【SAO+PSO2】ソードアートオンライン【パラレルダイヴファンタジア】   作:ポメラニマン

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第31章「Re:始まりの街」

 

 

手が暖かい気がする

 

 

 

薄っすらと目を開くと、見知らぬ女性が手を握っていた。

 

ここはどこだろうか。

古びたレンガに木製の家具。

 

「!?…みんな、目を覚ましたわよ!」

 

女性は皐月が意識を取り戻した事を確認すると、慌てて外へ飛び出していった。

少しすると、見覚えのない人々が皐月の伏せているベッドの元へとなだれ込んだ。

皆来ている服は立派とは言い難いもので、視界に表示される名前を見ると、自分がどこにいるのか理解した。

 

「ここ、アインクラッド?」

 

身を起こし座り込むと、集まったプレイヤー達はどこか心配に見つめその距離を縮める。

先程手を握っていた女性は駆け寄ってくると再び手を握り顔を近づける。

 

「あんた、大丈夫かい?広場で倒れてるの見つけてからずっと眠りっぱなしで」

 

アインクラッドにこの服装。

よく見てみれば今ならそれが初期装備だと理解できる。

 

「ここは、始まりの街なの?」

 

意識がはっきり戻った事を確認すると、村人達は嬉しげにベッドの周りを囲み喜ぶ。

 

 

ああ、守ってくれてたんだ

 

 

「まあ、喜ぶのはまだ早いけどよお。とりあえず意識戻ったのは良かったぜー」

 

歓談する人々のレベル表記は殆どが一桁。

しかし、この場にいるものに不安の色はなく手を取り合って暮らしている事が伺えた。

 

「そうだ!今ってゲーム開始からどれ位経つかわかる?」

 

村人は飛び起きる様に身体を起こし準備運動を始める皐月に驚きを見せたが、明るく振る舞う彼女に安堵し応えた。

 

「あ、ああ。詳しくは知らねーなあ」

 

お前どうよと、村人は顔を見合わせるが首を振るばかりで確証が得られそうもない。

 

「そっか、ありがと。私行かなきゃ」

 

「行かなきゃって…どこにだよ」

 

「アインクラッドで一番大きな牢獄がある場所、知ってる人いませんか?」

 

牢獄という言葉に皆驚愕したのか、身を乗り出す様にして制止を促す。

 

「危険だ、最近ラフコフの連中が捕縛されたばっかだってのに!命知らずにも程があるぞ嬢ちゃん!」

 

先程までとは一変し、恐怖を浮かべた村人達の壁は暑く皐月の進行を阻んだ。

 

「もう大丈夫なのかい?」

 

先程の女性はじっと静かに見つめている。

皐月が一度頷くと、ゆっくり歩み寄り両肩を抱き寄せる様に包み込んだ。

 

「守ってくれてありがとね、私行かなきゃ」

 

「気をつけて行くんだよ、何かあったら帰って来なさい」

 

数秒の抱擁を終えると、女性は逞しさを取り戻しうろたえる村人達に喝を入れた。

 

「ほら、あんた達!」

 

仕方がないとまだ不満げだが、数人は一度姿を消すと地図と細身な一振りを手にし再び現れた。

 

「ほんとに行くのかよ嬢ちゃん。終わったらすぐ戻って来いよ。主街区までは送ってやれるけど」

 

それを見つめる村人達の顔色はまだ優れない。

生還するまでの空白の二年間は、こんなにも暖かいものであったのか。

それを思うと、尚更進まなくてはならない。

 

「おい!いきなりどうしたよ!」

 

深々とお辞儀をし出した皐月の意図がわからず、村人達は困惑する。

数秒の後に顔を上げると、一同の視線に応える様に皐月は笑顔で感謝を述べた。

 

「守ってくれてありがとね。今度は私が誰かを守る番なの。だから…」

 

一間開け、言い切る前に村人達を確認すると、皆呆れる様に笑顔を見せた。

先程地図を持って来た代表は、手渡すと笑顔を見せ皐月の肩をガッシリと叩いた。

 

「牢獄は主街区中央にある黒鉄宮(こくてつきゅう)にある。すぐに帰ってこいよ」

 

すると、皆は手持ちの装備から回復薬やら投擲アイテムやら想い想いを皐月に手渡し密集した。

 

一頻り落ち着くと、近隣住人はみな掘っ建て小屋の前に集まっていた。

出発を送り出す表情はみな知らぬ顔の筈なのに、何年も慣れ親しんだ友人の様な気持ちを感じた。

 

 

「行ってきます」

 

手を振る恩人達に見守られ、皐月は牢獄のある主街区「黒鉄宮」へと数年越しの一歩を踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




捕縛エリア黒鉄宮で大丈夫だよね?
書いてなかったから想像で決めました。

読んでくれて感謝です!
また来てください!

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