【SAO+PSO2】ソードアートオンライン【パラレルダイヴファンタジア】 作:ポメラニマン
「消えた!?逃げられちゃう!!」
「ううん、その心配はないよ。こんな変なタイミングで、それも強制的に外部からログアウトさせられる人物なんて早々いない」
「というと?」
「向こうの事は、私の依頼主が解決してくれる筈。犯行は見ていなくても逃げ出す素振りを見せればまず捕まるからね」
よくわからないと、未だに疑問が残る表情ではあったが、彼女の上司なのだからと玲奈は疑問を噛み砕いて飲み込んだ。
「あれ?ってことは?」
疑問を携え硬かった表情は徐々に緩み、求め続けた答えが発せらるその時を待ち構える。
「うん、全部終わった。みんな、お疲れ様!」
「これにて一件落着ニャウー!!!」
目の前に強引に飛び混んできた猫を抱き抱え、彼女らも事件解決を噛み締める。
「者共ぉー、あの猫に続けぇー!」
「ちょっと、あぶな!」
クラリスクレイスの号令を皮切りに、見守っていた戦友たちも後に続き輪の中に飛び込んだ。
「やったなヒー坊、こりゃ帰ったら出世だぞ」
「え?六芒が出世って、俺管理者とかやらされても絶対に無理ですよ!」
「言葉の綾ってやつだ。帰ったらヒー坊はその辺を学ばねばな」
「やったね玲奈!よかったら帰っても仲良くして欲しいな」
「勿論だよ皐月ちゃ…皐月殿にはご鞭撻のほどを〜」
「やったニャウ、ヒーローニャウ!シャオに自慢するニャウ」
「馬鹿か、まるごしは帰ったら説教だろうな」
揉みくちゃになり団子状態の中、皆がそれぞれ違う言葉を好き勝手に発してるせいか、中にいる者達もよく聞き取れない状態であった。
これまでの長い戦いを思えば、この光景はごく自然なものだろう。
この光景は、彼らだけのものではなく「ここに辿り着けなかった彼ら」の物でもある。
ショップエリアという目立つ場所ではあるが、立ち止まり見ようなどと思うものはおらず、通行人は皆通りすがる。
この光景を足を止めて見ている者がいるとすれば、それはきっと欠席している彼らだけだろう。
もう時期訪れる別れの時間まで、彼らは気がすむまで騒ぎ倒した。
ーーーーーーーーーー
「さて、そろそろだな」
ヒートの言葉に、皆は別れの時を自覚し様々な表情を浮かべる。
「ヒー坊が迷子にならないように、私も帰るとするかな」
そんなに信用ないですか、と驚く彼が可笑しくてその場の者は笑顔を取り戻す。
「ニャウはまだ、この世界でやるべき事があるニャウ…」
まだ帰りたくないのか、格好つけ駄々を捏ねる猫を飼ってなだめると、そのときは訪れた。
「世話になった」
戦友達は円を作り向き合う。
ヒートが握手を求めると、皆が一斉に応じた為か絆の円の中には六本の線が生まれた。
ここに辿り着けなかった彼らが悪戯にその線を組み替えると、そこには綺麗な「六芒星」が出来ていた事だろう。
「握手求めればこうなるよな」
予想外の出来事に面食らう姿が可笑しく、一頻り笑い終える頃には別れの決意は固まっていた。
「もう、会えないんだよな」
「you」の投げかけた質問の答えははっきりしていたが、後を引きずるくらいならと、この場で断ち切ってもらう事を選ぶ。
「顔を出せば次元干渉が起きることもあり得るだろう。私たちはもうここに来る事はないだろうな」
ヒートに言わせるのは酷だ、とクラリスクレイスは先手を打って応えた。
「だがな、うちの管理者いわく私達の世界とここはかなり繋がりが深いらしい」
誰一人言葉を発さなかったが、それだけで胸がいっぱいだった。
「ニャウ、頼むぞ」
「ニャウゥゥゥゥ……」
我慢しきれず泣き出した猫は、大泣きしながらもその役目を果たす。
突如として現れる穴もこれで見納め。
二人は泣きじゃくる猫を抱えて時空の彼方へと帰って行った。
「それじゃ、私も戻るね。依頼主に全てを話さなきゃいけないし」
皐月の言葉はこのパーティの解散を意味していた。
「じゃあ俺も」「拙者も」と残る二人も場の空気に合わせた。
「私達は、また会えるよね?」
「会えるだろーけど、プロデューサー捕まっちまったら社会的にこのゲームおしまいでしょ。望み薄かなー」
「じゃあさ、もしこのゲームが終了しちゃったらの話なんだけど。このゲームの続編が出たらそこを集合場所にしない?なんかロマンチックじゃない?」
その手も有りだな、と残る二人も「さんせー」と仲良く声を合わせた。
頭についた「PSO」はシリーズタイトル名を表し、大手ゲーム会社SOGAの代表の一角を担うタイトルである事を意味する。
「ファンタシースター」シリーズは、終了したところでそう遠くない未来に続編を出し復活するだろう。
「今日の出来事話せばわかるけど、向こうで声をかける目印としてここでプレイヤーネーム決めておかない?」
「俺は考えるのめんどいし、〈you〉のままかな」
「私も、秋雨を止めるわけにはいかない」
「拙者は…」
決めた!と表情に明るみを取り戻し、玲奈は宣言した。
「私は、ポン。書式がなければいずれかでポン」
予想外の名前に二人は大袈裟に驚愕する。
本当にそれでいいの?どうしてこうなった?と困惑するが、満足気な彼女をみるとどうやらそれが良いらしい。
「武士にとって、その身に刻まれた傷は勲章なのだよ……メイビー」
ビシッと親指を立て、玲奈は満面の笑みを浮かべた。
再開を約束し、「VRMMORPG」チームの送別会は幕を閉じた。
次回、最終話です。
SAOを知ったきっかけはアニメGGO編です。
読んでくれて感謝ですm(_ _)m
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