あの地平線の夕焼け目指して   作:偽帝

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前回の続きです。

2018/07/30 更新


どうして家に?(二人目)

ーーーーーーーーーー

 

 

眠りから覚めた俺は、ゆっくりと目を開ける。どれくらい寝たのだろうか、と携帯で確認すると大体2時間以上は寝ていたらしい。

どうりでスッキリと起きることができた訳だ。

 

 

モカはまだ俺の上で( ˘ω˘ ) スヤァと寝ている。温いことには変わりないが、寝てる姿を見ることができるのは悪くない、可愛い。

 

 

時間的にはまだ昼間で、夕方まではもう少し時間があるから、また寝ようとした時、部屋のドアが開いた。

 

 

 

「お兄ちゃん、来たよ・・・・・え?」

 

 

ド遅れて来た蘭とドアを開けたところで目が合う。結局、いつ来るのかなーと思っていたけど、噂をすればなんとやらだ、このタイミングで来るとは。

 

 

「こ、これはだな蘭。最初にモカが家に来て勝手に布団の中に入ってきたんだ、別に何もしてないから!」

「うん、わかってる。お兄ちゃんはそういうことしないよね」

 

 

と、蘭が言った直後。

 

 

「せんぱ~い、そんな激しくしないでくださいよ~。モカちゃん溶けちゃいますって~」

 

 

どんな夢を見ているんだ、この子は。

モカの寝言を聞いた瞬間、蘭の目つきが鋭くなる。もしかして俺、モカによって墓穴掘られた?

 

 

「お兄ちゃん、本当に何もしてない・・・?」

「いや、何もしてないって!」

 

 

確かに、今の状況は見方によっては修羅場だ。モカと布団で寝ているところに蘭がやってきて、色々と疑われている、妻が夫の不倫現場を目撃した、みたいな感じになってる。

 

 

蘭も、モカがどういう性格の持ち主かよく知っている筈だから、そこまで俺を疑ってはいないと思うけど、頬を少し膨らませてムスっとしながらベッドの近くまで来て座った。

 

 

「ん、お兄ちゃんっ」

 

 

両手で挟むように俺の顔を触りながら、蘭は自分の顔をゆっくりと近づける。そのままキスをする訳ではなく鼻の先をちょん、とくっ付ける。

 

 

お互いの表情や、吐息がはっきりとわかる距離。

少しずつ視線を上げて、蘭と目を合わせると彼女は何か熱を帯びたような、盲目的な目でこっちを見つめていた。ん、何かスイッチ入ってる?

 

 

「ら、蘭?」

「お兄ちゃんっ、あたし・・・!」

「もしかして、モカに嫉妬してる?」

「っ、そんなことっ・・・!」

 

 

少しぼんやりしている蘭は、理性を取り戻したかのようにハッとしてあたふたとする。

 

 

「本当のところは?」

「・・・・・、確かに、ちょっと悔しいかも」

「やっぱりね、素直でよろしい」

 

 

ちゃんと言ってくれたお礼として蘭の頭を撫でてあげると、口元を緩めて嬉しそうにしながらもいつもとは違って、少ししたら撫でている俺の手を下ろして自分と手を絡ませて恋人繋ぎをする。

 

 

「少しだけ、こうしてたいっ・・・!」

「ん、そっか」

 

 

じっと見つめられていたのでその視線から逃げるように返事を返して、素早く視線を逸らそうとすると、蘭は繋いでいた手に少しだけ力を入れていた。

 

 

「・・・だめっ。お兄ちゃん、あたしから目逸らさないで」

「でも、恥ずかしいって」

「あたしも恥ずかしいよ。けど、嫌じゃないでしょ?」

 

 

そんな質問、嫌と答えるはずない。そう言おうと口を開けた時、

 

 

「二人とも、アツアツですな~。聞いているモカちゃんも恥ずかしいですよ~」

「モ、モカッ!?」

「いつの間に起きてたんだ!?」

 

 

モカはよっこらせと布団から顔を出してドヤ顔のまま、俺と蘭を交互に見た。

蘭は驚きながらも、恥ずかしくて顔を真っ赤にしている。それでも、繋いでいる手を決して離そうとはしなった。

 

 

「先輩の前でデレる蘭はやっぱり可愛いですね~」

「・・・うるさい」

「ほら、モカが言うから蘭が拗ねちゃった」

「っ、拗ねてないっ」

「も~、正直じゃないんだから蘭は~」

 

 

蘭は俺に助け舟を出しているのか、ずっとジト目でこちらを見つめてくる。

そんな目で見られても・・・、可愛いけどさ!

 

 

デレてる時の蘭が可愛いのは事実だし、でも、俺としては別に言い返す必要はないんだけどな・・・・・。

 

 

「・・・あたしも布団の中入る」

「お、蘭ちゃん大胆!」

「ちょ、蘭!?これ以上は本当に温くなって死ぬ!」

「お兄ちゃんはあたしが布団に入るの嫌なの?小っちゃい時はあんなに・・・」

「ほうほう。モカちゃんの予想通り、二人はただならぬ関係!?」

「いつからそんな予想立ててたんだよ!俺と蘭は年の違う普通の幼馴染・・・」

 

 

モカは俺と蘭が幼馴染と言う事を知っている筈だが・・・、良い意味でも悪い意味でもノリがいい。

怪しい笑みを浮かべているモカに弁明していると、蘭がポツリと一言。

 

 

「“普通”の?」

 

 

え、ちょっと待って。

何その、私達はただならぬ関係ですってことを肯定してる発言。

・・・・・ひょっとすると、蘭は大事な人との関係だから特別だ、ということを言いたいのか?

 

 

そう考えているといつの間にか蘭の目にはジワっと涙が浮かんでいた。

 

 

「あ、先輩が蘭泣かした~」

「いや、誤解だってば!」

 

 

笑みを浮かべてるモカを横目に、蘭と片手で繋いでいる手にもう片方の手を合わせる。

 

 

「ごめん、蘭。でもわざわざ言わなくてもわかってるつもりだよ」

「あたしにはお兄ちゃんが大事なの。だからっ・・・」

 

 

そのまま蘭も布団の中に入る。

ひとつのベッドに三人。しかも男一人に対して女の子二人・・・。

 

 

「流石にスペースがないからさ、俺窓側に移動するよ」

 

 

上に乗っかったままのモカを何とか下ろして、自分の体を移動させようとしたら蘭とモカに体を掴まれる。

 

 

「逃がしませんよ、先輩~」

「あたしもモカみたいに堪能してないし」

 

 

これ以上は汗をかくの必死で、暑苦しいことこの上ないだろう。

 

 

「あたし、暑いとか気にしないから。あたしはお兄ちゃんと一緒ならいい」

「蘭、ここは共闘して一緒に先輩を堪能しよ~」

「うん」

 

 

どうやら俺に拒否権はないらしい。

笑顔を浮かべた二人が体を密着させたまま、少しずつ顔を近づけてくる。

この際逃げることもせず、俺はそのまま体を預けた。

 

 

結局、夕方まで二人にじっくりと堪能されたのである。

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