PSO2】ソードアートオンライン【パラレルダイヴファンタジア】 作:ポメラニマン
何かを共に成し遂げたという感覚は、勝敗という概念すらも超越してしまうのだろうか。
大歓声の中、ハイタッチや談笑に明け暮れる人々を見てみると人間がいれば未来人もいて、獣人にロボット。
輪の中心を覗いてみれば、先程まで敵であった少女の姿まである。
操るプレイヤーの出身国は同じであろうが、この世界のこの光景は人種の壁をぶち抜いた清々しさを感じさせる。
勿論、それを成し遂げたのは他人任せでは無い。
ここにいるプレイヤー、モニター前から指示を飛ばした者、全ての参加者が自分自身で勝ち取った光景だろう。
「さあ、余興は終わりだ〜。貴様ら、さっさと移動しろ〜」
緊張から解放されたからか、クラリスクレイスの声は気怠げだがどこか嬉しさを含んでいる。
六芒という立場を感じさせない馬鹿者達の態度が嬉しかったのか、はたまた弟分の成長が眩しかったのか。
「だなー、けど本番これからって俺保つかなー」
「ばーか、ここまでやって不参加なんてぜってーやだわ」
わらわらとテレポーターから去って行くプレイヤー達は、開催宣言のあるショップエリアへと移動を始める。
手を伸ばしてみると、達成の余韻はまだ暖かく、同時に名残惜しさに胸を締め付けらた。
拒絶していた筈のものが、今となっては手放し難い。
「らしく無いな。辛気臭い顔してるぞ、ほら」
「っと」
ヒートに背を押され、つんのめる様に踏み出してみると諦めていた最初の一歩はすんなりと踏み出せた。
「なー、みんな!」
呼び掛けられた事に応える様に振り向くプレイヤー達。
誰もかれも一瞬驚きを見せたが、その表情は直ぐに緊張をほぐし、頬には微熱をしたためた。
「先行ってんぞー、プラモさん!」
「遅刻すんなよー」
「また後でなー!ちゃんとこいよー」
「だから俺はプラモじゃねーよ!ありがとな!」
飛び跳ねて反論する「you」をからかうプレイヤー達は楽しげに頬を緩め、からかわれた「you」も満更ではなく照れ隠しに勤しんだ。
静かな筈の空間に追いつけず、耳の奥ではまだ名残が鳴り響く。
プレイヤー達がいなくなったエリアに鍵を掛けると、残った者達は瞳の色を変え、次なる一手へ頭を切り替えた。
「さて、帰還する前に…貴様は何者だ?」
「姉さん、ニャウの石化が先じゃ…もう皆も居ないし怪しまれる心配は…」
「ダメだ、振り回してくれた反省には丁度良かろう」
童顔に似合わね鋭い視線は主犯であろう少女へと向けられる。
少女は自分に全ての視線が集まる事を感じ取ると、澄んだ瞳の奥をさらけ出す様に見つめ返し応える。
「拙者、ムサシと申す」
「貴様、馬鹿にしておるのか?」
先程までとは別人の様に振る舞う少女に警戒心は強まる一方だが、それに耐え兼ねた少女は割って入った。
「ムサシちゃん、貴女の知っている事…わかる範囲で聞かせてくれるかな?」
「それが、何が何やらサッパリで…」
どういう事なのかと、一同は顔を見合わせるがどうやら答えが出そうな雰囲気では無い。
異様な謎により一同の警戒心は極限を迎え、辺りはピンと張り詰める。
「まぁ、気も済んだだろうし…取り敢えず、あの石化した猫戻してよ。あいつ居ないと色々とまずいんだよね」
場を和ませようと割り込んだ小さな指は、猫の石像へと向けられる。
追いかける様に見つめる視線は、疑問を浮かべ声色を一つ落とした。
「不甲斐ない、拙者何もわからぬ。てっきりお主たっ!…」
ーーーグシュ
突然の出来事に、目を疑い凝視する。
少女の腹部には鋭い刃が生え、貫かれた身体は消散の予兆を見せ儚く輝き出す。
貫かれた本人は何が起こったのか未だに気がつけず、声を震わせ息を荒げる。
「いい余興だったよ…今、どんな気分だい?」
徐々に倒れ込む少女の影からじわじわとあらわになる黒い影。
ドシャと、音を立て崩れ落ちた少女は粒子となり崩壊を始める。
それを見つめる瞳は、感情を一切感じさせぬ「無」そのもの。
「初めまして。わたくし、主催者兼主犯ムサシ…又の名を村木智史(むらきさとし)と申します」
儚い輝きが散り尽くすのを見届けると、押し殺した感情はじわじわと殺戮者の目尻口角を不気味に押し上げた。
謎の男現る!
主人公は「you」と「皐月」です。
お気に入りありがとです!
良かったら最後までお付き合い下さい!
読んでくれて感謝です!
また来て下さい!
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